日記:2001年10月

最終更新:2002年12月2日 16:44



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安形氏にめいる
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10月31日
(水曜日)

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  (詳しいことは後日.この日覚えたマレー語を書いておきましょう.ありがとう=Terima kasih, どういたしまして=Sama-sama, おはようございます=Selamat pagi, こんにちは=Selamat tenggahari,私の名前は安形です=Nama saya Agata, はじめまして=Selamat berjumpa これだけは覚えて,あとは地元の人と積極的に交流すると,向こうからどんどん言葉を教えてくれるものです.後日,現実にそうなりました.実はこんにちはには二つあって,太陽が高いときと午後遅くとで使い分けるといったことも後日教えてもらいました.なお,上記の音は大抵ローマ字読みで済むので日本人にとっては楽です.ただし「e」は「エ」というよりはむしろフランス語の「e」的です.ウともアとも聞こえます.数字もいくらかは覚えました.1,2,3=satu, dua, tigaですが,satuは「サトー」と聞こえます.「佐藤」さんが行ったら結構ウケるかもしれません. ちなみに現地で出会ったスタッフの一人は「ウミ」さんという女の子.「日本ではoceanの意味」と教えたら喜んでいました.)

10月30日
(火曜日)

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違いの分かる人に会う/出発前夜

 [研究] 最近こればっかりですが前言撤回です.14個目の学会入会を決めてしまいました.電子情報通信学会よりさらにディープにIT側にシフトしている,情報処理学会です.

  ただしこちらは入会はしばらく遅らせます.電子情報通信学会の会員ナンバーを持っていると,入会金がタダになるからというセコイ理由(笑)です.

 [ひと][食べる・飲む] 渋谷に行ったら寄るのが東急本店地下のガトーしらはまです.16cmのハーフ(ホールを1/2に切ったもの)を買って生産技術研究所へ.

  東急本店,一階の改装工事が終わってしまったのでいつもの汚い格好(笑)ではちょっと入りにくくなっていました.広い廊下・高い天井・カルティエとブルガリが待ち構える入り口…小走りに階段に向かいます.地下は普通のデパ地下なのですが.

  ケーキは喜連川研へのオミヤゲです.印鑑をもらう必要があったので事務室へ.そこでプレゼントしましたら,午後のお茶に誘われました…といっても飲み物は各自持参.安形氏ハーブティーを持っていきました.

  事務室の秘書さんとは初対面. 必然的に?水の話になりました.秘書さんの一人が信州出身で,地元で人気のある湧き水があると教えてくれました.名水大全ではたぶん把握していないものです.感謝感謝…と思ったら,あれ,具体的な場所を聞くのを忘れた(笑). もういちど事務室に行く用事ができました.

  ところでその秘書さんは結構瓶詰めの水のことは知っているようです.コントレクスを月一箱買っているとのこと. なんといっても驚いたのが,

「南アルプスの天然水」のほうが「六甲のおいしい水」よりすき.ふるさとの水の味により近いから

という発言.そうです.「六甲」の方は日本のミネラルウォーターにしては結構Caが多いのです(もちろん,だから大好きという人もいる)

  水に関して,違いの分かる人,ここにも存在確認. うれしぃ話ではありませんか.

  森の話ができる人,水の話が出来る人,STLの美しさ(もちろん欠点と限界も)を語れる人etc etc…が最近回りにいないのですよ.

 [研究] 他にも書類直しの必要あり.しかしもう時間がない.明日マレーシアに行く用事が全く出来ていないのです.研究室のミーティングも途中で抜けました. それでも大急ぎで買い物.ガイド(後日記:結局1行も使わなかった…)とマレー語入門書(こちらは大活躍)をゲット.

  家に帰って,徹夜で書類仕事.終わった後,将来に関わる重要な,あるいは仕事上必要不可欠な,あるいはどうしても出したかったなどのメイルを数通大急ぎで書いていたら,ギェ,あと10分.慌ててザックに手当たり次第にモノを放り込み,駅へダッシュ.

10月29日
(月曜日)

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お客さん/学会貧乏

  東大新領域創成科学研究科環境学専攻からお客さんです. といっても実は後輩の後輩.

  が,直接の後輩まで現れました.本郷の現況について教えてもらいました.

  駒場リサーチキャンパスを案内.本郷の彼らの根城のそばにもヤギ舎があるのですが,

駒場のヤギのほうが毛並みがいいですねぇ」

とのことでした. 安形お気に入り散歩コースに久々にいったら,草が刈られてかなり歩きやすくなっていました. 後輩の一人は野球部出身.完全に蔦に覆われた建物(ほとんど知る人はいないと思うが,そういうものがあるのです)を見て「甲子園…」といっていました.また,周囲の空間を

「何か現実感がないファンタジィなところですね」

とも述べていました. いい表現だ.めもめも.

 [食べる・飲む] 後輩の一人は千葉県・海老川流域住民.先日水道水のサンプルを無理にお願いしていたので,お礼に池の上でメシをおごる.ちょっと贅沢な昼食でした. 実は昨日の夕食は下北沢で¥1600の定食などという,私としては考えられないような贅沢をしていた(しかし,独りで食べるもんじゃないような気もする…(笑))ので,なんか余波が残っていたような気がします.

 [研究] また学会に入ることを決意.電子情報通信学会です.これで13回目の学会入会(いくつかは止めているので,所属しているのはもう少しすくない)

  入会申込書をみて吃驚.いまどきこんなのが残っているのか…という,推薦人が必要な入会申込なのです(→記入例)

  幸い心当たりがあるのでなんとかなりそうです.

  実は14個め,15個めの心当たりもあるんだけど,どうしようか迷っているところ.なにしろ全部学会費は自分持ちなんで…(泣)

 [電子・コンピュータ] 18インチLCDディスプレイの上ではWindowsが動いています.そこに四つのTeratermウィンドウが開いて,某サーヴァにSSH接続しています.

  どれもヘヴィなジョブが動いている

  非同期ながらも,四つのウィンドウがスクロールしてゆくのを眺めるのは,なんとも快感であります.

  今晩一晩,がんばって働いてね. ちゃんと働いたら,ご褒美にいいコードを食わせてあげよう.

  全く意識していなかったけど,明後日マレイシアに行くので,明日は研究用の時間があまりとれないのです(しかし9月のフランス行きの時のように,前日結局泊り込みの可能性も…).というわけで今急いで仕込んで今夜計算をやらせている次第なのです. 明日は書類三昧です.

 [文献][電子・コンピュータ] 今日のサイト紹介:「Engineer life forum」. @IT(アットマークアイティ)の中にあるITエンジニアをサポートするための資料です.

  あたりまえだけど,社会にはいろいろな風が吹いているものです. また転職失敗談は大学人にとっても結構参考になります.

 [文学と言語] 車で来ていたのを忘れて駅にしばらく歩いてしまったり,それ以前に車に荷物を積み込むのを忘れていたり,その忘れ物をとりに研究室に帰ったら自分のカードキーが壊れているのを発見したり,…と悪いことずくめの夜でした.

  で,そのまま帰るのも癪だから(笑),誰もいない研究室でこうして日記を書いているわけです. まぁその分,明日はいいことがあるでしょう.幸せが余りすぎたら読者の皆さんにもオスソワケします(笑).

10月28日
(日曜日)

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パープルの傘で秋葉原/しむしむ

 [天気と季節] 雨です.こういう日は,先日色に一目惚れして買った傘の登場です.

  行き先は,ずばり秋葉原. 雨の日には結構セールをやっているんですよ.

 [電子・コンピュータ] ついでだから切符代くらいはかせごうと,家にある古いマザーボードやプリンタを売り払うことにしました(先日書いた,部屋掃除のための構造改革作戦の一環).結構重たかったけど,頑張りました. 偉いぞ自分

  さて,査定の戦果は?

  マザーボード700円,ただしドライバディスクがないので600円(しまった!),CPU(Pentium Pro200)とプリンタ(NEC-といってもHPのOEM-のPC-PR101)はなんと10円!これじゃ古本屋に漫画を売った気分です(泣).

  ところが意外なものが高く売れたのです.

  SIMMです.32MBが四本M/Bに載っていたのですが,それが@¥600で売れたのです.聞いてみたら,「DIMMよりSIMMのほうを高く買ってますよ」とのことでした.箪笥に古いSIMMが眠っている人,チャンス.

 [電子・コンピュータ] 年賀状対策として,代わりのカラープリンタを買ってきました.珍しく新品です. もっとも,例の写真年賀状,ストックが200枚以上あるから,「在庫」だけでも2年もつんですよね…

  今年は誰にどの写真をだそうかな?今から楽しみです. 何人かにはこれから作る,プリンタ打ち出し写真が届くと思います.

 [電子・コンピュータ][文化芸術] 秋葉原で結構気に入っている店に行ってきました.某照明器具専門店です.あふれる灯りが実に心地よいです.

  もちろん,そのマニアック度に思わず笑みがこぼれるほどのアヤシサ(笑)という点ではガード下のパーツ屋街等のほうが面白いですが,今日はちょっと心をざわめかせるよりはほのぼのしたい気分. 繰り返します.あふれる灯りが実に心地よかったです.

 [研究] 昨日の内容に追加.真鍋先生に聞いてみたかったことです.「産官学のなかで現在どこが一番いいシミュレーションをやっているように見えますか?」

 [電子・コンピュータ] 夜は結局研究室へ. 研究室で一番速いワークステーション,CPUの数だけプロセスを動かして,要するにその能力を占領しております.CUI万歳. 明朝には終わっているはず. 日付は変わったけど律儀に帰って,就寝就寝.

10月27日
(土曜日)

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ふとしたときに本音がでる

 [身体と健康] 23日にあった健康診断の結果について問い合わせが二件.あのねぇ,皆いつも何をしてるの?(笑) 実はトップページに書いておいたんですが,体脂肪率はやっとこさ二桁台に乗りました.やっと常人なみといえるでしょうか? なお,血液検査の結果はまだなのでコレステロールと中性脂肪は分かりません.

 [生活] 朝魚をさばいた,というとちょっと一人暮らし独身男性にしては上出来? といっても鰯ですから手で開いたのですが. あ,生臭い匂いが手から取れない… 出来については口チャックですが,何,火を通すとたんぱく質は固まるので開き方がまずくても(あ,言っちゃってますね(笑))最終的にはつじつまがあいます.

 [電子・コンピュータ] 友人との会話.ちょっと面白かったので概要を紹介.

友「日記読んでるぞ日記.真鍋なんとか郎って気象シミュレーションの人だろ?」
安「オマエも読んでるのか?10月号は当社比20%増でカウンタが伸びてるんだがその主犯がここにいたというわけだ」
友「ついでに頭痛の原因もオレだったりして」
安「仮にお前からクラック攻撃を受けたらたしかに頭痛くらいはするかもしれない」

…というわけで相手もコンピュータ屋なのです.かなりの腕です.

安「真鍋先生は,気象シミュレーションの草分けみたいな人だね.日本だけじゃなくて世界のね」
友「なんでも500億円のコンピュータを使ってたんだって?」
安「いや,正確にいうと今セットアップ中だ.その責任者として来ていたんだけど米国に帰るらしい」
友「で,さよなら講演ということは何か恨み節でも言って帰ったんだろうか」
安「そこまでは知らん.行ってないから.でも言ってくれれば面白かったかもしれない」

=====
友「頭痛で行かなかったなんて安形らしくないな.それに仕事なんてサボればよかったのに」
安「一応真面目な仕事だぜ.なんと背広着用だ. でも反発心もあったのかもしれない.一々将来の方向性を他人に指し示してもらわなくってもいいとはプロとしては思うし,それにこういう場ででてくる話というのは,大抵承知済みのことか想像の範囲内のことで,聞いた瞬間にセンス・オヴ・ワンダーを感じることはほとんどない.あったとしたら単なる勉強不足か認識不足だ.むしろ俺たちが彼らベテランを吃驚させてやらにゃあね」
友「オマエのことだから,そういう晴れ舞台では目上の人に必ず突っ込みを入れるだろうしね(笑)」

 [数学パズル] 当然ながら,話は延々と続く.


安「確かに,聞きたいことはいくつかあったし,なんといってもいろいろな研究環境を歩いてきた思い出話があったらしいから,行けなかったのは正直言って惜しい.でも,ま,質問についてはオレが聞かなくてもオレの今のボスが聞いたと思うよ」
友「あはは,ボスがいるのか,その人には同情するぜ(笑).それにしても安形が聞きそうなことね,たとえば『日本の人材育成について何かいいたいことはありますか?』とか?」
安「(苦笑)残念でした.聞くことは三つ.『あなたは自分を天才だと思いますか』『複雑・精緻を志向しつつある各種モデル開発について思うこと』,最後の一つは『数値計算が電算機の機種によって結果が異なるというのは数値計算学の常識だけど,それが気象シミュレーションに与える影響は?』だね」

=====
友「その意味での計算安定性ねぇ.俺たちも商売だからあまり口にはしないがね. 安定と言えば,気象ではたとえばモンテカルロはしないのか?」
安「自称アンサンブル平均はとるらしい.といっても初期値をいろいろ変えた実験の結果の平均を取るんだ.天気予報の現場では26回のシミュレーションを平均している」(安形注:参考資料をどうぞ)
友「待った.物理の連中がいうアンサンブル平均とはちょっと違うな」
安「本質は同じだけど,多少意味を限定して使っているね.もしかしたら単なる平均と思っているユーザもいるかもしれない.少なくとも会話を聞いているとエルゴードのエの字もでてきたのは聞いた覚えがない」
友「知っててもあまり普段使う言葉じゃないと思うが(笑) で,その初期値セットはモーメントマッチングをするのか?」
安「知らない.しかしいくらなんでも一様乱数ではないとは思うが,俺大気のシミュレーションはまだやったことないし」
友「そうなのか?いかにも向いてそうな気がするんだが」
安「使うとハマりそうな気がするんだ(笑)」
友「それも妙なハマり方ね(爆笑).」
安「全然必要ないときにわざわざMersenne Twister を使ったりしてね(もうお互い笑いが止まらない)

=====
友「でも20回程度の実験でいいのか?俺たち(安形注:経済関係の仕事)は気合が入った仕事なら10万回はやるが…」
安「オレも知りたいもんだ.でも誰が確かめたかは知らないけど現実に数値予報の精度は上がっているらしいよ.それに結局かかる時間が桁違いに長くて,時間の制約が一番大きい.」
友「さっきの質問で言うと,違うメーカの機種を入れて同じ設定で計算させた変化を調べればいいのに」
安「さすがにそういう研究はもうあると思う.今度調べてみるよ」
友「ローレンツはどう思うかね.気象ってどれくらいカオス的なんだろうね」

=====
友「でも気象庁なんかは早く予報を出さねばならないけど安形たちなら充分時間をかけられるんだろう?」
安「そうかも知れないが,時間が無限にあるわけじゃないしね.」
友「民間や現業に比べれば穏やかな世界だと思うんだが」
安「それは認めるが,だからこそできる仕事というのはあるさ.でもまぁ,外からの視線は,中では予想できないほど厳しいね実際.道楽のようなものだと思われているのかもしれない.穀つぶしとは何回も言われたゼ.学費を払っていたといっても,実際に大学でかかるコストのごく僅かしか負担していないのだし,現在に至っては給料取りだ」

=====
友「といってもバカ高というわけじゃないだろ?以前みたいに民間で荒稼ぎするつもりはないのか? だいたいどーすんだよその能力. そちらの世界で活躍しているという話もとんと聞こえてこないぞ」
安「余計なお世話だ(笑) それに前だってそんなに稼いでいたわけじゃないゼ.それに民間では,どうしてもオレじゃなければならない仕事というのはなかなか見つけにくい」
友「ということは今はあるのか?あまり想像ができないけど」
安「実はテンコモリだ.世界は何でも屋を待っている.飽きっぽさもたまには役に立つさ(笑). 一芸にしか秀でていない者が支配するアカデミズムが今どんな状態になっているのか,皆気づいたようだ. ただまぁ実はそれ以前に,人手が足りないという物理的要因もある(苦笑)」
友「学者の世界でどれだけ人手が足りないかということは俺たちには分かりにくいなぁ,というか,あまり切迫した危機感というのは伝わってこないけど?」
安「危機感はあるよ,マジでね.何かの形でアピールしてみたいものだ. 人材と言えば,10代のトップ連中が今から始めれば数年で簡単に世界のトップだぜ. 出張授業か何かで,高校生の有能な面々に手を出すかね」
友「高校生に手を出すと言えば…」

 [研究] 話はだいぶ長く続いたのですが,とりあえずここまで(この後会話がどう続いたかはご想像にお任せします(笑)).やはり研究者というのはある程度まで時間をふんだんに使えるという特権を与えられていて,しかし逆に,それをちゃんと活かさないと社会から切り捨てられるとは改めて思ったものです.

  それから,高いレベルで(必ずしも「技術的に」高いレベルとは限らない)共通認識ができる友人は大事ですね. 横で聞いていたらほとんどケンカとしか思えないような強烈な意見も平気で言い合える.

  何はともあれ,真鍋先生,米国でもお元気で.「本当の」退官講義の時には聞きに行きます.

  ちなみに今まで面白かった退官講義は,それまで名前も知らなかったような教授の講義全部.つまり,まったく先入観なしで聞いたものばかりです.知らなかったことばかりだからこそ刺激的でした.

  もちろん,知っている人の最終講義がつまらなかったわけではない.しかし想像の範囲内の,きわめて穏やかな,よく言えば分かりやすいものばかりでした.それはそれで先生方の教えがある程度私の内部に根付いていた証拠なのかもしれません.自覚はしてないけど.

10月26日
(金曜日)

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頭痛が痛い

  今日は本当は真鍋淑郎先生のさよなら講演会(→参考ページ)に行く予定だったのですが,朝早く終わる予定の仕事が結局のびのびになってしまい,行けず.

  行けずといえば,昨日研究室で開かれていたおでんパーティ(新留学生歓迎&退任スタッフお別れ会)にも結局行けず.

 [食べる・飲む][身体と健康] 最近単なる辛いもの耐久レースと化している(笑)臥薪嘗胆計画,昨日はたまに行くカレー屋でいつもより一段階辛いのを頼みました.結構堪えられることが分かり意外だったのですが,

  朝起きたら妙に頭がいたい

  辛いもので腹をこわすというのは聞いたことがあるが,頭痛とは,ちょっと関係ないのかな… 誰かの恨みを買ったのかもしれない. なんにせよ,午前の仕事は結構気合で乗り越えざるを得ませんでした.

 [生活] ちなみに昨晩の夢は,部屋を片付けている夢です.本当ですよ. もしかしたらこれが頭痛の原因だったりして(笑). 朝起きたら本当に部屋が片付いているというのは…残念,ありませんでした.

 [電子・コンピュータ] libwww-perlをlocalでインストールし,喜連川研究室で管理しているGSWP データセットのデータを取得するツールを書きました(→公開しています)

  ついでにGMTで地図を描かせて見ると,これが結構面白い.ま,しばらくは研究の本筋からはあまり離れないようにしますが,何かたくさん寄り道のタネがありそう(笑).

 [電子・コンピュータ] GSWPというと,同僚に頼んでGSWP出力変数全リストを作ってもらったのですが,これがまたなんとも面白くてグッド.日本のモデルだけ飛びぬけて細かく律儀に結果を提出しているのです.

10月25日
(木曜日)

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無人機械

 [身体と健康] 昨晩は某所で飲んで研究室に3時頃帰ってきてから,それでも仕事(涙).

  6時頃寝て,11頃起きる.睡眠充分.これはこれで健康的?

 [研究] 3時間の仕事の成果は,起きてから「こんな仕事やったっけ」と自分でも不思議に思うほど密度の濃いものでした.

  いや本当,やった覚えないのです. 七人のコビトサンがやってくれたのかな? いいなぁこういう感じ(笑) ついでに論文も代筆してくれればいいんだけど.

  あと,メイルを何通か出していた記録が残っている.出したこと自体は覚えていないわけではないけど,文の内容については実は半分くらいは書いた記憶がないもの(悪口は書いてないようで,良かったよかった(笑) それどころか,中には普段書けないような理路整然としながらも流麗な文章があってちょっと吃驚)という状態. 

  とにかく,濃い濃い夜でした. そばに誰かいなくて良かった(笑).

 [文献][ひと] 鈴木秀夫「気候変化と人間」(大明堂)・佐々木高明「地域と農耕と文化」(同)読み始め. 鈴木先生は私が東大地理学教室に入った時の教授でした.定年退官後清泉女子大教授になったのですが,歴史文献に数多く当たれるようになったとのことで,研究意欲はまるっきり衰えていないようです.

  膨大なデータを地図に落とし,分布及びその形成要因を読み解く,実に地理学者らしい仕事を続けているようです.

  「風土の構造(←おすすめ!)「超越者と風土」などの著書があり,ニックネームは「超越者」. 文系理系といった区別は,多分ご自身にとっては意味を持たない,そんな学者です.

10月24日
(水曜日)

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世界に三つ

 [文化芸術] 朝五時におきて仕事をしている.その理由は,昼間サボるから.

  東急沿線の用事をこなしてその足で訪れたのは,東京都世田谷区,岡本静嘉堂美術館.国分寺崖線および谷戸川谷壁の濃い緑に囲まれた,旧三菱財閥が収集した至宝のテンコモリです. 二子玉川駅バス乗り場4番からバスに乗って十分くらい,実は「静嘉堂文庫」バス停よりその一つ前の「民家園」バス停の方が近い.国分寺崖線を一気に登るとそこが裏門です.

  今回のお目当ては,ずばり

  世界の至宝 曜変天目茶碗

  あと,太刀「包永」もです.

  茶碗は,外光が入るところに展示してありました.なぜこの色が出るのか未だに分からない代物なのですが,一応干渉色であろうという説明がありました.私事ながら,高校の頃の物理の実験で一番面白かったのはニュートンリング.そういう目でみると,確かにライトの光と外光とでは全く見え方が変わるということに気づきます.

  外光でみると,いくつかある「泡」のすぐ外縁は赤系統,すぐに黄色に移り変わり,茶碗全体は青く光ります. ライトの場合はあまり赤系統の色が見えません.

  この茶碗を紹介した写真は,確かによく撮れている.撮れているけど,やはり茶碗の回りを一周グルグルしながらいろいろ光条件を替えてじっくり眺めることにはかないません.

  午前中だったせいか,別に黒山の人だかりということはなく,じっくりと鑑賞できました.1時間は見つづけていたでしょうか.立ち去るとき気づいたのですが,手のひらにだいぶ汗をかいていました.

  曜変(耀変)天目茶碗は,(少なくとも公式には)世界で三つないし四つしか知られていません.典型例とされる三つ(ほかに大阪・藤田美術館と京都・大徳寺龍光院)はいずれも国宝です.12〜13世紀に中国福建省で作られたと推定され,これまでその窯の現地調査で鈍い輝きをもつカケラだけが見つかっています.

  春日局に献上されたという言い伝えを持つこの茶碗,周囲を一周して鑑賞できます(展示は2001年12月2日まで.月曜休館)ので,お好みのアングルから鑑賞できます.自分の好みのアングルを見つけたら安形氏日記編集部曜変天目茶碗A係までお知らせください.

 [文化芸術] 太刀・銘包永も逸品.それにしてもこの鋼の妖しい輝きはどうでしょう.

  輝きと言えば,上記曜変天目茶碗を納める箱には螺鈿で「耀変」と書いてあり,その輝きも実に妖しくてグッドです.

  気づきました.私は光モノに弱い.ただし銀色と虹色限定.

 [文化芸術] 今回の展覧会は「美の継承展」という題名です.長い間修復が期待されていた国宝「風雨山水図」,やっとこさ修復が完了して一般公開できるようになった,これが今回のメインなのです.

  面白い資料がありました.絹布に描いた絵は,放っておいたら500年くらいしかもたないので,長期保管するには紙に貼るなどなんらかの補強をし,かつ100年に一回程度は補修を続けなければいけないそうです.ところが現実には人手も資金もたらず,修復を待っている重要美術品が山積みなのだそうです.

  現在きちんとした状態で保存されている美術品は,それだけで貴重なのです. 

 [食べる・飲む] バスで大蔵病院まで行き,そこから祖師谷大蔵駅まで歩きました.大蔵団地湧水も砧の「Hotel de Suzuki」にもよっている時間はないな…と思っていたら,なんと駅前にHotel de Suzukiの支店があるではありませんか.早速フランボワーズやらクレム・ブリュレやらを買い込んでしまいました.

10月23日
(火曜日)

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物質収支をネガティブに

 [生活] いくら私がポジティブ思考の権化だといっても,やっぱりネガティブにしなければならないものはある. たとえば部屋の物質収支.

  扶桑社の「ESSE」最新号(2001年11月号)の特集は「捨て上手になりたい!」です.

  マルデオレノコトジャン なんて思って読みました.

  決意:週末に部屋中のダンボールを処分する.

 [ひと] 虫明教授の秘書募集中です.なんと朝日新聞に三行広告を出したそうです.

10月22日
(月曜日)

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枕もとの惨状/辛さ爆発,せず

 [研究][ひと] 東大本郷からお客さん.後輩の後輩です.文献を借りにきました.あちこちで見かける割には実は正式な図書館データベースに載っていない,IAHS赤本です.

  このお客さんの日記(URLはヒミツ)は,実にノリが面白い.今まで見た日記の中でも私のツボにはまるという点では一,二を争う代物です(知っている人が大量に登場するという点のアドバンテージも確かに高いですが). これは私の高校時代の同級生S@文筆業の日記とどこか似たノリがあって,個人的に最近大ファンなのです. あまりに面白いので勤務時間中は読みません(そりゃどんな日記だろうとあたりまえだって?(笑))

  当研究室は千葉県船橋の海老川を対象に研究を行ってもいるのですが,実は彼女,その海老川の流域住民だということが判明.というわけで早速海老川研究グループに紹介し,水道水のサンプリングまで依頼し…とお客さんを使いたい放題な我々なのであります(笑)

  ただ,「自分の家の近くでこういう研究が行われていたなんて知らなかったですぅ」と真顔で言われたのは,うーむ,我々の研究成果の宣伝不足ですね. 彼女,学部時代にはそれなりに水文学の勉強を積み重ねているはずですし,さらに卒論では下総台地の水循環と水質をやっているのです.

 [文献][ひと] 最近「日経コンピュータ」定期購読者にのみ送られてきた小冊子があります.時代を代表する四人の論客(倉重・松本・古川・西岡…人によってはこれだけで分かるかも)の対談集です.その中で,古川享vs西岡郁夫両氏の対談集の一部にビックリしました.

  「私と西さんとビル・ゲイツの共通点は」と古川氏は語ります.「百科事典を全部読んだことがあることです」

  ……絶句,オレもやったぞオレも.

  いやはや,こんな妙な(笑)人が世の中には,実はたくさんいるんですね.いや実は彼らほどの有名人でなくても,同じことをやった人は結構多いのかもしれません.

  ついでに言うと,寝転がって読んでいたためまくらもとは凄い状態になっていたというのも共通点のようです(笑).

 [食べる・飲む] 臥薪嘗胆計画その2.近くのラーメン屋で,普段なら絶対に注文しないピリ辛ねぎラーメンを注文.

  あんまり辛くない

  私がそれほど辛さを感じないというのは,普通の人にとっては辛さは無限小間違いなしです. これまでだまされて食べる羽目になり「どこがピリ辛だどこが!佐高信もビックリの激辛じゃないか」と心の中で泣きながら口に押し込んだ「自称」ピリ辛ラーメンとはえらい違いです.

  それともいつの間に辛さに強くなったのでしょうか.

 [身体と健康] なんにしても,明日は実は職員健康診断.去年の健康診断では「体脂肪率9.3%,コレステロール低すぎ,中性脂肪低すぎ,もっと食べてくださいね」という栄養欠損児童扱いだったのですが,さてどうなりますか.

  それにしても,これ以上どうやって食えというんでしょうか.痩せの大食いなのです.

 [身体と健康] 昔さんざん言われたっけ,「30過ぎたら太るぞ」. 実際には大はずれでした.

  あと,やはり昔一回だけ言われた「30過ぎたらモテるようになるぞ」はもっと大はずれ(笑)

10月21日
(日曜日)

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一気!

 [食べる・飲む] 臥薪嘗胆ということばはご存知かと思います.戦いに敗れた古代中国の武将が薪の上に寝て苦い苦い肝を嘗め,再度立ち上がることを目指した話です. さて,やはり最近の私にはこの言葉がお似合いでしょう.実はそのうち,「臥薪」はもう実現できています.下に何が埋まっているか分からない万年床でデコボコのせんべい布団に寝ているからです(笑).では「嘗胆」のほうは?

  いつもの3倍辛いペペロンチーノを作ってみました.

  最近間違えて冷凍刻み野菜を多く買ってしまったので毎日刻み野菜が入ったメニュー(というか,無理やり入れたメニュー(笑))を作っています.今日もオリーブオイルでにんにくと鷹の爪(もちろんいつもの3倍多い)をいためた後,パスタが茹で上がる直前についでにその野菜までいためてしまう!

  いやはや,辛い辛い.吹き出る汗,辛いのが苦手な安形氏にはなんとも限界な代物です. しかしまぁ,最近私の知り合い研究者が相次いで韓国の大学に就職したため,韓国探訪を呼びかけられておりますので,その訓練にはなったかもしれません(別に四川料理のような辛いもの「ばかり」ではないらしいが…)

 [研究] 捲土重来(読める?)を期して立ち上がり,始めたのは,しかしながら何を今更(苦笑)の博士論文ペーパー作成作戦.何しろA4で70ページ以上のものを20ページ以下に縮めなければならないのですからこれは大変です.個人的にはちっとも生産的とは思えない仕事ですが,やはりイザやってみれば他人の評価は高い.不思議というか皮肉なものです.まぁカタチにして残すというのは大事なんでしょう.私だって1910年代の論文にインスパイアされることがたまにある.

  一日で,工程の1/3くらいはやってしまいました.

  しかし今日やるはずだった仕事は成果ゼロ.仕事やってたほうが楽しいんだけど…

  まぁいい,論文の数でしか評価されない現実がある以上,その状況を楽しまねばなりません.

10月20日
(土曜日)

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天狗の里にて

 [水] もちろん早朝出発して水巡り.睡眠時間は3時間くらい?いつのまにかソファで寝ていましたが(笑)

  中京区寺町通丸太町下ル「下御霊神社」の下御霊香水(148μS/cm),上京区寺町通広小路上ル「梨木神社」の染井(129μS/cm)とどちらもEcが小さめの水.どちらも京都御所のすぐ近くです.

  京都御所内には,縣井という井戸があります.読み方は,あがたのいです.私の名前なのです! 一時涸れていましたが側に深いボーリングをうち,復活しました(→京都新聞の記事). が,公式には飲用禁止です(笑).270μS/cmとさすがに溶存物質が多い.

 [研究] 集会は続き,農業関係の話(世界の食糧生産は意外と楽観的な見通し)と,行政学の話(住民参加型コンセンサス会議の話)

 [水] 午前中で終わる予定が,やっぱり延びに延びて1時閉幕.さて,最終ののぞみ号(京都21:33発)にのるまでにたっぷり時間があります.となるとやはり…

  左京区鞍馬寺九十九折の湧水(仮称).鞍馬寺に歩いてゆく道はジグザグの急坂で,本当だかどうだか知りませんが枕草子にも「近うて遠きもの」として紹介されているそうです.途中に無名の湧き水がありました.174μS/cm.

  鞍馬寺の閼伽井.本堂に向かって右に小さな神社があります.よくみるとそこに手押しポンプの井戸がある.鞍馬寺の伝説に残る閼伽水です.191μS/cm.

 [文化芸術] ところで,鞍馬寺霊宝殿というところがあります.鞍馬山の自然と寺宝をいろいろ展示しているのですが,驚くべきはその寺宝の展示内容.なんと国宝(「経塚遺物」と「毘沙門天像および脇侍)が触ろうと思えば触れる位置に展示してあるのです. 「これってレプリカだよね,違う?」なんて真面目に聞きたくなるような展示の仕方です.  なぜか手をかざして遠くを見ている毘沙門像は,畳の部屋に鎮座していました.何を見ているのでしょう?(→参考:朝日新聞「日本の国宝」)

 [水] 奥の院遥拝所の水は290μS/cm.ここだけ妙に濃い.さて,奥の院に行く入り口付近にあるのが牛若丸息継ぎの水.166μS/cm.よく本に紹介されているのですが,チョロチョロ以下というショボい湧出量でした.

  奥の院に行く途中,牛若丸伝説の地,僧正谷をとおります.僧正谷源流の湧き水を,義経塚で飲むことができます.163μS/cm. 僧正谷はちょっと見えるだけですが,巨木生い茂る確かに天狗くらいは住んでいそうな?ところでした.

  大杉権現と奥の院魔王堂の手水は30μS/cmと異様に低く,もしかしたら雨水貯留?

 [水][ひと] 奥の院から貴船に降りる道があります.貴船神社の神水を探訪.水占いのおみくじに女の子が群がっていました.貴船神社−中社(結社)−奥宮を結ぶ1kmくらいの貴船川にそったゆるい坂道は「和泉式部 恋の道」として整備され,女性に人気です. 貴船神社で絵馬や結び文を買い,願いを書いて結社に持っていって結び付けるのです. 絵馬を見ていると,ほのぼのラブラブな人も,結構シャレにならないような状況の人もいるようです.

 [文化芸術] 実は二日あとの10/22が鞍馬の火祭であります.鞍馬の小さな町のあちこちに,例の巨大なタイマツが置いてありました.この大きさの薪に火をつけて持ってゆくというのはちょっと尋常ではないと実感しました.

 [水] だいぶ夜遅くなりましたが,大丈夫,四条周辺ならオミヤゲをいくらでも買えます.修学旅行生でごった返す新京極のど真ん中に,錦天満宮という神社があります.寺社のくせに妙に俗っぽい不思議な空間です.実は結構好きな場所.で,湧出量豊富な錦天満宮の神水があります.

10月19日
(金曜日)

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運命の京都へ

  京都に,総合地球環境学研究所(略称:地球研)というところがあります.今年出来たばかりの施設で,所長はあの日高敏隆氏. 実は助手を公募中だったので安形も「これこそオレの天職」とばかり申し込んでいたのでした.

  で,昨日分かったのですが,

  見事に書類選考で落ちました

  書類で落ちたというのは,使った写真が悪かったのでしょうか(笑) まぁインサイダー情報は知らないことになっているので詳しくは書きませんが,論文が少なすぎるのが原因の一つだったようです.

  プロジェクトリーダの強烈な推薦があったので安心して地球研ちっくな作業を一年続けてきた(その間ファーストの論文は一つも書いていない)というのは僕の戦略ミスでした.土壇場で,プロジェクトリーダの声が反映されなくなったのだそうです.なるほどそれなら,私は不利です.

  ちなみに論文数の目安は「年齢引く24」です.これだけの数のファースト論文があれば,まぁ門前払いの可能性は低くなります.覚えておくように>若者諸君 ちなみに書類選考の段階では,「中身」はそれほど問われません.

  こういう時にとる態度は,一つは「イソップの狐作戦」です.つまりカッコイイ捨て台詞をはいて去ってゆく,その台詞の選び方に命を賭けるわけです(笑).

  私が申し込んでいたプロジェクトは「地球環境情報ライブラリと世界モデルとを統合した水危機管理システムの構築」というもので,要するに自然人文の垣根を取り払った人類の全体知と情報技術の結合を目指したもの.もっとはっきり言うと私のほかにこんなものできるヤツがおるんかと自負していたものです.というわけで,落選に関する安形の公式見解は:

俺なしでこのプロジェクトをやる?
なんとまぁ,いい度胸じゃないか
やれるもんならやってみてください

であります.

  もうひとつの態度は,この状況をいかに利用するかということであります(「パタリロ」第一巻参照…って普通の人は知りませんね(笑)).これについては戦略がまとまったら大公開.

  ところでこの地球研,外部評価委員会というものがあります(→組織図参照).この種の研究機関でこういうものがあるのは珍しいのだそうです(そのこと自体は驚くべきことですが). でも,最強の外部評価委員は,多分私であります.実はプロジェクトリーダが「これこれこういう助手を採りたい」と提出した書類の全文を僕は知っています.これに合致した人が来なければ,あるいはプロジェクト計画書に掲げられた成果目標がだせなければ,評価委員会が黙っていても私は黙っていませんゼ(笑).

  もっともそれじゃ個人的恨みによる発言とかなんとか思われてしまうので,で,戦略としては,地球研の外にて,それを上回る成果を自分で挙げればよいことになります. まぁお互い切磋琢磨してまいりましょう(それに値する人が地球研にきて欲しいものだが…)

 [水] 運命の皮肉か,今日はその京都への出張なのであります.さらに言うと,今日は書類選考に受かった人の面接予定日なのであります(当然私にはその通知はきていないので(笑),本当に今日行われたのかどうかは知らない). のぞみ号で京都を下りると,さて少し時間があります.

  こういうチャンスを逃す私ではない(笑).

  というわけで行ってきました.まずは上京区上立売知恵光院聖天町「雨宝院」にある染殿井.西陣織に使われたこともあるそうです(340μS/cm). 続いて上京区堀川一乗下ル晴明町「晴明神社」にある晴明井(290μS/cm).何よりも印象的なのは,この神社,若い女の子だらけです.とても寺社の風景とは思えません. 小説やら漫画やらで安倍晴明が主人公のものが大人気で,そのためであることは明白です. あまりに人が多く,私がいつも水のある寺社では奉納しているお賽銭をあげることができませんでした.

  そうしたら陰陽師の呪いがかかったのか(笑),バスに乗ったら大渋滞.おかげで集合に2分ばかり遅れました.

 [研究] 集会は「文理融合セミナー」というもので,今年からはじまり,雪の東京,雨の富良野に続いてこれが3回目.今回の目玉は地球研所長日高先生を引っ張り出すことに成功したことです.というわけで集合場所は当の地球研.多分二度と来ないであろう建物をじっくり見学しました.

  会議の場所は京大農学部にある「熱帯農学専攻」という看板がある,確かにどこかトロピカルな雰囲気のある不思議な平屋建てです(周囲が思いっきり落葉広葉樹というのはなんとかしてほしいが…(笑)) まずは日高所長の講演. いろいろな良質の材料をガーっとまぜて強火でガンガンかき回し,おいしい五目炒飯を作るという地球研フライパン論が印象的でしたが,中華なべのほうがいいなぁ…と思っていたのは私ひとりかもしれません(笑). ただ僕はむしろメレンゲのように,元の材料からは想像もつかないものが出来てしまうような研究所をイメージしていたので,炒飯(いくらなんでも元が何だったかはわかる程度の加工の料理ですよね)というたとえは少々意外でした.

  続いては法学関係から.水に関する訴訟と規制の話.話が通じないというところも多少あったけど,全体的にはそれほどムチャクチャ難しいわけではない.もちろん発表者のほうも我々素人向けに話してくれたということもあります. こうした集まりから,法学経済学国際関係論農業経済学水文学気象学etc.etc…を軽くクロスオーバーしたり各コンポーネントの柔軟な接着剤になるような人材が生まれてくることを期待したいものです.

 [食べる・飲む] とまりはKKR京都くに荘.KKRとは思えない豪華なところ(なんて言うと失礼か(笑))またしてもビールの自販機のすぐ側の部屋.皆で,これは自販機の売り切れランプをつけるしかないと,一種類に絞って買いまくりましたが,結局失敗(笑).

10月18日
(木曜日)

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なつかしのめろでぃ

  教養(学部1,2年)の学生諸君が生産研や先端研で研究活動を行うという過激なゼミがあります.その下見の一行が今日虫明・沖研にやってきました.1時間前から全員総出で気合をこめて掃除・ディスプレイに励んだ結果は,さてどうだったでしょうかね.

  この研究室の提供したテーマは「温暖化が世界の水資源に与える影響」です.そうしたら,説明を始める前に,すでにこのテーマに興味あると申し出た学生が一名!いやはや,気合が入りましたね.できたら一名でなくて全員であってほしかったんだけど(笑).

  将来ある若者に,乾杯です.

  くれぐれも私のように実効ある形で他人に評価されないような実り少ない人生を送らないようにね(笑).

 [生活] さぁ心機一転,気分転換に?夜から部屋の掃除などを始めたら,

  あららハマってしまいました.昔買ったCD.本当に夢中になって集めたCDです.いやはや懐かしい.先日買ったMD-CDラジカセで丁寧に聞いていたら,

  おもわず徹夜してしまいました(笑).

  (というわけでこれは実は19日朝に書いているのです)今日は京都出張なので行きの新幹線の中で寝ましょう.起きるのは,携帯電話ブルブル目覚ましでばっちりでしょう.

 [生活] あ,結局部屋の掃除は全然できなかった(笑)

 [文化芸術] それにしても私は歌の趣味は昔からあまり変わっていないということを発見しました.言葉ではうまく説明できませんが,これまで夢中になっ(てしまっ)た歌い手というのは,今聞くとやはり何か共通したテイストを持っています. 一見(一聴)すると全部バラバラなのだけど…

10月17日
(水曜日)

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もったいないの世代

 [食べる・飲む][身体と健康] いきなりですが人体実験中でした.

  昨日甘いものを研究室に買って持ってゆき,さて冷蔵庫に入れようとしたときに気づいたのですが,ずっと前に私が買ってきた,9/26が賞味期限のモンブランプリンがまだ残っていました(泣). で,せっかくの機会だからというわけでそれを帰る直前に食べてしまいました! 熟成20日の味は,うーむ,実は結構美味しかったです.

  で,今日.

  猛烈な腹痛が…しませんでした(親戚が一人盲腸で緊急手術したばかりなのでシャレになっていない)

  腹の方は,なんとも,なし.

  いやはや,食い得食い得.

  20日で平気だったんだから一週間ならもっと余裕ですね(そんな自信をつけるより,賞味期限内に食うもんだけ買えって(笑))

 [電子・コンピュータ] GMTについてまたサポセン.結構分かりにくい不具合だったけど,一つはユーザ側のバグawkxyz2grd絡み.後者の-Lの実装に不備があるバージョンなので,それなりの前処理をawk等で行なう必要があるのですが,そこでちょこっと間違えてた)で無事解決,もう一つは,うーむ,プログラム側のバグかな…psbasemapが特定の条件下で「フリーズ」(ちょっと定義が違うが)してしまうのです.

  最近Windows上でも大量のファイルのファイル名操作などにcygwin上でawkやらsedやらを多用しています. むかしMS-DOS上でASCII software toolsを使っていたり,類似品(笑)を自作していたりしたころを思い出します.

  なんにせよコンピュータ,特にテキスト処理の世界は奥が深い. 楽しんでくれM1諸君!

10月16日
(火曜日)

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NDHI減少/データ三昧

  (注:今月分については89日の分を書きました.やっと穴が埋まった.あ,先月のフランス日記がまだ…)

 [生活] 先日,久々の床屋.「髪多いねぇ ひとの倍はあるね」と文句を言われながらも,全体的に相当短く(「髪の毛立っちゃう寸前」というのが私のいつもの要望),刈り上げもかなり上までやってもらいました. 実はかつてあまりに髪が多かったので割増料金を請求されたことがあります(笑).

  で,今日.「髪切りました.今度はおぼっちゃま路線を追及してみました」と人に見せたら鼻で笑われてしまいました(爆)

  (よく考えたら最近,他人の髪の毛についてコメントしてませんね.私にしては珍しい? ま,でも,たとえばビジネスの場で女性にその人の外見のことをコメントすると相手にとって迷惑行為になるので注意が必要といったふうに相手と状況に合わせたTPOが要求されるというのは確かです.)

 [電子・コンピュータ] 私の「公開文書」で多用している,PowerpointプレゼンテーションをシンプルなHTMLに変換するアドインを公開しました.

  PPT2HTMLです.

  実は,ディレクトリ指定のところで参照(Refer)ボタンが使えないという重要な機能組み込み不足があるのですが,昨日書いたように,どんなレベルであっても自作プログラムを他人に見えるようにしておくのは結構役に立つ,こともある,のです.

 [研究][電子・コンピュータ] GAME-Tデータセンタ内の,EGATタワーデータ1999年観測リストに重要な情報提供があり,クイックルックを公開することができました. 一人の人の努力の成果を皆で共有できます.

10月15日
(月曜日)

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コンピュータ三昧

  岐阜から大量に人が戻ってきまして,いつもの賑やかさが戻りました. さぁ新しい季節です.

 [研究][電子・コンピュータ] ずっと以前にデータをもらっていなかったのにまだ作業していなかったことをいくつか片付けました.GAME-Tデータセンタ内の,EGATタワーデータ1999年観測リストに,同時に行われたGill Sonic観測のリストをくっつけたのです.

  ちなみにGill Sonic関係だけで全ファイルサイズが68MB以上にもなります.これまでのデータセンタ全ファイルサイズが40MBそこそこだったことを考えるといかに巨大かわかろうというものですが,実はまだまだ「大物」が後ろに控えております.

 [電子・コンピュータ] Excelワークシートの任意の選択部分をHTML形式で書き出すプログラムとしては,Vectorxl2trdというシェアウェアが公開されています. 実は私はそのサブセットとなるものを自作して公開しています.

  私はポスドク,いつ突然いなくなるかわからん人間です.そのため,必要な技術はできるだけ早い時期に誰かに移管しておく必要があるのです.早い話が,とりあえずブルドーザで道を切り開くのが自分で,後の整備や舗装や…を他人に任せるわけです(小松左京読者にはピンとくる話?(謎))

  というわけで,この公開版アドインを使った仕事を,後輩のjobとして移行しはじめています.ですから当然このアドインを使ってもらうことになります.

  そうしたら出て来るわ出て来るわ不具合が!

  もっともそれは,Excelのバージョン間のVBA互換性に基づくものだったので,MSにぶつぶつ言いながらもそれなりに対処しました.

  他人に自分のプログラムを使ってもらうのは,それがどんなレベルであろうとも,実に勉強になるものです.

  ついでに自作プログラム改良モチベーションが上がって,いくつか新機能を追加してしまいました.

10月14日
(日曜日)

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秋の山

  相変わらずいい天気.

 [アウトドア] 某秘密基地に残置してある荷物を回収しに行きました.今度いつ来られるか分からないからです.最初は今年の豪雨で壊滅的な被害をこうむった林道を歩き,そして山道に入ります. 腰には最近買ったナタがさしてあって準備万端です.

  それにしてもこの林道,見事に土砂災害のオンパレードですね.沢を渡るところはきれいに土石流堆積物で埋まっています.斜面崩壊もレパートリー豊富.ただ幸いなことに路肩決壊があまりないので,道を直すこと自体はそれほど困難ではないでしょう…

  山道はそれほど被害は受けていませんでした.林道と合わせて片道50分ほどの道で,途中シカを見ること3回.そこらじゅう獣の足跡だらけでした.野生に帰った森林です.

  人影も稀な山中をたった一人歩くのは,心浮き立つ感じがします.歩くのが苦手な人を連れて行ったら5分で嫌がり始めるようなきついところなのですが,その困難さがまた楽しいです.

 [天気と季節] 秋の山です.目に入るもの全てが穏やかです. 微妙に色づいている木の色も,時に妙にひんやりする風の感触も,心のツボを穏やかに刺激し,最近ハマっている某日記の表現を借りると,

ツボね
ツボツボね

というところでした(まさか本人読んでないだろうけど,盗んじゃって御免. でもマジ面白いですよ>某氏)

 [ひと] 人付き合いにせよ,研究にせよ,困難がやってくるのは当然といえば当然.しかしそれはそれでpositiveに対峙すればよいのでしょう(特に自分だけに関わるような問題ならば,「楽しめ」ばよいのでしょう)

  「…なんてことをごく普通に思っているヤツだったな,俺」と改めて思い出した山旅でした(しばらく忘れていたのかもしれない)

  もちろん人付き合いに関しては,こちらだけが「楽しむ」というわけには行きませんが,とりあえず逃げずに,誠実さを失わずに,コンタクトを続けるなりじっと待つなり負担にならないようにサポートするなりするそのプロセスが何かを双方に与えてくれると信じ続けていると,それはそれなりに,そうnegativeなものでもないと思えてくるものです.  

  ああ楽観的. 

  まぁやっちゃったことの反省も忘れてはいけませんけどね. 傷つけるとか苦しめるとか言うのは,もうたくさん.

  ひとつ気づいたこと:一人の山旅は,愛想笑いも,無理に場を盛り上げることも,自分の状態はともかくとして明るく振舞ってしまうことも,何一つ必要ない(私の場合普段からやっていないが…)というところがあって,案外多くの,「明るく楽しい人物像を演じなければならない」人にグッドなのかもしれません.

 [森と樹] 珍しく?擦り傷一つ作らずに帰ってきましたが,服に何かの植物の種子が絡みついて取れなくなったのには閉口しました.とてつもない力で繊維に食い込んでいます.無理やり取っていたらだいぶ生地が傷みました. お気に入りの服を着てきたら大変なことになっていました(普通着てこないって(笑))

10月13日
(土曜日)

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幻の馬刺し

 [車] 昨日車のタイヤをチェックしていたら,あれ,くぎがささっている.他に側面にヒビ割れも.タイヤ交換の時期が来たようです.というわけでYokohamaのジオランダーに履き替えました. といってもご期待?のM/T(「マッテレ」というと通っぽい(笑))ではなくてA/Tのほうです.

  先日秋田でオイルを替えてから,特に3000〜4000RPMのあたりが絶好調です.タイヤも替えてますます好調?それにしても,乗っている時間があまりないのですがね…(でも最近は,定期がきれたのをイイワケにして自動車通勤もよく行っていますが)

 [アウトドア] 午後に用事があったのでそれをこなした後,久々の遠出.群馬県の神流川源流方面です.クライミンググループが,仲間の一人の復帰を祝って宴会をやるのです.

  参加者の一人は馬刺しを1kgも持ってくるとのこと.事前打ち合わせ(Internet上のBBS)では,馬刺しをどう食べるかで喧喧諤諤の大議論になったのは言うまでもありません(笑).

  「夜9時に行きます」と伝えてあったのですが,本当に9時に集合場所の「秘密の河原」に着きました.実は私にしては珍しい.が,いずれにせよそんな遅くでは,貴重な馬刺しは皆貪欲クライマーの腹の中に納まった後なのでした(涙).

 [天気と季節] それにしてもいい天気.夢でも見てるんじゃないかというような見事な星空でした.

  結局飲んで騒いで,最後に寝たのは4時過ぎ(沖さんの報告では,昨日と今日下呂温泉で行われたGAME-T会合〜私は先約により行けず〜において,昨夜自己紹介セッションと議論が終わったのが朝2時半だったらしい!クライマー並みといったところである)

 [研究] ところで前述の「神流川」って読めます? 利根川の支流の一つで,水文屋には有名です.なぜなら下久保ダムという大きなダムがあり,その建築当時とられた雨量流量データが早くから公開されていて,それを使った流出解析の研究が数多く行われているからです.

  データ公開は,やっぱり大事ですよ大事.

10月12日
(金曜日)

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なんでこの名前

  アガサ・クリスティが有名なため,Agathaが英語の女性名であることはご存知の方も多いでしょう.この名前は実はフランス語にもあり,発音はアガタです. AGATHAという高級ブランドで知っている方も多いかもしれません. 9月にルーブル美術館の近くでAGATHAの店を見つけたときには,入っていってJe m'appele Agata(私の名前はアガタです)なんて言って美人店員のウケをとろうかなんて考えたものでした(笑).

 [経済・社会] 昨晩週刊東洋経済をパラパラめくっていてビックリ.コクヨの広告が新発表の椅子についてのものだったのですが,その名前がAGATAというものだったのです.

  どんな椅子なのか,上記URLから引用すると,「AGATAはあらゆる作業姿勢と様々な体型、体格を、人間工学に基づき快適にサポートする次世代のオフィスチェアーです。」だそうです.時には真面目,時には癒し系の椅子と考えればいいのでしょうか(違うかな…). わざわざ宣伝ページをWWW上に設けるあたり,コクヨ社はだいぶリキを入れているようですが,ですが,…

  いったいそれにしても,なぜこの名前なのでしょう?

  名前のせいで売れ行きが悪くなったりしなければよいのですが(笑).

  ちなみにお値段は一番安いのでも10万円します.エラくなったら買ってみよう…

 [文学と言語] 今日覚えた言葉:「掌理(する)」.意味は「国、地方公共団体、特別法人などの機関の長または上級職員が、一定の事務をつかさどり、これをおさめること。(国語大辞典(新装版)©小学館 1988.). あと,posture=「姿勢」

 [研究][電子・コンピュータ] GAME-Tデータ仕事を2,3件.京大でftp公開しているデータにHTMLでインタフェースを作り公開しました.ちょっとした仕事なんだけど,効果は大きいでしょう,多分… 一人一人の研究者がみな同じ苦労をするよりは,少なくともこういうカタチのある(と言っていいのだろうか)仕事は誰かがパパパとやって公開してしまうのがgoodです. 形にならないアイデアとか解析とか考察とかで,灰色の脳細胞を使いたいもんです.

10月11日
(木曜日)

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新しき出会いに/コンピュータを使いやすく

  気象学会で大勢の人が岐阜に行ってしまっているので,ちょっと静かな一日です.

  と思ったら新しい留学生の方がパキスタンとベトナムから来ました.パキスタンの人は昨日,ベトナムの人は今日始めてのご対面でした.

  ベトナムの人は元プログラマらしい.話が合いそうです.しかも席がすぐ側になりました.安形スペースの惨状を見てあきれているようでしたが(笑).

  別れもあれば出会いもある.後になってよき出会いであったと思えるようになりますように.

 [電子・コンピュータ] なんだかいろいろな人にコンピュータ関係のことを教えていた一日でした.教えながら思ったこと:「作業手順が多すぎて教えるのも教わるのも大変だ.もっと簡単にできるはずなのに,どうしてこれだけの手間をかけさせられるのだろう?」  コンポーネントごとのパフォーマンス最適化を追求した結果システム全体としてのパフォーマンスは明らかに悪くなっているのです.

  そういったところを俯瞰的に見ながら,各コンポーネント間の有効な結合を組み立て,人間にとって使いやすいコンピュータにしてゆきたいものです.…この考えは,まるで学問の細分化が進んだ結果かえって知の全体像が見えにくくなった20世紀を反省し,統合融合俯瞰型学問の創設を今世紀の目標とする流れ(たとえば今年新しくできた総合地球環境学研究所の創設などがその例)と軌を一にするものでしょう.

10月10日
(水曜日)

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XTHMLへ向けて

 [車] 生研の門を入った瞬間,何か様子がおかしいと思いましたね.おっと,今日はお偉方をたくさん迎えての新生産研ビルお披露目会だったのでした.それで,いきなり車ゲートが空いているは,見慣れない看板が林立しているは,奥の駐車場にはバスが並んでいるは…と見慣れない光景だったのですね.

  で,そういう大事なときにこのキタナイ車で堂々とキャンパスに入ってゆく僕(笑).

 [電子・コンピュータ] 仕様策定がなんだかむちゃくちゃになっているHTML.WWWCではXHTMLという,現行HTMLよりはるかにチェックの厳しい言語仕様を定めて混乱の収拾をはかっています.これは現行HTMLと見かけはそれほど変わりませんが,XMLをベースとしてカッチリした仕様にしたものです.一応,これに従ってホームページを書くと後々便利かもしれません.

  もっとも,このXHTML,イイカゲンさは確かに少なくなりましたが,もちろんその分制限も増えている.たとえば要素の名前はすべて小文字です(この日記もある時期から急にHTML要素を小文字で書き始めたということに気づいた方いらっしゃいます?). だけど,これまでたくさん僕が溜め込んできたHTMLファイルは,大抵HTML要素名を大文字で書いているのです.

  というわけでHTMLの要素名と属性を小文字にする秀丸マクロを書きました(コメント内と引用符内はいじらない). もちろんUN*X的にフィルタを書いても良かったんだけど,そんなのは誰かがとっくに作っているはずです.

 [天気と季節] 低気圧性の大雨.そして夜は雷.雷光から雷鳴まで10秒以上あるのに音が妙にデカい.  

  目白で待ち合わせのはずが,渋谷駅で山手線に乗った瞬間に運転見合わせ(田端で落雷のため信号がポシャる).急遽待ち合わせ場所を池袋に変更して埼京線に乗る…となかなか派手な一夜でした.

  山手線から大量の人が乗り移った埼京線は,殺気立った雰囲気でした.こういうときに人間観察を始めてしまう意地悪な私(笑). Situationに対しては,それがいかに悪いものであろうともあまり怒らない性格なのです.

  状況が悪いなら悪いなりに,それを充分楽しみましょう…

10月09日
(火曜日)

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ひとりの厨房,ひとりの夕食

 [食べる・飲む] 部屋の掃除はめったにしないくせに,台所のシンク周辺だけはいつもきれいにしています.

  今日はめずらしく早く帰り,といっても9時閉店の近くのスーパーにぎりぎり駆け込むくらいの時間だったけど,ま,とにかくスーパーである程度買い物です.トウバンジャンやティエンメンジャンを買い足し,豆腐と挽肉を買い込み…となるともちろん,作るのは麻婆豆腐です.

  言っておきますが(ってわざわざ言うところが怪しい?(笑))丸美屋CookDoも使ってはいません.全部1から作ります.ま,実はこれが始めてではないのですがね…

  手間のかかりそうな料理ですが,やってみると意外と手早くできます,というか,時間をかけられないものです.

  で,出来栄えは?

  なんだか不思議な味ですが(苦笑),これはこれでいいテイストです.ちょっと挽肉のバラケが弱かったけど,これは今後の課題(←おっと,研究者の決り文句)

 [研究][電子・コンピュータ] 先日から,SiB2の解説記事をこっそりノートPCで書き始めています.だいぶたまりましたので今月中には公開できるでしょう.LSMなんて簡単なものは,もっと敷居が低くなければならないのです.どんどん若手を引き込むためには,今誰かが時間を取って参入障壁を取り壊さねばならないのです.

  …なんて力んでいますが(笑),ようするに自分が楽しいからこういうドキュメントを作っているという側面もあります.

  先日も書きましたが,研究発表などでは,自分がその研究を楽しいと思っていなかったら,他人はまずそんな発表聞きませんゼ.

10月08日
(月曜日)

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文章にハマる日々

 [文学と言語] 最近読んだ文章から.まずは「そう難しくない専門用語が並んでいて,絶望的なほどは難しくないけどやっぱり専門家以外には分かりにくい」という微妙な難しさの文章.

 

[1]なぜマイカルは社債でなくABSの発行という手法を選んだのか.(中略)マイカルの狙いは,見かけ上の負債の削減にあった.こうしたセール・アンド・リース・バックが日本の会計基準ではオフバランスにできるため,このスキームによる調達額バランスシートの負債に計上せずにすむためだ.

 

[2]生クリーム(牛乳を加えることも),卵黄,砂糖,バニラビーンズなどを混ぜたものを,底の浅いグラタン皿(またはココット型)に流し入れ,オーブンで湯煎焼きします.一度冷やしてから表面にキャッソナード(中略)をかけ,バーナーで焦がしたり,あるいはオーブンで焦げめをつけてカラメリゼするのが特徴です.

 

[3]特に興味深いのは「サロメ」である.これは(中略)購買層としてはおそらく若い女性が中心であったろう.したがって,というべきか,サロメといえばすぐに思い出すビアズリーの退廃的(デカダン)な女のイメージはここにはない.男(洗礼者ヨハネ)の生首も登場してはならない.ヨーロッパ的なファム・ファタル(宿命の女)のイメージからはほど遠い邪気のないサロメではあるが,しかし彼女の白い体にまといつくようにひるがえるヴェールの曲線は,ビアズリーといわずとも,ユーゲントシュティール風のしなやかな動感と抽象的な装飾性を見せている.

  (下線はいずれも引用者.なお,引用元は末尾に記します)全部意味がわかる人がいらっしゃったら,オトモダチになりましょう(笑).

  それから,これは共感できる!という文章も最近よく出会いました.例を挙げてみましょう:狂気に近いほど過激なクライミングを繰り返して旧来クライミング界の常識をすべてひっくり返しつづけてきた鈴木謙造氏(多くの人が心配していた通り,今年7月にヨーロッパで墜落死した.合掌)が,自らこれまでで最高の登攀と賞したリスカム北壁単独フリーソロについた語った文章,その生還直後の部分です:

 

[4]僕は鈴木謙造でよかった.涙は出ない.涙は感動表現の極みではないみたいだし,終わった後の感情は,いつだって期待していたものとは違う.

  特に後半部分は,自然を逍遥する人間として強く共感できるところがあります.

  (引用元は:

  1. 週刊東洋経済」2001.10.6 p.13 マイカル倒産記事
  2. ケーキの世界」集英社新書,村山なおこ著p.36 クレーム・ブリュレを書いた部分
  3. 高畠華宵大正ロマン館図譜」収録「高畠華宵と近代西洋絵画」千足伸行著 p.17〜18
  4. 山と溪谷社季刊「Rock&Snow」2001年秋号p.39
です)

10月07日
(日曜日)

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久しぶりの広尾

 [身体と健康] 昨日入院した友人の見舞い.久しぶりに会う友人は,それでも意外と元気そうでしたが,昨晩はだいぶつらい思いをしたことでしょう.

  こういう時に力になれないというのは,ずいぶんと寂しいものです.

 [食べる・飲む] 病院は山の手線内南部だったので,一念発起,広尾のこぬれに行きました.ここのスフレリコッタがなんともおいしいのです.

  焼いたんだか焼いてないんだかよく分からない不思議な生地に,トロピカルフルーツが乗っています.生地はリコッタチーズを使ったもので,意外なほど軽く,意外なほど滑らかで,意外なほどさっぱりこってり(←矛盾しているけど,私の筆力ではこうとしか表現しようがない)しています.

  ここの店の面白いところは,カウンターから奥のケーキ工房が丸見えということです.何人もの職人さんがいったいどんなことをしているか,見ているだけでも面白い.そこで,わざと複雑な注文を出して時間を稼ぎ,ずっと奥の工房を見つづけるというワルいこともしたことがあります(笑). もしかしたら同業者のスパイと思われてたりして.

  おいしいケーキをたくさん研究室に持って帰りました.そばにいた人は役得役得.

10月06日
(土曜日)

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船橋ららぽーとでクライミング大会/緊急連絡っ

 [アウトドア] 船橋TOKYO-BAYららぽーとのハーバー通りでフリークライミングの競技会がありました.私はジャッジで,今日だけのワンポイントリリーフです.今日は初心者クラスの予選. 余裕余裕…と思っていたら甘かった.

  まず参加人数が多い.全部で46人.それも全員が二つのルートを登るので,述べ92人の登り(と墜落ポイント)を見逃さないように見張っていなければなりません.ジャッジはもともとひと時も神経が休まらない仕事なので,これは大変です.

  第二に,初心者クラスですと安全確保を自分でとることが充分できません.リードで登っているとき,ロープよりも壁側に足を入れてしまうのはある程度経験を積めばまずやらなくなるのですが,どうしてもこのレベルではそんなところまで気が回らない(それがいかに危険な行為であるか,身体が覚えていない)のです.ヒヤヒヤハラハラの連続でした.

  結局昼飯を食えずじまい.日本でクライミング競技会が始まったころのジャッジは大抵そうでしたが,最近ではノウハウの蓄積が進んで,だいぶ仕事がらくになりました. でも今日はその昔のことを思い出すような,忙しいコンペでした.

  ま,でも,無事けが人もなく終了しました.のべ92人の墜落を身体で受け止めたビレイヤーの皆さんもお疲れ様でした. 大勢の観客の皆さん,楽しめましたか?

  それにしても,スヌーピーの店の前で行なうコンペって,結構珍しいよな…

 [身体と健康] 夕方,友人が緊急入院したという連絡が.成り行き上連絡係を買ってでて,あちこちに電話連絡.容態は思ったほど悪くはないことが判明.明日見舞いに行けば充分でしょう,と結論.それにしても,事故や病気は突然襲ってきますね…

10月05日
(金曜日)

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飛び入りアドリブ/グリーン車熟睡号

 [研究][電子・コンピュータ] 学会の最後は,今後のGAMEを考える討論の場.GAMEの終息/収束へ向かっている人と,これから本番と意気込む人の間にある温度差が気になりました.

  GAME-Tの今後の話を沖さんがする予定…と思っていたら,沖さんが手招き.「GAME-Tデータセンタの話,僕の発表時間の間に安形君しゃべってくれない?」というわけで飛び入りご指名.

  それでは,と沖さんが用意していたPowerpointを見せてもらって話の全体像をつかみます.ノートPCにGAME-Tデータセンタのサブセットをコピーしてデモする予定なのですが,現時点で月降水量アニメーションがIE専用なので,仕方なく?Windows上のPowerpointで作っているようです.時間がなかったのか,いつもの小粋なMagicpointプレゼンとは違って無骨な感じ.

  それを指摘したら,「じゃ,時間があるからattractiveに改造してくれる?」…しまった,頼まれたら断りきれない性格を見事に見抜かれています(笑). デザイン力に定評のあった金さんはもう韓国だし,私がやるしかありません.

  Powerpointの配色決定は,ちょっと直感的でないUIを通じて行なうので,結構戸惑う人がいるかもしれません. 他の人の発表の最中だというのに仕事をして,そこそこ見せられるぐらいのレベルに仕立て上げました.

  発表は,それまで机の陰に隠れていた安形が突如登場するという演出.沖さんがいい写真を多用して楽しいプレゼンをする様子だったので,安形は珍しくひたすら真面目にやりました. 「懐刀」の面目躍如ですな(持ち主をも傷つけかねない危険な懐刀とも言われているが…(笑)). 何はともあれ「対照的な二人」を演じました.

  オマエのことだからさぞかしキタナイ格好で発表しただろうという皆さん,ご心配なく.実はこの三日間背広で通しました.ネクタイもシャツも毎日替えましたゼ,念のため(わざわざ言わねばならないところが哀しい(爆))

 [研究] ポスター発表で面白かったのが,ユーラシアではNDVIが高くなるのは西から始まってそれが東に伝播してゆくという話.「Green Wave」と名づけているそうです. そして,これは昨日も別の人から伺ったのですが,我々はまだ衛星データという果実を充分「味わって」いないという話も印象的でした.

 [研究][電子・コンピュータ] 発表後にあった質問の一つは,データセンタ自体に関するもの.GAME-Siberiaでデータセンタ立ち上げに携わっている鈴木さんからです.学会後も相当長く議論しました. 結局まずは形を作ってしまうのが一番大事ということは,何とか伝わったと思います.

  二日間夕食をともにした神戸大の学生諸君に「どうだいオレの歴史的大演説を聞いた気分は」と軽口を叩いてお別れ.出口では,学会スタッフの人が撮った写真を配っていました.1時間くらい前に撮られたはずの写真もありました.安形が写っているのも二枚.面白いサービスでした.

 [食べる・飲む] ずっと会場で普段会えない人たちと議論をしていたら,気がつくと仲間は皆いません.一人で栄の近くをぶらついて,町の構造を探索しました(ああ地理屋…).栄の地下街できしめんを賞味.一昨日味噌カツ,昨日はひつまむし,で今日はきしめん.うーむ愛知県.

  さて,出発前に買った帰りの切符は,これまたのぞみ号の,なんとグリーン車指定席です.結論から言うと,普通車とそんなに変わらない.だけど,前の席との間隔がちょっとだけ広い,その「ちょっと」が嬉しいときもあるはずです. そうそう,嬉しかったのは背もたれの左右上端にデッパリがついていて,寝るとき頭を傾けるとそれを枕代わりにできる.これは便利.ヒットです.

  名古屋→東京は1時間半足らず.この僅かな時間にグリーン車料金¥4000をつぎ込む贅沢でしたが,多分それだけの価値はあります.だいぶ寝られました. 帰京後研究室に行くつもりでしたが,気が変わって誰もいない自宅へ.明日も仕事です.

10月04日
(木曜日)

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ひつまぶし または ひつまむし

 [食べる・飲む] ひつまぶし,です.ひまつぶしではありません.一人前¥2300の,普段だったらあまり縁がないような贅沢な食べ物です.

  学会が終わった後,日本気象学界最強の飲みコンビ(量が多いのではなく,この二人がいると酒宴が本当に盛り上がるという意味)東大松本さんと神戸大山中先生と一緒に,それから,前夜に続いて神戸大や地球フロンティアの方々と,栄松坂屋(松坂屋本店)にあるひつまぶしの店に行ったのです.

  ちいさなおひつの中にご飯,その上をウナギ蒲焼を細かくしたものが覆っています. で,それをお茶碗にとって食べます.

  1. 最初はグニグニまぜたものをそのまま
  2. 二杯目はトッピングをいろいろかける
  3. 三杯目はお出汁をかけてお茶漬けにする
なんていう「マニュアル」が机の上に乗っていました.

  「要するに現在は層状性の雲が覆っているところに対流を起こすというわけね」などと気象屋らしい軽口をたたきながらグニグニおひつをかき回す集団.

  マニュアルを提示されるとその通りやりたくなくなる一部の人々(笑)

  おいしゅうございました. しかしそれでは飽き足らずにほぼ全員二次会.それにしても,名古屋に来てから生産研関係の人と一緒にメシ食ってないな…(後日記:結局最後までそうでした)

  楽しい一夜でした.げらげら笑うという感じでもないけど,こんなにしゃべったのは久しぶりでした.

10月03日
(水曜日)

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私はタイの要人?/チャイヨー連発/大学間交流

 [研究] 名古屋産業貿易館で開かれた,5th conference on GEWEX in Asia and GAME.宿からは徒歩15分弱.外に何の案内もないので戸惑いましたが,無事西館10階の会場に到着.

  いきなりポスター貼りです.パリのときと同じように,小さいポスターの組み合わせで,自在にレイアウトします.今回,事前アナウンスでは「横90cm×縦120cm」だったのですが,本当に横幅がそのサイズでした.1cmたりともあまりがありません.実はこういうことは珍しいです.ポスター間もほとんど隙間がありません.

  コアタイム(発表者がポスター前に立って質疑応答を受ける時間)は,ポスター番号の偶奇で分けられいたのですが,さもありなん.これでは全ポスターが一緒に説明できません.うまく分けたものです.

  さて,発表会場に行きました.おっと,GAME-T関係のタイの要人がほとんど全員来ているTMDRIDNRCTも… なんとビックリです.嬉しかったですね.

  タイの人々と再会を喜び合いました.Sawatdii krapの連発です.3月のプーケットで,自分の派手なOHPを背中や胸にぶら下げてGAME-Tデータセンタの宣伝をしていたことを覚えている人が多かったです(笑). また,6月のバンコクでもタイ語の勉強をしていることが大受けでした. そのことも覚えていてもらっているようでした.

  同僚のCさん from Thailandに考えてつけてもらったニックネーム(タイでは親しい間柄はみなニックネーム「チュー・レイ」で呼び合う)は「Nam-phuu」,「湧き水」という意味です.このことは6月にバンコクに行ったときNRCTで紹介しましたが,そのこともだいぶ有名みたいでした.

  みな異口同音に聞きます.「今度いつタイに来る?」…ものすごい熱気と期待を感じました.いつのまにか僕は,タイ科学界における国家的要人になっているようでした.  聞くと,GAME-Tデータセンタが大受けなのだそうです.これがタイに新しい風を吹き込んだとのこと. データセットにふくまれているデータ自身は,どれも僕自身が観測したものではないのですが…

  ポスターの奇数番号は,お昼がコアタイム.私は偶数なので関係なし…とおもってぶらぶらしていたら,タイの人を始めとして大勢につかまってしまい,結局隣のポスターにだいぶ迷惑をかけながら(笑),1時間以上説明をしていました.

 [研究] 午後はGAME-T関係の打ち合わせをロビーでしていたら,「あまりにもアヤシイ雰囲気なので」他に部屋を用意しましたからそこでやってね,と主催者の人からお達しがありました(笑). あれこれ議論していたら,なんとつい先日まで同僚だった金さんの現在のボスという金さん(ややこしい)が入ってきまして,将来のEGATタワー観測の展望について語り合っていました.

  …議論はどこまでも厳しくかつ面白かったのですが,なんと午後にあった自分のポスターのコアタイム(偶数番号)に行くのを忘れていました! まぁお昼にあれだけ説明できたからいいでしょう(タイのめぼしい方々には皆説明できた). ちなみに片付けに行ったとき,ポスターのところに数十枚残置しておいた名刺は残り2枚となっていました.

 [食べる・飲む] 夜のバンケットは違う建物で.ここへ行くとき,京大山岳部の猛者と話が盛り上がりました.さて,バンケットの片隅に,なんとケーキのテーブルがありました.安形もそこに群がったのは言うまでもありません.全ての皿を一通り賞味したところ,何か横から冷たい視線が(笑). 最初はナニヤッテンノカシラコノヒトという目をしていた人と,なぜか会話が結構盛り上がりました…と思ったらいつのまにかケーキがなくなっていた!

 [ひと] タイ語の乾杯は「チャイヨー!」です.タイの人も大勢来ています.パーティ後半はほぼずっとタイのいろいろな人と話をしていました.ひたすら「チャイヨー」連発です.楽しかったですが,同時に私(というか日本のGAME-Tコミッティー)に対する予想以上の期待の強さを感じてちょっと武者震い.

  バンケット終了.そうしたら関西の大学方面の人がメシ食いに行くというので,なぜか一緒についていきました.いやはや,大学間交流は楽しいです. 普段顔を合わせない人ばかり周りにいる夕食.

  ずっと前にも書きましたが,若い女性の関西言葉は美しいですね. 普段聞きなれないからだけだとしても,やっぱり耳に心地よい.

  心地よい夜風に吹かれて宿に帰りました.やっぱり,学会は初日発表に限るね!

10月02日
(火曜日)

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のぞみ号出発

 [森と樹][生活] 夜明け直後くらいに家に帰りました.私が勝手にもくせい駐車場と呼んでいる駐車場は,今がまさにキンモクセイの咲き始めで,例のなんともいい香りが満ちていました.すぐ寝たいのを我慢して洗濯機を回した後就寝.でも10時ごろ起きてしまってもう寝られず,部屋の片付けを兼ねて名古屋への仕度.

  おっと,GAME-T絡みということでタイの人も来る.というわけでタイ語名刺を印刷作成.

  夕方,また車で研究室に行き,さらにいくつかオシゴトして,さて渋谷へ.そこで緑の窓口に行き,名古屋への切符をかいました.

  なんとのぞみ号です. もちろん生まれて始めて.

  のぞみ号ということはもちろん指定席です.さらに帰りの切符までさきに指定で買ってしまいました.そう遠方に行くわけでもないのに,また,交通の便が別に極度に悪いわけでもないのにしては,珍しいことです.

  (無意識のうちに,疲れを取りたいと思っていたのでしょう.きっと)

  夜の汽車では飲むと決めています(笑).それにしても速い速い.ゆっくりロング缶○本味わっているヒマもなく着いてしまいました.なんだかだまされた気分です. そういえばいつか軽井沢に新幹線で行ったとき(ちなみにクリスマス)も同じことを思ったですね.かつて550ccのボロ車で国道18号旧碓氷峠を群馬側から越えたことがある身からすると,高崎→軽井沢15分というのはなんだか嘘のような世界でした.

  泊まりはもう決められていて,栄の東急インでした.何を思ったかビール自販機のすぐ側の部屋.12階まで客室があるのに自販機があるのはその一箇所だけなのです.それにしてもぴったりの客過ぎます(笑). で,何本飲んだのかは内緒.

10月01日
(月曜日)

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車もリフレッシュ/扇状地湧水の郷

 [車] 新しい10月は,いきなりバッテリあがりで幕を開けました.

  秋田に来る途中SSの人にボンネットチェックをしたもらった際指摘されたバッテリの弱りを素直に聞き入れて,あの場でバッテリを交換しておけばマシだったでしょう. ま,後悔や反省ばかりじゃ先に進まない(文字通り)ので,打開策を考えねばなりません.JAFを呼ぶ,通りすがりの車をつかまえるなどありますが,私のとった方法は最も直接的なものです:「バッテリを自分で交換する」.

  激しいダート走行をすることの多い安形号ジムニーには普段はそれなりの車載工具を積んでありますが,実は最近下ろしてしまってまだ載せていないのでした.しかたなくチンケなプライヤー一本でバッテリをはずしました.ちなみについていたのは28B19Rです.

  最寄のガソリンスタンドまで歩いて2km.在庫を聞いたら,このサイズはないとのこと.ここで更に道を聞き,1kmの歩きで次のスタンドに着きました.ここでも在庫ナシ…と思ったらどこかに電話をかけて調達してくれました.40B19R,5000円ちょっと.

 [ひと][地理] 全くの余談ですが,秋田は美人の国だというのは,少なくともこの数日の私の通ったルートに限って言えば本当でした.特にこの歩きの最中がビンゴ.バッテリ上がりも悪いことばかりじゃありません(笑). …そんなこと言っている場合じゃない(爆)

 [車] 雨の中重たいバッテリを担いで車に戻り,例によってプライヤー一本で取り付けると,はい何事もなかったかのようにエンジンがかかった. これまで酷い仕打ちをしてきたオワビに,速攻でオイル交換・ワイパー交換・ウォッシャー補充を行うことにしました.近くに車用品店があることは知っていたのでそこに直行.

 [ひと] そこの女性店員が印象的でした.会話のレスポンスが違います(頭がいい).客に不利になることを薦めない誠実さもあります(会員カードがある全国チェーンなのだけど,家の近くでカード会員になったほうが有利).あと,今日はもう見飽きた(笑)という気分だったのですが結構美人. 店員教育が行き届いて切るのか,客への応対も実に丁寧で親切,かつ押し付けがない.

  これで実は車の整備もできるなんていったら最高なのだけど…とわけのわからないことを考えているうちに,作業終了.車が戻ってきました. 確かめてみると,あれ,ワイパーが変.よく見たら交換してもらったゴムがちゃんと付いていないではありませんか.自分で直してもいいのですがそれじゃ整備士のためにもよくありません.早速受け付けに文句をいいに行ったらさっきのねーちゃんがいました.事情を話したところ,整備工場に連絡しに行くかと思ったら自分で来ました.様子を確認してから整備士のところに行くのかな,と思ったら,これまた自分でワイパーのチェックを始めました.

  慣れた手つきでパカパカと直してしまいました

  それも,どうみても全ての手順を知っているとしか思えないよどみのない手つきで… もしかしたら門前の小僧なのかもしれないけど,一定以上の技術力は間違いなくその両手に持っているようでした.

  電話番号聞いておけばよかった(笑)というのは冗談ですが,世の中不思議な人がいるものです.

 [水] 六郷湧水群.これは六郷町の中心部周辺に湧いている60個以上にも及ぶ泉を総称する言葉です.町の中心に湧水が満ちているということ自体実に魅力的で,ぜひ訪ねてみたいところでした.昨日「秋田の水神様」秋田大の肥田先生に頂いた資料にいい地図があったのでそれでぐるぐる回ります.まず側清水.いきなり水を汲みに来ている人がいました.しばらく待っていると,途切れなく次から次へとやってきます. Ecは210μS/cm.ちょっと面白い味がします.

  町の入り口にも町中にも湧水への標識が満載です.町を挙げての湧水保全に取り組んでいるようすが明白です.つぎに,本によく紹介されるニテコ清水.妙な名前ですがアイヌ語起源という説明がありました(本当かなぁ?北海道にはこういう地名は聞いたことがないけど,確かにnitayが森,kotが窪み,そして湧水は確かに木立に囲まれた窪みにある…). 湧水のわきにある実にクラシックな建物は,ニテコサイダーという昔ながらの清涼飲料水工場です.Ecは129μS/cm.こちらはだいぶ素直な味.

  御台所清水.湧水にランクをつけるのは好きではないですが,今日見た中ではもっとも印象的な存在と言えましょう.豊富な流出量,広い池,過不足ない整備状況… 六郷湧水群は名水百選,六郷町は水の郷百選に選ばれているのですが,まさにそれに相応しい町であるとだんだん感じるようになってきました(ちなみに名水百選は,水質や自然もさることながら,「人と水がいい関係を保っている」ということを重視して選ばれています).Ecは137μS/cm.前二者のいずれとも違う個性ある味です.

  ただ,近くの久米清水は涸れていて,キャペコ清水も涸渇寸前.ちょっと気になりました(キャペコもアイヌ語…と思ったらどうもそうではないようで,東北地方方言との資料がありました.意味は,詮索しない方がいいでしょう,紳士淑女諸氏は…)

  近くに肥田先生に教えてもらった湧水情報センターなるものがあったので寄ってみました.若い女性店員がヒマそうにしていました.小雨降る中わざわざ湧水めぐりなんてする人はいないんでしょうか.ここでニテコサイダー一箱を土産に買いました.

  諏訪清水.諏訪神社境内に湧く泉です.一応ちゃんと湧いていました.あるべきところにあるべき神社があるという感じでした.ちょっと歩くと藤清水.こちらの水は,水場の整備が実に生活に根ざしている感じで好ましい.その一方で湧き出し口は自然のままに保たれています.Ecはどちらも140μS/cm.

  さて,ここまで調べた範囲でEcを地図にプロットしてみると,なんとなく上流(扇央)側ほどEcが低いような気がしました.というわけでその時点で持っていた地図に記載されていた中では一番扇央に近い湧水「長英堂清水」に行ってみました(後日注:その後,もっと扇央側の民家内にも泉があることを知る).途中浄海清水(Ec137μS/cm)により,着いたその清水は… 涸れていました.あちこちの湧水にこれでもかとばかり立ててあった看板も,ここにはありません.季節的ではなくて恒久的に涸渇してしまったのでしょうか.湧水群が変化をこうむる場合,縁辺の湧水からまず最初に影響を受けるというのはありうる話です.大いに気になることです.

 [水] 肥田先生から頂いた資料の一つに,六郷町だけでなく仙北平野全体の水のマップがありました.そこにはほとんど全国的に知られていない畑屋湧水群・本堂城回(ほんどうしろまわり)湧水群などの詳細な地図がありました.これは行くしかありません.

  畑屋湧水群は,訪れたところのほとんどが涸れていましたが,公民館のようなものの側に健全な泉が残っていてほっとしました.圃場整備のときにもだいぶつぶされたがここだけは残した,云々の石碑が立っていました.Ec=138μS/cm.

  本堂城回湧水群の探索はさらに困難を極めました.といっても分かりにくいのではなく,単に日没後ついたからです.近くに車を止めて歩き回ると,この集落も水の音にあふれたところであることがよく分かりました(車でも,窓をあけて走っているとすぐわかる).「オンコ清水」(125μS/cm.オンコは北海道方言でイチイの木のこと.名前の通りイチイの木の下にある),「星山の泉」(135μS/cm)を回りました.

  秋田にいるとよく名を目にする「菅江真澄ゆかりの地」看板.ここにもありました.湧水群の一つ「星山の泉」がそういう史跡の一つだったのです.絞り開放でも10秒以上のシャッターが必要だった薄暗闇の中で,泉のほとりに一人佇んでいました.

  つるべ落としに暗くなる空に,長かった旅の終わりを感じました. さようなら美人の郷(←こだわってるこだわってる(笑))

 [車] 一人静かに,イグニッションを回しました.今度はちゃんとかかりました(笑). 

  長い長い秋田道と東北道. 小刻みに小休止を繰り返し,行きよりずっと楽に帰京しました.途中何を思ったのか通常の倍くらいオミヤゲを買い込んでしまいました.

  往復1300kmの旅,これにて終了.といっても着いたのは研究室だったりします.明朝家に帰り着きました.

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安形氏にめいる
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