日記:2001年06月

最終更新:2001年11月14日 15:40



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安形氏にめいる
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06月30日
(土曜日)

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真っ二つ

  (7月上旬記:更新が遅れ気味だったのでめいるまで頂いてしまってます.Yちゃん at 研究室外,期待してくれるのは嬉しいんだけど,きつい催促はなしだよ…でも他人の心配よりも,早くアイツを安心させてやってね… と,私信モードが止まりません(笑))

  火曜日水曜日金曜日プレゼン三連発.しかも皆内容が全く違い,前もっての準備もしていない(皆当日の午前中にダッシュで整備した)という恐るべき週がやっと終わりました.とりあえず一つも落とすことなく通過.やれやれ.昨日のビールは上手かった. 

  ちなみに来週は木曜日に陸面勉強会発表,金曜日は日本地理学会秋季大会発表予稿集原稿提出しめきり.(後日記:実は再来週月曜日なんだけど,週末と月曜日がツブれる予定なので金曜日に設定していた.そうしたら週末も月曜日も結局研究室にいることになったため−というか家にも帰れなかった−,地理学会予稿集は月曜日に書いて,直接事務局の先生に出しに行きました.)

 [電子・コンピュータ] 昨晩は学芸大の若者と飲み語り,結局メンバーの一人の家にドヤドヤと乱入.ついでにもう一人のPCマニアと一緒に,その住人のプリンタが壊れたのを修理してしまいました.「プロ(?)が二人がかりだぞ,高いぞ〜」と脅かしました(笑).ちなみに原因は,化粧用のコットンが詰まっていて紙が送られなくなっていたのでした.皆さん気をつけましょう.

 [研究][電子・コンピュータ] 始発の中央線に乗って帰宅.すぐにADSL経由で(ああ,ブロードバンドも良し悪しです.家から仕事が出来てしまう)研究室のお仕事.

 [研究][電子・コンピュータ][地理] 最近レフリーコメントに対して答えを考えている論文.コメントの一つが,「某地域について,算定されている河川流量があまりに既存研究の値と違う.データは本当に平気か?」と,まあぶっちゃけて書くとそういう意味のものでありました.

  調べてみると,某地域の定義が人によって異なることが判明.論文中においては本当にドウデモイイジャンという部分なのですが,データの信頼性を疑われたら対抗しないといけない.というわけで,既存研究の一つに定義をあわせて再計算することになりました.

  一応は国の国境で分けている「地域」なのですが,かならずしも国境と地域の境が一致しないところもでてきて,国が真っ二つになってしまう例が出てきました.

  日本では…どうなんでしょうかね.福島県南部や山梨県東部(笹子峠より東)は関東にいれますか?

06月29日
(金曜日)

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学芸大自然地理ゼミで大演説

 [研究] 東京学芸大学(東京都小金井市)に自然地理ゼミあるいは自然史ゼミと呼ばれるゼミがあります(→WWW資料).これは小泉武栄先生が主催するゼミで,主に地表面(地形・地表構成物質および生物)の動態とその自然史を扱っています.

  そこでいきなり安形が何をしゃべったか?ずばり題名は「グローバル水文学の過去・現在・未来」,であります.そう,いきなり当研究室の宣伝なのです(笑).ただし宣伝だけではなくて,これは実は自然史にも大きく関わってくるということも充分強調したつもりです.

  ちなみに,当日使用したPowerPoint資料と,発表中に言及したURLはWWWで公開しました

  とにかく陸域生態系というのは分布が複雑でしかもそれを的確に把握するのが容易じゃない,というか本当に把握できたのかどうか確かめること自体一苦労.でもグローバル水文学の今後ためには,こういった複雑な分布を示し,ついでに安易なパラメタライゼイションをすべて撥ね付けるようなややこしいプロセスがテンコモリの「陸面」なる強敵に立ち向かわねばならいのです(と,ちょっと肩に力が入っている(笑)).

  どうでもいいことですが,安形が前回自然地理ゼミで発表したのは,全然違う内容で,1998年に神奈川県の玄倉川(くろくらがわ,丹沢南麓)で起きたキャンパー水難事故のネタでした(→当時の発表資料). 発表内容だけを見るといったいこいつは何者なんだと言われそうな分野のトビようですね(笑).

  ま,いずれにせよ,「何でも屋」万歳

 [文献] それはそうと,小泉先生,最近本を出されました.高山環境と地生態学の専門家なのですが,本のタイトルはなんと「登山の誕生:人はなぜ山に登るようになったのか」(中公新書).発刊記念パーティに出席することを伝えたら一冊タダでもらえました.

  お礼に,日本フリークライミング協会会報「FreeFan」に連載が続いている「いすとわーる・ど・えすからーど・じゃぽね」(日本におけるフリークライミングの誕生と紆余曲折と発展を克明に記している.山本和幸氏著)でも贈ろうかな?後者のマニアックさを先生が気に入ってくれればいいんですが.

06月28日
(木曜日)

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仕事中毒開始

 [研究][電子・コンピュータ] 昨年度の修士論文の一つは世界水資源アセスメント.大量のデータが執筆者(現在は社会人)の「形見」として残されました.データのごくごく一部を使って論文を書き,レフリーコメントが帰ってきたというのは先日書いたとおりです.

  さて,レフリーコメントに答えるためにすこしそのデータの山をほじくりかえしてみることになりました.こういうことなら安形がうってつけ(笑).しかし,ざっと見てみたらサイズが25GBもあって,コリャタイヘンダ・チョットハリキスギタカナ,と思ってしまいました(爆).

  グローバルマップ(緯度・経度・値の3点セットが全球0.5グリッド分ある)になっているデータはサムネール付の画像に落とし,PSファイルは圧縮の上公開し,プログラムやスクリプト,データの出典・データプロセス方法などなどをすべてWWW版で公開予定です.

  といっても現在はまだどこからもリンクを貼っていません.一つは,データの質(というか安形の行なったデータコンバート)についてまだ検証していませんし,それに元データのいくつかはタダで手に入るものではない(無料配布はたぶん認められていない)からです.

  というわけで,いつか来るであろう公開の日を請うご期待というところです.

06月27日
(水曜日)

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富士山への招待

 [研究] 研究室セミナーで発表.今回は富士山ネタでのプレゼンです.8月に東京で開かれる第五回国際地形学会議の紹介,その中でいくつかのfield tripが企画されていること,安形がそのうちの二つにかかわり,とくに「One-day trip to Fuji Volcano」に関しては安形が筆頭引率者となっていること,をまずB/Gとして述べました.

  そして富士山の紹介.副題を「Mountain of Fire, Mountain of Water」としたその内容は,かなり水文を意識したものとなっています.で,プレゼン資料は公開しています

  本番の巡検はすでに定員オーバー.他に定員オーバーのところはほとんどないので,Fujiのネームバリューの高さが知れます.

  巡検の「練習」に週一回行くので来たい方はどうぞと宣言したら,一緒に来たいという申し出が数件.安形自身一日ヒマな日というのはなかなかないんだけど,誰かな,安形と一緒にフィールドを歩ける犠牲者幸運な人々は…

 [水] 今度行くときは教室予算で買ってもらったECメータ(電気伝度計)を持っていくことにしよう,と心に決めております.

06月26日
(火曜日)

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目覚めの時来る?/なんと講義

  朝までYMOの「After Service」を聞きながら仕事.すっかりテクノな気分になって,車で出勤です(一分でも時間を節約するためです.直線距離で10kmちょいなのに電車でくると1時間かかる.謎)

  今日は生研内で講義を任されていました.当初本郷だとばかり思い込んでいたのですが,先週偶然場所が分かったのでした.危ない危ない.

  直前まで準備に追われた講義は,地質学初歩の初歩・tectonic zoneの紹介とその地域の河川の特徴・氷期間氷期サイクルと河川の応答という内容でした.強くメッセージとして伝えたかったのは「Natural Historyがその地域の自然のあり方を規定しており,それを的確につかむことが地域の自然の理解にとって重要である」ということ.実例をいくつか挙げながらの説明でした.

  (ここらでバンコクネタを書きたくなったので,詳しいことはまた後日. でも,東大が多摩川の扇状地面上だというのは半分口が滑ったか.正確には駒場のほうは,多摩川扇状地の激しい侵食をまぬかれてかろうじて扇状地中に一部だけ残った最終間氷期の海成段丘面の上らしい.まぁそれでも本郷が武蔵野面(扇状地)上であることは確かだし,駒場−というか淀橋台−だって周りを扇状地で完全に取り囲まれているわけだからいいとしよう.とにかく,東京の西半分は巨大な巨大な扇状地である,ということが分かると山の手や武蔵野を歩くのがより楽しくなる,かもしれない(?))

06月25日
(月曜日)

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世界で7位 / 世界は(楽しい)矛盾に満ちている

 [アウトドア][ひと] 今日本のクライミング界で最も注目を浴びているYちゃん14歳.今年度の国内クライミング大会を3連覇した(→3戦)彼女は,今年になって国際クライミング連盟の「ユースB」への出場資格を得ました(ユースBは14〜15歳のカテゴリ.これまでは実力が足りなかったのではなく年齢制限に引っかかっていたものです)

  で,オーストリアのImstというところで,世界ユース選手権が行われました.結果は7位でした.

  詳しくは公式記録をご覧になっていただくとして,この結果には「初登場で世界の7位とは素晴らしい」とも「ゲゲ,世界には彼女以上に登れる14歳がまだまだいるのか」と両方の感想を感じました.

  でも,今はYちゃんにお疲れ様と言いたいですね.初めての海外クライミング,お疲れ様でした.ちなみにお姉さんもかなりのクライマーですが現在高校受験勉強中のため公式競技はお休み中.こちらもぜひ悔いのないように道を邁進していただきたいものです.

 [電子・コンピュータ] 深夜仕事が一段落したとき,インプレスAkiba PC Hotlineの「アキバで見つけたヘンなもの」で楽しむ.なんと楽しいグッズが世の中にはあふれているのでしょう(実は3.5インチベイ内蔵用グラフィックイコライザーは持っていたりする.それもわざわざ3.5in→5in変換金具まで付けて,である.しかもそれを今は使っていないのにまだ麗々しく本体の一番上につけていたりする(笑)). ちょっとは人生が楽しく思えてきました(笑).

06月24日
(日曜日)

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買い物でGO!!

 [電子・コンピュータ] 珍しく新品で部品を買いました.グラフィックボードとHDD(40GB)です.

  中古漁りに秋葉原に行く時間的余裕がないのが原因です.しくしく.

  さて,グラフィックボードは,先日モニタを替えたときに垂直同期周波数が合わなかったために,これも年貢の納め時かと思ってイマ風のものを買ったのです.買ったのはGeForce2MX200(32MB RAM)搭載のV7100Magic(Pure).¥11,000くらい.

  PC自作派が今よりはるかに少数派,というか「≒超マニア」だったころは,ハコ入りのグラフィックカードなんて3万円では買えない贅沢品だったような気がしていましたが,昨今はずいぶん敷居が下がっているようですね.

  あと,HDDについてはMELCODBI-U40G7.なぜバルクを買わなかったのかというと,添付ソフトです.

  そうです,パーティション操作ソフトは持っているのですが,ドライブコピーユーティティは持っていないのです.その分をケチるために,デスクトップPC用としては生まれて初めてハコ入りHDDなどというものを買ったのです.これまではン千万円のワークステーションに秋葉原のアヤシイ店で買ってきたン万円のHDDをつなげるということもずいぶんやってきたのですがね…(学内ではやっていないけど)

  ただしHDD引っ越しなどという大仕事を行うのは,現在抱えているいろいろな仕事が終わってからになるでしょう.(後日注:結局7/17以降になった.結構苦労した…)

  何しろ今週は,火曜日に講義・水曜日にゼミ発表・金曜日に他大学で講演なのです.どれもそれなりの準備が必要なものばかりなのです.

  こういうときにPCが止まるのがマーフィの法則? まぁ今のところはそういうことは起こらないで済んでいます.天気は快晴ではないにせよ,世間は陽気な日曜日.私はひたすら仕事三昧です.

 [身体と健康] また身近に事故に遭った人が,それも二人でました.あと,お世話になっている人のご家族が交通事故で重傷.いったいどうなってるんでしょうか,最近の世の中.

 [食べる・飲む] その他にも(書かないけど)気分の良くないことが続きます. 気分転換に,いつもと違うブレンドでハーブティーを飲んでみようか…とやってみたら,これがとんでもない失敗作(レシピは書きませんよ(笑))で,全くの逆効果だったのでした.

06月23日
(土曜日)

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おお我らがGMT

 [電子・コンピュータ] GMTは,UNIX上のプログラム群の総称で(Windows+cygwin環境で使っている人もいる),地図やグラフをpostscriptの形で出力します.なかなかきれいな図ができるので結構重宝します.

  問題はそのpostscriptを出力するときです.とくにPowerpointにもってきたり,WWW上に載せたいという場合,*.gifや*.jpg,あるいは*.pngあたりに変換するのが一番障害が少ないでしょう.さて,それはどうすればよいか?

 [電子・コンピュータ] 昨年度の修論生の一人が残していった膨大なデータを現在WWWにまとめています(ゴメン,まだ研究室外には未公開).そこで多数の*.ps−軒並みGMTの産物−がありまして,それをGIF画像に変換しています.

  一番便利なconvertでは,どうしてもファイルサイズが大きくなるのを抑える方法が見つからなかったので,昔作ったPS→GIF変換スクリプトを引っ張り出して,ちょこまかと改造を加えました.

  そしてついでに,WWW上で公開してしまいました.PS→GIFの変換しか出来ないという代物ですが,現段階では,convert命令より一桁小さいサイズのgifが出来上がります.

06月22日
(金曜日)

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苦労してADSL

 [電子・コンピュータ] 電話番号変更という仕打ち?を受けながらもフレッツADSLに変更.まるで狙ったかのようにYahoo!がブロードバンドに殴り込みをかけているときです.一応見てないフリ聞いていないフリをしています(笑).

  もっとも,ちょっとしたトラブルがありました.ただしそれは自分の責任だったんですけど.

  当初切り替えは18日午後の予定でした.それが今日に延びました.それが間違いの元.今日「午後」だと思い込んでいたのですが,実は午前だったようなのです.

  午前中ずっと既存回線(ISDN)を使っていろいろネットワーク作業をしていました.あるとき,ネットワークが動かない.ISDNルータを見たら,回線異常を示していました.なんと,9時台に回線が変わっていたのでした.

  それからISDNルータを切り離し,NTTから届いたスプリッタとADSLモデムを設置.ためしに電話をかけてみたら,まだそこまでは工事が済んでないようでかかりませんでした.

  12時頃その電話が鳴りました.NTTの方からです.工事完了しましたとのこと.電話は正常に使えるようになりました.

  問題はネットです.プロバイダに,フレッツISDN解除+フレッツADSL申込をしなければなりません.この作業自体は瞬時に済むのですが,問題は,その申込をするためにはネットにつながねばならないのです.まさに「缶切りは缶の中」という状態です.

  ただし,プロバイダに通じなくともNTTのテスト用サイトには接続可能です.NTTから届いたPPPoEクライアントをインストール.完了あと,再起動して(注:Windowsの場合これは必須.再起動しないとコントロールパネルの内容が壊滅したままになるなどいくつかの不具合がでます),テスト用WWWサイトに接続.簡単に出来ました.速度を測ってみたら,おおよそ1.1Mbpsくらい.

  さて,プロバイダ側の設定.他所のネット接続環境から作業を行うこともちょっと考えましたが,ふと思いつきました.「アナログモデムでも接続できるよな?」

  BBSなどのキャラクタ通信用に現役で使用中だった14.4kbpsモデムを電話につなぎ替え(回線分岐をしていないのでこの瞬間電話は使えなくなるがしょうがない),そこからプロバイダのアナログAPにつないだら,なんと本当にInternet接続できました.そんなことは5年以上やっていないので,懐かしいものでした.そこでプロバイダのWWWサイトを経由してADSL設定.

  モデム接続を止め,フレッツ接続.これで成功.ただしネットワーク速度は400kbps程度.いろいろチューニングが必要なのでしょうけど,レジストリはまだそれほどいじってはいません(本気でやるにはいろいろな試行錯誤が必要)

 [身体と健康] お祝い?に,吉祥寺でチーズケーキを買っていこうとしたら,あれ,何か様子が違う?

  以前「カーサレモン」といっていたはずの店が「レモンドロップ」と改名していました. 焼きチーズケーキ1ピース¥400は高いけど,それだけの価値は今もあるかな… 帰ってから食べるのが楽しみです.ついでにお見舞い用にも少し購入.

  バンコクへの旅一日目書きました.ほんとに長いねぇ

06月21日
(木曜日)

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電化製品叩けば直る

 [電子・コンピュータ] GW前に一度完全に壊れ,その後なぜか復活した家のTVがまた壊れました.映像だけが全くでません.いよいよ本当にオシャカでしょうか.

  しかしながら,あきらめるのはまだ早い.10以上前のテレビです.もう本当に壊れたとしても悔しくありません.というわけで側面をバンバンと叩いてみました.

  本当に直りました

  あのねぇ,一体,キミは何者?(笑)

 [水][文献] 書籍購入.日本水環境学会の「日本の水環境・北海道編」(技報堂出版発行)と,PHP新書「水の環境史」です.

  実は後者は副題「京の名水はなぜ失われたか」につられて買ったものですが,内容は京都大阪の水環境が政治的経済的意図の影響を受けて変貌(率直に言うと,悪化)を余儀なくされてきた歴史を克明に描いているものでした.著者は環境工学の専門家です.異色といえば異色なのですが,文理双方の視点を自由に絡ませて「人間を取り巻く環境」の変遷について語るこのような思考法は,今後重要になるかもしれません.

 [電子・コンピュータ] デスクトップ環境を改築.本物のデスクトップです.それまでPC=NANAOのFlexScanT56S,WS=DELLの15インチモニタ,というモニタ2台体制でやっていたのを,ぷらっとホームのモニタ/マウス/キーボード切り替え機PShareを使ってモニタもキーボードもマウスも全部一つにまとめてしまいました.ちなみにモニタはEIZOの18.1型液晶モニタFelxScanL680です.

  簡単かと思ったのですがさにあらず.液晶モニタは垂直同期周波数をあまり高いところまで受け付けないのです(L680の場合は85Hz).PCもWSも信号がうまくハンドリングできず,画面がかなり見づらくなってしまいました.仕方がないのでPCのほうは色数を落とし(前世紀の遺物的ビデオカードを使っているからなぁ…(苦笑)),WSのほうはXの設定を変えるはめになりました.あー大変.

  もっと大変な作業は,机からおろした二台の巨大なモニタをどうしよう?ということです.こちらも頭が痛い.里子に出したいんですが…

06月20日
(水曜日)

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少しは機嫌が直ったかもしれない / 友の災難

 [身体と健康] 実家からの電話.家族ぐるみでお付き合いをしている人の入院・手術のネタです.10日前には,手術はなんとか済んだのですが予後がどうも…という状態だったのでした.

  ところが昨日今日あたり,必死になれば自力でなんとか歩けるというところまで回復したのだそうです.いやはやほっとしました.もともと足が悪かっただけに,寝たきりになる可能性もあったのです. 少しは安心安心. 足のお守りというと埼玉県の子の権現(ねのごんげん).またお守りを買いに行きましょう.

 [身体と健康] 高校の同級生からメールがあり,入院して全身麻酔手術を受けていたとのこと.また周囲に入院患者が…. 原因を聞くと,娘さんと「運動会の練習」をしていて転んで数箇所骨折をしたのだそうです.

  一体どんな豪快な娘さんだと思ったのですが,実は娘さんは小学校一年生」とのこと.結局のところ,自分で転んでしまったのだそうです.30代ともなると自分の思ったとおりに足が動かなくなっていることがある,と指摘を受けました.気をつけないと…

 [生活] 毎月二回,5日と20日は駅前の某スーパーの安売り日,正確に言うと,特定のカードで買い物をしたとき5%引きになる日です.当然それをねらって大きな買い物.

  近頃カネの出入りに厳しくなっているので,たまにこうして大きな買い物をするのは大イベントになります.以前はよく分からなかった,「買い物でストレス解消!」という人(主に女性)の気持ちが少しはわかるようになってきました.

 [生活] 知人(既婚女性)と包丁とぎの話で盛り上がる.コツは,「イヤなヤツの顔を思い出しながら研ぐ」のだそうです.「それってオレのこと?」「さぁどうかしらね」…怖い怖い(笑) まぁ僕でも構わないけど,せめてダンナの顔でないことを祈ります(笑…って笑いごとじゃないな)

06月19日
(火曜日)

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タブを打て / かつらむきは奥が深い

 [電子・コンピュータ] GMTメーリングリストに投稿された質問.「sed 's/ +/\t/g'で空白(列)がタブに変換されない」というもの.

  そもそも正規表現の「+」はegrep系の拡張だし,置換文字列で\tが使えるのは秀丸エディタの独自機能(これは便利)だと思っていたのですが,調べてみたら実はこれらを使える処理系はもう結構あるらしいことが分かりました.時代は動いているんですねぇ

  それはともかく,全てのsedでこれらが使えないのはまた事実なわけで,何か対応策を考えねばなりません.さて,結局分かったことは,「bashでもtcshでも,タブ自体を入力したければC-v TAB(Ctrl+vを押したあとにTab押下)でできる」ということでした.これは今まで全くしりませんでした.時代は動いている…じゃなくてこれは単なる私の不勉強(笑).

  というわけで,解決策はsed 's/  */{ここでC-v TAB入力}/g'でした(最初のスラッシュの後には空白二つ).なお,シェルがshならTABキーはタブとしてそのまま入力されますし,シェルスクリプト中でTABを打つことは何ら問題がありません.

 [生活] 包丁を握ってから長いのですが,いまだに皮をむくという作業が苦手です.ただ,今日は大根のかつらむきのコツを知って目から鱗がポロリという体験をしました.

  早い話が,大根をローラー回転させると同時に包丁を自分から見て前後にずらすのです(最初から大根を斜めに回転させるという手もあるが難しい).やってみるとあら簡単.それにしても今までなぜ気がつかなかったのでしょうか.包丁は当ててずらせばより切れるのは当然なのに… 結構盲点ってあるものですね.

  ただ,不思議なことがありました.うまい人がかつらむきをしている様子を見ていると,包丁も大根もそんな動きはしていないのです.もしかするとこのコツは素人向けのものだったのかもしれません(苦笑).ま,いいや.今日はちょっと得した気分(?)

06月18日
(月曜日)

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闘いの日々

  一昨日の段階で,手帳に書いてあった今日月曜日の予定は4本.しかし実際にはそのうち一つしかやらず,逆に昨日まで存在しなかった用事が増えて,そちらを先に行いました.

  午前中はキャンパスに行って某研究会に出没,すぐ家に帰ってNTT工事,その後研究室に…というもくろみは,午前中にもNTTの用事が入ったことでもろくも崩れ去りました.数日電話が使えなくなってもいいから研究会(於CCSR)に行こうかとも思ったのですが…

 [電子・コンピュータ] それはそれとして,近日中に自宅の電話番号が変わることとなりました.知らない人が現在の番号にかけると,おそらく「おかけになった電話番号は,移転のため変わりました」とかなんとかいうメッセージが流れるはずです(最長6ヶ月間).もしかしたら「安形は夜逃げでもしたのか」と思う人がいるかもしれません(笑).

  NTT側での調査もすこし時間がかかり,結局午後の一瞬で済むという目論見だったNTT関係ネタは午前中全部+午後1時間を費やすことになったのでした.しかし,連絡を待っている間は多少仕事ができたのでまぁまぁOKでしょう.

 [研究] さて,昨日新しくできた用事です.現在投稿中の論文(土木系では著者複数という例がごく普通で,この論文もそう.安形は3番目の著者)が査読から帰ってきていたのです.First authorの最初の話では「ケチョンケチョンに言われた」と聞いたのですが,実際そのコメントを今日はじめて読んでみると,それほどヒドいわけでもないと思いました.

  というか,自分の論文に対してはもっとケチョンケチョンに言われたことがある(笑)ので相対的にそう思うだけなのかもしれません.

  もちろんある種の査読者の常として,こちらが自信持って述べていることを微に入り細を穿ちつついて来ます.ギリギリのところで闘いを仕掛けてきます.

  メインの著者が集まってそのコメントと対応策を検討するミーティングが,私が研究室に着いた後行われました.何かこう,楽しかったですね,本来は深刻な集まりになりかねないのですが.何しろ,これは(どちらが「先に仕掛けた」ものなのかは別として)闘いのようなものなのです.たまにはこういう緊張感あふれるバトルがなくっちゃいけません (が,楽しさと引き換え?に,10日間でやらねばならない仕事が二つ増えました).

 [ひと] 人付き合いでもそうです.従順なだけの人も悪くはないけど,時にはきちんと悪口をいってくれる人のほうが,ごく身近にいてほしいもんですね.もっとも,悪口なら負けちゃいませんけどね(笑).

06月17日
(日曜日)

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外食

 [食べる・飲む] 国内,というか都内では久々に外食をしました.もちろん美味しかったけど,なんだかとても高いように感じました(笑).最近食費を100円単位でコントロールし始めているので,どうしても気になります.

  でもだからこそ,たまに外食をすると贅沢な気分になるというのも事実です.別にたいしたところで食べているわけじゃなく,安上がりな幸せというものですね.

  とにかく,幸せや望みというのは自分で動いて手に入れるものです(謎) 

  自分の世界を持ち,自分の意志で行動を律する人(選択権を過度に他人にゆだねない人),大好き,歓迎. Audrey Hepburnが演じた数々の女性も,それからバンコクに行く飛行機で見た映画の主人公もそんな感じ. もっとも,そういう人がいわゆる強さの持ち主かというと完全にそうだというわけじゃないあたりが人生面白いところ. 適度に甘えるというのも不可欠なんですよね. 強さと弱さの微妙なバランス.でも押すときには押さなくちゃ.

 [研究][電子・コンピュータ] なんだか主題がよくわからなくなってきたので(笑)話題を変更. GAME-Tデータセンタの手入れを続行中です.というかタイでもらってきたデータがなんだか可愛くて可愛くて今日も研究室に来てしまったのでした.

  ただ,当初「とにかく器になるものをつくらなくっちゃ」とばかり走り出してその勢いで突き進んでいる現状からちょいと目を離してみると,ユーザ側からの使いやすさという視点がどうしても欠けている感じがいたします.一段落したらそちら方面にも注目してみるつもりです.

  もともとコンテンツとデザインはある程度分けて書いているので(内容を*.htmlではないファイルに置き,オフラインでHTMLファイルを静的に生成している.デザインの変更はその変換プログラムを書き換える),デザイン変更やツリー構造の更新はかなり容易です.

 [電子・コンピュータ] 留守中にはメイルが100通程度しかたまらなかったのですが,留守番電話が結構大変な状況になっていました.大半は若い女性からのメッセージ.

  でも内容は心浮き立つようなものではなくて,先日工事予定日を6/18に決定したフレッツADSLの件での問い合わせでした.当初,電話番号は変える必要がないという話でしたが実は変更を余儀なくされるらしいのです.でも,「そのことで折り返し電話をください」と言われても出張中の身では…

  とりあえず明日朝イチでフリーダイヤルにかけますが,いったいどうなることやら.場合によってはInternet接続どころか電話もかからなくなったりして.

  誇り高き電電公社の末裔よ(おっと,以前も使ったせりふ),今度もちゃんと仕事をしてね…

 [電子・コンピュータ] 留守中の日記を書き始めようとしたら,たまっていた新聞の整理にハマってしまい(大統領が雨乞いをしたら少雨の続く韓国に本当に雨が降ってきたという記事が最高に面白かった),結局時間なし.また後日.

06月16日
(土曜日)

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さよなら,バンコク

  生まれて初めての快挙です.

  バンコク国際空港で,セキュリティチェックのゲートを,ブザーを鳴らさずに通り抜けたのです.これまでは打率十割百発百中で鳴って,係員さんに金属探知機で全身くまなく調べ上げられたものなのですが,今回は無音. さすがタイ,滞在中に煩悩がおちて解脱の境地にすこし近づいたのでしょうか(笑).

  機内はどうということはなく,タイ語のテキストを読んだり寝ていたりしたらいつのまにか成田.降りたところに緯度経度の表示がありました:「35'46.7'N 140'23.5'E」 緯度の数値の大きさに,帰国を実感したというのはやはりかなり重傷の地図中毒患者でしょうか(笑) ちなみにバンコクの緯度は北緯14度弱です.

 [研究] で,京成電車で安上がりに都心まで来て,そのまま研究室に直行.集めてきたデータをすべておいておきたかったからです.バンコク報告をGAME-Tメーリングリストに出し,ダッシュで井の頭線へ.なんとか間に合いました.

  結局帰国の日もいつもと似たような行動になってしまったのでした(笑).

06月15日
(金曜日)

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ノビタは有名/バンコクの秋葉原

  一昨日の約束どおり,今日もNRCTへ.NRCTで作る予定の科学データベースシステムについて,実行担当者の方が来てお互いに顔見世です.ちなみにここで,NRCT側からの出席者(リモセンが専門)も地理学専攻だったことが分かりました.地理屋世界でガンバル.

  タイではふつうファーストネームで呼びます.親しい間柄ではニックネーム(チュー・レイ).日本ではどう?という話になり,そこで安形のチュー・レイは何?というネタになりました.そこで向こうの人が悪戯っぽい目をしていったのは「ノビタ!」これには全員爆笑. もちろん丁重に辞退申し上げました(笑)が,ドラえもんも実に有名なのです. 

 [食べる・飲む] 仕事は午前中で終わり.そこらの食堂に皆で昼食に行きました.女性4人に囲まれての,路上の昼食. すぐそばで交通事故が起こるなどなかなか激しい昼休みでしたが,それとて日本の昼休みよりよほど時間がゆったり流れているような気がしました.

 [地理][地形・地質] NRCTのドライバーに送られてバンコク中心部へ.有名なエメラルドの仏像があるワットプラケーオそばに,国立博物館があります.そこが目的地.

  地図を見ながら車窓観察三昧.幸せ幸せです.地下鉄工事以外にもいろいろな工事をしているところに出会うのですが,掘り出された土が実に均質(大抵はシルト)であることが印象的です.ちなみにコンクリ骨材などに使う礫はすこし北のアユタヤから持ってくるとのことでした.

 [地理] 国立博物館にはいくつかの建物があり,ドライバーの方と「2時間」という約束で見たのでしたがとても見切れるものではありませんでした.敷地真中の建物が一番博物館らしい感じだったのですが,実は外周を取り囲む長い建物の内容のほうがずっと博物館的でした.しかし,両方を見てはじめてタイの歴史と地理と文化がわかると申すべきでしょう.

  仏像ファンなら喜びのあまり卒倒しそうなくらい多くの仏教美術が並んでいましたが,中には明らかに日本で作られたと思しき阿弥陀仏もありました.

  話の種に見ておきたいのは王様が乗る大きな山車(Chariotと表現していた).その豪華絢爛さと大きさには唸ります.ただ,ここは待ち合わせ時間直前に駆け込んだので2分しか見ていられませんでした.やれやれ.まぁこれが行き当たりばったり旅の面白さというものです(?)

 [電子・コンピュータ][経済・社会] 続いて中心ビジネス街近くのパンキットセンターに連れて行ってもらって,そこでドライバーの方とお別れ.ここは6階だて吹き抜けのビル一つがすべてPC関連の店という,バンコクの秋葉原とでも称すべき場所です.

  何か安いものがあったら買っていこうかと思ったのですが,ハードウェアは別に安くはありませんでした.たとえばPentiumIII 1GHzBOXが9000バーツ≒¥25,000.しかし,ソフトウェアは聞きしにまさるスゴすぎる状態でした.壁やテント外部を埋め尽くす違法コピーCD-ROM,CD-Rの数数.

  Adobeの全製品が入ったパックくらいでは別に驚きはしませんが,なぜかまだでていないはずのWindowsXPが売られている.やや,VisualStudio2000もあるぞ.しかし何よりも目を疑ったのは,安くてもン百万円レベルの製品Oracle8i.

  一体幾らでこれを売っているのでしょうか.値札もないような怪しい店.売っているにーちゃんの目つきまでもが,マニア心をこれ以上ないほどくすぐってくれる代物です.ジョークの分かる人に対するオミヤゲとしては最高のものばかりだったのですが,買うのはなんとか思いとどまりました.

 [ひと] 秋葉原とはちょっと違うところがあります.客層の男女比率です.ほぼ1:1なのです.秋葉原のPC関係ショップでは,某方面の店を除いては(笑)女性が次第に増えてきつつありますが,それでも1:1ではないでしょう.それに比べるとパンキットセンターは華やかな感じがします.また,少なくとも1,2Fはかなり若者を意識したデザインになっていて,男女問わず若者なら訪れたくなるような空間作りをしているのかなと思いました.

  あと,面白かったのは例のオレンジ色の袈裟を来たお坊さんが特に珍しくなかったということです.17inCRTの巨大な箱を二人の僧侶が抱えて歩いている姿というのは,なんだかとても不思議でした.

 [ひと][経済・社会] センターの前からタクシーに乗るとき,日本との違いを痛切に感じました.まず行列なんて作りません.乗り場に勝手に来て,車道に身を乗り出し,あるいは車道自体に飛び出て,適当にタクシーを止めてかってに乗り込むのです.ただし,お坊さんがきたら皆譲りました.一度だけ,南アジア系と思しき集団がお坊さんより先に乗り込もうとしましたが,タクシーのドライバーが激しく拒絶の身振りをし,お坊さんを先に乗せました.

  この場を支配する「ルール」がおおよそ分かったので,後ろを見てお坊さんがいないことを確認してから(笑),思い切り車道の目立つ場所に立ってタクシーを止めました.行き先を伝えるためにNRCTの人にタイ語で書いてもらったホテルの住所を見せると,若いにーちゃんのドライバーはまず,「150バーツ,OK?」を聞いてきました.屋根の上に「TAXI-METER」というサインのある,メータつきタクシーであるにもかかわらず…

  しかしこれは「こんにちは」という挨拶と同じくらい自然なことなのでしょう.目くじら立てることはありません.そしてもちろん,それに素直に従うこともありません.断るのが礼儀というものです(笑).メータを指差して「めーたー,めーたー」と主張すると案外素直に走り出しました.

  ダッシュボードに貼ってあったステッカーによると,ちなみにメータのレートはこんな感じです:0〜2km:35B,2〜12km:4.5B/km,12〜20km:5.0B/km,20km〜:5.5B/km.ただし渋滞にはまるなどで一定の速度以上で走れなかった場合は1.25B/分. 

 [食べる・飲む] 夕食は皆合流したホテルの隣にある,ハングルだらけの韓国料理店.私達以外の客は多分全部コリアン.メニューには壊滅的な日本語も載っていましたが,この程度ではまだまだVOWには遠い(笑).

  温厚なM先生,実は研究のことになると激しいことが分かります.その舌鋒が私にも向いてきたので成り行き上仕方なく(ということにしておく(笑))こちらも強く応戦. なんにせよ,仕事をすべて終えた開放感の中での夕食でした.

06月14日
(木曜日)

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チャオプラヤのほとりにて/タイで最も有名な日本人

  王立灌漑局(RID)に行きました.場所はバンコクの中心部やや西よりで,なんとあのチャオプラヤ川のほとりです.実は氾濫するとコワい場所でして1995年(タイの暦だと2538年)の洪水水位線が表示してありました.

  チャオプラヤは多分始めて見ます.10万km2以上の流域面積をもつにしては意外なほど狭い川幅でした.おおよそ300mくらいでしょうか… しかしまぁ,これまでは流量数値でしかなじみがなかった川も,こうやって「会い」にくるとまた別の親しみが湧いてくるというものです.これこそフィールドの面白さの一つ,とでも申しましょうか.

  仕事はデータ関係で,これまた面白いデータをどっさり担いで帰ってくることになりました. RIDの河川部門のエライ人の部屋(この部屋自体,チャオプラヤに一番近い部屋である)の壁には地形図がびっしり貼ってありました.面白がってみていたら,地図の話で盛り上がり,さらに実はその高官は地理学専攻だったことが判明.

  昼はRIDの食堂で,普通の食事.美味しかったです.小さなブースがたくさんあり,それぞれ別のものを作っているのですが,特にカーオパット(焼き飯)を作っているオネーサンの手つきが絶品でした.いつかあんなふうに見事な調理のウデを身に着けたいものです.

 [生活] 午後はヒマになったので全員でバンコク中心街にあるWorld Trade Centerへ.教授お薦めのJim Thompson(Thai silk-kingと呼ばれたデザイナー.実は今回の訪問で初めて知った(笑))の店でオミヤゲを物色したところちょっと高いかなと思ったので(といっても日本で買うより圧倒的に安いのだけど,なんだかタイ・レートが身に染み付いてしまった身にとっては充分高級品…(笑)),お向かいのNarayanaという物産品店街へ.ここの地下は特にアヤシイ店が多いと聞いたので楽しみに行ってみたら,確かにJ.T.よりはるかに安い.そして,本当にタイシルクかどうか分からないという代物も…

  当然ながら,面白がって家族用の「自称」タイシルクを買い集めました.ジョークの分かる家族を持っているとこういう時楽です(?).まぁでも父の日用に買ったシャツは本当にきれいな染色でした.シルクでなくても許してしまうかも.当然ながら,少々値切りました.タイに詳しい日本人の方によると,半額までは値切れるということでしたが,そこまでは粘りませんでした.いや,実は一回間違えて350Bのものを「150B(nung-roi ha-sip baht)にしてくれる?」なんて言ってしまったことがあります(本当は「250B(song-roi ha-sip baht)」という言うつもりだった).そうしたら店のオヤジさんは不機嫌そうな顔をして引っ込んでしまいました(苦笑).

 [地理] World Trade CenterにはISETANも入っています.その6階には,紀伊国屋書店までもが入っています.そこにあったタイの地図を全部買い込みました.しめて3000バーツ.某ヒミツの場所に隠してあった1000バーツ札を引っ張り出しての大買い物です.

 [生活] 午後は時たま当研究室で研究生活を送るタイの人に招待されて,Silom Villageというところで夕食.強烈な夕立が去った後に野外で豪華なディナーという最高の状況です.先方は,妹さんと二人.

  それにしても,タイの海産物および果物の豊かさには驚かされます.日本もかなりのものですが,足元にも及ばないかもしれません.次から次へとでてくる海老蟹魚…色とりどりで味もいろいろな果物(この旅ではライチ−タイ語でリンチー−の美味しさに目覚めました)

  妹さんは11月に日本に旅行に来るそうで,その話で盛り上がりました.ちなみに妹さんは(美しい肌という意味の名前の人)オイシイ・オイスターという名前の日本料理店がマイブームなのだそうです.オイシイとはタイ語でAroyの意味だと教えたら喜んでもらえました.

 [生活] 今日教えてもらったことで最も面白かったのは,タイで一番有名な日本人,コボリなる人物です.これは1960年代に書かれた小説「クーカム」(無理に訳すと「運命の相手」という意味になるらしい)に登場する,第二次世界大戦中の日本海軍大尉です. 小説中ではタイの女性と運命の恋に落ち,そして…となります(邦題「メナムの残照」.WWW検索で探してみてください.たくさん資料がみつかります.これは実話を元にしているという説もあるそうです).3度だか4度だか映画化されるほどの人気で,一時期日本人男性が皆「コボリ」と呼ばれたという逸話も残っています.

  これは面白いネタを聞きました.ぜひ次回訪問時にはどこかでジョークを使ってみましょう(笑).

06月13日
(水曜日)

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これまた高官/タイのリトルトーキョー

  今度はNational Research Council of Thailand(NRCT)を訪問.これはバンコク北部のカセサート大そばにあります(後で知ったのですが,森林局も近くにありました)

  これまた向こうの高官が勢ぞろい.そしてこれまた豪華な会議室です.日本側は三人とも男性でしたが,タイ側は5人中4人が女性(のこり一人の男性は実は別の組織の人です).実は昨日のTMDもそうだったのですが,タイでは女性が重要な部署で働いているのはごく普通なように思えました.

 [電子・コンピュータ] NRCTでも,GAME-T Web Siteの内容,および降水量&NVDIマップ(Dynamic HTMLフルアニメーション版)をデモしました.その際,Internet経由で日本につないでみたら,これが速い速い.ファイルを落としてくるとき,「初速」ですでに75KBytes/secを超えているのです.NRCTだけは特別な線を引いているとさっき聞いたのですが,どうやら本当のようでした(後日記:次の日にRIDでつないでみたら,GAME-Tのページが全部でるのに5分かかりました.多分これが多くの組織の現実なのでしょう)

  NRCTでは,GAME-Tを含めて各種科学プロジェクトを支援しています.その活動の一環として,科学データベースの整備をしたいということだったので安形が助力を求められているのでした.招待された昼ご飯(またビールを飲んだ)の後,その話を主にしていました.向こうにいる,コンピュータに詳しい人と,ちょっとヲタク話を交えて(笑)話が盛り上がりました.結局,金曜日に私が単身また来ることになりました.

 [食べる・飲む] 夜はそのNRCTにいる日本人の先生の招きで夕食,といってもホテルの日本料理店.日本人として特に違和感のないものがでてきました.さらに別の日本の方の案内でリトルトーキョーとでも言うべき歓楽街(タンニャだかタニャンだかというらしい)へ.

  まぁ,極めておとなしめなキャバクラ,という感じのところといえばいいでしょうか.ただし女性はあまり日本語がしゃべれず,大してコミュニケーションができるわけでもありません.

 [ひと] 入ってしばらくすると,隣に座る女の子を選ぶコーナーという時間があります.皆で行って,さてズラリと十数人並んだ女性を見たとき,思わず笑ってしまいそうになりました.そろいも揃って同じ体形同じ服同じ髪型のロングヘアお嬢様風なのです.日本人はこういう女性が好みだと思われているのでしょうか.もうちょっと元気そうな娘(こ)がいてもいいのに…と思いながらもまぁ今日は今日ということで一人チョイスしました.日本にいてもおかしくないような顔立ちの人でした.

  ところがその彼女,こちらが話をしているとき,あるいはしていないとき,疲れた顔やらあくびやらをする!プロではないですねぇ.でもその労働事情を聞いてちょっと同情してしまうこちらも,客としてまだまだアマチュアなのでしょう.

  カラオケでは(日本人客ばかりなので日本語カラオケ),元プロのボーカルという同行者にはマトモに勝負ができないのでいきなりクレイジーキャッツのメドレーで笑いをとって退散.

  ところが例の彼女の私評は「ちょっとマジメすぎるわね」だって(苦笑). まぁ無理に否定することもないなとおもって「うむ,それでフラレたこともあるよ」と話をあわせていたのですが(ウソでもないか…),彼女いわく「でもそういう人が好きっていう女の子はどこかにいるわ」.

  もっとも,これをお互いヘタクソな英語でやりとりをするのは大変でした.

 [ひと] ところで,タイの女性について某氏との間で話題になったこと:[1]特に若い人はそうですが,スリムです.[2]日本人好みの美人が,それもなんでもない道端とかそのへんの食堂のウェイトレスなんかにゴロゴロいる.[3]元来あまりグラマーは多くない.最後の件についていささかナマナマシク書いてしまうと,スリーサイズ(の一番上側の数値の小ささ)に悩む女性はタイに行って見ると自信が回復するかもしれません.あ,別にこれでいいんだ,これでも充分魅力的なんだと…

  でも逆にその「数値」が大きいことを望む男性諸氏はちょっとガッカリするかもしれませんね.まぁ物事には両面ある. ちなみに全体的に言うと,タイではどこでも見かける人は男女同数くらいでした(多分寺院では違うと思うのですが)

06月12日
(火曜日)

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国際会議場?/或る国際理解

 [研究] 今日はタイ気象局(TMD)に行きました.タイ側の人が用意してくれた運転手付車で,バンコクを縦横無尽に走る高速道路を通って中心部を南北に縦断し,BangNa(バンコク南東部)のTMDに着きました.16階立ての細長いビル.階数だけは日本の気象庁より上です. 

  バンコクの自動車の運転は,とても印象的です.日本の標準よりよほど危なっかしいかと思ったら別にそうでもない.でも何か不思議な感じがいたします. 割り込みが多いというのは予想していました.しかしその割り込みが実に整然と行われるのです.誰もが自分のわがままを通そうとし,そして誰もがそれに文句を言わない,という感じなのです.つまり皆が自分のわがままを言うが他人のわがままも聞くという感じなのです.それはとても面白いと思いました.

  あと一つ,これは日本では(少なくとも東京では)めったにないな,と思ったのは片側4車線の大幹線道路でも平気で歩いて渡る人がいて,センターライン(中央分離帯ではないですよ,念のため)や車線の境にそういう人が立っている横を車がビュンビュン走ってゆくのです. 京都の街でも,細い道ならそういう人は見かけましたが,いくらなんでもあんな危険な場所に立っている人はいなかった.

  大抵の車は,インテリアが凝っています.助手席の前(ダッシュボードの上)にはお坊さんの写真や王族の方の写真,小さな仏像があるのがなんともタイらしいところです.また,生花でつくった飾りも多く見られます.大きな交差点では,止まっている車の間を縫ってそういう飾りを売りに来る売り子が歩いています.

  さて,TMDに着いて通されたのがなんともリッパな部屋.テニスコートくらいの広さにまあるく机が並んでいます.各椅子の前にはマイク.ボタンを押すと自分の声が部屋中に流れるものです.なんと言いましょうか,そのまま国際学会も出来そうな,そんな立派な会議場なのです.日本の気象庁はこういう部屋を持っているかな?

 [電子・コンピュータ] そこでの話し合いは,安形担当分についてはTMDの方が見事な準備をしていてくれて,安形が長々と「3月にプーケットで申し上げたように,これこれこういうデータがあれば研究上極めて有用で云々」という話をしたら,たった一言,むこうの担当者Mさんが「それはもうここに揃っています」 あの大演説は何だったのでしょうか(苦笑) というわけで素晴らしいデータをごっそりいただいてきました(後日記:パケットライトのCD-Rだったので,その種の環境を整えていない私は読むのに苦労しましたが,なぜかLinuxではデフォルトで読めました)

 [研究][電子・コンピュータ] 昼食はTMDの方のオゴリ.いきなりビールを飲むかと聞いてきたのでもちろんと答えました.特製タイ語名刺とタイ語テキスト(小学校1年生の書き方練習帳.同僚のタイ人Pさんのプレゼント)はやはり大受け. 午後は,JICAプロジェクト(気象数値モデルに関する人材育成)に関係するものということで,TMDのコンピュータセンタを見学させていただきました.32CPUの某社のメインフレームが動いていました.案内は気象予報部局のエライ人でしたが,メインフレームと巨大ストレージ,それに十数台のWSが並ぶ電算機部屋にはたったひとり一人若い人がいました.明らかにコンピュータがデキそうな目をしていました.こういうのは国境を越えて分かり合えるものなのでしょうか(笑).

  TMD玄関には組織図,というか各部局のトップの方の写真が並んだ図が貼ってありました.今日会談した方が何人も写っており,中には副局長クラスの人もいて,我々が以下に重要な人々と出会ったのか思い知らされました.

 [地理][食べる・飲む] 夜はアジア工科大学(AIT)にいる日本人スタッフと夕食.タイの地理で盛り上がる.初めて,中学の頃「メナム川」と覚えさせられた川が実はチャオプラヤ川であることを知りました.また,バンコクからみてチャオプラヤ川の対岸(右岸側)をトンブリというのですが,トンブリはバンコク側より堤防が低く作られているという話もはじめて知りました.

06月11日
(月曜日)

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バンコク / 泣きたいけど泣けないのは不幸?

  初めての海外旅行のときは,経験者の「空港には2時間前に到着」というアドバイスに従って,というかさらに心配性を発揮して2.5時間以上前に空港についたものです(しかし,なぜかダブルブッキングで他の便にまわされました.ビジネスクラスにすわれたのだけど….初めての飛行機がビジネスクラスって,ちょっと贅沢?).それ今ではずいぶんずうずうしくなって,成田には出発1時間前の到着でした.

  日暮里から¥1920で成田空港にいける京成スカイライナー.その窓にもたれながらまぶしい朝日を浴びていました.不思議な高揚感と,何よりも生きている喜びを感じていました.単に徹夜明けでハイになっていただけかもしれませんが(笑). 何よりも,世界には私を必要としている人々がいるのです.

 [食べる・飲む] タイ航空641便でバンコクへ.いきなり空港で買ったキリンビールを飲み,昼食で出てくるセットのうち,茶そばをいきなり書き込んだ時点で,私は「日本人」をやめました.昼食の残りはタイ・テイストです.この瞬間半分くらいタイ人になったような気がします.

  でも着陸前に和菓子が出てきて一瞬日本人に戻ってしまいそうになるのですが,こちらは食べませんでした.今やタイの風に吹かれていたいのです.

 [ひと] 機内(搭乗時間5.5時間くらい)では何本かのTV番組と2本の映画をやっていました.二本目の映画「Sweet November」が印象的でした.正確にいうと,映画自体ではなくその主演女優です.Charlize Theronという人らしいのですが,映画に疎い安形にとっては初めて聞く名前です.

  仕事中毒の男性(Keanu Reeves)が町でとんでもないおてんば娘につかまり,部屋に引き込まれ…という唐突な出だしなのですが,なんといってもその娘が印象的.ムチャクチャな行動です.ただし何かウラがありそうな,時々ふと暗い表情を見せる女の子でもあります.何よりも印象的なのは,自分の意志で自分の生きたいように生きていることです.

  他人には涙を見せず,絶対に弱音もはかないが,実は相当苦しんでいて,そして実は甘える人を求めている,そんな人です.さて目の前にまさにそういう男性が現れた!さぁどうする…って,もちろん映画のことですから簡単にコトが進むわけがなくて(笑),彼女には他人と深い関係を築けない理由というものがあるのです.というかそれこそが彼女の一見ムチャクチャな行動の理由の一つ.

  小顔のショートカットの女の子と結局会社を解雇された売れっ子広告代理店マンの関係はどうなったか…それは口チャックします.映画としての筋はともかく,印象的な女優さんでした(ただ,各種資料でこの人の写真を探してみるとこの映画の時とはまるで顔が違うのが不思議.あの髪型が一番似合うと思うんだけどなぁ…ってかなり個人的意見(笑))

 [経済・社会] バンコク国際空港(ドン・ムアン空港)に降り立つと,むっとするような熱気.ただ,予想外に乾いている感じがします.もう雨季は始まっているんですけどね.

  ホテルはRatchadaphisek通りぞいにあるGrand Hotel Bangkok.あまりに一般的過ぎる名称なのでタクシーの運転手も困っているようでした.

  このホテル,本当は5700Bします.日本円で15,000円くらい.タイとしては相当高級な宿です.はっきり言って安形には似合いません(笑).ただ面白いことにHotelThai Netから予約すると半額くらいに安くなります.ナンなんでしょうか,この値段.やはり値切りは大事なのでしょうか(違うか(笑)). もっとも私達は,NRCTの好意で,やはり安く泊まっておりますが.

 [経済・社会] ホテルまでの道はかなり広いのですが,途中中央で工事をやっていました.なんだか,本郷三丁目の地下鉄工事と同じテイストを感じました.

  実は本当に地下鉄工事でした.

  日本の技術で,バンコクに地下鉄を掘っているのだそうです.

 [経済・社会] 20階の部屋から見下ろすバンコク郊外は,いつまでたっても交通量が減りませんでした.中心部の渋滞はいったいいかほどばかりかと懸念しました.地下鉄も必要だよナと納得したのは言うまでもありません.

06月10日
(日曜日)

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針広混交林

 [森と樹] 東大北海道演習林の見学です.22,000haつまり220km2以上ある森ですからとても全部は回ることはできませんが,主な森林施業上の「見どころ」を案内していただきました.

  まず国道からよく見える針広混交林.標高500mまでは針葉樹coniferとしてはAbiesPiceaが混じるという話でしたが確かにそうでした.ただし尾根近くに前者,斜面に後者が多いような印象を受けました.

  10年おきに材積の十数パーセントを切っているとは,言われても分からないようなごく「自然な」状態に一見見えます.

 [天気と季節] あいにくの雨なので,広大な展望が得られる樹海展望台には行かず,森の奥のほうへ.

 [水] 凝った魚道つきの砂防ダムを見た後,さらに林道をおくに進むと,道端に大きな湧き水がありました.溶結凝灰岩のクラックなど数箇所から湧き出した後,ナメ状のところを長さ幅とも数m広がって流れています.これは見事でした.地形図をみると上流側に小さな谷地形があり,そこで集水されたものが基盤のクラックを通って流れているのかもしれません.ことによると上流側では表流水の可能性があり,そうなるとキツネの影響もないとはいえないので生では口にしませんでした(心配のしすぎだとは思いますが)

  その湧き水は林長さんに聞いたら名前は特についていないということでした.「91林班の湧水」と仮名をつけ,名水大全北海道編に書くことを決意しました.

 [地形・地質] さて,林内の林道は全長900km以上,密度を平均すると40m/haの割合で通っているのだそうです.通常は10m/haくらいですからずいぶん多いです.ただし,一つ一つのエリアについては10年ごとに一回しか伐採が入りませんので,その時までほっといて直前にブル道を作るというタイプの林道もありますから,そこらじゅうを走れるわけでも,また破壊の爪跡が目立つというものでもありません.

  林道の法面は特に何も処置をしていません.聞くと,養生しなくても崩れることはなく,切ってから1年もたてばもう草が生えて落ち着いてくるのだそうです.内地だったら速攻で崩れてきそうな,ルーズなところが少なからずある溶結凝灰岩の地域としてはなんとも恵まれています.ちなみに年降水量は1200mm程度で,やはり少雨なのです.

 [経済・社会] たまたま最近斧が入ったところが近くにあるということで,丸太の山が林道のそばにあるところを見に行きました.長さ365cmや270cmに切りそろえた丸太の山がいくつかあり,等級によって分けられているとのことでした.これを売り出すのだそうです(ただし,立っている木を売り出して業者に切らせる立木販売というものが主流です).この丸太は,普通の材木用の材だと1m3(長さ365cmの場合,直径約60cmの材がちょうど1m3くらい)あたり12,000〜13,000円程度とのことでした.

  しかしその横に積んであったウダイカンバBetula Maximowiczianaの材.これが素晴らしい.そもそもウダイカンバの大径木なんてそうそう見られるものではありません.さらに値段を聞いてビックリ.化粧板によく使われるウダイカンバの丸太は,極めて良質のものにになるとン百万から,下手すると一千万円以上になるのだそうです.丸太の場合は木口と樹皮しか見えないわけですが,熟練の目利きが,木口をいろいろな方法で調べて一級品を見つけるのだそうです.ただし今日我々が目にしたもののなかにその千万円クラスがあったかどうかは神のみぞ知る,です.

 [森と樹] カンバ類Betula spp.の垂直分布は,標高が低いところはシラカバが優占,高いところはダケカンバが優占です.そのわずかな隙間をぬってウダイカンバが生えているわけで,結構貴重な木なのです. 垂直分布という点でもう一つ言うと,この丸太のあったあたりは標高500mを超えていて,このあたりになるとトドマツ(Abies)よりもエゾマツ(Picea)のほうが多くなります.

  さて,この伐採ですが,10年に一度,材積のおおよそ16%を切り出すという方針だそうです.すでに老いて弱っている個体で,近くに他の母樹があるもののみを切り出すというやり方で,演習林全体としては年間7万m3程度を切り出しています.ちなみにその売上は1億円程度だそうです.上述の単価と計算が合わないと思った方は鋭い.立木販売のほうはかなり安いのだそうです.

 [森と樹] 林道を縫って前山固定試験地へ.ここでは伐採を行っていません.森をそのままにして,生態系の調査を長期にわたって行っています.数万本の個体(目通り直径6cm以上のもの全部が対象)を全木調査しているのです.好きでなければできない仕事ですね.他人のことはいえませんが(笑).

  遊歩道(といっても知らなければ入り口も分からない)を歩くと,水の流れと何度も交わります.地すべり的な平坦地の上はかなりwetなところで,あと3歩くらいでシシ神の森かななどどもののけ姫を見ていないと分からないような(笑)ことを思いながら歩いていました.

 [森と樹] 伐採跡地にも連れて行っていただきました.伐採は主に冬に行われ(スノーモービルと,シールのついた山スキーが大活躍)ます.この冬の切り株・10年前の切り株・20年の切り株…が並んでいました.長い長い人間の営みと森の悠久の時間の双方を感じる不思議な光景でした.

  最後は北の国からで一躍有名になった麓郷へ.ここに森林資料館があります(平日は誰でも入れるらしいです).入り口に目通り4mを超えるだろう巨大なアカエゾマツが,地際から3mくらいまでの立木のままの姿でドンと展示してありました.これは登らねばならないと意味もなく(笑)思ったので,かなり難しいクライミングの後にやっとこさ這い登りました.

  資料館の展示は多少アカデミックですが,だれでも楽しめると思います.観光で寄ったときにはぜひ.ここで昼食.林長さんに皆が質問攻勢です.面白かったのは,演習林の方は演習林本部(東大弥生キャンパス)のことを「時計台」と呼んでいるということでした.

 [地形・地質] さて,帰りも同じレンタカー2台です.麓郷から布礼別を通って富良野盆地に下ります.途中布礼別近くで実に広大な風景が見えますが,地図無しで行っても簡単には見つからないと思います.富良野盆地は前述のように田圃が多いマッタイラなところですが,広さでは全く越後平野にはかないません.しかしそれでもなんだか広大に思えてしまう人がいるのは,「北海道=広大な大地」というすりこみが出来てしまっているのでしょうか.それとも,そう思わせる何かが実際にこの地にはあるのでしょうか.

 [食べる・飲む] あまり時間がなくてラーメン屋には行けなくて(入るには入ったけど20分待つといわれて退散した),残念がっている人が多数いました.

 [ひと] 車中で聞いた話で面白かったのはネット恋愛のこと.通常?の恋愛よりはるかに進行が速いのだそうです.理由は,最初からメイルでかなりお互いのことが分かっている(ような気になる)ので,あったときにはもう全然他人行儀でいる必要がないから,とのこと.

 [研究] タイに行く前に,スコタイ水田fluxデータをWWWで公開せにゃぁ…というわけで,羽田から研究室に直行.なんとかカッコだけはつけましたが,時間切れで終電にて帰宅.

  その後GAME-TデータをCD-Rに焼いたり,タイ語の名刺を作ったり,名水大全の表紙を入れ替えたり…とあれこれやっているうちに夜明け.結局寝ずじまい.ああ不健康.

06月09日
(土曜日)

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初夏の北海道へ / クリスマスには早いけど

 [森と樹][地形・地質] 旭川空港から国道237号を南下するレンタカー2台.東大北海道演習林(富良野演習林)にて行われる第二回文理融合ワークショップに向かうメンバが乗っています.

  富良野盆地は,特にその中心は非常に平坦で,田んぼばかりです.観光客が期待するような一面花畑という光景は,実は国道(盆地の真ん中を走る)沿いにはほとんど出てきません.盆地の特に東側,十勝火山方面から大量の火山噴出物がきている丘陵地帯にこそ,お目当てのナダラカ丘陵光景がひろがります.しかしレンタカーは国道をほぼ忠実にたどったため,美瑛近くのごくわずかな部分でのみ,花畑をみることとなったのでした.

  広大な水田地帯を抜けたところで,こじんまりとしたラーメン屋に入ると,そこは北の国からのロケ地の一つでした.店内にはたくさんのスチル写真が飾ってありました.しかしこのドラマを一度を見たこともない私にとってはよく知らない人ばかりでした(田中邦衛くらいですね,分かったのは).

 [文献][電子・コンピュータ] 座敷の片隅に1996年ごろの雑誌「ASCII」の背表紙が見えたのを私とIさん(東大生研K研)が見逃すはずがありません(笑).早速二人で盛り上がりました.多少古くからPC自作をやっていないと理解できないような単語を連発するこの二人を,こころなしか遠巻きに見ているほかのメンバー…(笑)

 [研究] 演習林の作業所(富良野線山部駅からすぐ)で行われたワークショップの内容ははしょります(それでも知りたい方は,O助教授の手記を参照してください←安形は手抜き〜)

  面白かったことが一つ.OHPを使用した発表中に私安形が口をはさもうとしたところ,突如爆音がしてOHPが吹っ飛びました.まるで私の質問を嫌がるかのように…(笑) 結局はOHPのランプがこなごなに砕け散っていました.自動車のヘッドライトではよくあるように,誰かがガラスを指で触って皮脂がついていたのでしょうか.

 [ひと][森と樹] ちなみにワークショップが始まる前には,林長さんが演習林PRビデオを放映してくれました.なんとあのどろ亀さんが「主演」していました.ちなみに私は本が好きなどろ亀さんを目指したいものです.それはさておき,どろ亀さんこと高橋教授の著した「森林施業論」という本を頂きました(正確には,会費にこの本の値段が含まれていた).エッセイなどは結構よんだけど,こういうまじめな著作をみるのは実は初めて.

 [森と樹] O助教授,宿舎の庭でcone(球果,まつぼっくりのこと)を集めています.アカマツとエゾマツPice jezoensisが主に落っこちていました.一部にドイツトウヒPicea abiesの球果もちらほら(鳩時計のオモリはこれをかたどったものだといわれています)Picea類は内地では,珍しいわけではないけど街ではそう多くはない. 何に使うのか聞いたらクリスマスの飾りにするそう.アカマツをメインにして,ドイツトウヒやエゾマツの球果をちりばめるならリースに似合いそうです. さらにいうとドイツトウヒはヨーロッパ的なクリスマスツリーの木ですね(モミの仲間じゃないんですけどね). ちなみにモミの木の球果ははっきり言ってナマモノなのでリースには絶対向きません.

 [研究][生活] 本来土日はあまりあけてくれないらしいのですが今日は特別.ただし,賄いさんはいません.というわけで仕出しのオードブルで夕食.酒も食も進みます.ところが実はまだ発表会は全部終わっておらず,飲みながら最後の一人の発表.皆口が滑らかになり横槍入れ放題.いやはや大変だった面白かったです.

  夜はもちろん遅くまで飲み会.ありゃ,いつのまにか皆就寝.安形も寝床を探したら空き布団が見つからず.どこかの部屋で適当に,と思ったのですが,間違って女性部屋を開けちまったらどうする?と気になり,いちいち部屋を探すのが面倒になって食堂(宴会会場)の椅子で寝ることにしました.ところが廊下を歩いていたら当の女性(当日は紅一点)と鉢合わせしてお互いビックリ.

06月08日
(金曜日)

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生研公開二日目/牛肉をどう使う?

  生研公開二日目です.昨日とは異なりちょっと時間があったので昼前からずっと説明に立っていました.昨年の生研公開二日目には気候システム研究センターに展示を見に行ったりしていたのですが,昨日は当然として今日も他の研究所を(どころか生研内のほかの研究室すらも)見にいけませんでした.

  ひたすら説明の時間です.しかし楽しかったです. もっとも,最後は足がスリコギのようになっていました.

 [生活][食べる・飲む] 急ぎの買い物があったのと家でもしっかり仕事があったので急いで帰りました.確か青椒肉絲のもととピーマンがあるはずなので,牛肉を買って帰りました.そうしたら,その青椒肉絲のもと(by 永谷園)は牛肉のいらないタイプ!明日から一週間以上家でメシを食わない(というか調理している時間がない)ことが明白な私にとってはキツイ事実です(笑).

  というわけで無理やりこの牛肉を片付けることにしました.肉じゃがといってもジャガイモはない.焼肉のたれがあったような気がするのでそれで漬け込んで焼いてみるか…と思ったのですが,どうせ焼くなら豚肉ちっくにしょうが焼きはどうだろう?と天の声が聞こえたのでそうしてみました.

  結論:これ,やっぱり豚肉のほうが似合いますね(爆)

  でも,まあ美味しく頂きました.

  美味しいといえば,こっそり買ってきていたアトリエ・ド・フロマージュのチーズケーキ.4ピースもあったのに2ピースしか食べられませんでした.残りは皆にメールしてあげてしまいました(夜は生研公開の打ち上げをやると聞いていたので). 一応「酔っ払いは食べないように」と釘をさしておいたので(笑),ちゃんと味の分かる人が召し上がってくれたのでしょう… 自分で食べられないのは残念だけど,そういう人に味わってもらったなら満足です.

 [水][電子・コンピュータ] 名水大全の表紙,月初更新の予定なのですが今月は大いに遅れて今日やっと更新しました.「北鎌倉の自噴井戸群」という,なんともマニアックな,しかし地元の人々が本気でその保全に取り組んでいるある意味で恵まれた水です. その表紙でも紹介していますが,1月2月に紹介したとおり,新しい上総掘り井戸を掘っています. 現在,手伝いの人々を募集中です(連絡先は名水大全表紙参照).

06月07日
(木曜日)

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生研公開

  生研公開というのは年に一度の研究所公開です(由来はよく知らないのですが,わが東京大学生産技術研究所はふつう「生研」と略されるのです.医学部の連中には「生検」,農学部の人には「生繭」と間違えられそう…(笑)).生産技術研究所だけではなくて,駒場リサーチキャンパスにあるRCASTCSISCCSRなどなどたくさんの研究所が一斉に一般公開されます(それぞれ何の略語なのかはリンクをたどってみてのお楽しみ…ちなみに東大内各種部局へのリンクにていろいろなセンターや研究所を一覧できます). 公開の期間は明日までの二日間. 短いけれど,年に一度の大イベントではあります.

 [研究][電子・コンピュータ] といっても研究所を挙げての大催しがそうたくさんあるのではなく,むしろ各研究室の創意工夫で研究紹介を行っています(研究室によっては「〇〇研には負けられない」というライバル意識があるところもあるかもしれない).説明員ももちろん研究室メンバーです.

  私は完徹の疲れにより…というのは言い訳で,まだ終わらせていなかった仕事があったので仕方なく自分のPCの前.それでも,昨日組んだ例のアニメーション画面(公開しています)について改良点を思いついたらバーっとコーディングしてFDで展示場所のPCに持ってゆくという荒業もやっていました.

  仕事に詰まると展示会場へ.生研公開は高校にもPRが回るので,高校生の集団がきていました.案内役を買って出ました(結局こういうのが好きなのです.「安形氏自己紹介・特徴編」参照).なぜか途中で研究者は変なヤツばかりという漫談になってしまい,妙なウケをとってしまったのでした.彼ら彼女らのうちから何人か生研にくるかなぁ…

 [身体と健康] 午後はお見舞いのハシゴ.皆元気そうで何よりでした.

  しかしそれでも,自由自在に動けるわが身をありがたいとも思ったものでした.

06月06日
(水曜日)

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かんたんアニメーション

 [研究][電子・コンピュータ] 気象や水文というのは時間軸に沿った変化と空間的変化を両方追いかける学問です.時間に沿ったほうの変化は折れ線グラフで追いかけることができます.また,空間的変化は地図で見ることができます.

  ではその両方を追いかけると?

  答えは簡単,地図の上でアニメーションさせればいいのです.

  というわけで,何らかの値についていろいろな時刻時点で地図を描き,それをパラパラめくるようにしてアニメーションを動かしてみると,おや,意外なことが分かったりするものです.特に,二つの量に関するマップを同じ画面に並べたりするともっといろいろなことが分かります.

  せっかくGAME-Tデータセンタなんて仕事をやっているので,東南アジアの月降水量マップのアニメーションでもやってみようかと試みました.もちろんこれは明日からの生研公開の出し物にもなります.

  そう思ったら同僚から,NDVI(植物がどれくらい光合成活動しているかを表す値.人工衛星データをヒトヒネリして作る)の月別マップがあるので使わない?という悪魔のささやきが.これに載らない手はありません.降水量とNDVIを両方並べたアニメーションを作ることになりました.

  結局徹夜しました.うぅむ,凝り性の虫を抑えられずに… それにしても集中の限りを尽くした濃い夜でした.

 [電子・コンピュータ] 図さえ揃っていればいろいろな方法でアニメーションができますが,今回とった方法は新しいWWWブラウザさえ持っていれば誰でも使えるDynamicHTMLです.

  現在はまだInternetExplorer5(または5.5または6β)でしか動きませんが,Netscape Navigator4.xでも6でも動かすように改造することは原理的に可能です(というか,実は昨日までNN4でも動いていました).

  この点を早急に改善する必要があるのですが,とりあえずリンクを置いておきます.IE5をお使いの方はどうぞ.ちなみにタイ国内月雨量マップは,マニアにしか分からないとは思いますが(笑)世界初公開に近い代物です(測定した機関からは公開の許可をえています)

06月05日
(火曜日)

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反応早くて結構結構

 [電子・コンピュータ] NTT(東日本)のフレッツADSLを申し込んだのが昨月末.そのときは「申し込みが殺到しているので連絡が遅くなる見込みです.」云々という返事が返ってきました.まあそれは承知の上なのでのんびり構えていましたが,なんともう返事が来て,それに工事(切り替え)の日まで決まってしまいました.急転直下,という感じでした.そういえばフレッツISDNを申し込んだときも結構レスポンスは早かったような気がします.

 [電子・コンピュータ] メモリ(SDRAM)の価格が暴落(→PC Watchによる秋葉原相場情報)

  これ幸いと,でもすこし思い切って,128MBと256MBのCDROM(PC133)を1枚ずつ買ってしまいました.これで仕事用マシンを512MB,家庭用マシンを256MBにしました. 特に家庭用マシンは,今までの苦労は何だったんだというほどレスポンスがよくなりました(やはり128MBでは不安がありますね). 仕事用マシンでも,ExcelとWordとPowerpointとVisual Stuioの窓をあわせて30個以上開くという安形本来?の使い方を心置きなくやりはじめました(以前タイ出張の間際になって窓を20個以上開いていたExcel−開いていたデータファイルの総量100MB以上−が固まってしまったことがあるが,今後はどうなるかな…ちなみに来週タイ出張)

 [電子・コンピュータ] コンピュータ話はまだまだ続く.Windows2000のService Pack2日本語版が公開されました.

  マイクロソフトのニュースリリースをみて,直接同社サイトからファイルを持ってきました.108MBにもなる大物です.

  さて,明後日とその次の日は研究所一般公開の日です.明日はちょっと準備.

06月04日
(月曜日)

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もうひとりオペ

 [身体と健康] 先日に引き続いて,またもう一人周囲に手術を受けた人がいます.

  無事に,といっていいのかどうか微妙ですが,とにかくなんとか終わりました.

  まったく,胸が痛む.

  あ,オレまで具合が悪くなってどーする.

  たぶん,最近のワタクシ,外見上はものすごい不機嫌(苦笑)

 [研究] 昨日とは別の意味で楽しい楽しい計画づくり.来年度以降の某予算計画です.

  帰りには留学生のCさんと,たまたま電車で一緒になりました.日本の自然の話で盛り上がりました.

  普段あまり話をする機会がない人とたまに会話するのは,本当にいい気分転換になりました.

06月03日
(日曜日)

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バサルトの世界へ

  ものすごい頭痛.昨日のみ過ぎたかと思ったのですが,喉も痛い.あ,ちょっと風邪. でもこういうときはフィールドに行って森を歩いてくると結構直ってしまうものです…と強引に(笑)理屈をつけて富士山山麓へ.

 [地形・地質] 日本の火山は安山岩andesiteという,Siが多くてあまりサラサラ流動しないタイプ(したがって爆発的な噴火をする)の熔岩を出すのが多くのですが,伊豆小笠原周辺には例外的に玄武岩basaltという流動性が高い,ハワイの火山とにたような熔岩を出す火山が分布します.そして富士山もその一つです.

  8月の国際地形学会議の富士山見学旅行案内者としての仕事,そろそろ準備が佳境に入ってきました.候補という候補はすべて巡って最適のルートを探し出す楽しい楽しい毎日です.ほら,旅行をするときは計画段階が一番楽しいとよく言われるじゃありませんか.

  ただし楽しい楽しいとばかり言ってもいられません.巡検案内を作らねばならないのです.富士山に対してなんの予備知識がない外国からの客人にその魅力と地球科学的に興味ある点を分かってもらうような内容にしなければなりません.「日本代表」としての責務,なかなか重大です.

 [森と樹] 久しぶりにみた青木が原樹海.やはり魅入られてしまいます.思わず首を吊りたくなる…じゃなくて(笑),長尾山熔岩流の噴出(9世紀)から1000年を経てまだ土壌らしい土壌が成立しておらず,それなのになぜか巨樹の薄暗い森となっている不思議さにはひきつけられるものがあります.

  数メートルの規模の凸凹が無数の太い木の根で覆われています.わずかの栄養分を求めてここまで熔岩のくぼみに入り込み太くなったものです.見事なものです.

  今日は快晴で,どこからでもよく富士山が見えました.知らずに立ち寄ったら絶好の展望ポイントだった,という場所も何箇所かありました.こうした秘密のポイントは,安形に貢物をした人にだけ教えてあげよう(笑).

 [地形・地質] 玄武岩質の新しい熔岩流の作る地形には興味深いものがあります.熔岩樹形・スパイラクルなど,日本はもちろん世界でもそれほど多くない地形をわんさか見て回る一日でした.

06月02日
(土曜日)

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怪奇ネコ屋敷

 [生活] 今日客として行った家は某夫婦二人だけの小さいマンション. 入ってみて,あちこちにネコの置物があるなぁと思いました(招き猫も含む).なんとスキャナの上にも鎮座している.恐れいりました.

  ところが,です.しばらくしてもう一度スキャナを見たら,あれ,置物,なんだかさっきと形が違う.

  実は置物と思ったのは全部生きている本物のネコでした.(招き猫は,残念ながら本物の置物(笑))

  で,ずいぶん多くの置物が…と思ったのは実はマチガイで,実際には経ったの3匹です.うち一匹は人間にたとえると70歳とかで,ほとんど動かず事実上「置物」ですが,妙に存在感があり,そして,他の若い(中年?)の二匹も堂々としていて,なんだかたった三匹だとは思えない強烈な存在感をアピールしているのでした.

 [食べる・飲む] ご夫婦のうち女性のほうは,実は顔に似合わずビール大好き人であることを発見,というか,向こうが,私のビール飲み姿を見て,「もしかして,あなたものすごい酒飲み?」と図星なことを聞いてきたのです(笑).

  肯定も否定もしなかったけど,結局,冷蔵庫のビールは全部飲み干したのは事実です(笑).今度は貢物を持ってゆかねばね…

 [研究] 家に帰ってからは明日の富士山フィールド調査の準備です.最近はフィールドに行く機会が少なくて,こういうときは遠足の前の小学生みたいな気がします(笑).

  とりあえず明日も単独.残念ですねぇ,安形の案内で野外を歩けるなんてめったにない機会なんですよ,皆さん.  …誰も信じてないな,というか残念だと思ってないナ,こら(笑)

06月01日
(金曜日)

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時には地形の話を

 [研究] 久しぶりに,東京学芸大学の自然地理ゼミに顔を出す.平山砂層を多摩川が直接削るところ(八高線鉄橋付近)あたりに見られる特異な地形「牛群」についてのレポをやっていました.

  久しぶりに地形の話を聞くというのは,非常にいいものでした.

  別に今の研究室でフィールドの話を出来ないわけではないですが,それでも,これだけdeepなフィールドの話・氷期間氷期の話・植生の話・土壌の話・土地利用の話・(なぜか)オフロードトライアルの話(笑)……を何の説明もなしにともに楽しめる雰囲気というのはなんとも格別です.

  まったく,見込みのありそうな後輩をすぐにでも送り込みたいような,そんなゼミです.このゼミと虫明・沖研のイイトコドリをすればかなり面白い研究室がまた一つできそうな気がします.

 [電子・コンピュータ] 昨年8月初めに研究室全体で見学にいった四国吉野川.そのレポート(私家版)は旅行直後から書き始めていましたが,ずっと中断していました.

  今日やっと「執筆活動」を再開させました.思い出し思い出し…という文章は,やはりパンチが効いていないような気もしますが,ご勘弁ご勘弁.

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安形氏にめいる
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