日記:2001年03月

最終更新:2002年12月2日 16:44



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安形氏にめいる
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03月31日
(土曜日)

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オレはガッカリした,で奮起した:希望がなければ自分でつかむ

  「20世紀の水文水資源学」,三日目です(三日間の会合の最終日でした).ええ,面白かったですよ.そのことは確かです. が,私の要求水準はあまりに高すぎるのでしょうか…絶望の余り口が聞けなくなったという体験もしました. 首謀者のK先生が最後にまとめたように「個人個人がそれぞれの”想い”を胸に抱いて未来に向かうキッカケ」こそがこの会の主目的であるとすれば,私にとってはまさに完璧にその目的は達成されたと言えるのでしょう.皮肉でもなんでもなく,意義深い大会でした.

 [研究] 午後のひと時,森にいました.それはある程度心を落ち着けたかったからなのです. 20世紀の水文水資源学で繰り広げられた講演や議論には,私を絶望の渕に追い込むようなものがあったのも確かなのです.もちろん中には感心したものもあります.が,それは全てではありません.

  ただ,落ち込んでいるだけなのも私の世代としては許されるものではありません.そう,希望はあります.私と同世代の面々,そしてGANGS(21世紀の水文・水資源を担う若手による研究会)の連中が今回の会である種の絶望感をともに抱いてくれれば,まだ希望はあるはずです. 誤解をされると良くないのでハッキリ書いておきますが,私は絶望とは別に希望をも別にもちました.まだまだ先人のやってきたことを活かす道はありそうだ,と… そう,私の後輩たちが同じ危機感を持ってくれれば,それから講師の方々の演説及びその質疑応答に対して深い深い憂慮の念を抱いてくれれば,まだ希望はあるのです.

  今日の会議では私はずいぶんおとなしかったものです.それは複数の人から不思議がられたもので,奇妙に思った人もいたようです(笑). 最初のセッション(2020年の水文水資源学)では多少戦略的に口をつぐんでいる状況もあったのですが,その後のセッションでは,ええ,口を開くと何を言い出すか分からない本質的な怒りと哀しみが身を貫いていたのでしょう.身体が,発言を止めました.

  2ヶ月ちょっと前にも書いたように,この「表」日記にはあまりネガティブなことは書かないのが私にとってのルールです.それに,会議の席で何も言わないであとでブチブチ愚痴をたれるというのは安形が最も嫌うタイプの行動です.ですから,この件に関するコメントはこれだけにしておきましょう. いつかopenな場で口にすることもあるでしょう.

  というわけで楽しい?話.K藤先生を始めて間近に見たのですが,感想は,「一見柔和な目つきだが,たまに一瞬とてもコワい目になる.こりゃ怒るときは相当激しそうだ」 いままで何人の人がカミナリを落とされてきたのかなぁ.

  それから,昼休みにH野先生と話をしたとき,「まぁあなたは型破りだから」と苦笑いとともにコメントされたことがありました(爆笑).

  何にせよ我々の世代は,将来への強烈なビジョンをもって行動しないとなかなか住みにくくなるのです.

03月30日
(金曜日)

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上野公園は桜の国

 [森と樹][文学と言語] この種の日記を続ける限り,毎年春には書きつづけるだろう俳句があります.今日なんかはこれにぴったりの日でした:
 
まさをなる空よりしだれざくらかな  (富安風生)

  東大本郷キャンパスそば,竜岡門から不忍池方面に下る途中にある講安寺に小ぶりならがすばらしい花をつけるシダレザクラがあります.今日は昼過ぎのにわか雨が過ぎた後に青空が見事に広がり,それを背景にして上記風生の句そのものの花を見ることができました.

  本郷キャンパス近くの弥生美術館,間の悪いことに今日までが展示換えで閉館.つい先日までの「鰭崎英朋と鏑木清方展」は見られなかったわけです. 高畠華宵先生関係で欲しい資料があったのですが…

 [森と樹] さて,いきなり上野公園です(リンクは上野観光連盟より).桜は確かに素晴らしい.道の両側から伸びた枝が桜花のトンネルをかたちづくっています.

  混雑は思ったほどではありませんでした.いい場所です.ただし,桜そのものはこの道の片側くらいの桜並木ならいくつか知っています.もっとも,そのいずれもが地元の人しか来ないような超マイナーというか穴場というか…という貴重な場所ですのでここには書きません.

  上野公園に来たわけは,東京国立博物館です.と思ったら,さすがに博物館は開いていたものの,ミュージアムショップが棚卸しのために閉店でした.資料は何一つ入手できませんでした.

  展示は,全部見ようと思っても数時間ではキツいです.適当にかいつまんで見ていました.かつて朝日新聞の「日本の国宝」を熟読していた(つもりの)私にとっては,どこか記憶の隅っこに残っている品々もありました.

  たとえば,秋草紋壷・銅鐸埴輪「挂甲の武人」(いずれも,教科書によく載っているアレである)・熊本江田船山古墳出土品(とくに古い古い漢字が刻んである銀象嵌銘大刀が有名.必見)・文祢麻呂墓出土品 ・伯耆一宮経塚出土品・金銀鍍宝相華文 透彫華籠・金銅蓮華文磬・銅板線刻蔵王権現像・金銅能作生塔・海磯鏡,そして多数の太刀類・慧文大師像・桐蒔絵手箱・漢書食貨志・群書治要…(あまりに多いのでいちいちメモをとるのをやめてしまった.なお,法隆寺宝物館は国宝重文のオンパレード.異様に暗いのでデートコースにもいいかも?).

  蔵王権現像については,所有者の西新井大師が非公開にしていると「日本の国宝」に書いてあったので,意外なところであえて吃驚です. また,手持ちのちょっと古い資料によると1997年2月時点で国宝を有していない都道府県が9個あり,群馬と熊本が含まれます.ところが上記国宝群のうち,江田船山古墳は熊本県(菊水町),挂甲の武人は群馬県(太田市)の出土なのです.

  国宝じゃないけれど,茶碗関係では志野茶碗銘振袖がありました.あと,個人蔵コレクションをやっていたのですが,そこで油滴天目や禾目天目を見ることが出来ました.さすがに曜変天目はなかったです(あたりまえ.世界に三つないし四つしかない.東京近辺では世田谷の岡本静嘉堂).

 [研究]20世紀の水文水資源学」二日目です.今日はコメンテータ役でした.時間が急に変わったのでちょっと言うべきことの配分を間違えました.夕方の懇親会でまた話す機会を(打ち合わせなしで)与えられたのですが,こういう場で何をしゃべっても細かいところは皆忘れられてしまうに決まっているので(笑),インパクトのある話だけしました.つまり「21世紀は何の世紀か?それは,オレたち世代の世紀だ

  科学なるものが20世紀に置き忘れてきたもの,それを今検証してみるのも面白いでしょう.そしてその克服を考える時期にあります(いや,科学全体として,それはもうとっくになっていました).長期ビジョンとして,ITがそれに貢献できることはとても大きいと思うのです.

  あとの二次会は数年ぶりに「白糸」で.京大のN北先生,T中さん,山梨のO石さん(←そのままやんけ(笑))なかなか話せるということが分かりました. 話せるというのは,つまり大議論になるということです.うん,面白い.もっと面白いのは,まさに地理学教室の学生のときにずっとやってきたような議論がここでも行われているということです. 世界は地理学者を待っている,の,かな?(それはこれからの安形の活動にもよるのでしょうが).

03月29日
(木曜日)

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修士学位授与式があったらしい

 [研究] 研究討論会「20世紀の水文水資源学:21世紀における発展の礎に 」(→主催者による案内ページ)に出ていました.例によって例のごとく質問連発でした(笑). しかし明日は,もしかしたら自分が質問される立場です.某研究グループのコメンテータなのです.実はついさっきOHPを作り終えたところです.

 [研究][ひと] 研究室に帰ってみれば,修士を卒業する二人がいました.うち一人(女性)がフォーマルさとかわいらしさを両立させた明るい空色の服を着ていたので,何か発表会でもあったのか(それにしては華やかだな)と思ったら,今日が学位授与式だったのでした. おめでとう,これからもよろしく.

  ところで,修士の学位記ってどこにしまったっけ?と思ったのですがもうすっかり忘れてしまいました. ちなみについ先日部屋をごそごそやっていたら,山積みの本の下から博士学位記が偶然久しぶりに発見されました(おいおい)

 [生活] 自宅用にガラスのティーポットを買ったことは先日書きましたが,今度は研究室用に陶器のマグカップを買いました.カモミールなどの飾りがついた白いもので,茶漉し(これも同種の陶器)がついていて便利です. 女性陣,それも複数名には結構人気でした. 「安形には似合っていない」とは…少なくとも口には出されませんでした.まぁ,彼らは本当にそう思っていないのだ,と私としては考えることにしておきましょう(笑). 

 [森と樹][天気と季節] せっかく桜が咲き,昨日東京で満開宣言(→Yahoo!トピックスからの記事を引用)と思ったら今日は昼から雨です.そういえば咲いた数日後には強風でした.花びらにとっては試練.世の中なかなかトラブルが多いものです.

  ま.しょうがない.せめて気分よく,お気に入りの傘(6年前のサンダルを履き¥1,000のバッグを持っている男が,なぜかこれだけCalvin Klein.色はイタリア代表のユニフォーム色)をさして歩くことにしましょう.

03月28日
(水曜日)

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地理学会二日目

 [研究] 水文のセッションに出たら,海老川や下総台地でのフィールド調査をやっている人を発見.さっそく連絡先を聞いたものです.

  昼休みには学会運営について会員の意見を聞く小ミーティング.参加自由なので当然安形も出席.でも徹夜明けはなかなか身体自体が動かず,結局質問無し.まぁほかにウルサい人はたくさんいたので盛り上がりました.

  午後には水環境の地理学研究グループ.秋の地理学会シンポジウムでは水環境の地理学が登場することが議論されていました.9月末に秋田です.行けるかな… たしかその月はGAMEだかGEWEXだかでパリに行っているはずなのですが.

  快晴の気持ちいい日でしたがさすがにちょっと眠い.千葉まで出た後はあえて総武線鈍行(黄色い電車)を選んで荻窪までよく寝て帰りました.

 [生活] コブシやハクモクレンが散り始めました.さびしいなぁ.

 [森と樹][文学と言語] もっとも,散る瞬間までも美しいといえば美しい.ちょっと普通の発想では出てこない,こんな俳句を思い出します:
 
はくれんの一弁とんで昼の月 (片山由美子)
 
はくれんとは白木蓮のことです.

03月27日
(火曜日)

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地理学会「解散」

 [研究] 日本地理学会です.場所は千葉県佐倉市の敬愛大学佐倉キャンパス,総武線物井駅から徒歩10分たらずです.

  今年は大事な議案を総会で議論します.社団法人化です.これまで実は,地理学会は任意団体だったのです(ですから学会の財産はすべて個人名義の銀行口座等に入っていたのだそうです).

  総会の場では法人化に当たっての役所との対応のノウハウが紹介され,法人が法人であるためには必ず必要な定款についてやや詳しい説明がありました.この定款の改正には「有権者」の2/3以上の賛成が必要だそうで,かなり重要なものです.定款の定例にある程度沿い,そして従来の日本地理学会会則との整合性も出来るだけとるようにして練り上げられたその定款,実はあまり長くありません.面白いことに,定款自体には地理学会の事業内容など一切かかれていません.「法人としての地理学会という団体がどの程度きちんと運営されているか」というあたりが,定款の内容として重要なのだそうです.その他は「細則」などに回してしまうのがセオリーなのだそうです.

  記念となる総会,もちろん私も参加しました.こういう場で質問しなかったらオレじゃないぜとばかり,お約束のアガタ質問も一回かましました.

  7つあった議案はすべて賛成多数により可決されました.そのコアは,「任意団体日本地理学会は解散する」「社団法人日本地理学会を設立する」ということです.学会の解散とは,それだけ聞くとなんだか物騒ですね.

 [ひと] 早く帰れれば研究室に戻ってパーティ出席というつもりだったのですが(実は研究室内から地理学会に来たのは私独り.パーティをこの日に「ぶつけ」られるに至っては,まだまだ私の役目である「地理学の宣伝」が足りんか…),結局かなり遅かったので後輩を誘って飲み会へ.

  結局徹夜.来月結婚する後輩には悪いことをしました.彼女怒ってなかったかな?>T君 ま,悪い先輩(笑)に悪いところでつかまったとか何とか言っておいてください.

03月26日
(月曜日)

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 [アウトドア] 昨日見事初優勝した小林ユカちゃんのお姉さんのマホちゃん,日本フリークライミング協会ユースチャンピオンシップ(今日あった)に出場してこれまた見事優勝したそうです.姉妹ともどもおめでとう!

03月25日
(日曜日)

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よくやったYちゃん!

 [アウトドア] 「東京アウトドアフェスティバル」がなぜか屋根の下で行われています(池袋・サンシャインシティ.その一環として,地下の吹き抜け,通称噴水広場で,フリークライミング日本チャンピオンシップツアー第一戦「NISSAN X-TRAIL CUPが昨日から行われています.

 [車][経済・社会] 噴水広場にはそのX-TRAILという車も展示されていました.自由に中に入ったりすることもできました.スポンサーは大事にしなきゃ,というわけで,すぐに買う気はないもののとても興味あるふりをして(実は実際興味があった.ジムニーのほかにもう一台車を持つなら,あるいはジムニーは完全にハードなオフロード専用にしてもう一台ややおとなしいアウトドア用車を買うならどんな車がいいだろう?),説明を聞き,質問をだしていました.

  でもちょっと残念だったのは,「杉並に住んでいるんだけど近くにNISSANのBlueStageありますか?」(X-TRAILはBlueStageで扱っているらしい)と聞いたら,スタッフが誰も答えられず,ディーラーのリスト資料もなかったことです.売る気あったのかな〜商機を逸しているヒマはないはずの会社ですが. もっとも,後で「いや〜予想外の反響でしたね」とスタッフの人が言っていたと人づてに聞いたので,向こうとしてもクライミング大会の集客力を過小評価していたのかもしれませんね(これに味をしめて,来年もスポンサーをやってくれればいいのですが). (後日記:家の近くにBlueStage井荻店があることがわかりました.環八沿いです)

 [アウトドア] さて,結果です.日本フリークライミング協会による結果表をご覧ください.そうです,あのユカちゃん,ついに無敵のベテラン勢を堂々の完登でやぶって優勝です!. おそるべき13歳.この娘はどこまで自分の限界を伸ばせるのでしょうか.今後の活躍から目が離せません.

  ちなみに優勝商品はバッグとカロリーメイト(大塚製薬もスポンサーだったのです).カロリーメイトはあまりに多すぎてユカちゃん家族全員でも持ち帰れず,周りに放出されました.安形もだいぶおこぼれを頂きました.役得役得?

 [ひと] なお,TVCMなどに出ているらしい小林由佳というタレントさんがいるそうですが,まったくの別人です.

 [森と樹] 池袋の西口を出て北に行ったところ,住宅やビルが立てこんでいる一角がなぜか森になって残っています.池袋の森というらしいです(豊島区池袋一丁目7-10.→豊島区役所による案内ページ).今日始めて知った場所だけど,ユリノキの大木などがあり,なかなかいい場所でした.近くに住んでいたら散歩コースに入れるでしょう. ちなみに豊島区にはもう一つ目白の森というところ(目白四丁目11-21)もあり,なんだか行ってみたい気分です(ちなみに,豊島区では区民の森条例なるものが作られている)

 [地理] ちなみにその近くの清掃工場の煙突はサンシャイン60より妙に目立ち,サンシャイン59.5とでも名づけたくなりました(笑).ターミナル駅のこんなそばに清掃工場というのは結構珍しいかもしれませんね.

03月24日
(土曜日)

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逃避が多いな

 [森と樹] 今日見つけた花情報:ハナズオウ,カイドウ,モクレン,レンギョウ.

 [食べる・飲む] 今日のハーブ:緑茶+ジャスミン, ルイボス+ペパーミント,カモミール+メリッサ

 [森と樹] カメラ故障のため,新宿御苑でハクモクレンの巨樹を撮る計画は頓挫. 憂さ晴らし?に荻窪駅近くで珍しくレストランへ.食料品の買い物もヤケ買い状態.でも気分はすっきりしました.ストレス解消は買い物という人がたまにいるけど,なんだか気持ちがわかったような気がしました.

03月23日
(金曜日)

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さくらの日 / ネットワーク新時代,になるのか?

 [森と樹][天気と季節] 生産研駒場キャンパスの前,というか東京大学駒場IIキャンパスの真中には小さなグランドがあり,周囲はソメイヨシノが植わっています.なかなか大きい木です.その木の一株の枝先にちらほらと花がついていました.横浜では開花宣言が出たというし,満開は近いのでしょう. ちなみに研究室の毎年恒例花見大会は4月7日.それまで千葉の桜は咲いていてくれればよいのですが.

  ついでに言うと,荻窪あたりでは満開の白木蓮が見られました.といってもすべての個体がそうだというわけではありません.新宿御苑のあの大木は現在どうなっているのでしょう.それから,コブシといえば五島美術館(東京都世田谷区)に大木があるのですが,それもどうなっているでしょう.

 [電子・コンピュータ] MirosoftがやっとこさHailStormを発表です(→MSによるプレスリリース(参考訳)).こういうものを聞いていると,LSMもGCMも社会系水文モデルも全部XML+SOAPで動かしたくなってくる今日この頃.

 [電子・コンピュータ] MSといえばもう一つ,MS版WWWサーバであるIISのセキュリティホールをついてWWW内容の改ざんを行なう悪戯が続発しているそうですが(→IPAが名指しで警告を出しているくらいだから相当なものだ.ちなみにMSも対策ページを用意したが,その内容が一部間違っていたという笑えない出来事もあった),実はApacheでもNetscape系でも被害が起こっている,という記事が日経コンピュータ誌に載っていました.

  そうですね,私がクラッカーだったら(まったく違いますよ,念のため←マジで疑う人いるからなぁ(笑)),だれもが「注目」しているIISにはあまり興味が湧かないでしょうね.

 [研究] 例によってGAME-Tデータセンタの話. データ要求がまたまた来ました.嬉しい悲鳴,いや本当に悲鳴. それから,データはいただいたけどまだプロセスしていない分について,とりあえず記載だけはしてしまいました(→).こういう風に,とりあえず「形」を作ってしまいそれによってmotivationを上げるのが安形の流儀です.

03月22日
(木曜日)

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家事ネタ連発

  最近研究ネタが少ないな(笑) 開き直って今日は最近の家事ネタを連発.

 [生活] その1:パスタを缶詰のミートソースであえ,茹で野菜を加える基本メニュー. これにごま油を少量加えると実はとてもウマイことに気がつきました. 思わぬ組み合わせであります.

  その21月末2月初頭にかけて問題となり,そしてずっと懸案事項だったズボンの裾上げ補修を完了.裾上げテープの使い方は,水にぬらして,補修部位に当て,中温のアイロンでギュッと押す(20秒くらい).これで一丁上がり!なんて簡単なんでしょう.

  ところが,今まで仮止めに使っていたダブルクリップはまだはずしていません.何か気に入ってしまったのです.ちなみに今までこれに気づいた人は4人.うち3人から「珍しくセンスのいい飾りをつけてるね」と言われました.もちろん,「珍しく」という点を思いっきり強調してでです(笑).

  その3:今日久しぶりに部屋の窓を開けたときに気づいたのですが,鍵が閉まっていませんでした.ここ1ヶ月は窓を開け閉めしていません,というか窓に触ってもいないのですから,少なくとも一ヶ月は窓は開けっ放しだったことになります.泥棒さんいらっしゃい状態であります.

  その4:臨時収入があって気が大きくなったか(笑),ハーブティー関係の衝動買い.ずっと欲しかったガラスのティーポットを手に入れました. お湯を注いだときその中で静かに静かに葉が開いてゆくのを見るのはやはりガラスならではの楽しみです.何と綺麗なのでしょう. いくつか今まで買ったことがない茶葉も買い,ネトルにジャスミンという不思議な組み合わせでブレンドを楽しみました(1杯目は見事に失敗(苦笑).ジャスミンを入れすぎたのでした.ほんの少しでOKだったのでした)

 [身体と健康] ハーブは気に入ったから飲んでいるだけです.別に効能なんて求めてはいませんし今まで全く知りませんでした.それでもちょっと興味を持ったので調べてみたところ,資料によっては妙に女性向の効能ばかり書いてある(明確に女性向としているページも珍しくない.例→ダンディライオンによる資料).男性差別だな,ぷんぷん.「生理痛を和らげる」とか「母乳の出を良くする」なんて言われてもねぇ. まぁ誰かに薦めるのなら話は別なんですけどね.

  しかし,「喉や鼻に作用し,花粉症にいい」という働きをもつものがあるらしく,それにはちょっと惹かれてしまいましたが,それでももちろん,美味しくなかったら私にとっては問題外です. というわけで今後とも,「ご利益」を求めて飲むのではなく,シンプルかつ純粋に,淹れる行為・味わう時間・香りと味etc.etc.,…を楽しむつもりです.

 [経済・社会] 上記の「女性向けばかり」云々はおそらくはマーケットの関係でそういう資料が多くなるのでしょうね.たとえば上記の女性向ハーブの効能なる内容のWWWページは,よく見たら男性にも関係ある「効能」がかなりの割合を占めています.しかし,それを「女性向」と敢えて書くのは,メインの購買層として女性を想定しているのでしょう. もし,男性向けハーブ市場が予想に反して巨大なものだったら,そこに大きなビジネスチャンスが生まれることになりますが…果たしてどうでしょう?

  (後日記:よく探してみると,男性向けハーブの記事も見つかりました.→uni.labのハーブのある生活中の資料.抜け毛・脱毛・育毛・脂性肌とは確かになかなか男性的(笑). ただ,この記事でも分かるように男性向けというものがニッチな市場であることがまだまだ通念であるようですね)

 [研究] 以上,現実逃避してしまいました(苦笑). 明日までの締め切り仕事,今日また増えて合計3件.たぶん徹夜になるでしょう.最後の一件は明日午後に一気でしょうね… ミント系のティーでrefreshしながらコツコツやります.

03月21日
(水曜日)

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コブシの花咲く

 [電子・コンピュータ] ちょっと不覚先月の日記ですが,26〜28日分の更新がWWWには反映されていませんでした.今は読めます.大変失礼しました.

 [森と樹][天気と季節] 春先はやはり花の話が多くなります…って自分で勝手に多くしているだけなのですが(笑). 京王井の頭線駒場東大前駅から東大生産研,つまり私のアジトに行くとき,生産研入口にシダレヤナギとコブシ(もしかしたらタムシバかもしれないが)が立っています.そのコブシが咲き始めました.夜桜ならぬ夜辛夷をしみじみと見上げてしまいました.

03月20日
(火曜日)

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花粉症カミングアウト!

 [身体と健康] 目は痒くて真っ赤,くしゃみは連発,鼻はグジュグジュ.ついに花粉症の仲間入りであります.昨年ごく軽い症状が出ていたので覚悟はしていましたが,こうも急激にくるとは思いませんでした.今年が,というか今日が,生まれて初めて本格的な花粉症の症状が出た記念日となったわけです.

  #みんな祝え〜 お祝いメイル募集中(ちょっとヤケ気味(笑)).

  ただちょっと意外なのは,確かにひどい症状ではあるけど仕事に支障がでない点.熱が出ていないからかもしれません.何かに集中していると上記の症状もあまり気にならないのでしょう.

  ただ一つだけ困った点は,目の赤さに他の人が驚くということですね. だれもが3歩後ずさりします(笑).

03月19日
(月曜日)

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スポンサーは大事にね

 [研究] GAME-Tデータセンタに,待ちに待ったデータが届きました.某所での観測データです. そう,たとえ内容がないミテクレだけのデータセンタ(笑)ではあったとしても,とにかくこのように「器」を作ってしまえばデータは「自力で」(?)集まりだすものなのです.

  もちろん私には,このデータを公開用に整備してWWWに乗っけるという大仕事が降りかかることになりました.よろしい,面白いじゃないですか,と腕まくり.

 [アウトドア] 用事があって東京・池袋のサンシャインシティに行きました.このサンシャインシティでは,来る3/24,25(土日)にフリークライミングの大会が行われます(これがその用事だったわけではないですが…). 半年程度をかけて日本を代表するクライマー達が全国を転戦する「ジャパンツアー」というシリーズの2001年度第一ラウンドです. あの天才少女ユカちゃんも登場して,ツアー初優勝を狙います(彼女は昨年度は中学校1年生で年間総合2位となり,これはこれ自体偉業に近いのですが,実は各ラウンドの優勝が一度もなかった). 

  もうひとつ書くと,日本が世界に誇る天才クライマー(ワールドカップクライミングツアー2000年度総合チャンピオン)平山ユージもゲストとして来るらしいです.

  交通至便の地です. サンシャインシティ地下1階の通称「噴水広場」にお出かけになって,クライミングの楽しさを味わわれることを強く強く強くおすすめします. クライミング(の少なくとも一部)がいまや「危険な冒険」から「皆が楽しみ,時には真剣勝負を行なうスポーツ」に変貌しつつあり,往時に比べると未経験者に対してもかなり敷居が低くなっていることを実感できることでしょう. 

  なお,ついでに書くと,3/23(金)には同所にてクライミング体験会も行われます(確か参加自由).こちらも時間があればぜひどうぞ!

 [経済・社会] そうそう,大事なことを書かねばなりません.ジャパンツアーの各ラウンドは,たいていスポンサーがついて財政的なつながりを保ちます.今回のスポンサーはNISSANであります(もうすこし詳しく書くとX-TRAILというアウトドア仕様車を作っているディビジョンらしい.X-TRAIL.NET参照).ですから大会名は「NISSAN X-TRAIL CUP」となります. 大会会場にはX-TRAILが堂々と展示される模様です.優勝商品はその車…とはならないかな?(笑) 

  実はジャパンツアーの池袋大会,数年前にはトヨタ系のディーラーがスポンサーになっていました.無節操のように思われるかもしれないけど(苦笑),結構入れ替わりが激しくて大変なんですよこれが. しかし,どこの社が来てくれるにせよ,そこはある意味で日本のクライミングを育ててくれる大事なスポンサーであります.というわけでいきなりここで宣伝をしてしまいました.

  余談ですが,ジャパンツアー池袋大会は毎年行われるとは限らないのですが,行われたときには必ず歴史に残る名勝負の場となりました.もしかしたら皆さんもその目撃者となれるかもしれません.

03月18日
(日曜日)

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富士山麓水が湧く

 [水] 高校受験生以外には通用しないパロディ題名(笑).それはともかく,富士市比奈・滝川周辺に点在する数多くの泉を見に行く機会がありました.岳南鉄道の富士ヶ岡駅から歩き始め,11箇所の湧水をめぐるウォーキングコースが整備されているのです.

  富士市はこの周辺を「ロマンと泉の郷」として整備しており,その一環として,富士ヶ岡駅や原田駅にはこのコースの地図を入れるボックスがありました.ありましたが,地図は一枚も入っていませんでした.仕方なく,持参の25,000分の一地形図に駅前にあったコース案内看板の要点を写し取り,歩き始めました. (注:オンラインで地図を見ることはできます.たとえば岳南鉄道沿線案内の「岳南原田駅」案内からリンクをたどれます).

  地図なしですべての湧き水を探し当てるのは非常に難しいでしょう.というより,地図があっても相当の難物です.特に難しいのが「No.1」「No.8」あたりでしょうか.しかしこの両方ともが極めて印象的な湧水だったりするからなかなか意地悪です.逆に,探し当てたときの満足感もひとしおでしょう. もちろん地元の人に道を聞いてみて交流を深めるのも悪くはありません(でも礼を失しないように…必ずしも常に歓迎されているとは限らないのですから)

  長学寺の湧水・医王寺の湧水(湧水公園)・玉泉寺の湧水・妙善寺の湧水・滝川公会堂の湧水・鑑石園の湧水・いぼとり不動の滝・永明寺・原田の湧水(古文書にも名前がある)…と歩くと,ウォーキングコース案内地図に載っていなかった湧水も多数存在することがわかりました.多くは民家の敷地内にあります.台所の扉を開けるといきなり目の前に湧き水が湧いているのです.なんとも羨ましい生活であります.

 [地形・地質] 富士山の広大な裾野の一角にあるこの一帯は,火山噴出物による細かい地形が残っていて,そのうち谷状地形の「谷壁」にあたる斜面の基部から多くの水が湧いているようです.このように地域の「地形の構造」がリアルタイムで読み取れると,歩いていて楽しいものです.

  このような「一般化」が出来た場合は,ガイドブックに頼らずとも「それならこちらにもメアテのものがありそうだな」と自分で判断して歩くことができるようになります. 他人の情報が必ずしも真実をすべて物語っているのではない,言い換えれば,自分の五感で感じ自分のアタマで判断することが大事なのですが,そのベースとなるのは,自分なりの「自然のルールを見抜く」ことなのです.

  昼頃には富士山は見えませんでしたが,だんだん雲が上がってきて,午後遅くには剣ヶ峰がくっきりと姿を見せました.ここから見る剣ヶ峰は,予想外に尖った形をしています.「茫洋」「どっしり」というよりはむしろきりりとした印象の富士山です.

03月17日
(土曜日)

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地方新聞おそるべし

 [研究][天気と季節] GAME-Tに関する活動のなかに,ウィンドプロファイラという,専門家以外には聞きなれないキカイを使った観測があります(→CRL(通信総研)中にある案内サイト). なぜかこのウィンドプロファイラのことが静岡新聞に載っていました(今日は静岡に来ているのです). なんでやねん,と思って記事を見てみると,静岡地方気象台にこのウィンドプロファイラが設置運用されるという内容でした.

  ウィンドプロファイラ自体に関する簡単な説明もあります.実は私はこの記事ではじめて,ウィンドプロファイラとは何かということを知ったのでした(笑). なるほど,いちいちゾンデを上げなくても高層の風が分かるわけですね.こういう技術が,もう実験段階でなく実用段階にはいっているということは全く知りませんでした.

  その記事の横には,全国紙にはちょっと前に載ったのかもしれないけれど,気象庁の数値予報の「自信度」に関する記事がありました.これも同様に,内容は初めてこの記事を読んで知りました.モデル設定(初期値のことかな?)に観測誤差程度の摂動を与えて数十回シミュレーションを繰り返し,出てきた結果にどれほどのばらつきが出てくるかによってそのシミュレーション結果の確からしさを判定・公表するというものです.

 [天気と季節] 先月起こった大珍事,清水の降雪について詳しい話を聞く機会がありました.清水は北半分が山地(みかん畑が多い丘陵地),のこりが平地(小規模な扇状地とかなり低平な沖積地)と砂嘴(三保松原で有名な三保半島)で出来ています.面白いことに,先日の雪は山のほうでは全く降らず,平地と海ぞいにだけ降ったのだそうです. お祭り好きの私の家族に至っては,面白がってあちこち写真を撮りに行ったのだそうですが,そのうち,東名高速清水ICの芝生につもった1cmくらいの雪は,30分たたないうちに「一面真っ白」状態から「雪なんてどこにもない」状態へ,急速に消えてしまったのだそうです.

  陸面過程モデルでも,雪と氷の扱いは苦労します.変幻自在な雪の振る舞い,なかなか人間の小ざかしい知恵をあざ笑ってくれます.

03月16日
(金曜日)

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夏の富士山へ

 [研究] 8月に東京都文京区で第5回国際地形学会議という大きな大きな国際学会があります(→日本側受け入れ機構である日本地形学連合(JGU)による案内サイト).この学会では,フィールド系学問の国際学会らしく,開催期間前後および中日に「巡検」(excursion,見学旅行のこと)があります(→上記サイト中の案内).

  安形はすでにプレ巡検(開催前の期日に行なう巡検)の案内者となっています.場所は道北.ちょっと日本離れした風景のところで,あまり「日本を代表する」地形とは言いがたいですが,アカデミックな意味でも,そして観光という意味でも一見の価値がある場所です(言っておくけど,富良野なんてメじゃありませんぜ).

  ところが,「仕事」はそれだけにとどまらないのでした.中日の巡検(いずれも1-day trip)で富士山ツアーというものがあるのですが,その案内者を頼まれたのです.幸いにしてそれは発表前日ではないようなので引き受けることにしました. 本部からの要請は「ルート設定は任せるが,多少観光の要素も織り込んで欲しい」. 観光目的で富士山に行ったことなんてない私ですが,スタッフを数人「雇う」ことができるそうなので,詳しそうな人に人選を依頼しました. 

 [水] 安形がルート設定・案内となると水のことばかりになりそうな気もしますが(笑),まあ自重して「地形学者が楽しめる富士山ツアー」にしたいものです. それでももちろん,南麓なら柿田川・北麓なら忍野八海・西麓なら白糸滝湧水ははずせませんね.

 [生活] 簡単に出来て後片付けも楽.でも妙に美味しくて食べ始めるとやめられなくなる.そんな料理が常夜鍋.普通の鍋物よりはるかに材料が少ないシンプル版ですが,これがうまいうまい. 乾麺のうどんもサッとゆでて加えたのですが,それも含めて3人分は食べて同席者にあきれられました(本来は明朝のためにとっておく分だった(笑)).

03月15日
(木曜日)

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家事は不思議

 [地理] GAME-Tデータセンタ,ここ数週間はタイの仕事ばかりしていたので,気分転換?にカンボジアのデータを整理してみました.途中,地名がわからなくなって困ったことになりました. そこで,先日タイで買ってきた東南アジアの地図登場.150万分の一はなかなか使い易いサイズです.なるほど,「トンレサップ湖周辺のことか」ふむふむと久々の「地図読み」を楽しみました.

  某所には三省堂のマップハウスにで50万分の一が手に入るという情報もありました.ですから,いままでにも面倒がらずに神保町まで行けばよかったのですが,結局「旅先で買う地図」をなんだか気に入ってしまう性分なのです.

  初めての海外旅行(カナダ・アメリカ)ではあの「地球の歩き方」を4冊も持ってゆきました.重たい重たい.で,20日くらいの旅で使ったのは結局たったの1ページ.これに懲りて次の海外旅行(6年前,タイ)では1冊しか持っていかなかったら今度は結局全く使わずじまい.なにしろ現地で情報を入手すればそれで充分(地図の入手がとても大事). 地球の歩き方は,おそらくタイ以上に旅行のしにくい国に行くときのためにあるのでしょう.

 [生活] 安形個人用に食事を作るときはたいてい二人前です.が,今日はちょっと多めに作るはめになりました.なりましたが,二人用とそれ以上用とでは,材料や調味料の分量だけでなく何か本質的なところが変わってくるような気がいたします.結局,味噌汁は薄すぎ,卵焼きは甘すぎ,ほかにもいろいろと妙な「料理」が出来上がったのでした(笑). ご飯だけはうまく炊けたのですけどね. ちなみに前にも(昨年8月)書いたけど安形は鍋でしかご飯を炊いたことがないので,炊飯器の使い方をいまだに知らないのです. なんと文化的な生活(笑).

 [天気と季節] 今日も暖かい日でした.ただ,雪山用装備を「家内制手工業」で製作している知人に言わせると,今年の売れ行きは異常なほど良かったそうです.「どこの山でも雪多かったね.こういうことはまたあるかね?」と聞かれたので「さぁ,今年儲けた分はどこかにためておいたほうがいいんじゃないですか」と答えておきました. そう,「数年先」の予報というものはいまだに難しいものです(気象庁が今度頑張って始めるのがやっとこさ「3ヶ月先」の数値予報).

03月14日
(水曜日)

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天下のまわり物,ただし私のところには来ない

 [経済・社会] 確定申告の季節です.いや,申告期間はずっとまえに始まっていたのだけど,締め切りが3/15であってどうしてもこの1週間が「申告期間」のような気がしてしまうのです.

  確定申告が必要な人というのはいくつかのパターンがありますが,大多数の給料取りは必要ないことになっています.それでも必要なはしとしては「2000万円以上稼いでいる」「2ヶ所以上から給与をもらい,しかも年末調整を受けていない分が20万円以上」などが挙げられます. 私は2000万円以上稼いでいる…わけがなく(笑),昨年は3ヶ所から給与をもらい,一つも年末調整を受けていないので確定申告しました. 自らの果たした義務をはっきりさせるために,来年以降も自分で申告(年末調整に頼らない)を続けたいものです.

  杉並税務署は長蛇の人でした.やっと順番が回ってきたところで,係員の一言.「税務署が違います」 「はぁ?」なんて聞いてみると,実は「荻窪税務署」(ここが本来の管轄)≠「杉並税務署」なのです.よく考えたら,私が行った杉並税務署は阿佐ヶ谷にあるので「荻窪」税務署なわけがないのですが,そんなこと全く考えず,単に思い込みで行ってしまったのでした. いいかげんだなぁ,これで元会社人なんでしょうか(苦笑).

  本来の荻窪税務署は荻窪駅から徒歩10分たらず.私がいまだに通ったことがない道(荻窪駅周辺だけでもまだまだ多数!)をクネクネと抜けると意外なほど大きい建物がありました.そして,なんと驚くべきことに全く行列がない!ものの2分で提出手続き終了. つまりが,最初からここに来ればよかったわけです. 貴重な1時間を無駄にしました.時給で考えたらいくらの損?(←多少は会社人やっていましたからコスト意識というものを考えてしまう癖がついているのです).

 [食べる・飲む] 珍しく自分用ではなくて研究室用にケーキを買ってゆきました.めったにないことです(笑) それもよく考えたら結構高い.でも,たまには贅沢もいいものです.

 [天気と季節] 今日もよく晴れて,そして,昨日とはだいぶ違って実に暖かい日でした.寒さに強い(寒いのが嫌いではない)私でも,なんだか嬉しくなるような陽気です.

 [電子・コンピュータ] SCPのWindows用クライアントとして,WinSCPを入れてみました.SSH1対応のクライアントです(よく紹介されるSSH社のクライアントだとSSH2対応なのでちょっと使い分けが必要になる場合があります). WinSCP,そこそこちゃんと作っていますが,暗号化形式を指定できない点,ユーザインタフェースがまだ各種FTPクライアントにはかなわない(安形はSotaさんのFFFTPの常用者)がまだまだです.

  まぁでも,TTSSHでポートリダイレクションを行ってFTPのPASVモードでファイル転送するという手段が使えない場合は,ナマのftpでファイル転送することになるのが普通でしょうが,その場合暗号化がされないため結構セキュリティ面ではコワイことになります(TTSSH+Kermitという,なんともツウな手段を提供しているサーバもありますが).  もし,いずれはみなSCPに移行するならば,より洗練されたSCPクライアントが登場してくるのでしょう.期待したいと思います.

03月13日
(火曜日)

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再び六本木,再びシブツー

 [天気と季節] 晴れています.しかし北風直撃です.六本木に忘れ物をとりに行こうと思ったら,どうも時間が早すぎることに気づきました.早めに行って,六本木ならきっとあるに違いないしゃれた喫茶店にでも行こうかと思ったのですが,貧乏性の私がたかが数十分でそんなところを出てこられるわけがありません(笑). いきなりですが明治神宮散歩にねらいを変更.

 [水][森と樹] たった100年で作ってしまった割には美しい森です.烈風も森の中では心なしか弱まります.ちなみに中には湧き水がありますが,有料区画の中です.そもそもその部分の開門時間外だったので入れませんでした(ところが,柵の外から遠望することはできます←今回発見事項).長い参道に一つ橋がありまして,その下の流れが湧き水を集めて流れる小川です.

  強烈な短波放射と可視光を照り返す照葉樹のクチクラ層.心うきたつ風景ですね.「そういえば」と思いました.「ここ数年,森の美しさをともに"賞味"できる人に新たに会っていないな」.

  そういう人と一緒にこられれば良かったのかもしれませんが,今日に限っては,その人が寒さに強い人でなかったらダメだったでしょうね.空はこんなに青いのに,身を切るような寒さです.なんだかだまされているような気分(笑)です.

 [電子・コンピュータ] 六本木キャンパスでは,壁や天井に貼り付けられたプラスチックのケーブル収納パイプ(何と呼ぶのかは知らない)を人力で破壊できることを発見.これはイイヤというわけで,椅子に乗り,テーブルに乗り,本棚によじ登り,ロッカーの上に立ち,パイプを壊して中の10Base-Tケーブルをゲットしました. 破壊工作はやはり楽しいです(笑). ところでこのケーブルどうする?とふと我に返りましたが,将来SOHOでも始めたときに1円でもコスト削減する場合に役立つでしょう(もともと廃棄予定の品だからどこかの役所の室長みたいに責を問われることもないでしょう)

 [身体と健康] 再び渋谷の献血ルーム「シブツー」です. 詳しいことは書けませんが,要するに「特定の患者さん」のためにこの私の血液(と同じある種の性質をもつ血液)が必要ということで時たま名指しで赤十字から依頼がくるのです.たまたまヒマな身分だからいいけど,しかしそれにしても大変な自転車操業であることを感じさせます. もちろん,その患者さんがどこのどんな人でどんな病状なのかは知らされていませんし,無理に知ろうとも思いません. ええ,向こうとしても提供者がこんな人間だと分かったらイヤでしょうし(笑)…

 [食べる・飲む] 普通献血が終わるとタダでジュースが飲めますが,シブツーではアイスやドーナツも食べられます.ここのバニラアイスは結構うまい. もちろん,だから行っているわけじゃないけれど(笑)

03月12日
(月曜日)

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埃の向こうにお宝が見える / 港区ウォーキング

 [研究][生活] 六本木キャンパス時代の虫明・ヘーラト・沖研のことは私は知りません.今日は,虫明先生が六本木に残された最後の荷物を運送業者に託すために梱包・ラベル貼り・不要物の廃棄などを行なう日でした.六本木キャンパスやそこでの「くらし」自体に興味があったので行ってみました(あと,基本的にこういう肉体労働はすきなのです).

  めったに行かないところだからたまには六本木でメシでも食べるかと思ったら,あ,なぜか身体はキャンパスへ.結局あの面白い形をした建物を隅から隅まで歩いてしまいました.素面で来るのはこれが4回目?5回目?やっと身体がここの「地理」を分かり始めたのに,もうお別れなんですね.

  片付け開始です.私は主にゴミ当番.机から棚からロッカーから,実にいろいろなものが出てきます.おや,これは,教授の昔のフィールドノートではありませんか.これは大事.中を見てみたら実に読みやすい字でメモが書いてあります.自分でも後から見ると判読不能な私の野帳とはえらい違いですね(笑). これは保存決定.

  他にも出てくる出てくる.もちろん役得として大量の磁石・クリップ・クリアファイルなどの文房具をゲット. そしてこれはPublicに公開しましたがビール券をたくさん発掘. ああなつかしの計算尺もありました.

  D論ドラフト,大量の別刷り,昔のワークショップのプロシーディングが一箱.それから実に多いのが役所や公益法人からの封筒.中身は資料でギッチリ.私だったら怠けて開封すらしないと思われる(笑)ものばかりですが律儀に皆封が開けられています.送られてきたものを読まないわけにはいかない身分なのでしょう. もちろん,中にはアカデミックな意味でも面白いものがありました.

 [アウトドア][水][森と樹] 仕事を終えたらあとは帰るだけ…ではもったいないので少し歩くことにしました.晴れているのですがちょっと寒い日です(実はでがけには杉並では雪が降ってたし). …と思ったらジャンバーを引っ越し部屋に忘れたことに気づきました.もう鍵は閉まっています.明日取りに来ましょう. 「苦笑いって英語で何と言うんだろう?」「膝が笑うってどんな笑い方なんだろう?」などとワケの分からないことを考えながら(笑)ぶらぶら歩きます.

  青山墓地を縦断し,ルーマニア大使館・ギリシア大使館を経て麻布十番へ.やはり港区は起伏の多い地形です.段丘面がグサグサに小さな谷大きな谷で切られていて坂だらけなのです.そして崖の下や谷頭(谷の源頭)には…お約束どおり湧水があります,あるいはありました. さて,麻布十番の見所は二つ.そういった湧水の一つ柳の井戸,そしてすぐ近くにある善福寺の大イチョウです.

  山手線内に今なお残る湧水「柳の井戸」は,涸れずに残っていてほっとしました.が,やはりかつて見たときに比べると量は減っています.それでも,今日の寒い気温に比べると湧水のほうが暖かく,手先になんとも言えぬぬくもりを感じました.世界がこういうぬくもりに包まれるような日はいつか来るのでしょうか.

  大イチョウは島嶼を除く東京都で最も太い木とされています.幹の一部(枯死部)が黒焦げになっているのは東京大空襲(1945年5月25日)のときのものらしいのですが,本当かどうかは分かりません.いずれにせよ,目通り10m以上の体躯は,見る者を圧倒します.

  どうでもいいことですが,この寺にはなぜか越路吹雪の碑なるものがあります.

 [水][森と樹] この付近でまだ行っていなかった部分に行ってみました.本村小学校の方面です.相当複雑な地形ですが,段丘を刻む小さな谷の源頭付近がやや緑濃いように見えました.行ってみるといきなり釣堀がありました.麻布の釣堀!これがもしかしたら早川光氏が著書の中で触れていたものかもしれません.実は初対面.

  近くでは,二つ嬉しいものがありました.白木蓮と沈丁花,いずれも咲きかけてしました.すぐに春なのです.今日は寒いけど(後日記:翌日はもっと晴れたけどもっと寒かった). ハクモクレンといえばなんといっても新宿御苑(WNN-Gardenによる紹介記事).実はまだ満開の状態に出会ったことがありません.例年そのあたりが多忙なのです.ことしはどうなるでしょうか…

 [アウトドア] 久しぶりの「つかの間の休息」という感じの歩きでした(影の声:まだ休み足りないのか?). 六本木から白金高輪まで,ぶらぶらしながら約2時間.

03月11日
(日曜日)

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オヂサン,ガンバル

  囲碁のNHK杯,知らないうちに決勝であります.若手の台頭著しい囲碁界にあって,今回の決勝はなんと石田芳夫九段趙治勲九段の木谷一門対決. その前に四連覇を狙った依田名人をストップしたのが「中年の星」工藤九段だったりとオジサン世代の奮闘が光る大会でした(と,知ったような口を聞いているが実は今期は今日まで決勝の顔ぶれは全く知らなかった(笑)).

  結果はヨセの正確さでかつてコンピュータの異名を取った石田九段,というか本因坊秀芳が二目半(盤面八目)勝ち.趙九段(こちらも本因坊治勲の名をもつ)の激しい序盤中盤をふわりふわりとかわしていつのまにか細かい碁にした石田九段の渋さが光りました. (後日記:翌日,韓国からきている同僚のKさんが同国人の趙九段の敗戦を悔しがっていました.Kさん囲碁をやるとは知らなかったけど,イーチャンホという天才を擁する囲碁熱の盛んな国だから実はやってて当然なのかもしれません)

 [電子・コンピュータ] 2年ぶりかな,Excelのアドインを書いたのは.ロガー記録ファイルを読み込んで時間雨量などを吐き出すプログラムを書いていたのですが,書き出すのがマトリックス形式のフォーマットであること,時間・時刻などを効率的に扱うコーディングが必要であることなどを考慮してExcelアプリケーションとして作ることを決定.それもフリーソフトとして公開ということを前提としたためツブシがきく一般アドイン(COMアドインでない方)にしてみたのです.

  やり方は,実はそれほど難しくはありません.まずはMSのFAQに資料があります.また,「ツール」メニューにアドイン用のメニューを作ってしまう方法については…おや,以前はMSDNに入っていたと思うのだけど,今は消えてしまったようです(今度WWWに資料を作ろうかな).

  もっとも,本当にツブシがきく方法にしたければCで書くしかありませんが,実は本来のリクエストはFortran90.この場合,どこまで凝るか(たとえば時間計算用のModuleまで作りこんでしまうかどうか,など)思案のしどころです. まあアドイン版で結果だけは出したのであとはゆっくりやりましょう.

03月10日
(土曜日)

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あとは日常が待っている

 [研究] 某所からGAME-T関係のデータが届きました.また,逆に,リクエストがあったデータを送りました. 昨年ほとんど内容のないまま無理やり立ち上げたGAME-Tデータセンタですが,いつのまにかそれなりの体裁になってきたと同時に,データ自体もそこそこ集まるようになりました. 名水大全でもそうでしたが,やはりとりあえず器を作ってしまうのがこの種の「皆がある程度腰を据えて取り組む作業」にとっては重要なのでしょう.

  データセンタのユーザインタフェースは,まだまだ使い易いものとは言いがたいです. やはり時間に追われた安普請で,大いに不満があります. 今後改良を続けてゆきたいと思っています.

 [サッカー] Jリーグ開幕です.TVでFC東京東京ヴェルディ1969の試合を見ていました.調布市の東京スタジアム,なかなかの盛り上がり. 前住んでいた家からは自転車でいける距離です.うーむやはり調布市から引っ越すべきではなかったか?(笑)  アマラオにとっては今日はnot his dayという感じでしたが,呂比須が見事に決めました.

  横浜は神戸に敗れ,札幌がセレッソに勝ち,福岡がガンバに快勝.順当勝ちといえるのはジュビロくらい? もちろん,エスパルスが負けたことは(いつでも)大大大大番狂わせですよ,念のため(笑).

 [研究] 3/27は研究室のパーティ.4/7は研究室の花見会.ただ,両方ともいけない可能性が出てきました.何か忠誠心を疑われそうな状態であります(笑).

03月09日
(金曜日)

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空白の一日

  この日は私にとっては存在しなかったも同然の一日でした.高熱と頭痛と腹痛で一日寝ていました.

  今日はまだプーケットにいると思って,ゆっくり休みましょう. 明日は,きっといい日です. Jリーグも開幕するし(って理由になってないか(笑))

03月08日
(木曜日)

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さようなら,タイ / 雪の東京

  6時にロビーに下りると,一緒に帰る人がもういました.空港までのミニバスを待つ間,ちょっと外に出て,もしかしたら徹夜で遊んでいたのかもしれないタイの若者達の姿を見ていました.

  旅の終わりは,時として物寂しいものです.今回ここに来たのは自分の意志ではないし,たった5日(実質では3日)で帰るというのも僕のやりたかったことではない.だからこそ,今この瞬間には,どこかやり場のない怒りにも似た感情が湧き上がってきます. 思うに,私はエラくなりすぎたのでしょう.まぁ別に嘆くべきことじゃないですけどね. 

  結論:私はずいぶんと変わってしまいました.6年前の私は−いつか復活する可能性は皆無ではないが−今はどこにもいないのです.

  そんなことを想いながら,明け方の町をぼんやりと眺めていました.たぶん,とても不機嫌な顔をしていたはずです(笑). 押し黙ったまま,誰にも挨拶せずに車に乗り込みました.

 [地形・地質] 車窓からはずいぶんいろいろなものが観察できました.それで一気に機嫌がなおってしまいました(笑).地質的にはかなりソフトな海成(?)のシルト岩のようです(ホテルでセラミックをタダで配っていたのは,この辺が特産なのでしょうか.地質的にはうなづけることです).ゴムとパームの森というか畑というか…もいくつかありました. 一つ一つの光景がすべて意味を持って自分に迫ってくるこの瞬間が大好きです.そう,一日余裕があれば一人でレンタバイクを借りて周囲を走り回ればよかったです.ちょうど6年前にはいつもそうしていたように

 [天気と季節] バンコクまでも,バンコクからも窓際の席でした.ただ,あまり晴れていなくて,雲ばかり見ていました.一面のっぺりして見える雲もかなり凸凹があり,そしてそのパターンは必ずしもランダムではないことが分かりました.

  成田直前で聞いた天候.「気温五度」.さらに着陸直前に,道路が濡れていることが分かりました.もしかすると雪かな?と危惧したのですが,成田はそうではありませんでした.

  もちろん成田エクスプレス代をケチって(笑)総武線の快速で錦糸町まで.ここで外が強風と雪であることを知りました.行きには成田まで割と薄着で来ていたので,帰りも同じ服を着ましたが,これが失敗です.いくら私が寒さに強いとはいっても,少なくとももう2枚は着なければいけない気候でした.

  小雪の降る中,最寄駅から家まで自転車で全力疾走.小雪のはずでしたが帰ったら全身白くなっていました.

  まだ頭痛がします.風呂に入ってとっとと寝ました.

03月07日
(水曜日)

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最終日

 [研究] 今日は2時までがGAME-Tの会議,そして2:30からは同じ場所でGAME-AAN/radiationの会議です.AANは熱帯だけでなくGAMEの全範囲をカバーしている気象観測プロジェクトです.重要なのは,GAME-Tの観測とも一部ダブっていて,特にAANデータセンタと私とは極めて密接な関係があります.というわけでGAME-T会議終了後も居残ってGAME-AANに出席し,さらにAANの人たちと議論を深めたいと思っていました.

 [生活] が,午後にビーチに行く計画,それから夜にFantaSeaというところに行く計画があることを知らされました.ちょっと迷いましたが,午後はAANに出ると行って断りました.ちなみにこれを伝えに来た同僚はきょうもまた違う服を着ていて(しかも昨日はバンケットの途中で着替えてきていた),一体何着服をもってきたんだ?とマジに聞いてしまいました(笑).  が,5日の旅で3着−多分発表がなければ2着だったであろう−という私のほうが少なすぎるのかもしれません(爆).

  今日会合を持ったのはTMDのデータ管理責任者の方とです.「日本代表」としてTMDの人に会ったその会合で,1998年(GAME-Tにとって重要な年)のデータは一般公開可能,それ以外はGAME-T内には公開可能という言質を取ってきました. 

  TMDも含めて,熱帯アジアのデータは世界中の人々が欲しがっています. また,タイの人も国土の発展のために気象水文データが有効に使われることを望んでいる(特に王様は人工降雨に興味をお持ちだそうです)ということもいろいろな折に感じました. 私は,自分がもはや自分の想像を越えた重要なポジションにいることを実感したのでした. こっそりため息をつき,これはもうあまりバカな行動は出来ないな(笑),とも思ったものでした.

  しかし何はともあれ,一国の代表として他国の代表と会うということは私にとっては貴重な体験でありました.それだけでもここに来た甲斐があったというものです.

 [地理][地形・地質] 正直書きますと,個人的に求める旅の姿としてはあまり楽しめるものではありませんでした.私はやはり,想像外の自然や人文現象というものを求めて旅をしているのです.その意味で今までの海外旅行は,6年前のタイも含めて,皆満足できるものでした.しかし今回は,特に6年前の驚異的な体験に比べると,「どこにでもあるようなごく普通のビーチリゾート」に行ったということにすぎないものでした(もっと正直書いてしまうと,ビーチは大してきれいではなかった.私がこれまでに見てきたビーチに比べると…). やはり今回ここに来た意義は,ある程度の重責を持った人物として,各国の権威ある人に会い議論するという体験,そして,普段会う機会がほとんどないが研究上では密接な関係がある人々と深く激しく議論をするという経験が出来たことなのでしょう.

 [研究] GAME-AAN/Radiationの諸発表は,期待を裏切らない面白いものばかりでした.私も知らないようなアクティビティがタイ国内で行われていることを知りました.「どこで」「誰が」「何を」やっているかという表を作ってみたところ,それは当初の予想の倍に膨れ上がり,A4一枚では足りなくなってしまいました.

  これだけ多くの人がいろいろなことをやっている,そのことには強くimpressionを受けたものですが,しかし,逆に,それらがまだバラバラなものとしてのみ存在しているということをも強く実感したのでした. 私なら,そう,この私ならば,むしろその全体を俯瞰した視点を持てるでしょう…

  会議はずいぶん遅くまでかかり,ロビーに下りてきたのが19時.AANの人と一緒でしたが,GAME-T軍団はPさん以外いません(Pさんはいきなりメキシカンな格好をしていました.Pさんもずいぶん服を持ってきたようです). ちょうど外は大雨.局地的擾乱,というものでしょうか?(笑) しかたないのでAANの人とロビーの隅でずっと議論.チュラロンコーン大の橋爪先生と「インドチャイナについての構造地質学的考察」「イントラプレート,特に安定陸塊における地殻変動」というマニアックな話(笑)で盛り上がっていました.

  たしかFantaSeaとかいうところに行く集合時間は19:20と記憶していたけど誰もきません.どうやら間違いだったようで,もう皆行ってしまったのでしょう. というわけで,(実は半分以上こちらに行くつもりになっていた)AANの人々との夕食会へ(あとで聞いたら,やはり19:20が集合だったらしい.しかも来なかったのは私くらいなものだったとのこと.なんだか不思議です.H先生との議論に夢中になりすぎていたか?(苦笑))異種格闘技戦,結構面白かったです.超大物Y成先生の真向かいで飲みました.先生の名前の一文字が「哲」である理由も知りました. 

  クライマー仲間のA沼さんとも盛り上がれました.ちなみにA沼さんはさすがにクライミング道具は持ってこなかったらしいです(笑).

  夜は,ほとんど眠れませんでした.AANのレポートを読んでいたら激しくインスパイアされ,中には「これと同じことをGAME-Tでもやってみたいな」と思うものもありました. エアコンを切り,窓を開け,外の喧騒をぼんやりと聞いていました. ちょっと頭痛を感じる,長い夜でした.

03月06日
(火曜日)

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発表あれこれ

 [生活] 3着持ってきた服のうち3着目の登場です.今度は上下とも原色のケバケバ君.TシャツのほうはVisual C++ Developpers Conferenceの土産物という超レア物.NRCTから情報のプロが来て,タイ側におけるGAME-Tデータセンタミラーサーバについて議論をする予定と聞いたので,それならこのTシャツの意味がわかるだろうと思って着てきたものです.

  NIEDのN先生の発表(→内容)のとき,その服で質問に立ちました.あちこちで失笑の声が聞こえたような気がしたけどまあいいや.発表直前の同僚の緊張を和らげるのにも一役買ったでしょう.

  午前中に同僚の発表が一気に4本.PD,D1,M2,M1です.四人ともそれぞれ雰囲気に違いがあり,それが面白いものでした.自分がこういう場において「聞く側」でなく「発表する側」にいるということをどれだけ当然のこととして捉えているか,言い換えればいかに発表姿が「板について」いるかが人によってまったくことなり,もちろん学年が上のほど自然にその場にいるという雰囲気の発表でした.

  それにしてもうち一人は,ちょっと前にあった論文発表会ではまだ自分が発表する側に立っていることにたいして自分で不思議に思っている雰囲気があった(半年前はもっと地に足がついていなかった)のに,もう堂々としたものです. それに比べるとM1生のほうはまだまだでしたが,しかし彼も,これから著しい成長をみせ,一年後には同じように堂々たる発表が出来るようになるのでしょう.楽しみです.

  結局NRCTから情報の人が来るというのはガセネタでした.代わりにRIDのエラい人と昼食後会うことになったので,さすがに慌てて服を着替えてきました.今度は背広です.なにしろ3着(ハデハデ着・行動着・背広)しか持っていないのだから迷う必要は全然ありません(笑). さて,RIDの方との話し合いは実に実り多いものでした. そして,私の働きがタイ国の豊かな未来に(間接的にでも)つながるのだという自覚を新たにしました.

  午後は理学部時代の同僚K君と,そしてタイのPさんの発表.Pさんとは今朝発表練習をしました. 

 [電子・コンピュータ] プロジェクタの調子がおかしく,何回か出動するハメになりました.ノートPCの場合,外部にディスプレイ出力をするにはちょっと設定が必要です.それはハードウェア的に(普通は「Fn」キーと「F・5」などのファンクションキーを同時に押す)行う場合とソフトウェア的に行う場合とがあり,これは結構見分けが難しいのです.  また,どうやら出力される波がプロジェクタに合わなかった人がいたようです.とりあえず次の人に発表をやってもらって,そしてRIDと会議中だった私が呼ばれました.この場合はドライバごと取り替えて事なきを得ました.  その他に,電源周りが不安定でコンセントが抜けそうになっていたこともあります.私が触ったら火花がでました.怖いもの知らずのK君がフィンガーパワーで押し込んで直しました.

  どんなに準備をきちんとやっても,本番ではなにかしらトラブルが続出するものです.しかし次から次へと襲ってくるこのようなトラブルに対処するのは楽しいといえば楽しいことです.

  午前のセッションの最後にDiscussion.何がわかったのか,何がわかっていないのか,何が必要なのか…皆少しずつ考えが異なります. そして,私にとっては意外だったのが「水文学者と気象学者の連携の必要性」が大きく叫ばれたこと.私にとっては誰が気象で誰が水文だということはほとんどわからないしそもそもそういう区分けをしないのだけど,現実にはやはり二つのグループがあり,そしてそれらの間にはまだギャップがあるようです.

  午後のセッションを締めくくるdiscussionも,それはそれで実に面白いものでした.気象学者と水文学者の連携の必要性が午前に続いて強調されたと同時に,台風をどう扱うかについてスティミュラスな議論が行われました.

  夕食はPさんの案内で新鮮な海鮮料理のレストランへ.安形が辛いものを苦手だということは松本さん知らなかったようです.12年の付き合いなんですけどね. ホテルに帰ろうと思ったら同僚とばったり.また別の店で飲みました.そしてさらに,Kさんと遅くまでのみ,語り,僕の記憶では3:30,他の人の意見では5時または6時まで飲んでいました(何で違うのかは不明(笑)).

03月05日
(月曜日)

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背広の似合うイイ男

 [アウトドア] 朝,ホテルから歩いて十分くらいのビーチに行きました.水は期待したほど綺麗ではありませんでしたが,しかし砂の美しさはさすがでした.ちょっと赤茶けているところがまたなんとも熱帯的でした.貝殻を集め,お土産にしようと思いましたがこの日のうちにいろいろな人にあげてしまいました.

  ビーチは,はっきり行って他にいくらでも綺麗なところはありますKhao Sam Roy Yot国立公園のものが印象的でした.誰も泳いでいない美しい海!).ここは自然の美しさをめでるというより,典型的リゾートとナイトライフを楽しみに来るところなのでしょう.そこは残念でした.朝,ホテルのベランダから外を見た私は愕然としたものです.あれほど期待した石灰岩の岩壁はどこにも見えなかったのです. 実はザックの半分はクライミング道具(笑)だったのでしたが,それが完全にムダであったことを知ったのでした.

 [研究] さて,いきなりですが,発表です.皮切りはタイでは大物となっているO助教授で,そしてOさんからバトンを受けて私が「どんな観測が行われて」「どんなデータがあつまり」「どんな風に公開しているか」ということを発表しました.実はOさんとの発表内容擦り合わせは,発表直前に初めて行いまして,そのため,用意してきたOHPと同じくらいの数のOHPがいきなり加わることになりました.

  ええ,なかなかスリリングでしたよ.次に何のOHPが出てくるか自分でもわかっていない状態(笑).これは面白かったです.充分楽しみました.

  観測の写真のOHPを欲しいとOさんに頼んだら,出てきたのは写真4枚組のOHP.が,よくみたらそのうち3枚は某教授のチームと寺院が写っている観光写真.これはいいや.ウケ狙いで出そう.出したらやっぱりウケました.「こんな風にスコタイの水田で観測をしています.他の写真は…よく分かりません」とだけ言いました.もちろんそれだけでもウケましたが,「きっと何か気候の歴史記録でも探しているのでしょう」とか言っても良かったかもしれません. ただ,私は最近言いたいことを全部言わないで含みを残すという趣味に走っているのでこのくらいがちょうどよかったかもしれません.

 [生活] ちなみに,発表のコスチュームは思いっきりフォーマルな背広です.私のそういう姿は皆なじみがなかったらしく,「意外と似合うじゃん」と,「意外と」というところを妙に強調して異口同音に言われました.

  さて,私はここに何のためにきたか?一つは,GAME-Tデータセンタの宣伝のためです.そして,発表に使用したOHPのうち一枚は思いっきりそのページの紹介(もちろんURLつき)です.というわけで,名札にこのOHPをはさんで,首からぶら下げて一日中歩いていました.午後には,それでは飽き足りず,背中にも別のOHPをぶら下げてサンドイッチマン状態ですごしていました. …こういう場では目立つことを恐れてはいけません.

  今日は各国の大物,そしてインドチャイナ諸国からのゲスト発表でした.終わった後は,今度は日本側が皆を招待するバンケット.あまり食べられず残念.タイから当研究室に来ているCさんにタイ語をいろいろ教えてもらいました.あと,大事なのは私のチュー・レイ.タイの人は,たいていこのチュー・レイで呼び合います.いい名前を考えてもらいました.ただ,何回自分で発音しても,「ちょっと違う」と言われてしまいましたが…

  その後,Pさんに案内されてM先生・Y先生・BRRAAのWさんらと一緒にディスコへ.ほとんどが発表が終わった人ばかりで,ですから楽しい夜でした.

03月04日
(日曜日)

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6年ぶりのタイ

 [生活] とても海外旅行出発前夜とは思えないようなスケジュールでした.終電で帰り,夕飯食べて風呂に入るともう2時30分.それから,タイ語バージョンで名刺を作り,それと並行して名水大全のアップデートをし(今やらないと当分できない).気がつくともう4時.慌てて旅行の準備をしました.

  旅行の準備は全くしていませんでしたが,30分足らずで終了.旅慣れるとはこういうことを言うのでしょうか.以前は何時間もかけて準備をしていた覚えがあるのですが,今は,「〇〇は持っていかなくていいや.△△で代用しよう」というふうにどんどん荷物を減らしているのです. また,服も3着しか持ってゆきません(うち1着は着てゆくもの).

 [アウトドア] ただし,クライミング道具だけはしっかり持っていくのでした(笑).1995年にタイで極楽クライミングの日々を過ごした記憶(→その記録)がまだ新しく,そして,プーケットはその「人生最良の日々」を過ごしたPhra Naangという場所からそれほど離れていないところにあるのです.これはホテルから歩いて数分で美しい岩壁が…と期待したのも無理はありません.

  今度は始発電車で研究室へ(つまり全く無睡眠).TMDやRIDに提出する書類に大間違いを見つけたからです.なんとか直して,20部刷るともう7時.成田まで車で行くPさん(こちらも寝ていない)と同行.成田ではPさんのおかげでちょっと贅沢なラウンジで休憩できました(Pさんはタイの空港職員).で,あたりまえのようにもうビールを飲んでいます(笑).

  行きの便は,タイ航空(TG)641便.機内でもひたすらビール,そして睡眠.一人でチェックインしたので皆どこに席があるのか分かりませんでしたが,実は研究室のK助手とH君はすぐそばでした.

  ドンムアンを降りると,妙に油っこく暑い空気が待っていました.嗚呼,なんと懐かしい!6年前と同じ匂いです(ちなみに,安形は香りの記憶力が結構いいらしい).  サワディー,タイ! そして6年ぶりの「コビアカップ」(ビールください).Singha Beerの味も懐かしい.

  ちなみに空港では,つい先日テロだか何かで爆発事故が起こったタイ航空の飛行機の機体が置いてあり,ターミナルと機体の間のシャトルバスから丸見えとなっていました.

  空港から日本へ電話をしたのですが,向こうの声は聞こえてもこちらの声が聞こえていないようで,イタ電と思われて切られてしまいました.使えない…

  飛行機を乗り換えてプーケットへ.あまり乗り換え時間がなかったので,本屋に寄って地図を買う…という作戦はポシャりました.

  夜,プーケットへ.イミグレーションの職員の無愛想さは万国共通のものでしょうか.とりあえずすぐ済んだからいいとしましょう.皆はホテルのシャトルバスで行ったようですが,私はまたしてもPさんと一緒に,ご友人の車(ちなみにISUZU)で行きました.真っ暗だったので車窓観察が出来なかったのが残念.

  1時間足らずでPatong Beachへ.ここが今回の会場であるRoyal Paradise Hotelのある場所です.タイ側のオーガナイザであるNRCTの方々と初対面の挨拶(一部タイ語).会議期間中を通してホスピタリティあふれるもてなしを受けました.感謝にたえません.

 [食べる・飲む] NRCT側が皆を招待する晩餐会.ひたすら食って飲んでいました.飲み友達のM先生,相変わらずアジア諸国を飛び回って「ミスター・モンスーン」の名をほしいままにしているようです.紹介されたのがいつも元気なY先生.翌日の会議期間中もいろいろ魅せてくれました.

  さらに飲み足りないので(おいおい,睡眠不足じゃないのか?(笑)),別の飲み屋へ.0時まで飲んでいました.ということは日本時間で言うと2時までということですね.激しい一日でした.

03月03日
(土曜日)

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オレはもうヤキが回ったよ

 [電子・コンピュータ] 古くからPCを触っている人は,NECのPC98系とIBM PC/ATコンパチとでRS-232Cコネクタの形状が全く違うことはご存知でしょう.そしてまた,後者のプリンタコネクタが実はPC98のRS-232Cコネクタと同じ形であることも… PC98とPC/AT互換機の混在がごく普通であった時代には,そういうことは常識中の常識でした.

  が,現在私はそれを忘れていたようです.同僚にどうしても観測機材とPCを接続できないと相談されたとき,まず最初にその接続を調べることをせずボーレート・パリティ・データビット長さ…の設定を延々と試していたのでした. ご想像のとおり,25pinのシリアルケーブルをPC/ATのLPRポートにさしていたのです.これじゃ通信できるわけがありません.15分無駄にしました.ペコリ.

 [サッカー] エスパルス圧勝,です.ただ,見ている時間はありませんでした(涙).ビデオを撮るのも忘れていました(号泣). 終電で帰りました.

03月02日
(金曜日)

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データの海

 [研究][電子・コンピュータ] 3/4に出発して出席する,GAME-Tワークショップ,その裏でひそかに行われるデータ交換交渉のための準備に大わらわです.

  データの海,それが私の目の前にあります.恐ろしく深く恐ろしく未整備で,どこに何があるか自分の目で確かめないことには分かりません.様々な精度・さまざまデータフォーマット・様々な単位・様々な座標系・様々な時間間隔…それらの「個性」を十分活かしながらも単一あるいはそれに近いフォーマットに落とし込んでゆく,それが「データ同化」(の一種)です.今やっているのは,まさにその同化であります.

  私の作業が,いつか誰かに役立つのでしょう.もちろんその中の一人はわたしでありたいものですが,別にそうでなくても構いません.

03月01日
(木曜日)

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カオスの世界

 [数学パズル] カオスの本で必ず言及されるのがLorenzという人の論文.私が生まれるより前に書かれた,1963年のものです.

  発表されたのがJournal of Atmospheric Sciencesという気象物理関係の学術誌だったので世間全体に広く注目されたのではないですが,しかし後にカオス(というか非線形力学の本質)に目覚めた物理学者・数学者が「掘り出し」て,自分たちより数十年前に同じことに気づいていた人がいたということで大ショックを与えた,そういう論文です.

  ですが,その論文の内容の細部については今まで聞いたことがなかったので,CCSRの人に頼み込んでこのふるい文献をコピーしてもらい,今日の陸面過程勉強会(安形も顔を出しているプライベートゼミ)で発表しました.

  詳細は略しますが,非線形力学の,「複雑な結果は複雑なモデルから生じるとは限らない」「人間が解析できるためだけに式を簡略化することで,我々は自然の本質を見失ってきた」といった見方は研究者としては実によく噛み締めなければならない点です.

  発表は皆さん面白かったでしょうか?いささか趣味に走りすぎてしまった感もあります(笑). よく見たら寝ていた人もいたし(苦笑). 今読むと,数値積分の方法をいろいろ議論していたり(今だったら学部の教科書にのっているような内容),ちょっと感覚のズレを感じますがそれこそが歴史というもなのでしょう.

 [アウトドア] 知り合いの女の子(中学生,将来を嘱望される天才ロッククライマー)がテレビで大々的に報道されたそうです.が,残念,家に帰らなかったので見られませんでした.

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安形氏にめいる
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