日記:2000年08月

最終更新:2001年11月14日 15:40



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安形氏にめいる
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08月31日
(木曜日)

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 [研究][ひと] グッドニュースとバッドニュースがあったが,グッドの方だけ書く.二人の新しい博士の誕生だ.今朝8時30分と9時50分から二人の博士論文発表会があり,本郷まで行ってきた.驚いたことに,この朝早いのに(そして皆家が近くないはずなのに)大勢の仲間が応援団として駆けつけてきていた.審査教官の背後に陣取った我々が,教官にとって無言のプレッシャーとなったので…ってウソウソ(笑),内容が良かった(博士号に値するものだった)ので,審査結果は見事「合格」!

  二人の発表を見ていて心底羨ましく思った.彼らは長い間苦闘を続けてきて,その最終決戦としてここにいる.必死に緊張と戦っていて,しかしそれを外に見せまいとしている.そんな貴重な経験ができるということを羨ましく思ったのである.もちろん研究生活を続ける限り戦いは続く(私の場合闘い自身が日常という感じがする)のだけれど,しかしおそらく一生で何回もあるとは思えない貴重な経験を目の前でしているのだ.一人のみならず二人もの人間の,こういう真剣な戦いの場に居合わせたことを幸せに思ったものだ.

  峠の絶景は,峠に立った人にしか分からない.樹林帯のきつい登りに苦しんでいる人に,その絶景を信じさせることができるかどうかは,ひとえに指導者の力量と信頼関係に依るのだろう.そんなことを山登りを始めて(20歳ころ)から感じるようになったものだ.

  今日その峠のトップに立った彼らに乾杯だ.どのような景色が,その双眸に映っているのだろうか.前に広がるその絶景が,実は行ってみると茨の道だったりするのだが(体験談),しかししばらくはその美しい眺めを,自分が登って来た道の眺めと同時に楽しんで欲しいものだ.

 [研究][ひと] 久しぶりの本郷というわけで,昔の根城に挨拶.ちょうど後輩がいたので久しぶりに議論をしてきた.議論の内容は,要するに「我々は何のために研究をしているのか,何をめざしているのか」という一見ありふれたことなのだけど,しかし彼の問題意識は深く,広く,久しぶりに楽しい議論ができた(横から見ているとけんかしているように見えたかもしれないけど(笑)).彼はおそらく私を超える潜在能力を持ちながら,20万人に一人という珍しい難病に侵されて闘病中だったが,徐々に回復ステージに入りつつある.そうした「高い峠を越えてきた」経験が,実は思考を深める遠因になっているのかもしれない.私もかつて事故で死にかけた経験があるが,さてそれは何かプラスの影響を及ぼしているのかな…ちょっと心もとない(苦笑).挫折が人を成長させる,というのはやはりある程度真実を含んでいるのだろう.しかし挫折−それはいろいろな種類のものがある−の真っ只中にいる人にそれを言ってもその人の苦しみが消えるわけではない.そこがまた難しいところだ. 

08月30日
(水曜日)

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 [生活][天気と季節] 気がつくと,いつのまにか夜鳴く虫の種類が変わっている.エアコンのない私の部屋では,夏は窓を開け放して寝るのだが,今朝は涼しさで目が醒めた.今日も夜明けと共にセミが鳴き始め,昼間は相変わらず暑くなるのだろうけど,しかし確実に季節は進んでいるのである.

  それにしても,独りの夜はやっぱり長い.

  もっとも,その長い夜をほとんど睡眠に費やしている(笑).何しろ10時前就寝,5時前起床だ(ちなみに今は4時前).最近は妙に朝型になっている(ついでに言うと帰るのも早い).一人暮らしは不便ではあるけど,しかしこういうスケジューリングの自由度は高いのだ. ゆっくり独りを楽しむといういつもの生活ではなくて,完全に研究オリエンテッドなのだけど,それもまた人生.

 [研究][生活] 博士論文・修士論文発表会の練習会が今夜行われることになった.ちなみに本番が明日という人もいる.最終追い込みというわけだ.今日やるということが決まったのが昨日(昨日も練習会があった).同時に,今日夜の調布花火大会に行けないことが確定.

  論文を書くのはもちろん個人であるが,しかしその質は,特に発表会などのプレゼンのデキは研究室の総力にずいぶん左右される.練習会は,だから周囲の人間にとっても手抜きができない真剣勝負の舞台だ.

  何はともあれ,花火大会の先約がなくて助かった.もしあったらそちらは即キャンセルだっただろう(発表練習会のほうが,はるかにウェイトが高い).その時どんな軋轢が生じたか想像するのも恐ろしい.しかし,研究生活を続ける限り,こういう犠牲を常に払って生きていくことになるんだろうな…と実感した次第. 社会人になった同級生が聞いたらナニヲイマサラと言うかもしれないけど.

 [水][天気と季節] 台風12号は中国の海岸沿いを進み,日本とは全然関係ないところにすっ飛んでいってしまった.関東周辺は相変わらずの雨なし状態だ.そろそろ水がめの状態が心配になってきた.そしてそれは関東だけの話ではないのだが,香川の人からのお便りによると,まだ早明浦ダムには水があるらしい.福岡はどうか?愛媛はどうか?わが国からそろそろ晴れ男晴れ女を国外追放せねばならないようだな…(笑)

  (追補)昼頃外を見たら,おや,路面が濡れていた.天気は曇り.お湿りがあったのかもしれない.だれか雨男でも来たのか,それとも晴れ女がちょっと反省したのか…(笑)

 [ひと][生活] 珍しく他人の服装についてコメントしてしまった一日.久しぶりである.まったく,何と思われたんだか…不快な思いをさせていなければいいんだけど. 先日書いたようにいつもはこの種のことはあまり口に出して言わないんだけど,なんだか誇らしげに着ていたのでついつい言葉にして出してしまった.

  いかん,いつまでも起きているととんでもないことを書いてしまう(笑).明日は本郷に同僚の博士論文発表会援護射撃に出動だ.寝ぼけた顔で行くわけにもいくまい.早く寝る. これから数日の間には,私が苦手とする「断り」の仕事(あまり顔を合わせない人相手だからまだ楽だけど)が待っているが,ま,明日は明日.今日はよく寝よう.

08月29日
(火曜日)

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 [電子・コンピュータ] RPGの歴史がWizardry(#4)とXanadu(シナリオ2)で止まっている私にとって,ドラゴンクエストVIIの発売(やっぱり行列ができたそうである→やじうまPC Watch)なんて遠い世界の話である.ただ,これを売っているエニックスという老舗にはずいぶん昔からの思い出がある.

  ENIXははるか昔からある会社で,私が高校の頃からPC-8801シリーズ用のゲームを作っていた.しかし,私にとって思い出深いのは,商品としてのゲームではなく,同社が主催したゲームコンテストなのであった.当時は個人の力で世間に通用するゲームが書けた古きよき時代だった.で,最優秀賞には「ドアドア」というゲームが選ばれたのであった.もちろん個人作.

  現在はオープンソースがもてはやされているが,この当時はプログラム公開など当たり前の話だった.工学社発行の「I/O」という雑誌(今でもあるのかな…)をよく読んでいたのだが,オープンソースどころか機械語バイナリが全部公開されていたのだ.ダイエットしすぎた蟻んこのような小さい数字で,16進数が数ページ(極端な場合は数十ページ)にわたって並んでいたのを今でも鮮明に覚えている.で,ハードウェアを持たないくせにそれらをハンドディスアセンブルして(ちなみにZ80.アセンブリ言語は自前で言語構造を作ってしまった.どうせならアセンブラまで作ってしまえばよかったが,キャリーラボに先を越された),結局眼を悪くしたのであった.

  あと,Xanadu(シナリオ1)といえば,全ての闘いが終わった後の音楽が絶品だった.確かハープシコード系の音が2音か3音しか出ていないシンプルなものだったのが,その寂寥感が胸を打つ,なんとも感動的なものであった.「臨終の際に聞きたい音楽」ベスト5には間違いなく入るだろう.

 [電子・コンピュータ][ひと] 最近,ああ,困ったちゃんの更新がない.コンピュータ業界の実態を表す貴重な資料なのに. なお,これを読んでプロになりたくなくなったSE志望の方,私たちと一緒に地球科学をやりましょう(笑).ここならそのウデを存分に活用できますよ.

 [水][電子・コンピュータ] 連日のように来る名水大全リンク許可or報告メール.今月は食品関係サイトからのものが多かった.名水大全では自分で汲みにいかねばならない水を紹介しているのだから,普通の意味での食品・食材ではないのだが(単に水の入手を目的とするだけでなくて,自らの足でその水と周辺の自然環境を見て欲しいものだ).しかしそれにしても,気合の入った食品関係のサイトが多いね.

 [ひと] 親孝行ならぬ祖父母孝行をしていないことに気づかされた出来事あり.ブルーになるね,安形らしくない(苦笑)けど.まあ,孫は東京で元気にやっております.仕事が一段落ついたら帰省かな?

08月28日
(月曜日)

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 [研究] 研究室四国ツアーレポート私家版はとてつもない長さになる可能性大.誰が読むんだろうか?(→とりあえず現時点では一日目の1/4くらいしかできていない).でももとはといえば国家予算(早い話が税金だ)で見学旅行に行かせてもらっているようなものだから,きちんと社会に自分の見たもの・得た知識等は還元しないとね,と頑張っている.

 [生活] 今日は現時点(14:15)でまだ一言もしゃべっていない.このまま押し通せるかな?昔は一日中口をきかないというのは常習犯だったのだけど,最近は完全犯罪(挨拶すらしない)はもちろんのこと,挨拶しかしないというB級犯罪もやっていない.久しぶりのチャンス(←何のだ(笑)).

  (後日記:その後うっかり実家からの携帯電話に出てずいぶんおしゃべりをしてしまったので計画(だから何のだ〜)はポシャってしまった.今度父が来たときに,妹の結婚式のときの写真を見せてくれるらしい.妹がきれいに写っているのは当然として,私は花嫁の兄として恥ずかしくない姿に写っているだろうか?ちょっと心配.せめて妹が苦笑いするような格好で写っていませんように.なお,その他に今日声を出したのは電話の取次ぎと帰りの挨拶だけだった.C級犯罪くらいにはなるかな)

 [研究] 9月8日のLSM研究会でSiB2関係の発表をすることになった.4ヶ月前まで,SiB2どころかLSMという単語すら知らなかった人間が,である.これを成り上がりと言わずして何と言うのか.気分は矢沢永吉である.目指せ不良中年.ヤザワに対抗してたっぷり吠えてくることにしよう.生産研に安形あり,だ.

08月27日
(日曜日)

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 [研究] 今月の初めに行っていた研究室四国ツアーの写真をようやっとスキャンし終わり,研究室内向けに公開した.そうしたら「山と川ばかりでつまらない」といつも歯に衣着せない同僚の率直な一言.ええい,山や川の面白さが分からぬか!といってもやはり写真のウデが悪いんだろうな,と反省.

  それはともかくとして,モチベーションが上がっている今のうちに,レポートを書き始めることにした.しかしどうしても軽い調子になってしまうのであった.どんな文体かというと,まあとりあえず一日目の最初を参照.本当はこの後もっともっと重たいテーマが続くのだが,果たしてこの文体で突っ込みきれるのだろうか…

 [生活] 久しぶりに午後に研究室に来たので,昼飯でなくておやつを買ってきた.が,いつもの店でマイブームのケーキを買うのを忘れたので,そのへんのコンビニで買ってきた.しかしどうもレアチーズらしい味がしなかった.やはり専門店で買ってこよう.

  おやつを習慣にしてみたくなった.食いしん坊の同僚はおなかの調子が悪いということで(大丈夫?),まあ横から掠め取られる心配はないようだが,万一こちらが知らない間に治っていたというときのために,オトリの安物ケーキを置いておき,大事なものはちゃんと隠しておくという手段すら考えている.そう,食い物の奪い合いというのは命がけのゲーム(笑)なのだ,というのは3人兄弟の私の私見.

 [研究] 日曜日,である.しかし結構人がいる.タイからも何人か戻ってきた.またにぎやかな毎日が始まるのだ.もっとも,それで私のやることは大して変わらないのだけど(笑)

 [生活] 月曜日からの一週間の目標として「毎日8時までに来て6時までに帰る」というのを掲げようと思っていたが,実家から両親が襲撃してくるらしいことが判明.さて5時起き攻撃で文句を言われないかどうか,夜予定していた家での論文書きは…

 [生活] マイブーム一昨日に引き続いてもう一つ紹介.駅前のビルにある喫茶店のコーヒーである.私はコーヒーの味はわからない.水の味は多少分からないでもないが,それ以上濃い味はみなスケールオーバーになってしまうのだ(そういえば辛いものが苦手で大の猫舌).が,この喫茶店のコーヒーはなんだかおいしく感じる.

  さて,ご想像の通り,この喫茶店ではチーズケーキがある.もっともチーズケーキを頼むことも頼まないこともある.ケーキが欲しいのではなくて(いや,たまにそれが目的の場合もあるが),なんだかこの喫茶店のロケーションがいいのだ.駅を見下ろすその大きな窓際に座るのがいいのだ.

  窓際に腰を下ろして雑踏を見ていると,遊佐未森「雨上りの観覧車」の一節を思い出す(工藤順子作詩・外間隆史作曲,アルバム「HOPE」(EPIC SONY ESCB1093)収録).音楽著作権の扱いが良く分からないので引用はよしておくが(JASRAC関係の話は世間に相当たくさんの意見?異見?があって,聞くたび読むたびに違う内容であるのでよく分からないのである),内容をいうと,雑踏を歩く自分の姿・自分の心を,自分自身が観覧車から見下ろしているという妙なものである.彼女の歌には,まるでエッシャーかマグリッドの絵でも見ているかのような不思議な雰囲気の歌詞が突然出てきて好きなのだが,これなんかその典型である.

 [ひと] もう一つ言うと,彼女はかつてしょっちゅう「僕」が主人公である歌を歌っていたのだが,これがまたいい歌ばかりであった(「森とさかな」「雪溶けの前に」「旅人」そしてなんといっても安形のテーマソング「僕の森」など).また,それは不思議とよく似合っている.容貌はごく普通の若い華奢な女性だし,声はどちらかというと高いほうがよく伸びるのだが,どこかに男の子っぽさがある感じがする.そういえばAudrey Hepburnにもどこか男の子っぽさがあってそこがイイとこの間書いたような気がする.してみると私が気に入るのはそういうタイプなのだろうか?

08月26日
(土曜日)

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 [生活][天気と季節] 我汗の流るゝ音の聞こゆなり」(高浜虚子)

  残暑,である.昼間は蒸し暑い.うっとうしかった髪を切ってしまった.

  暑さ自体は別にどうってことはないのだが,一つ困ることがある.極端に薄着の女性が増えて,電車の中などでは目のやり場に困ることがあるのだ.

  自分ではファッションに何の興味もないくせに,他の人の服装はよく見てしまう.服飾の世界は,なかなか奥が深くて面白い.面白いのだけれど,面倒だから自分では凝らない(笑).最近ではジャージで研究室に来ることは少なくなったが,相変わらず靴下が左右違うのは日常茶飯事である(爆).

  余談:以前食い扶持を稼いでいた会社にいた紅一点の女性社員がとてつもなくファッション好きで,一年間一緒に仕事をしたのだが同じ服やアクセサリを三回以上みたことがない(ほとんどの服は一回しか見ていない).いったい何着服を持っているのか,どれだけ繊維業界・宝飾品業界に貢献しているのか計り知れないものがあった.もっとも本人は,「あら,女性なら普通よ」と言っていたが…本当なのか?本当ならこれらの業界はもっと好況のように思うのだけれど.

  そういう服を褒めたりからかったりしていた時代は遠い昔のこと.あらぬ誤解を受けたり,気があるのかと曲解されたり,あるいは逆に疎まれたりへそを曲げられたりとあまりいいことがなかった(もちろん言い方がまずいのだろうが,それ以前にそういう性格だと思われていたのかもしれない).現在ではその種の話はあまりしないようにしている.しかし,気づいていて言わないと今度は怒られたりして,なかなか難しいものである.

  昔通っていた音楽教室の発表会で,オリジナルの曲を発表することになった時のことを思い出す.私が作った夏向きの軽い曲には,「薄着の季節」と名づけたのだが,この題名はあまりに評判が悪くて(女性陣から非難ごうごう.ちなみに数十人の生徒中,男性は私を含めて二人だった)勝手に変えられてしまったのである.何か考えてつけたわけではなく,曲調からイメージしただけの題名だったのだが,やっぱりあらぬ誤解を受けるような「問題性格」だったのだろうか.それともやはり女性の目から見てアタマに来るような題名だったのだろうか.真相は今でもわからない.ご意見待つ(笑)

  それから,今日は久しぶりに電車内でお化粧をしている女性に出会った.化粧というのは,何度見てもその複雑なプロセスと,十数種類の道具や化粧品をてきぱきと正確に使いこなす技術に感心させられる.化粧が好きな人は,もしかしたらいいエンジニアになれるかもしれない.

  「雛(ひいな)より遠き眼をして紅を引く」(斉藤史子) …ちょっと季節が違うか

 [生活][地理] 今日はあの隅田川花火大会の日(なぜこれを思い出したかというと,昨日から自宅〜最寄駅間にある神社で夏祭りが始まり,浴衣姿の女性がたくさんいたからだ).行ってみるかね.なんだか旅に出たい今日この頃だが,本所吾妻橋で我慢しておくか

  と,昼頃書いたのだが,そろそろ時間だな…というときにコード書きに(よい意味で)ハマってしまい,結局いけずじまい.やれやれ.駒場6階や屋上からは,はるかはるか遠くに遠望することができた.夜景に呑み込まれそうな,か弱いはかない光であったが,さすがに最後の5分くらいは俄然その存在を主張し始め,たぶん全天の1/10くらいは間接的に光っていた.内乱でも起こったかというすさまじい光の氾濫であった.あの光の下では,何万人という人々が大拍手状態だろう.そして僕はたった独りここにいる.

  さて,次のチャンス(何の?…謎)は30日の調布花火大会だ.大学入学以来12年住んでいた調布に久しぶりに行きたくなってきた.花火会場のすぐちかく,調布染地荘のみなさんお元気ですか〜.ちなみにあの今は亡き(滂沱)スーパーアスキー誌の編集者が設立した会社が調布市にあって,「夢は調布花火大会で大きな花火を上げること」なんてインタビューで答えていた(PC WEEKによる参考記事).今年上がるのかな?

 [電子・コンピュータ] その昔池に落っこちたついでに携帯を水浸しにして壊してしまった私にとって,グッドニュースとバッドニュースが来た.グッドの方は,かなりの防水性能・対衝撃性能を持つ携帯電話が,私が登録している携帯電話会社から発売されたのだ(→IDO社によるプレスリリース,ZDNNによる紹介ページ). で,バッドの方は,この端末が¥42,600もすることだ…これでは買えないな…

 [電子・コンピュータ] 久々にUNIX上(というかCDE上)のMozilla(Netscape Navigator)4.7日本語版でWWWブラウズをする機会があったが,日本語フォントが壊滅的に読みにくかった.「編集」−「設定」−「フォント」で,明示的に「プロポーショナルフォント=Mincho」「等幅フォント=Gothic」と指定したらいささかよくなった.一応システムを選ばず表示できるフォントがdefaultになっていたのであろうが,それは純粋エンジニア的視点.ユーザ側からみるとひどすぎるセンスであった.ついでに言うと,CSSも壊滅的.これは4.0xの昔から指摘されていたことでもある(すみけんたろうさんのMozillaを疑え参照)が,4.7になってまだ問題が残っているとは知らなかった.これじゃMozillaが幅を利かせているUNIX派の人にかわいそうだが,先日PR2が出たVer.6ではよくなったのだろうか.

08月25日
(金曜日)

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 [生活] 最近のマイブームは某ケーキ屋のブルーベリーレアチーズケーキ.ハッキリ言って高い.が,たまに食べるとニコニコ顔になる.うん,うまい.実はブルーベリーの味自体はあまり好きではないんだけど,これは別格.

  今日などは,なんと朝食のメインがこのケーキだった.恐るべき食生活(笑).一人暮らしの特権かもしれない.

  ただ,レアチーズは本当に足が速くてすぐダメになる.朝食べきれなかった分を,今日は研究室に持ってきてしまって共用冷蔵庫に大切に保存した.おやつが楽しみだ. 箱に名前を書いたかどうか忘れてしまったが,今日は食いしん坊の某君が来ていないらしいから大丈夫だろう(笑)

 [経済・社会] 物質によって,保存可能期間が大きく違うのは当たり前.しかしその経済学的意味を考えると結構深いものがある.特に,在庫というものの正の面と負の面をどのようにマネージメントするかというのは,特に流通や製造業では企業の存亡をかけた一大パズルだ.実に面白い.そんなことを考えながら食べるレアチーズは,ちょっとアカデミズムの味がするかも.

 [研究][電子・コンピュータ][数学パズル] 助教授が外国から帰ってきて,すこしにぎやかになった研究室.だからというわけでもないだろうが,研究室内計算サーバが急にこみはじめた.昨日なんてずっとload averageが0.1以下だったのに…

  まあでも,せっかく複数台載っているMPUだ.たくさん使ってあげなければ可哀想だ.というわけで安形もコンパイラ発進.コンパイルオプションをカリカリにチューンだ.もちろんmakeは並列(Sun Workshopの場合はdmake, GNU関係の場合はmake -j4(4並列の場合)).この場合,make時間の短縮化にはMakefileの中でtargetを書く順番も大事になる.これは処理ジョブが極端に多く,また各ジョブの所要時間が大きく異なる場合は大変難しい問題だ.実はあの悪名高き「箱詰め問題」と同値になるのだ(ところでもうP≠NP問題って解決されたんだっけか?).

08月24日
(木曜日)

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 [ひと] 某所でたまたま聞く羽目になった安形の評価:まず第一に「冗談なのか本気なのかわからないので言葉が信用できない」.まあ大事なことでも冗談めかして言ってしまうことがあるから,これは反省の必要アリだ.

  次が,「何をするにしても見返りを求めているようだ」.うーむそう思われているのか. やはり余計なお節介を焼くというのは,二重の意味で相手に対してストレスを与えてしまうようだ. しかしそれ以前に,よほど「無償の行為」が似合わない奴だと思われているのだろう. 何か見返りが欲しくて,ボランティア的行動をしていると思われているのだろう. 相手に「これは見返りをしなければ…」と思わせてしまう何かが,私の自覚しないところで私にはあるのだろう.

  信じて欲しい人に信じてもらえないのは辛いが,ま,しょうがない.それも人生. セ・ラ・ヴィと口ずさんで,肩をすくめて立ち去るのみだ.いつかはいい風が吹いてくるだろう.

 [研究][天気と季節] LSM改造計画は佳境にさしかかっているが,その前に一休みしてISLSCPインタフェースの設計と実装を始めた.最近妙に朝型(7時前には研究室に着く)なのであるが,朝早く来ると仕事がはかどってよい.それに電車もすいているし(もっとも,真昼間に重役出勤してもすいているのだけれど(笑))

  あと,朝が涼しいのがグッド.…待てよ,そうすると冬になったら今度は朝早く来なくなってしまうのだろうか(笑) それ以前に三日坊主に終わらないかどうかに注目だ.

 [森と樹] 先日発見?した駒場IIキャンパス南縁雑草ルートは,今や定番の散歩コースだ.決して普通の意味で快適な場所ではないし,そもそも道はない(雑草を踏んで歩くことになる).ただ,その「道がない」というところがなんとも私の心をくすぐるものがある(1年間同じところを歩きつづけたら,ちゃんとした道ができるのだろうか?).また,私にとっては十分快適な場所なのだ.

  それにしてもものすごい蔦.廃屋にも絡まりついている.いったい何年かかってここまではびこったのだろう.ちょっと異次元ワールドの雰囲気がして素敵だ.それを独りぼっちで見ているとやたら嬉しくなって,「こんなところを好む奴って少ないだろうな.オレって本当に独りが好きなんだな」と改めて実感する.誰にも邪魔されないし,誰をも邪魔しない(←後者は大事). というわけで唐突ながら人生の目標:「余計なおせっかいを焼かない」

  閑話休題,ここはハッキリ言って有効活用されていない土地である.ということは国有財産の未活用を意味する.が,でもこのままでそっとしておいて欲しいともわがままに思ってしまう.

 [研究] 某先生から来年4月からの求人の話があった.東京から遠い国立大学の工学部である.現在の研究環境でできる/やっていること(それはかなり大掛かりなプロジェクトだ)が来年3月までにどれだけカタをつけられるか分からないのでまだ何とも言えないのだが,しかし今は,東京をできるだけ遠く離れたい気分でもある.一応話は聞いてみることにした.セッティングをしてくれる先生に感謝.

08月23日
(水曜日)

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 [研究][電子・コンピュータ] 突然だが,IDFが始まった.世界は確実に動いている.私が何もしなくても(笑)世界は動いている. というより,何をやっても世界は変わらず動きつづけるのかもしれない.

  しかしまあ,立場としては歴史を作れるポジションに今はいるのだ.そう思うとmotivationが湧いてくるというものだ.

  (後日記:IDFでは2GHz動作のPentium4がデモされたらしい.1GHzがデモされたのがIDF1999Springだから,約1年半で2倍,あれ,ムーアの法則そっくりだね.さて,AMDはどう対抗するかな?注目だ→参考記事

 [ひと] ただし,いくら安形でもできないことはある,ということを,やはり長生きするとたくさん体験する.研究上では別にそうでもないのだが,他分野ではなかなか,ため息の連続である. ま,誰を恨むわけにもいくまい.自分に関する責任は自分で負うのが,また安形らしい生き方である…と勝手に決め付ける. 私が落ち込みたければ,独りで落ち込めばいい.いちいち他人を巻き込むことはない.ちょっと世捨て人になりたい気分.…え,もう十分なってるって?(笑)

08月22日
(火曜日)

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 [研究][文献][ひと] 久しぶりに読んだ泣ける文章の話だ.これほど泣かせる文章は久しぶりに見た.その「泣き圧力」は原田康子の「満月」以上かもしれない.

  ちなみに,泣きフラックス=泣き圧力/涙腺抵抗.ここに涙腺抵抗の逆数は速度の次元を持つ(これで笑える人は相当の通だ(笑)).

  閑話休題,その文献とは,なぜか岩波の「科学」(Vol.70, No.8, 2000年8月号)に載ったものである:牧島一夫「ASTRO-E衛星の打上げ失敗とその意味」642-650.文部省宇宙科学研打ち上げに失敗したロケットおよび人工衛星について,その失敗によりもたらされた影響と失われた希望を克明に記している.

  著者は物理学者らしい.どういう人かは知らない.しかし行間からは,著者の嘆きと慟哭が克明に伝わってくる.もちろん科学者らしく,筆致は冷静である.しかし,プロの研究者としての誇りをもって研究活動を行っている人(あるいはそれを本気でめざしている人)なら,その筆の向こうにある著者の抑えきれぬ感情をはっきり感じ取ることができるだろう.そしてまた,困難であることを承知の上で再起を期している筆者の悲壮な覚悟も…

  彼らの苦悩に比べれば,我々は何も悩みがないに等しいとも思った(反論もあるとは思うが,まぁこの種の話は,少なくとも外から見ればいつも相対的な話なのである).私たちは,彼らのような厳しい勝負の世界に生きてはいないのかもしれない.ある意味で残念なことである.しかしいつかは同じ立場にたつのかもしれない.その時のために力を溜めておきたいものだとも思った.

  「科学」にこの文章が載ったのは幸いであった.そうでなければなかなか私を含めて多分野の人が目にすることはなかったであろう.こういう雑誌がある日本のアカデミズムに乾杯だ.

  打ち上げ失敗の後,何通か手紙が届いたらしい.多くは「残念な結果だったが,あきらめずに再起を目指せ」というものだったとのこと.

08月21日
(月曜日)

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 [研究][文献][ひと] 例によって日経ビジネス誌の話.最新8/21号の特集は「良くても売れない,のなぜ?」という話題.

  記事内容の詳しいところは略すが,研究者でも同じことが言えないだろうか.「能力があるのに,なぜ?

  前にも書いたが,能力を持っていることとそれを発揮できることは全く次元の違う話だ.適切な時期に適切な指導を受けられず,よき出会いにも恵まれず,チャンスをいかす方法を知らなかったがために徒に埋もれていった才能がどれだけあるのか,考えるだけで背筋が寒くなるというものだ.その中には何かの分野で百年に一人という天才がいたかもしれない.

  安形自身はこういう点では恵まれていたように思う.運はいい方である.特に研究上の「出会い」と「チャンス」については(研究以外では,金銭運に問題アリだ(笑).あと,女性運については,近年は上昇中だと感じるが,それを必ずしも活かせていない…).といってもそれは今まではそうだったというだけの話.運は永遠のものではないことに気がついたころから,風向きが変わったときにも耐えられるような心構えはしている.

  あと,論文を書かないと「能力を発揮している」ことにはならないよな,という訳で,今日朝は家で論文書きをしていた.だいぶ手間取って昼にも終われなかったが,もう少しで草稿完成だ.頑張れ私.

  現在私の周りでは,いずれ私を超えるだろうというポテンシャルをもつ後輩がいる.これ自体は私にとっては幸せなことだが,そのポテンシャルを発揮させるには,彼らが隠し持っている才能を彼ら自身に自覚させ,自分の力で自分を磨く力が湧いてくるのを待つことが必要だ.もちろんそれは,研究指導なるものをしたことがある人なら分かると思うが,実に難しい仕事だ.時には失敗もあるかもしれない.

  しかし希望は捨てない.この研究室なら,それができるはずだ.

 [研究][生活] 今日も,仕事が一区切りついたちょうどその時,同僚の差し入れがきた.今度はコーヒーゼリーだ.何だか食べ物リレーションシップが盛んな研究室になってきた(笑) ご馳走様でした.

08月20日
(日曜日)

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 [車][水] 疾走ジムニー君.今日は信州の水環境調査と称する一人ドライブだ.

  一人でドライブして何が楽しいの?とよく聞かれるが,楽しいものは楽しいのだ.理由などつけようがないが,強いて言うなら,全てを自分で決定し全てのリスクを自分で背負うそのプロセスは何にも代えがたいものがあるからだ.僕はたった独りでここに来て,たった独りでここから帰る.なんと自由なのだろう.  といっても車の場合,それは既設の車道に限定and制限された「自由」ではあるが…

  #おっと,ジムニーの場合は道がなくても走れるな(笑)

 [水] それはそうと,行ってきたのは上田市のWWWサイトに案内が載っていた水場のうち未探訪だったもの4つ.それに前から気になっていた御泉水自然園立科町)と池のくるみ(踊場湿原.諏訪市).

  さらに,「む,これはアヤシイ」という地形のところにサンダルで(笑)突っ込んでいって見つけた湧き水もあった.名水大全長野県編は,あまりに水場の数が多くなりすぎて南部編北部編に分割したのだが,北部編がまた肥大化してきた.さすが信州は山国.

 [水][森と樹] 御泉水と池のくるみは,どちらもベリーエクセレント.植物が好きな人はぜひGOだ. 御泉水は単なる観光地かと思ったら大間違い.奥秩父でもここまで見事なのは少ないという針葉樹林に,さらに湧水涵養湿地が加わる森林保護地区だった.湧き水は予想以上に大規模(静かにしみ出すような感じだと予想していたが実際には「女取湧水タイプ」だった←分かる人には分かる表現)で,しかも湧出点のそばまで行ける.行ったらぜひ流れに手を入れてみよう.冷たさに飛び上がることは保証する.

  面白いのは厚く苔むした熔岩礫の上に成立した針葉樹林で,まあそれ自体は大して珍しくないのだが,なんと礫の隙間の下には深い水溜りが見えている!こりゃびっくり,まるでシシ神の森だねこれは.それにしても,木道がなければとても歩けるものではない.凸凹の熔岩礫地,見通しの利かない針葉樹林にサルオガセのカーテン,水溜りの水は,ドボンと落っこちたら心臓麻痺を起こしても文句をいえないような冷たさ(標高1800m以上の湧き水起源だから当然だ)…あくまで人間を拒む森であると思ったものだ. というわけで有料道路¥300(片道)+入園料¥250は格安だ.

  一方,池のくるみ(湿原の名前は踊場湿原)は一周急いで30分くらいの湿原.放っておけばどんどん木が生えてくる日本の自然の中で,自然に草原が出来るというのは珍しいから,湿原というのは貴重なのだ.そして人間が入ると速攻で壊れるという点でもやはり保護されるべき対象なのだ(実際に「霧ヶ峰湿原植物群落」として天然記念物指定). しかし,学術的貴重さとは別に,その伸びやかな風景はどこか日本離れしていて,そう,ちょうどウィンダム・ヒルレーベルのジャケ写に使えそうな,そんな忘れがたい風景であった. はっきり行ってメジャーではなく,訪れている人も少なかったが,そこがまたよかった.独りで見るのはもったいないとも思ったが,まあそれは言うべきではない. 標高1500mの風は,半袖では寒いくらいであった.すぐに,巻き上げていた袖を下ろした.

 [研究][車] やっぱりフィールドはいいなと再認識した一日.でも帰りに気づいたのだが,今日は一度も長靴(フィールド用コスチューム)をはかなかった.あまりヘヴィな調査をしなかった証拠だ.でもまあいいとするか. 今日の走行距離は573km.買ってから3ヶ月で5000km以上走っている.週末ドライバーの割には多いほうだろう. ようやくハンドルにもなじんできた.いや,車の方が私の癖を覚えてきたのだろうか.我々二人?ならどこへでも行けそうな気がしてきた.

08月19日
(土曜日)

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 [研究][森と樹] 駒場IIキャンパス内を散歩してみた.まだ行ったことがない場所がたくさんあるのである.今日はキャンパスの南縁を歩いた.雑草を踏みながら,草いきれの中の歩きとなった.

  子供の頃秘密基地を作ったのと同じような笹藪があった.DBHが1mを超えるクスノキもあった(本郷キャンパスにもめったにない大きさだ).どれもが藪に埋まり,ツタに覆われていた.ツタといえば,付近の建物は皆甲子園もビックリというくらい濃いツタがまとわりついている時代物であった.

  何箇所も蚊にくわれたのでさほど快適というわけではなかったが,しかしその深い緑はなかなかイイ感じであった.

  また来ることにしよう.

 [研究] たまには変わったことをやってみたくなった(いつもしてるか)ので,研究室の自分の名札を上下逆にしてみた.

  【後日記】と思ったらあっという間に元に戻された.こういう悪ふざけはウケないのかなぁ(泣)

 [研究][電子・コンピュータ] 数学では大きな定理の証明に際して多くの「補助定理」の証明が必要になる.今日やった仕事もそんな補助定理的なものだった.とりあえず今日は3つつぶす予定だったがなぜか4つまでカタをつけてしまい,そして5つめに取り掛かろうとして,さすがに急ぎすぎるのはまずい(経験上)と思って逡巡した.

  …とその瞬間を見計らったかのように同僚からハーバルティーの差し入れがあった.同僚自身何の葉なのか知らないという代物であったが,おいしかった.ご馳走様. やはり帰る気になった.

  帰ってから気づいたのだが,さっきやはり「5つめ」に取り掛かってはいけなかった.準備がもう一つ要るのである.やはり急がないでよかった. ナゾのお茶に感謝だ.

08月18日
(金曜日)

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 [ひと] 友人のお父上の葬儀・告別式.集まった客の人数は百や二百というレベルでなく,最終的に何百人になったのか見当もつかない.立派なお父さんだったのだろう.享年64の早すぎる死であった.

  長男である友人が,客に対する最後の挨拶に立った.普段からあまり感情を隠さないタイプなのでどうなることかと思ったが,取り乱すことなく立派なスピーチ.ただ,声は震えていた.今までに見たことがないような表情でもあった.そう,仕事で海外にいたため親の死に目に会えなかった辛さ悲しさを押し隠しての役まわりだったのだ.気丈であった.健気であった.何よりも不憫であった.

  でも私がいたところでその悲しさがどうなるものでもない.そう考えるとこちらも辛さ倍増であった. 無責任に「元気を出せ」というわけにもいかない.すべては時が解決するものだから. しかしそう思ってはいても,友人の姿を見ているのは辛かった.  まぁでも,彼の場合は幸せな結婚をしているから,悲しさを分かち合えば立ち直るのも早いだろう.今はただ,その日が来るのを祈るのみだ.

 [ひと] 私がくたばったらいったい何人集まるだろう?そのうち何人が,本気で私の死を悼んでくれるのだろう?(喜ぶ人,ほっとする人は多いだろうが(笑)) まぁ家族親戚以外でそういう人を一人でも見つけられたら幸せだという意見を聞いたことがある.うん,そうかもしれない. 多分いつか,そういう人に出会えるのだろう(楽観〜〜).

 [生活] 世界は回りつづけ,私にも日常の生活が続く.今日も早く帰って,それから,そうだ,何としてもほうれん草ゲットだ.

08月17日
(木曜日)

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 [生活] 昨晩もお泊り.コンビニにチーズケーキがあるとはさすがに期待していなかったが,なぜかチーズスフレはあった.これが今日の朝食.12時ちょい前だから朝食とは言わないかもしれないが,いま食べながら書いている.うん,うまい. スフレの話は夕方にまた出てきた(下記).

 [研究][ひと] 昨晩の飲み会ではだいぶセーブしていた(まあ病み上がりだから当たり前).修論生二人も出席していた.締め切り半年前.もしかしたら彼らにとってはこれが今年最後の遊びになるのかもしれない.合掌. 皆でいっしょにたゆまぬ努力を続けよう. 胸張って進め,選ばれし精鋭たちよ.

 [研究] 研究上,というかシステム開発上のアイデアが頭の中で形を作り始めている時期.何かを思い出したくてどうしても出てこないとき「のどまで言葉が出ている」という表現があるが,それとよく似ている.しかし,システム設計に拙速は禁物.焦らない焦らない(しかし昨日はだいぶ研究室内や廊下を徘徊していたそうだし,気が付いたら同僚に蹴りを入れていたが(笑)). 今はこの苦しさを楽しもう.収穫の日はそう遠くはないはずだ.

 [研究] 床にペタンと座って物を考えるとよく考察がまとまることに気づいた.妙に見えるかもしれないが,しばらくはこの手を使おうかな.何はともあれ,床がじゅうたん敷きであることに感謝だ.

 [生活] 研究日誌だったはずのこの日記が,どうも最近食べ物日記になりつつある.まぁでも家事というのは毎日発見があって面白いものだ(まだまだ慣れてはいないからね…).今日は事情により早く帰ったので,夕暮れのラッシュ状態のスーパーに寄ることができた.いつもはシャッターしか見たことがない魚屋が開いていた.ついついマグロの照り焼きを買ってしまった.また散財だ.ところで,スーパーではなんとほうれん草が売り切れ.小松菜も春菊もない.近くの八百屋が皆揃いも揃って休みだったし,今日はおひたしはあきらめるしかないようだ.それにしてもほうれん草がないとは,スーパーとしてのアイデンティティを喪失しているぞ(笑).家に帰ってからなにか手持ち無沙汰なので,わけぎを刻んでフリーザーに入れた.包丁に研ぎが必要だと思った.

 [生活] あらゆる磁気テープは,長時間動かさないでおくとくっついたりカビが生えたりするので,定期的に巻きを入れるのが必要だ.というわけで部屋にあるビデオテープを何本か処理していたのだが,ああなんということか,というか当然ながらなのか,うち一本を通しで見てしまった.1950年代の米国映画「麗しのサブリナ」だ.またしてもAudrey Hepburn主演.

  陽気で派手な弟(ウィリアム・ホールデン)と堅物の兄(ハンフリー・ボガート)という富豪兄弟と,彼らの召使の美貌の娘(Audrey)がおりなす恋物語だ.どんな堅物そうな人にも,恋愛関係で苦しい思い出の一つや二つがあるものだという設定は共感した.

  頭の回転が速く,基本的には美人でえも言われぬ気品があるのだがどこかコミカルな味があるAudreyの特徴は,この映画でも存分に活かされている.どこか男の子っぽい雰囲気がなんともGood.ところで,実はスフレが面白い小道具として使われている.つらい恋に身を焦がすAudreyが料理学校でスフレ作りに見事に失敗した.何しろオーブンのスイッチを入れ忘れたのだ(笑).それを見ていた老伯爵の言葉がなんとも気が利いている:

幸せな恋に酔う女はスフレを焦がし
不幸な恋に泣く女はオーブンの点火を忘れる

一生に一回でいいからこういうせりふをキメてみたいものだが,やっぱり似合わないだろうな…

  あと,Audreyの父親役がなんとも味があってよい.超えられない運命を超えようともがく娘の身を案じ,その幸福を願い,娘の痛みを自分の痛みとして受けとめる態度が見る者の胸を打つ.それにしても役者というのはたいしたものだ.本物の父親だってあそこまでこまやかに,しかしさりげなく愛情を示せるかどうか…

08月16日
(水曜日)

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 [生活] お目覚めの一杯にカモミールミントのブレンドティー.安形はカモミール自体は特に好きだというわけではない.ミントだけでもちょっと遠慮したい.ところがこの両者が混ざると絶妙の味と香りになる.リラックス系のカモミールとシャッキリ系のミントが,どうしてこれほどきれいなハーモニーを奏でるのだろう? やっぱり味覚がどこか変なのだろうか.そういえば昔から,何の好みでも他人とちょっとずれていたからなぁ…

  何はともあれ風邪は退治できた,かもしれない.もちろんもう少し慎重に様子をみることにするが,まあ大丈夫だろう.お見舞いメールは結局,結局…言わないことにする(号泣)が,しかし皆さん内心心配してくださったはずである(←決め付け(笑)).謝謝.

 [ひと] 昨日食事しながらandした後で見ていたビデオが「パリの恋人」.Audrey HepburnとFred Astaire主演の,なんとも不思議で楽しいオトギバナシだ.突然何の脈絡もなく歌や踊りが入るのは,やっぱりAstaireということでミュージカル趣向なのだろう.だからなおさら非日常的な物語となっていて,息抜きには最高だ.

  それはそうと,Audreyの不思議な個性はこの映画でも存分に発揮されている.それを活かす映画の構成の妙もまたプロの技.ちょっとしたギャグのくすぐりもなんともいえずおかしい.原題"Funny Face"もまたAudreyの特長をよく捉えていてヨイ.たしかにFunnyだ.他のどの女優とも似ていない(そりゃ誰だってそうなんだけど,彼女の場合は特に「他人と違う」という表現がぴったり来る).誉め言葉の極致としてのFunnyだ.安形もFunnyな研究をしてみたいものだ(笑).

I love your funny face
Your sunny funny face

(ジョージ・ガーシュウィン作曲/アイラ・ガーシュウィン作詞)という印象的な歌があった.同感だ.十分美人の範疇に入るのだが,しかし,やっぱり何か変でしゃべりや動作がコミカルで,見ていて笑みがこみ上げてくる天性のノリがある.と同時にさすが貴族の末裔,静かに立っているときはまた凡人には真似の出来ない気品を発する.

  最初と最後で着ている服がえらく違う配役なのだが,個人的には最初のほうが好きだなぁ.彼女は哲学好きな理屈っぽい場末の娘である.恐ろしく頭の回転が速くて口がよくまわり(しゃべっていて飽きなさそうだ),そして本人が自分の美しさと気品に気づいていない,という役だ.うん,いいねぇ.

  …ん,待てよ.私は,女性の好みもやっぱり他人とちょっとずれているのだろうか(笑)    まあいいさ,他人がどう思おうと知ったことではない.ふわりふわりと,飄々と,マイペースが一番.

 [水] うれしいニュース.築地書館から,福井県大野市(市街に湧き水が多く,名水の里として知られながら,実は地下水枯渇の危機を経験している)の地下水を巡る市民運動の本「よみがえれ生命の水」が出版された.1980年代に同社から出版された「おいしい水は宝もの」を強烈にパワーアップした総集編らしい.前著も,会のリーダーを市議会に送り込んだ記録など読み応えのある内容だったが,今回も築地書館による概要紹介ページを見る限り相当期待できそうな本だ.水と人との関わり,改革を阻む政治構造とそれを超える叡智等などに興味があるならぜひ読むべきだ.早速注文した.

08月15日
(火曜日)

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 [ひと] かつての同級生の家で不幸があったらしい.お父上の訃報だ.物心ついて以来親戚が誰も亡くなっていない安形にとっては,その悲しみは想像を絶するものだ(でも想像するしかない).

  彼は去年結婚し(あそこまで嬉しさを隠さない新郎というのは始めて見た),今年第一子誕生,と人生絶好調だったはずだ.喜びと悲しみとを連続して体験した今,いったいどんな思いでいるのだろう.どれほど力を落としているのだろう.

  能天気な私が行っても何も慰めにはならないだろうが,しかしお悔やみを言いに行きたい気がする.

 [電子・コンピュータ] bashならファイル名補完の時,TABを押せば候補がでる.tcshだとそうではない.不便だな…と思っていたら,実はtcshでも(実はcshでも)set filecしてあれば,EOT(Ctrl-D)を押せばファイル名候補が出てくることをman cshを読んでいるときに偶然発見.マニュアルってやっぱり読んでみるものですね.

 [生活] 終戦記念日の朝も研究室で迎えた.おや,ノドに違和感を感じる.アタマもかすかに響く.このまま放っておくと風邪になるな(30年も付き合ってきた身体だから,まあ予測は出来るのである).今日はあまり根を詰めないでおこう.とっとと治すのが,仕事の能率を最大にする.ここで無理すると後でコケる.

  薬がわりのお見舞いメールでも募集するかな.そういえば同僚が先日ブッタオレていたときお見舞いメールを募集したらたくさん集まったそうだ.

  #安形は量より質で勝負だ(笑)

 [生活] カネは厳しいが,薬代わりとして,それからSiB2のForcingデータ入力部分をALMA化したことを祝して大大大大盤振る舞いしてうなぎ蒲焼を買って帰った.夕方のスーパーはなかなかの人ごみであったが,買い物自体が久しぶりの私にとっては楽しい世界だった.さらに自分へのご褒美として,シャービックとチーズケーキを買って帰った.あ,散財(笑).スーパーにとっては「いいお客」だ.

  シャービックハウス食品工業の超ロングセラーデザート.粉末状であり,水あるいは牛乳に溶かして凍らせるとシャーベットができる.子供の頃大好きだったし,今でも好きだ.ちなみに安形の作りかたでは水1牛乳1に溶かす.

  酒ばかり飲むので安形は辛党と思われているかもしれないが(笑),実は甘いものも大好きである.ケーキの中ではチーズケーキがいい(安形を釣るならビールかレアチーズで釣ろう).ま,ご苦労様でした<自分 ほうれん草をおひたしにし,久しぶりにお米をといで鍋で飯を炊き(安形は炊飯器を使わない,というか使えない),2合以上の丼飯,自称「うな丼特上」を綺麗にたいらげた.なんだか体調は結構絶好調のように感じるのだが,経験上こういうときに無茶するとあとに響くことが分かっているので(←ここでついつい引用文献を書きたくなってしまうのは私だけではないはずだ(笑))今日は早く寝る.さぁ明日からもまた全開全開.

08月14日
(月曜日)

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 [研究] 急ぐときには焦らない.ゆっくりのんびりマイペース.結果は自然についてくる.

 [生活] というわけで?午前中は今までサボっていた家事三昧.例によって濡れたままのシャツ(さすがに着替えてきた)で重役出勤.

 [文献][電子・コンピュータ][ひと] 留守中に,自らは否定しているけどどうみてもマニア雑誌である(←もちろんそこが気に入って定期購読している)Software Design技術評論社)の最新号が届いていたので,通読.CのRitchie,C++のStroustrup, JavaのGoslingへのインタビュー記事を紹介した記事があった.達人の考え方が分かって実に面白かった(この雑誌,特集より連載の方が読み応えがある).特に興味深かったのが「プログラミングの魅力」を語った部分.

 [研究] 今日で一周年.といったら何のことかわかるだろうか?忘れてしまった人も多いだろうが,玄倉川・山北川でキャンパーが濁流に飲まれた事故からちょうど一年なのだ.実は1月に現地を見に行った.で,見てきたことは別のページにまとめたが,そこで思ったことは,自分の能力が決して社会のためには役に立っていないという残念な思いであった.

  今は少しは役に立っているのかな?それともまだ穀つぶし? まああまり周囲は気にせず前に進んでゆきますが… でも最近研究と社会のかかわりについて少しは考えるようになってきている.

 [電子・コンピュータ][森と樹][経済・社会] いつかは出るかと思っていたがついに登場した.蒔絵のPCケースだ(→インプレスPC Watchの記事).誰が考えたか知らないが,こういうおバカな発想をそのまま実行してしまう世界というのは大好きだ.それにしても,このまま行くとPCケースのマテリアルはとてつもない世界に到達しそうな気がする.その前に,オーク・ビレッジあたりが受注生産木工ケースを出さないかな…ウィスキー樽の部材使用とかね.

 [研究][電子・コンピュータ] ちょっと事情があって,e-mailを出す回数が急に増えた.では仕事の能率が悪くなったかというと,別にそうでもないのである.むしろ能率は上がっているようだ.よほど普段は怠けているのだろうか(笑).

08月13日
(日曜日)

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 [生活] ちょうど定期が切れたところなので,家に帰らないのは交通費を浮かすことにもつながる(ご想像のとおり,昨夜も泊り込みなのだ).虎の子のン千円で,給料日まで乗り切ることができるだろうか.まあ贅沢をしなければ大丈夫だろう.しかしそういうときに限って何か臨時支出があるものである…

 [研究][ひと] 確実に世界を相手に仕事をしているという手ごたえと,ここで失敗すれば多くの人に迷惑をかけるというプレッシャーと,既存ソースコードを読み解くにつれて湧き起こる,「こんなレベルでいいのか?」という焦燥感と,とまあいろいろなものを感じて仕事をしている.

  となると精神的にはきつそうだが,実際には,全体としてさほど大変には感じない.息抜きはたくさんあるし,そもそもよくあることだし,何よりも「じゃあ他に誰がやるんだ」という問題であるし…生来の楽観的性格と,そして何よりも周囲の有形無形のサポートにより激務をこなせている.

 [文献][経済・社会] 例によって日経ビジネスを読む.今回は8/7+8/14合併号.IKONOSをはじめとする衛星画像ビジネスの最近の傾向について記事があった.これは役に立つから保存版である.

 [生活] ご想像のとおり,食事時間はむちゃくちゃである.しかも食欲はそれほど旺盛というわけではない.昨日なんて,せっかくのオゴリだったのにごく普通のうどんを全部食べられなかった!安形にしては信じられない怪挙である.昔は一日五食食べていたのにね(絵に描いたような痩せの大食いってものだ).

  さて,昼過ぎに起きたので昼飯に出よう.雨も上がったし,いい散歩になるだろう.上原まで行ってから,どうするか考えよう.久々に新宿にでもでるかな?今日も楽しい一日だ.

 [研究][アウトドア] というわけで,客観的には苦しい状況にあるはずの仕事の中で,妙に心はうきうきしている.他人の危機は痛々しく思うが,自分の苦境は楽しんでしまうのである.というより,あえて自分を苦境に追い込むような癖がある.どこかマゾ的なのかもしれぬ(そういえば,山登りの時はギリギリまで厳しいルートを選びたがる.しかも単独行.自由と引き換えに全てのリスクを自分で背負う単独行が大好きなのだ.好き勝手に時間配分できるしね).

  ♪安形殺すにゃ刃物はいらぬ,自由を全部奪えばよい…ついでにリスクも奪えばよい…

 [ひと][生活] ある程度年齢を重ねてくると,誰にも頼らず生きているつもりでも必ず何かしら他人のお世話になっているということが分かってくるものだ.でも心情としてはあまりべたべた他人に頼りたくはない.本当に苦しいときに手を差し伸べてくれる人がいればそれで十分幸せというものだ.まあこのあたりの感性は人によって大きく違うと思うから,他の人がベタベタ流の生き方をしていても特に何とも思わない.特に私を頼りたいという奇特な人がいたらそれ自体は嬉しいものだ(でもこちらにも人を選ぶ権利はあるよ).   そういえば,昔は逆に人が苦しんでいるときは,向こうの事情も考えずついついお節介を焼きすぎてしまう悪い癖があった.今はだいぶ治ったつもりであるが,はたしてどうだろう?相手の求める分だけ助力すること,「たまには突き放すのもやさしさのうち」ということ,をどれくらい実践できるだろう?

08月12日
(土曜日)

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 [森と樹] 脳味噌が疲れたときには気晴らしをするに限る…と思ったら飲みすぎた(笑).深夜(今日もお泊り)研究室に帰ってくるとき,キャンパス内の大木に見とれてしまった.孤独な木であった.オレに似てるじゃん,と思ったがそれはうぬぼれというものかもしれない(向こうに対しても失礼かもね).全てを独りで受け入れ,静かに耐えている木であった.

  お互い一人ぼっちどうし.どんな環境変化にも耐えていきませう.

  【後日記】その木は夜にはケヤキに見えたのだが,朝見たら全然違った.「俺もヤキが回ったものだ」と思った.ついでに言うと,一人ぼっちでもなかった.一人ぼっちなのは自分の方だった(それ自体は別に嫌いではないが).

 [研究][生活] もう一つ,脳の疲労には甘いものが役に立つ.見るに見かねてか同僚が飴を買ってきてくれた.感謝.口調を真似てお礼を言ってみよう:「おいちかったでちゅ」………だめだ,私にはどうにも似合わないか.

  実は,疲労といっても特に不快ではない.プログラマーズ・ハイってものだろうか?でもさすがに早朝頭脳混濁係数の急増が見られてきたので,メールを出したあと床にごろんとねっころがって昼まで熟睡.ちょっとヒットポイント回復.

 [研究][電子・コンピュータ] ほぼ毎日更新というかネタ追加がある絶対サポセン黙示録を久々に読んで爆笑し,さあ仕事.税金で維持されている貴重なインフラである学術ネットワークをこんなことに使っていいのかという気がしないでもないが,ここで消費(浪費?)した時間とコストとパケット以上に価値ある成果を出せばいいのだと割り切る.もっというと,成果を出せるように頭をクリアにするための必要経費なのだ.コスト削減の世の中であるが,ここを削られたのでは困るという経費なのだ.

  ただこのサイトは,単なる爆笑ネタのみではなく,人間存在の不可思議さについて深い洞察が見られる部分もあり,目が離せない.

 [研究][水][天気と季節] 16時50分現在,ここ駒場キャンパス6階から渋谷方面を見下ろすと!仕事のし過ぎで目がおかしくなったか(笑)と思ったらそうではない.本物の虹だ(円弧の右半分がぼんやり見えた.内側が青だから主虹).虹があるということは空中に水滴があるということだが,駒場では一滴も雨は降っていないし霧もない.渋谷方面も特に雲が厚いとか視界が悪いといったこともない.何かいつも見慣れた光景の印象が一変するような,非日常的で実に不思議な光景だ.先日吉野川上流早明浦ダム堤体上から見下ろした見事な虹(副虹までくっきり)を思い出した.あの当時は写真撮影でだいぶ時間を使ってしまったが,今回は独りでゆっくりと眺めていた.仕事をやっているご褒美かな?

  17:20ころには虹は完全に消滅.それにしてもこのl'arc en cielは,いったい何人の人が見たのであろうか.

08月11日
(金曜日)

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 [研究][生活] 楽しい楽しいお泊り状態♪である.まあ今までもよくあったことだ.でも将来にわたってこういう状態がたびたび訪れるのだとしたら,いったいどんな生活がそこに待っているというのだろう?「夫婦揃って多忙な一流研究者」という人が周りに数組いるが,いったいどんな生活をしているのか,いつか聞いてみたいものだ.

  もっとも私自身は現在のような状態が特に嫌いではない,という点が問題かもしれない(笑).

  ちなみに昨夜は,教授も本当に遅くまで(日付が変わってからも)お仕事をしていらっしゃった.

 [研究][電子・コンピュータ] 気象・水文関係でよく使われるお絵かきソフト「GMT」のメーリングリストが昨日開設された.実は安形も発起人に名を連ねているが,なんとGMT自体はずぶの素人.GMTの勉強を始めたばかりのころ,プログラム自体の有用性(知ると知らぬとでは大違い!)に比べてあまりに初学者に対して敷居が高すぎる−特に日本語ドキュメントの少なさは致命的だ−と思ったので,自分の勉強も兼ねて英語ドキュメントの日本語訳を行い,WWWで公開してしまったのだ.

  それをWWWで見つけたGMTエキスパートに知らせて,「ところでGMTのユーザコミュニティってないんでしょうか」と聞いたら,それから話が急激に大きくなり,本当にMLが開設されてしまったのである(正確には,復活らしい).安形は開設自体には物理的な作業は一切行っていないから,発起人に入れられてしまったのはどうかと思ったが,しかしユーザコミュニティの充実を願うことでは人後に落ちないつもりなのでまあOKOK.

  それにしても,「誰かがやらねばならないしもう誰かがやっていると誰もが思うのに実は誰もやっていない仕事」って実に多く残っている.自分の能力を活かす場所はこの世界にはもう残ってないのだと思っている人,それは間違い,というか確かめ不足だと思いますヨ.きっと見つかります.もっともどうやってそれを見つけるかはまた問題で,日々力を溜めることと,出会いを大切にすることと,チャンスを絶対に逃がさない俊敏さが大事…となんだかオヤジの説教モードに入っているな.早いとこ頭をスピンナップして仕事しようっと.

 [生活] 助手氏の発案で突然の研究室大掃除大会.人手がたくさんなのであっという間にきれいになった.それにしても,ずいぶんゴミが出てきたものだ.いつもHDDの中身しかきれいにしない安形であるが,今度帰ったら徹底的に部屋を掃除したくなった.問題はいつ帰れるかであるが…

08月10日
(木曜日)

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 [生活] 早起きして文章書き.続いて,もしかしたら数日帰れないかもしれない部屋を掃除.といってもきれいにするのが目的でなく,モチベーションのための儀式のようなものだ.案の定大して片付かなかった(笑).部屋にはどういうわけだか枕が3つもあることに気づいた(もちろん布団は一つ).一つ研究室に持っていこう.これから何度かお世話になるだろう.

  朝シャワーを浴びる間に洗濯.シャツを脱水機から取り出していきなり着用.夏の薄いシャツだとこれが出来る.涼しくていいのだ(ただしすぐにズボンを履くと,ズボンの下に来る部分が乾かないので注意).というわけで前日と同じ服を着ていても,決して着替えてないわけじゃないのだ.洗ったシャツのうち一枚は,ポケットにレシートが入っていたらしく,紙くずまみれになっていた.ありがちな失敗.さらに,洗濯機の底にマジックが落ちていた.水溶性インクでなくて助かった.バタバタ家事なんぞをやっているうちになんだか更にリフレッシュ.

 [文学と言語][経済・社会] 日経ビジネス(2000年8月7日号)の記事で,家庭用花火の売れ筋ランキングが出ていた.そういえばここ20年は花火なんて買っていないことに気づいた.ランキング上位10品の製造元は2社しかなく,寡占業界っぽい.また,8月1週2週の売上が年間売上の4割を占める季節商品とのこと.そういえば渡辺淳一の作品に「冬の花火」という伝記があった.短歌には大して興味がなかったのに,読んだあとすぐに主人公である歌人中城ふみ子(昭和29年没/享年31歳)の歌集を買いに走ってしまったくらい心打たれた本だ.同時に題名付けの巧みさにも舌を巻いたものだ.確かに激しくはかない花火のような人生を描いている.それも夏ではなく冬の…

  中城ふみ子の資料を偶然見つけたが,個人のページらしくしかもリンク依頼をしていないから,URLを記すにとどめる:http://www.mt.toita.ac.jp/~fukuda/8ikeya1.html

  閑話休題,なんにせよ,仕事が落ち着いたらどこかでゆっくり花火でも楽しみたくなった.しかしいつになるのだ?売れ残りの花火しか残っていない頃か,それとも下手すると数年後か….まあ今の仕事の完成目標(SEチックにいうと「納期」)が8/15なので,その後ということになる.本当に冬の花火になってしまうのかなぁ.

 [研究] netCDFのドキュメント内にあった文章:

By making the package widely available and collaborating with other organizations with similar needs, we hoped to improve the then current situation in which software for scientific data access was only rarely reused by others in the same discipline and almost never reused between disciplines (Fulker, 1988).

(原文ママ)という部分に,我が意を得たりという感じだった.僕たちはあまりにも不毛な作業ばかりを繰り返し,貴重な時間を浪費していないだろうか?もっとも,不毛な作業が一掃されたあとにどのような知の地平が待っているかはまったくの未知数であるが…

08月09日
(水曜日)

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 [研究] 夜行ではさすがに疲れが出たのかずっと大爆睡していた.東京駅に着き,山手線始発に乗る.で,そのまま研究室へ.昨日は「明日からは普通の生活」と書いてしまったがよく考えたら普通ではない.研究関連でやるべきことが大量に襲ってくる大多忙ゾーンに入るのだ.まあ研究者を続けるならばこういう状況は何度も潜り抜けることになるのだろう.自分がどこまで能力を持っているのかこの機会に確かめてみるのも悪くはないではないか(←と,無理やり景気をつけているがやっぱり無理がある(笑))

 [研究][ひと][生活] 腹が減らない.このままでは頭に栄養が行かなくなる.こういうときに思いつくアイデアはロクなものではない(笑).すでに路線が決まっている仕事を推し進めた.

  と思ったら腹が減ってきた.3時頃遅い昼食.外の食堂前で偶然共同研究者のKさんと会う.プロジェクトの話,研究室で見に行った吉野川の治水に関する話などいろいろな話をした.安形は水文学の現状に対してずいぶん危機感を抱いていることと自分たちの世代がやらねばならないことを強調したが,なんだか愚痴を聞いてもらってるみたいだった(笑).もしそうだとするとKさんはかなりの愚痴聞き名手だ.言いたいことを言ったらずいぶんすっきりした(←これじゃますます愚痴を言ってたみたいだぞ).今度は内容を文章にまとめてどこかに発表しようか.

  いずれにしても,今は確かにモデルの世界はよくない状況であるが,この段階で改善しなければ将来もっと苦しむことは自明であり,それが私たちに課せられた(そして能力的には解決可能な)課題であるという点で意見が一致してモチベーション急増.こういう景気付けミーティングはたまに行った方がいいかもしれない.特に今後グループの誰かがスランプにおちいった時には…

 [研究] 絶句だ.夕方,またやるべきことが増えた.もっとも将来性のある仕事なので苦にならない.あぁ便利な性格.

 [研究][ひと] 同僚のD君がフィールドに行く準備をしている.明日からタイ行きとのこと.心底羨ましかった.以前は「人は人,俺は俺」という性格だったがどうも最近変わってきたような気がする.

 [アウトドア] 夜はクライマー仲間の集会.なんとも気持ちのいい連中ばかりだ.仕事を一切忘れて楽しむ.大リフレッシュ.

08月08日
(火曜日)

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 [研究][ひと] 今日も口頭発表.修士課程の同僚が発表をした.発表に慣れてない彼は,最初の練習の時はメタメタであったが本番では見違えるように素晴らしい発表を見せてくれた.私たちロートル組の言ったアドバイスや提言を完璧に消化し,期待以上のインプルーブを,OHPでもしゃべりでも示してくれたのである.

  やはり誰もが,高いポテンシャルは持っているのだろう.しかし能力を持っているということとそれを発揮できるということは全くの別問題である.発表練習における周りの人の厳しくも的確なアドバイスがなければ,いやそれ以前に日頃の応援がなければ,せっかくの才能が埋もれてしまうことになるのだろう(実際,明らかに練習不足な発表はたくさんあった.聞かされるほうにとっては重大な時間の無駄遣いである).我々に課せられた責任は重大であるのだと再確認.

 [水][森と樹][地形・地質] 昼休みはまたまたギリギリの時間を利用して近くの吉田山公園へ.黒住教の聖地である宗忠神社の神井は水が出ていなかった.しかし盆地内に孤立する吉田山全体の緑は素晴らしいものであった.再訪を期して学会会場へ帰った.

 [ひと] 学会(左京区・京大農学部)からの帰り,同僚二人と京都駅へ向かう.バスが満員だったので珍しくタクシーをひろうと,なんとあの有名なMKタクシー!京都に来た甲斐があったというものだ.他の二人は新幹線ですぐ帰京なのでそこで解散.といっても切符とれたのかなぁ.それから,二人のうち一人は例のベストポスター君なのだが,何かと疲れているに違いない.今は気持ちがピンと張っているからいいけど帰りの車内で気が抜けて,急に具合が悪くなるということもありえる.いささか心配だった.(後日記:切符はギリギリでとれたものの翌日から熱を出したらしい.お大事に).

 [水] さてその後,前日時間が早すぎて門が閉まっていた市比売神社へ.そうしたら今度は時間が遅すぎてまた門が閉まっていた.間抜けである.この神社は女性の守護神らしいから,男には冷たいのかもしれぬ(苦笑).その足で今度は膳所駅へ向かい,琵琶湖花火大会を見学した.以前住んでいた家(東京都調布市)からは毎年恒例の花火大会がよく見え,両親などは友人を招いてベランダで宴会をしていたものだ.花火を見るのはそれ以来で,2年ぶりとなる.闇に浮かぶ光の芸術にしばらくは時間を忘れていた.

 [研究][ひと] 明日からは普通の生活が待っている.夜行列車の車窓風景は普段でも妙にもの悲しいが,今日は特に感傷的になってしまった.個人的なことも含めて,すぐには答えの出ないような問題をあれこれ考えた.そして,水文学のみならず人類の知全体の将来像とそれを担う当研究室の役割を思うと同時に,この学会で急激に成長した若手諸氏の明るい未来を祈った.

08月07日
(月曜日)

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 [水] 宿泊場所は鴨川ほとりのホテル.5時に起きて歩き始める.錦天満宮(新京極)の神水,市比売神社の天之真名井,名井醒ヶ井に寄ったのだが,前二者はまだ早朝なので神社が開いていなく,最後のものはとっくの昔に消滅というありさまであった.しかし錦天満宮は8時もう一度行ったらちょうど開いたのでようやく水を得ることができた.ずいぶん信仰を集めている神社のようで,かなりの混雑.私もお参りした.なんといっても学問の神様だ.「水関係の研究は茨の道だが,それでも学界に明るい未来あれかし!」

 [研究] 今日は口頭発表の日.また何種類かモデルが増えた.無秩序に増えつづけるモデルの乱立に,心寒く感じたものだ.こういった努力が不要だとは思わないが,それにしても不毛すぎる.我々の能力は,社会全体にとってのリソースであるはずだ.そうそう無駄遣いが許されるものではない.

 [水][森と樹] 昼休み,ギリギリの時間で法然院を往復.善気水という水があるはずだったが,非公開の庭園の中にあるそうだった.といっても塀の上から覗けたのであるが(笑).水は檀家信徒に配るためのものらしく,年2回の一般公開の時でも一般客は飲めないらしい.それにしてもカエデの多い寺.秋は絶景だろう.また来てみたいものだ.その時はまた一人で来るのだろうか?とちょっと考えてしまった.

 [研究][ひと] 夕方八坂神社(水がある)に寄った後,「水水学会若手飲み会」なる会に出席.やたら参加者数が多く,心強く思ったものだ.ほとんどは私より年下.彼ら彼女らが私の歳になった頃,大部分が今の私を超える能力を身につけていれば,水文学の将来は暗くないだろう(そういう研究者を育てるのも私の役目なのだろうが).

  その後の2次会は,最初はどういうわけか私独り+女性3人(全て同僚)というハーレム状態だったのだけど,必ずしも全員が元気ではなかったようだ.無理にでも宿に帰すべきだったかと反省した.ごめんなさい.

08月06日
(日曜日)

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 [水][地理] 豪雨の八王子を出発したバスは,定刻よりずっと早く5時半ころ京都駅についた.荷物を抱えたまま即行動開始.まずは東寺.こおは真言宗の総本山,弘法大師の根城である.弘法大師といえば湧き水であり,湧き水フリークとしてはいつかは寄らねばならないところだった(笑).早朝というのにたくさんの参拝客がいて,特に大師堂の中は満員であった.境内の灌頂院というところには有名な井戸があるが,これは期間限定でしか公開しないので当然見られなかった.あとは六孫王神社(誕生水,ただし枯渇)・吉祥天満宮(硯の水・鑑井・吉祥水)・若一神社(神供水)と巡り,最後は全力で走って京都駅へ.

 [研究][ひと] さて,琵琶湖博物館での水文水資源学会総会+研究発表会一日目である.今日はいいニュースが二つと悪いニュースが一つあった.

  まずいいニュースの一つ目.当研究室の教授が学会の次期会長に選ばれたのだ.なんと私たちは学会会長を上に頂く研究室になってしまったわけである.これでますます言動には気をつけなければならなくなった…はずなのだが,まあ多分一部の人は,言いたいことは言いつづけるだろうなぁ(笑).何はともあれ,我々は名実共にニッポン水文学の一つの中心となったわけだ.

  名はともかく実の方は?と聞かれるかもしれない.そこで第二のグッドニュース.当研究室所属学生(修士2年)のポスターセッション発表がベストポスター賞(独創性部門)に輝いたのだ.これは心底うれしかった.

  とは言っても受賞した本人は自分の研究については過小評価しているようであった.この研究室は回りにスゴい人々が大量にいるので,まあマジメにやっている限りは若者の実力は上がってゆく.それはそれでいいのだが,周りと比べたときに自分の至らなさというものが目に付きすぎで,自分がいつのまにか高いレベルにいるということに気づかない状況も起こりえる.これはある意味で構造的欠点と言えるかもしれない.自分の能力の高さ(と低さ)を冷静かつ客観的に見られるようになって始めて研究者らしくなると思うからである.その意味で今回の受賞は,自己の力を見直すいい機会になったかもしれない.珍しく文字色まで変えて書いてみよう:「おめでとう,ずっと応援してるよ!

  さて,肝心の悪いニュースだ.これはもちろん,私が学会で発表しなかったことだ.まったくもって残念である.ポスターセッション会場の熱気というものは大変なもので,どのポスターにも人だかりがしている状況だった.上述のベストポスター氏はあまり発表経験がなく,最初はずいぶんぎこちないというか初々しい態度であったが,大勢の人の質問を受けているうちにどんどん板についてきて,最後は実に堂々としたものだった.若者が確実に成長している姿を(リアルタイムで)見ていて,ちょっと後悔を感じたものだ.「オレも何か出せばよかった…」と.まあもちろん,それよりは嬉しさのほうが大きかったが.

08月05日
(土曜日)

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 [研究][電子・コンピュータ] 昨日の作業の続き.オリジナルのプログラムにバグを二つ見つけてつぶした.もしかしたらSolaris上のSun Workshop Compiler F90を最適化オプションつきで使用した場合に固有の問題かもしれないが,他のプラットフォームやコンパイラでも出る可能性があるものだった.このように大勢のユーザ(特に安形のようなアラサガシが好きな奴(笑))に使われると,ソースコードというものは鍛えられてゆくのだ.

 [研究][ひと] 夜行のバスで,水文水資源学会総会・研究発表会に行くために京都へ行く予定.多くの人は明日行くようだ(総会に間に合うように行くには早〜い時刻の新幹線に乗るらしい).さて,発表をする人は準備に大忙し.安形は発表はないので自分の作業中.しかし帰ってきてから超多忙.帰りもまた夜行だけど,研究室に直行かな?

  修士の学生も何人かプレゼンを出すらしい.彼ら彼女らの発表練習を聞いてアドヴァイスしたり,ポスターの半完成品をみてイチャモンをつけたり,と学会直前のざわざわした雰囲気を味わっている.この,何かが始まる前のざわめいた雰囲気がたまらなく好きなのだ.もっと好きなのは修士論文締め切り直前といった時間の切迫したイベントであり,自分の修士論文の時が一番楽しめた.

  …閑話休題,若者諸君,慣れないうちは発表の準備は大変だけど,まあ一緒に頑張りましょう.聴衆にとっても発表者にとっても得るところが多い「さすが虫明沖研」というプレゼンをしてもらうためには,何でも力を貸すつもりです.

08月04日
(金曜日)

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 [電子・コンピュータ] 「絶好のチャンスは最悪のタイミングで訪れる」,これがマーフィーの法則の一つ.しかし,最悪のピンチもまた最悪のタイミングで訪れるものだ.

  Alan Robock氏という,我々の世界では世界的な大物が本日研究室で講演会を開くということで楽しみに待っていた.そうしたら,コンピュータのトラブルの報告が….報告を聞いて危機の大きさを勘案し,講演とトラブル処置の重み付けを天秤にかけた結果,まずはトラブル処置を行うことにした.講演にはちょっと遅れるかもしれない.いや最悪の場合は…

  ああなんということか,案の定難しい問題だった.しかもまた,緊急を要するものだった.普段はきちんと動いてい(るようにみえ)て,こういうときに症状を出すとは…結局講演は聞けずじまいであった.

 [研究] 水文水資源学会2000年度大会(草津,京都.8/6〜8)にはだいぶ前からムーンライトながらの席が取れず品川発大垣夜行臨時列車で行く予定だった.まあお盆前の土曜日だからしょうがない.ところが,ダメモトで西東京バス京都行き夜行バスの空席を聞いたらなんと空いているとのこと.意外なところに幸運は転がっているものである(なにしろ品川発の方は全部自由席なので,何時間前から並ばねばならぬか見当もつかない).もしかしたらキャンセルでもでたのだろうか.だとするとムーンライトながらのほうも今日あたり聞いて見ると空席があったのかもしれない.

 [研究][電子・コンピュータ] ISLSCP InitiativeをALMA対応のnetCDFにするプログラムは,Polcher氏の作ったオリジナルに比べると速度は2倍弱にはなった.これはコンパイルオプションもカリカリにチューンしたこともあるが,それと同時に大きいのは全ファイル(CD-ROM5枚分のcompress圧縮ファイル)が研究室のHDDにすでに展開された形で入れられていたという環境のよさである.先人の地道な貢献に感謝である.

08月03日
(木曜日)

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 [研究][水][天気と季節] ツアー三日目.香川用水の見学である.普通「水と闘う」といえば日本では治水砂防の話なのだが,ここ讃岐では違う.渇水との戦いになるのである.何百年も続けられた,必死の,文字通り命を賭けた戦いなのだ.今日はちょうど,えらく晴れた暑い日であった.遠く青く澄んだ空を見上げて,昔の人の血と汗と涙を想った.

 [ひと] 竜をテーマにした国営公園に池があった.誰かが魚を発見した.安形は「竜はいませんかネ」とツッコミを入れた.そこから始まった会話:
某氏「さっき向こうの水面で見たよ」
安形「そうですか.そういえば高松では切り身にして売っているそうですね」
某氏「そうそう,特に目玉が高いんだ」

  なんともオバカな会話である(あまりにおバカなので,名誉のために相手の名前は伏せる(笑)).しかし安形はこういう会話が大好きなのだ.だけどそんな会話を出来る相手は極めてまれである.この研究室にはそういう人がいるのだ.なんとうれしいことだろうか.

  なぜこういう会話が好きなのかはよく分からない.ちなみにこういう話が出来る女性には会ったことがない.残念である.まあ探そうという努力もろくにしていないのだから文句は言えないが(苦笑).

 [水][ひと] 高松で一度解散し,空港行きのバス停にまた集合することになった.フリータイムは約2時間.ソレっというわけで高松駅に飛んでゆき,列車の時刻を調べた.ねらいの場所は八十場(やそば)の水.この時点で分かっていたのは名前と大体の住所だけだが,八十場駅(高松から電車で20分くらい)下車は間違いないようだった.八十場駅からどれくらい離れているか全く分からないが,とにかくチャンスがある限りは行ってみよう.

  しかし列車の時刻を見て分かったのは,所定の時刻には帰ってこられないということであった.しかし,一本あとのバス(皆が乗るバスより15分あと.飛行機には十分間に合う)にはギリギリ乗れることが判明.ただしこの場合でも八十場駅の下車と乗車の間は30分程度しかない.また,そのバスにさえ遅れたら10kmの道をタクシーで行くしかない.さあどうする?実は当該列車の発車2分前.一瞬の決断.

  結局その列車に飛び乗ってしまった.遅れたら相当な迷惑をみんなにかけることになるが,その分も含めてすべてのリスクは自分で背負うことになった.しかしまたその「自由と引き換えのリスク」感覚が楽しいのだ.これだから単独行動は止められない.改めて,自分がいかに自由と自立と危険を好むかよく分かった(なんとも危ない男である).なお,結局水は八十場駅からそう遠くはなく,ちゃんと見て飲んで帰ってくることができたので万万歳であった(名物の心太とラムネは時間切れだったが).実は四国霊場第七十九番札所高照院のそばにあったので,ついでに四国霊場なるものを(生まれて始めて)見てきた.このあたりのレポートはまた別に詳しく行なう予定.

08月02日
(水曜日)

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 [研究][経済・社会][地理] ツアー二日目.全国的に報道された第十堰の実情を観察.なぜここまで深い対立の構図が生まれたのか,社会の方面からも検討してみたいと思った.そして,新聞やTV(最近はネットもあるか)だけ見て分かったような気になっているのはとんでもない大間違いである,ということを再確認した.といっても今回案内してくれたのは建設省の人だったから,今度は反対派の人たちと一緒にここに来たいとも思った.

08月01日
(火曜日)

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 [研究][ひと] 吉野川ツアー初日.ツアー自体はまた別にページを作って詳述する.夜の飲み会では,水文学の行く末について助教授としみじみ語り合ってしまった.しみじみと言えば,15〜20年前のマイコン(パソコンではない)の話もずいぶんしてしまった.また,留学生の飛ばすジョークは一級品であった.いつも研究生活を楽しんでいるように見える.私のように普段はムズカシイor怖い顔をしている(といわれたことがある.もちろん自覚はなし)者と,まあ同じ研究室に両方いてそこがまた楽しいのではないだろうか.

  (後日記:8月27日からやっとレポートを書き始めた.→四国ツアー報告私家版)

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安形氏にめいる
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