日記:2000年11月

最終更新:2001年11月14日 15:40



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安形氏にめいる
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11月30日
(木曜日)

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 [地形・地質] お向かいの工事の震動はこの部屋にまで伝わってくる.まるで地震のようだ.特に寝ているとよくわかる.ただ,地震とは何かが明らかに違い,はっきりと「これは地震ではないな」と区別できる.何が違うのだろう?多分周期が地震のゆれより短いのだ.工事の震動は数ヘルツある.地震動はもう少し長いだろう…と書いて気がついたのだが,私は固体地球物理の素養がほとんどない.地震に関する「数字の感覚」がまるで身についていないのだった.

 [研究] Kさんが一生懸命書いている論文.安形も手伝う,というか実は協同執筆者だから本来はもっと早くから手伝わなければならなかったのだが事情が許さなかった.

  しかし今日は全開.論文書きで最も難しいIntroductionの構成に頭を悩ませる.Resultに関してすこし補足した部分は,ちょっと強い調子で書きすぎたかかもしれないが,経験からいうと自分がそう思うくらいでちょうどいい. で,最終的にConclusionにいたるロジックを整理し,次にConclusionに示される「答え」にちゃんと対応した「問い」をIntroductionで提示する.そのために背景説明と既存研究のReviewを入れる…という感じの,要するにこれまで何回もやってきた論文書き作業である.あぁ,経験というものはこれほどまでに作業を楽にしてくれるものなのか.

11月29日
(水曜日)

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 [森と樹] 寒いんだか暖かいんだかよく分からない日.何はともあれ美しい青空だった.向かいのお屋敷(大家さんの家)にはもともと広大な庭があったのだが,現在その庭は工事により更地になっている.その分広くなった空が,その抜けるような青さが,私にとっては妙に物哀しい.というのは,工事により切られてしまった木の中には,大好きだったキンモクセイの巨木もあったのである.この秋に嗅いだあの香りは,それでは惜別の香りだったのか.その後,また来年会えるからそれまで他の季節を楽しもうと思ったのは,ついに叶わなかったのですね.

  一つのところに長く住むというのは嫌いではないが,しかし強いていやなところを挙げるとすると,こんなふうに町の変化に伴って「親しんだ木」が切られてしまうという体験をする点だ. 同様に,以前住んでいた場所を再訪するのは嫌いではないが,しかし,唯一怖いのは昔慣れ親しんだ木が(いや森までも!)失われていたらどうしよう?ということだ.

  とか何とか言いながらも,今の私の家も多分何本か木を切って作られているはず.それに,私たちの暮らし自身が,「失われた森」と引き換えに維持されている.私はなぜだかこういう原罪意識をもっている.ちなみにそこのツボを見事に突いてきたのは,あの「もののけ姫」.あまり映画を見ない私が,なぜか映画館で7回見てしまったものだ.

 [サッカー] 久々にサッカー番組を見た.イタリアセリエA,今年Aに上がってきたブレシアと昨シーズンセリエA落ち候補と言われながら奇跡の快進撃でなかなかの成績を残したレッジーナの試合.実はあのR.バッジオは現在ブレシアにいる.現在さほど強いわけではないチームに移ったバッジオは,しかし相変わらずの輝きを放っていた.あたりまえのように美しいアシストがパカパカ出てくる(バッジオの3アシストで3-0勝ち).

  かつてのJSL時代に比べれば,現在の日本選手もこの「高いレベルの基礎技術に裏打ちされた一見さりげない高度なパス」というものを操り始めるようになった.あと何年すれば,まさに世界に通用する「文化」と言ってよいほど日本の特色が出た高レベルのプレーを代表が見せてくれるだろうか?

  ただ負けチーム(実はホームチーム)のサポーターの荒れ具合はすごかった.観客席のイスを引っぺがしてフィールドに投げ込むのである!救急車まで出動だ.結局後半39分で続行不可能ということで試合は止められてしまった(没収試合になるかどうかは不明).これはイタリアの「文化」なのか?絶対に真似して欲しくない点だ.

11月28日
(火曜日)

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 [水] 名水大全絡みで雑誌の取材を受けた(といっても編集社が遠方なので電話インタビュー).「これから名水めぐりをはじめようとする人へのメッセージは?」という問いに「どの水にもそれを支えている自然とそれを支えてきた人々がいることに注目してほしい」と答えておいた.

 [水][食べる・飲む] さて,意外と難問だったのが「名水体験がない人にオススメする取っておきの水を紹介してください」これは予期せぬ問いだった(よく考えたらあたりまえの問なのかもしれないが(笑)).それまで安形がひそかにオススメと思っていた水は,いずれも多少名水体験がある人向けのオススメだったからだ(湧き水としては素晴らしいけど絶対に水を汲めないとか,道のない山中を数時間あるいてやっとたどり着けるとか).

 [ひと] あと難問は,私が写っている写真はないか,とのこと.これも困る.一応こんなものでいいかと聞いたところOKOKという返事.ただもう少し顔がちゃんと分かるのがあればさらにイイとのこと.参ったね.昔から写真写りの悪さには自信があるのだ…

 [ひと][サッカー] サッカーは見られなかったし,それにNHK-BS2で放映された映画「ロビンとマリアン」も見られなかった.Audrey Hepburnの「その後」を知ることが出来る貴重な映像だったのに. その点に限って言えば厄日であった.

11月27日
(月曜日)

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 [生活] 先日書いた保健センターからの謎の電話の件,解決.単に去年の所属を聞いてきただけだった.全く人騒がせな…

 [研究] 来年度の研究計画について,安形が首を縦に振るなら大きなプロジェクトを動かすという計画があると打診された.かならずしも現在やっている研究と同じベクトルを向いているわけではないが,しかし長い目で見たときその価値は大きい,かもしれない.少し思案してみる価値はありそうだ.もっとも安形の場合,相当重要な案件でも,いやむしろそういう問題ほど,決めるときはパッパと決めてしまう癖がある.

 [ひと] 2000円札を手にした.それで長年?の懸案を一つ確かめることができた.

  この数ヶ月ほどで,全く違った場面・違った文脈で違った人二人から同じ事を言われたのだ.2000円札に描かれた紫式部に似ていると言われたことがある,と. 二人(もちろんいずれも女性)は全然似ていない.一体2000円札にはどんな紫式部像が描いてあるのだ?これが謎だった.

  で,実際見た紫式部象が語りかけたものは… やっぱり謎は謎のまま残ったのであった.私はかつがれたのだろうか(苦笑)

11月26日
(日曜日)

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 [電子・コンピュータ][ひと] 昨日書いた自己紹介に,早速反響.一日で3通メールがきた.どれも「面白い」「やっぱり変な人ですね(笑)」「〇〇というところに大笑いしました」という感じの内容.皆知りたがっていたのかな…

 [サッカー] 柏−鹿島戦なんてどうでもいい.清水はどうなった?と思ってサッカーニュースを見ると,何とか勝ったらしい.でも最終成績は低迷.ペリマン監督とサントス(40歳!)はこれでお別れらしい.長い間有難う,そして,お疲れ様でした.

 [文学と言語][地理] 先日行った京都・大台ケ原の記録を整理しているときに思い出した.近鉄電車で「上本町」行きの電車というものがあったのだが,その行き先表示を見て初めてその読み方が分かったのである.正しくは「うえほんまち」なのであるが,それまで私は「かみもとちょう」と思い込んでいたのであった.なんと一文字も合っていないのであった(笑) いくら関西の土地カンがないといってもこれはすごいね.英語のジョークでこんなものがあったことを思い出した:「彼の卒業試験については,Coffeeを正しくつづれたら卒業させよう」「先生,それはちょっと厳しすぎます」「それじゃあつづりに使われるアルファベットが一文字でも入っていたら合格としよう」…さて試験の結果は?彼は不合格でした.なぜかというと彼の答えは「Kauphy」!

11月25日
(土曜日)

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 [電子・コンピュータ][ひと] 珍しく家にいる.時間を作って,名水大全に作者紹介を付記してみた.

  なんだか面白い.オレってこんな奴だったのかと気づかされることもしばしば(笑).

 [ひと] 今日は東大駒場キャンパスの学園祭だったらしいが,行けなかった.安形は学部1年のとき,クラスの屋台テントにかりだされて(たしか磯辺焼を売っていた),そしてその呼び込み技術を絶賛されたのであった(歌舞伎町仕込みという噂が立ったとか立たなかったとか(笑)).

  必修の授業をほとんどサボり,それ以前に歓迎オリも行かず,「クラスの誰もが安形の顔を知らない」という凄すぎる状態だったのであるが,これで顔と名前を覚えてもらえた,らしい.もっともその後もあまり学校には行かなかったのであるが…こんなのがやがて博士号をとっちゃうんだから世の中何が起こるか分からない.人生捨てたもんじゃないね(そういう問題じゃないか(笑)).

11月24日
(金曜日)

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 [電子・コンピュータ] OSインストールは済んでネットワーク設定も終わったが,OSへのセキュリティパッチをまだあててないのでネットワークケーブルを引っこ抜いた.しばらくは私がいるときだけネットワークに繋ぐ予定.なんて疑ぐり深いんでしょう(笑)

 [研究] 金曜午後に開かれる安形氏主宰秘密ゼミ.なぜか私が論文紹介を行なう.「しっかりした論理構成」の重要さを伝えるはずだったが,review・将来展望的論文であったためかならずしもその論文自体が(原著論文ほどには)堅固な論理構成を持っているわけではないという点がかなり厳しかった. それから,またしてもちょっとしゃべりすぎ.ノドが涸れてしまった.

  来週からこのゼミは,修論生・卒論生の発表に移る.学界全体の流れの中で自分の研究をどのように位置付けてゆくかは博士論文を仕上げるまで本当に苦しむ点なのであるが,今正にその苦しみに直面している彼らの発表を通して,その体験を皆(特にM1と学部生)で共通体験するのである.

11月23日
(木曜日)

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 [電子・コンピュータ] 夕食会から帰ってきてまた仕事.つまり研究室に「帰って」きたのである.ほぼ夜通し仕事をして早朝就寝(身体には気をつけなくちゃいけないのだけど…).OSインストールは次々と進む.やはりカスタムインストールは「自分が全責任を取る」という感じがあふれていて大好きだ.

 [生活] 身体に…といえば,先日留守中に保健センターから電話が来たそうだ..用件不明,かつそれきりかかってこないというのがなんだか謎である.「先日の健康診断の結果,残念ながらあと3ヶ月の命だとわかりました」なんていわれたらどうしよう?その時は「じゃああと3ヶ月は今まではやりたくても出来なかったことばかりやって悔いなく過ごしましょう」と答えるかな?(笑)

11月22日
(水曜日)

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 [電子・コンピュータ] 最近遊び相手になってもらっているサーバは,結局HDDを全てFORMATしなおして,かつOSをできるだけカスタムでインストールすることにした. オレって相当メーカー不信なのかな(笑).出来合いのインストーラだとどこをどういじくられているか分かったもんじゃないという恐さを常に感じてしまうのであります.

 [ひと] 7時に出るはずが,結局7時半に挨拶もそこそこに飛び出て(このため少なくとも4件は不義理した),で大切な人との夕食.

  大切な人なんて書くとなんだか色っぽい(笑).現実にはそういうわけではないのだけど−列席者は男ばかりだしね−. でも大切な集団であることには変わりがない. 気がつけば私がその集団の中でほぼ唯一の独身男性となったことに気づいた夜. ピッチャーのビールはさすがに安くてかつおいしゅうございました.

11月21日
(火曜日)

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 [電子・コンピュータ] デジカメ(研究室備品)なるものを生まれて初めて使った.サーバのセットアップ状況を全部撮るのだ.説明書も何もなかったけど,一応基本的な動作はすぐできるようになった.その場で気に入らないショットやミスショットを消去できるので,パカパカシャッターを押せる気軽さがある…と思っていたら,新品の電池(2CR5)がすぐに消耗してしまった.あとで識者から「デジカメは電池を食うよ」と教えてもらったが,それまで全く知らなかったのである.ちなみに全く同じ電池を先代の個人用カメラ(銀塩,AF一眼レフ)で使っていたが,月2,3日の使用で3年もったことがある.仕組み自体が全く違うとはいえ,ずいぶんパワーの食い方が異なるものだ.

  サーバのセットアップに励んでいる.RAIDのコントローラはオンボードなのだが,その設定方法について何のドキュメントもないというところが凄かった.このメーカ,前はドキュメント類がしっかりしていて好感を持っていたのだが… 「充実のサポート」サービスつきなのだからどんどんクエスチョンコールを出してしまおうかな? 

  サーバ付属のCD-ROMから起動し,パカパカ作業を進めてゆくと,再起動後Linuxのインストールが始まった.あれ?と思ってみていたのだが,結局こちらには何も聞いてこない.最初に「linux ks=floppy noprobe」とキーボードから入力するのみ(このときキーボード設定がUSなので,「=」の入力に戸惑う人がいるだろう…).あとはおなじみの「Server,Workstation, Custum」選択すらなしでどんどん進んでゆく.Disk Druidはどうした?(fdiskすらやらせてもらえないのか?) インストールするコンポーネントの設定は?(どうせEverythingだが…) そして起動するサービスの選択は? どれもこちらが唖然としてみているうちに勝手に進んでゆくのである.

   Linuxのインストールを数十回やってきた身からいうと,これはあまり嬉しくない.別にマニアの矜持(笑)とかそういうものではなく,何が入って何が起動しているか自分で指定しないことには不安なのである. 不安といえば,とにかくインストール後はパッチ攻撃をかけねばならない.そうでなければ恐くてネットワークケーブルを挿すこともできない.

 [生活] 先日のようなことを書いたら,その反動か,あるいは皆この日記を読んでいるのか(笑),今日は個人当てメイルと郵便と小包と宅急便と,それから固定電話も携帯電話も来た.メイル・郵便あわせて数十通の返事を書いたが,そのうちゆっくり書けたと言えるのは家に帰ってから書いた2通のみ.

 [ひと] 電話のひとつは,しかしちょっと嘆息するような内容だった.人の心の移ろいやすさを嘆く相手に対して,励ましの言葉はいったいどれくらいきちんと届いただろう?たぶん私の言葉すら疑うような心境だったのだろうな… 結局電話の後半はひたすらオバカ話に費やした.向こうもそれを望んでいた,と信じたい.

11月20日
(月曜日)

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 [電子・コンピュータ] 14時間半一心不乱に続けてきた仕事が一瞬のうちにパーになった経験はないだろうか?

  今日の朝起こったことがまさにそれであった.昨日から始めていた新購入サーバのハードウェア総チェックが,実はまだ終わらず,今朝になってもまだ続いていたのである.おやおやと思ってみていると,HDDの書き込みテストが始まったとたんに,ボン!と(音がしたわけではなかったが),ブレーカーが落ちたのである.

  つまり「仕事」をしていたのは私ではなく我が愛しのサーバ君なのであった.営々と築いてきたものが一瞬のうちに壊れるその辛さ(人間関係でもそういうことってあるよね),うんうん分かるよ,とサーバ君の肩を叩きたくなってしまった(笑).

  しかし,失敗からのリカバリーは安形のお家芸.任せなさい.なにしろ昔から,他人の人間関係の修復まで引き受ける羽目になったことがしばしばあるくらいだ←そんなことより,自分の頭のハエを追いなさいってば(苦笑).

  この際だからと電源関係の相談をしたら,それじゃあ安形の足元にあって安形が全く使っていないサーバを移動しようということになった.この忙しいのに大勢に人に手伝ってもらって(多謝!)引っ越し完了.

  電源に余裕が出来た(はずの)今,サーバ君はまた黙々と,しかし心地よいスキップを始めているようだ.それを目を細めて眺めている私(うんうん).箱を買ったらとりあえずふたを開けるというポリシー?どおりのことをしたが,実は現在に至るまで筐体のカバーは開けっ放しである.気流の関係で,あまり開けっ放しはよくないのであるが…,ま,これも愛情表現(笑).

 [ひと][生活] 鍋宴会があるらしい.ところが出られないので,せめて準備だけでも大いに手伝おうと名乗り出たら,酒の買出しをもうひとりの大酒のみと共に命じられた.幹事は,安形に鍋材料を買って来させたら何を買ってくるか分かったもんじゃない,と思ったのかもしれない. うむ,それは正解だ(笑).

 [天気と季節][食べる・飲む] 朝から冷たい雨が降っていたが,しかし酒の買出し−二人でビール一ケース+ガラス瓶4本+ペットボトル3本−に行った帰りは雨が上がり,あまり苦労しなかった.やはり最近,妙にツイているような気がする. 日常のどうでもいいことに楽しみ・喜びを見つける性格が,そろそろ復活かな?

11月19日
(日曜日)

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 [生活] 一念発起,部屋の片付けにも手をつけ始めたが,VOWシリーズ読破など逃避行動に走ってしまった(笑).

 [車][天気と季節] 風はだいぶ冷たいがよく晴れた.これでテントも完全に乾くだろう.気持ちのいい青空のもと,愛車の中を片付け,整備工場に持っていった.車検なのである.10万円かかると言われて大ショック(泣). 

 [電子・コンピュータ] DBサーバのセットアップ開始,さぁ箱を開いて…と思ったらIP割り当て要求を出していなかったことに気づいた.大変大変.急いで要望メール提出.プラットフォーム・OS・ホスト名等は,わが親愛なるクラッカー諸賢に知られるといけないから秘密.

  いざ電源ON.CheetahのHDDの,それもかなり回転が速いものが載っているはずだが,スピンナップはそれほど時間がかからずPOSTが完了した.それにしてもさすがにサーバ専用機.大きなファン音である.安形は慣れているからいいが他の人はどう思うだろう… まぁ,冬はストーブ代わりになっていいのであるが(笑)

 [数学パズル] 鍵束がこんがらがって知恵の輪状態.家の鍵が,その中心にある.これじゃあ鍵穴に入らず,したがって家に入れないではないか.玄関前で格闘すること数分,どうしたことか全く解けない.アリャリャと思って,ダメモトで無理やり鍵穴に差し込んだら,おや,ちゃんと開いた.鍵って別に根本まで差し込まなくてもいいんですね.それにしても寒空の下数分の格闘って…(笑) ま,過ぎてしまった時間のことは惜しまないが.

  ちなみに玄関に入った直後にその「知恵の輪」はあっさり解けた.そういうものさ,人生って.

11月18日
(土曜日)

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 [研究] 何か異常に仕事をしたような気がする一日.なんといっても難儀だったのはテントの乾燥であった(笑).公開文書WWW資料に最近の集会発表を2件付け加え,今度の金曜日に発表する文献について参考資料を取りまとめ,gsibの手直しをし,地理学評論に出す「書評」に朱を入れ… もっとも,仕事をしているのは自分だけでなく,周りからもコンピュータのキーを叩く音が止むことはなかった.

 [生活] 昨日公開スペースに置いておいた伊勢の赤福(名古屋駅で購入)はアッと言う間に消滅.私は一つを食べたのみ.実は初めて食べた.今度は田舎からみかんを送ってくるという連絡があった.また一瞬のうちに皆の腹の中だろう.まぁそれもよし.

 [生活] 帰ってみると留守電にはメッセージがなく,念のため携帯の留守電サービスをチェックしても何のメッセージもなく,それから私個人宛てメールもハガキも一切来ていない.そして,SPAMとDMだけはやたら多い(ちなみに,安形はSPAMはすべて保存してある.しかも分類までしている).いつもと同じ日常がそこにはあった.今日しゃべったのは,たぶん研究室に先に来ていた人に挨拶したときだけだ.う〜む社会から隔絶された生活.そこには人の温もりなんてものはかけらも存在しない.この文は家で書いているが,もし明朝私が布団の中で死体になっていても,気づかれるのは相当遅れるだろう(笑). 独りになるのが怖い人は,多分こういう生活はできないだろうな…とふと思ってしまった寒い夜である. 

 [天気と季節] この寒さは別に心理的なものではなく,実は本当に今夜は冷える.冬が近いことを教えてくれる寒さだ.さて冬は,身体に気をつけて論文書き攻撃だ.卒論修論生の頑張りに負けないように…

11月17日
(金曜日)

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 [車][天気と季節] 夜行で帰ってきた.朝の東京は冷たい雨.予定通り大荷物を抱えて研究室に直行し,ちょっと仕事をした後手ぶらで家に帰って車で帰ってきた.夜に荷物を積んで家に帰るのである.と思ったら夕方になって雨は小ぶりに.往復する必要あったのかな…

 [研究][文献][ひと] 安形プライベートゼミ後半戦に突入.Kさんの文献発表.「論文とは何か」「どう読むか」について超基本編をB4〜M2諸君に教える.休んだ人は損をしたと思うぞ(笑).まぁ先週から身の回りに妙に重い風邪ひきさんが多い(誰だ皆にうつしているのは)のでその余波かもしれない.それから,そう,意外と調査シーズンでもあるのだ.

 [車] 夜,車で帰る途中に給油したらこれまでの最高燃費を達成した.といってもたかが14.6リットル/kmだけど,いつもが12以下だからちょっとイイ数字.これは先日群馬に下道で往復したときどこもかしこもやたら空いていたためかもしれない.高速を飛ばすと10をきることもあるから,やっぱり下道ノンビリがいいなぁ.ちなみに今日の車内サウンドはCasiopeaの軽快なフュージョン.

11月16日
(木曜日)

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 [アウトドア][水] 大台辻(峠)から入之波温泉に下山.地形図上では簡単なトラバースルートで緩い下り…と思ったらこれまた大違い.転落したら助からないような急斜面を横切りつづけるのだが,小規模な崩壊が多発して道が狭い個所がある・DBH50cm以上の倒木が道をふさぐ・足元は角礫の集積で極めて躓きやすい(谷側に転んだら最後だ.一見ヤブだがその下は断崖である)という難儀な道だった.途中,小規模な谷状地形を横切るところで足元に湧いているのが銀嶺水.ここまではブナが目立つ.葉の大きさが大杉谷側とは異なることに注目だ.その葉はもうだいぶ落ちていた.丁寧に観察事項を記載しながら降りてゆくと予想外に時間がかかった.

 [森と樹] しかし,標高1000m以下からは紅葉が見事だった.正に目を射るような赤と黄色を,常緑針葉樹の深い緑の中で輝かせていた.雨も上がり,乾いた風が吹いてきて,山行を終えようとする私にご褒美?のように美しい光景を楽しむ余裕が出てきた.

 [地理] 途中山仕事の軽トラに載せてもらい(感謝〜),入之波温泉バス停から湯盛温泉経由で大和八木駅へ.とりあえず登山届提出先(大杉谷入口の登山センター)と宿泊した山小屋,そして緊急連絡先に勝手に(笑)した実家に連絡.こういう連絡をちゃんとしないと自分の知らないうちに救助隊出動…なんてなるかもしれないので結構重要なのである.ついでに,彼女がいたらここで電話というところだ(いませんってば(笑)).すべての連絡を終えて,ハイおつかれさまでした.

  ところで,帰りは近鉄で京都に出て…と思っていたのだけどよく見たら近鉄って名古屋に直接行けるんだね,と気づき,作戦変更.時間はたっぷりあるから特急を使わずに名古屋へGO!とした.そうしたら乗り継ぎの便が悪く,榛原・青山町・中川で乗り換える羽目になった(特急だけは優遇されていて一本でいけるのだが).でもまあ,長時間乗ったけどなかなか快適な鉄道だった.関東だとここまで大規模な私鉄はない(強いて言えば東武線?)から,私鉄ロングトリップというのはちょっと新鮮な移動だった.

 [水][森と樹][地理] 長谷寺の近くに「与喜山暖帯林」というものがある.天然記念物.名古屋に行く途中,時間があったので見に行こうとしたのだが,なぜか手前の長谷寺見学だけに時間を使ってしまった.なかなか大規模な寺院.起伏が大きく,山を背後に抱えている.行ってはじめて知ったのだが,ここは真言宗豊山派の総本山らしい.真言宗と言えば弘法大師,弘法さんといえば水…と勝手に考え,さらに境内全体の地形を読むとどうやら「奥の院」方面は小規模な谷地形らしいと気づいたので行ってみたら,道が谷を横切るところで,ホラ,覆屋がある井戸があった.現役らしい.フタをめくってみると地面すれすれまで清澄な水がたまっている.よく見ると井戸というよりは湧水らしい.発見発見.

 [ひと][文化芸術] 古くから多くの人の信仰を集めてきた長谷の観音は,高さ10m余り.「何考えてるんだ〜」というくらいの大きさだ.クスノキで出来ていて,わが国最大の木造仏とのこと.ちなみに,先日書いた中将姫にも縁があるということを後日知った.桜・ボタン・アジサイ・紅葉・雪景色どれもが素晴らしいらしく(この日は紅葉にはまだ早かった),四季訪ねたいところである.秋の紅葉まつりにあわせて寺宝展覧会をやっていた.国宝の装飾経は,軸の水晶の見事なカット・今でも美しく保存されている金の彩色が目にまぶしかった.しかしそういった即物的な美しさもさることながら,人々が長い間この経を含む寺院全体に祈りを込めつづけてきたその重さを感じさせてくれるという点で貴重だった.なお,寺宝展示館の窓から例の与喜山(禁伐の森)が見えるようになっていて,そこにちゃんと解説板があったのは見事な構成だった.

 [生活][地理] 名古屋に出た.出たからにはきしめんか味噌カツを食わねばならない,と固く決意(笑).と思ったらきしめん味噌カツセットなどというものがあったので躊躇せず注文.が,やはり疲れていたのか,食後なぜか会計を済ませず店を出ようとしてしまった(食券制とでも思い込んでいたのだろうか?自分でもよくわからない).危うく無銭飲食である.

11月15日
(水曜日)

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 [研究][アウトドア][天気と季節] 雨である.大杉谷(雨中の突破はなかなか危なくて面白かった.他の人を引率しながらだととてもエンジョイできる道ではないが,単独行なら本当に楽しめる.これだから独り歩きはやめられない)をさらにたどり,堂倉滝から一転して急峻な尾根登り.大台ケ原山頂は冷たい風と雨の中だった.山頂で雨に降られたことは,10年の山経験で3回目だ.不思議と山では降られない「体質」だったのに残念.

 [アウトドア][生活] さすがに「一式」背負って(20kg弱)いると登りはきつかった.雨脚は時としてかなり強くなる.こういう時の注意点は,「あきらめないこと」と「がんばりすぎないこと」という一見矛盾した二点である,ということを山経験の中から知っている.

  私に山経験がなかったら,おそらく途中であきらめていたか,逆に奮闘しすぎてさらに体力を消耗させたであろう. 自分がこの苦境(それを苦境と呼ぶならば,だが)を突破できることを信じて疑わない気持ちを持ちつづけることが重要.しかし疲れたら休むということは決して恥ずかしいことではない.むしろ次の一歩・十歩・百歩を確実にこなすことが大事.その淡々とした積み重ねの果てに頂上がある. たぶんこういう「調子のつけ方」を知っているというのが,「経験」というものの本質なのだろう.

  なんだか自慢めいてきてしまった(苦笑)が,実は十年山に登っているのだからこの程度は知っていて当然なのである.そして,その代わり「知らずに過ごしてきたこと」がたくさんあることも,いろいろな経験から分かってきている.特に芸能や都市情報関係の知識は壊滅的だ.「本当に美味しい食べ物」とかね…

 [森と樹][地形・地質] 大台ケ原は平坦なササ原…と思ったら尾根部(踏跡のみ.一般にはお奨めできない)は意外と起伏がある.特にチャート系の岩石が小規模な岩稜を形成している.かなり面白い.雨が少し弱くなり,周囲を見渡す余裕が出来た.行く先々でシカを見た.そして,食害に遭った木が多いことにも気づく.さらに,食害よけのネットをかけてある木も多数あった.環境庁のお仕事だろうか.それにしても,車道から近いとはいえ,山中で大変な仕事をしているものである.

  川上辻から大台辻へのトラバースルートは,地図では平坦で簡単そうなのであるが実際は大違い.あちこち崩壊があり,極めて危険だ.だまされてはいけない.大杉谷は一目見て危ないことが分かるのでだれもが慎重に通るだろうが,ここはその危険はよく見ないと分からないところがなんとも陰険なのである.落ちたら助からないという点ではどちらも同じなのだが… なお,危険とは言っても手入れがされていないのではない.むしろ逆で,かなり手が入っている.直径50cm以上の倒木が何本もチェーンソーで切られ歩きやすくなっているあたりは,その仕事をした人に手を合わせたくなったものだ.

 [水] 噂に聞く金命水は,確かに巨岩の根本から突如として湧き出ていた.祠がないのが不思議だった.

 [生活][天気と季節] テント設営中になんとポールが折れた.添え木で固定しようと思ったが,この強烈な曲げモーメントに耐えられるものは結局見つからず,折れたまま不安定なテントで強行することにする.自立していない自立テントだ.荷物の入れ方を調整し,ロードバランシングに精を出してなんとかテントらしきものが完成.夜通し雨,そして風.山の風の吹き方を体で感じていた.遠くから,本当に遠くから地鳴りのような音が近づき,そしてテントがちょっとだけ揺れる.どんな音なのかは「聞いた者でないと分からない」としか言いようのない代物だ.ところで,「風が吹くと葉っぱについた水が地面に落ちる」というのは現在の地表面過程モデルではどのようにsimulateされているのだろうか? (山関係のことは別報で報告予定)

11月14日
(火曜日)

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 [アウトドア] 黄檗駅を6時半に出発,京都で15分,松阪で5分,多気で15分の乗り換えでやっと三瀬谷に到着.そして10分の連絡でバスに載る.なんとも綱渡りな日程である.しかしいろいろと無茶しているわりには最後にはなんとなくつじつまが合ってしまうのが安形の旅でもある.今回も(行きも帰りも)そうだった.やっぱり根本的に運がいいのだろうな…

 [ひと] 近鉄特急で向かいに座った4人組.これが,噂に聞く「関西のおばさん」か…と半ば感心してしまった.4人が互いにお互いを褒めあい,そしてそこにいない人をけなしまくるというのはまぁ全国どこにいても見られる光景なのかもしれないが,しかしその辛らつなこと!そしてその傍若無人さ!

 [文学と言語][地理] もっとも,関西を大いに気に入った旅でもあった(安形は,あまり関西をじっくり歩いた経験がなかった).気に入った一つは言葉だ.特に女性の言葉が実にやわらかくてヨイ.なかでも,語尾につく「なァ」(「しんどいなァ」「かんにんなぁ」という感じのときの語尾)のイントネーションにはなんともいえない風情があってさらにヨイ. 私自身は関西の言葉は(もちろん関西言葉といっても数十種類はあるのだろうが)全くしゃべれないし無理して真似しようとは思っていないのだけど,しかし日々これに囲まれて過ごすのも悪くないと思ったものである(笑).

 [ひと] 途中,近鉄特急からみた看板に目を惹かれた.「中将姫ゆかりの青蓮寺」 中将姫といえば,津村順天堂(現・ツムラ)が初期に業績を伸ばした原動力となった婦人薬中将湯のシンボルマークになっている女性だ.

  なんで歴史オンチの私がそんな事を知っているのかというと,実は例の高畠華宵先生が大正末〜昭和初期にかけて中将湯の新聞広告絵を描き,それが彼の実質的なデビュー作となったからだ.和風のような洋風のような,モダンなような古風のような,よく分からないがとにかく華麗で美しくそしてどこか儚げな女性の絵(儚げといっても竹久夢二とは全く違う)は,当時かなり斬新なものとして受け止められたらしい.

  というわけで上記の看板を見た私が,華宵先生の絵を思い出してしまったのは言うまでもない.特にこんな天気のいいときに似合うのは,晴天のもとでうっすらと笑みを浮かべた美人画,たとえば「真澄の青空」あたりか.山に登るにあたって神仏に祈ることなどしない私であるが,なんとなく心強いものを感じたのであった.

 [研究][アウトドア][地形・地質] 大杉谷を桃ノ木小屋まで歩く.詳しくは別報にて.急傾斜・多雨地帯の水文地形は,どうも今まで慣れ親しんできた山地水文地形学の感覚とは少し離れているのではないか?と思った.ここまでの道は,ガイドによれば4.5時間とのことだったが,実際には2.5時間.これは晴れていて岩が濡れていなかったせいもあるだろう.鎖場が連続する岩だらけの道である.1998年には7人の死者を出したらしい.

 [ひと] 桃ノ木山小屋は予想以上に立派なところ.大阪から来たという,瀧の写真専門のカメラマンと話があって盛り上がる.ただ,どうにも困ったのが「なぜ山に登るのか」「山で何を思うのか」ということについてうまく説明できなかった点である.「なぜ」と言われても特に理由はない.上りたくなったから登るのだ.それも自分で選んで決めた自分の好きな方法で….そして,山では実は何も考えていない.感情をどこかに置き忘れてしまってきている.誰だ「いつもそうじゃないか」と言っているのは(笑).強いて感情らしきものを探せば,美しい風景を美しいと思い,危険な場所を恐れる気持ちくらいか.満足感・充実感・安心感などよくありがちな感情は,実はほとんど感じていないのである.

  ただ来たくなったからそこに来て,そして当たり前のようにここにいる.もちろんそのベースには経験からくる「このルートなら歩きとおせる」という自信(過信ではない)があるのだけど,しかし,別に強烈なモチベーションも,いろいろな山岳文筆家の描く登高の喜びも私の中にはない.淡々と登り,淡々と降りるのみ.

11月13日
(月曜日)

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 [水] 京大防災研は宇治(黄檗駅前)にある.宇治といえば宇治上神社の「桐原水」だ.JR奈良線宇治駅を降りたときに黄檗駅への時刻を宇治駅で確認したらどうも12時の集合に間に合うかどうか微妙だ.でも行ってみることにした.小屋の中に池があり,隅から水が湧いている.生では飲まないようにと書いてあったが,無視して一杯のみ,水筒を満たした(池の中の水はそれほど動いていないようで,確かに生飲用は他人には薦めたくない)

 [研究] さて,シンポジウム.これは水文水資源学会の研究グループのひとつ「山地流域カタログ・データベース研究会 」が開いた「第一回研究集会」である.安形の発表は,「官公庁などによる既存データベースの現状」で,気象庁と建設省の公開D/Bについて主に話した.(近日中に発表要旨と当日使用OHPは公開予定)

 [電子・コンピュータ] ここでも,この日記を読んでいるという人に会ってビックリ.この2週間で3人目だ.ちなみに筆者自身ではこの日記についてはアクセスログをまったくとっていないので,どういう人がどれだけの回数これを読んでいるかは,少なくとも私自身はまるで知らない.

 [ひと] 当然のように飲み会開始.だいぶ遅くまで飲んだが,筆者は珍しくセーブしていた.明日からちょっときつい歩きがあるからである.ビール中ジョッキ4,5杯でやめ,かつての同僚の下宿(偶然ながら,飲み会会場の隣であった)に転がり込んだ.

11月12日
(日曜日)

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 [研究] 明日京都であるシンポジウムの発表準備.OHPで持ってゆく.そういえば国立科学博物館の「ダイアモンド展」は今日までだったような気がするが,結局いけずじまい.ディスカウント券までもらったのに…

11月11日
(土曜日)

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 [研究][アウトドア] 昼間仕事をして,夜福島にクライマー集会,といくはずだったが,仕事が終わらない.というより自分で勝手に仕事を増やしてしまい,手が離せない状況になってしまったのだ.何でこんなときに研究のmotivationが肥大化するのだ? 結局集会の方は休んで,かなり遅くまで仕事に励んでしまった.良かったのか悪かったのか…

11月10日
(金曜日)

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 [研究][ひと] 塚本良則「森林・水・土の保全」の輪講は今日で一旦終了.なぜか第一章が一番読みづらい本であったのでそこを最後のこの日に持ってきた.塚本先生の自然観というものが色濃く反映された章である.

  そう,自然相手の研究者たるもの,自分自身の確固たる自然観を持たなくちゃいけない.

11月09日
(木曜日)

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 [研究] 夕方のLSM研究会で,J.Polcher氏の論文「A proposal for a general interface between land-surface schemes and general circulation models」を紹介.一見超マニアックな数値解法のような題名だが,内容は堅実,というか基礎的.読む分には面白かった.でも聞いているほうはどうだったか…(笑)

 [生活][食べる・飲む] なんだかんだで昨晩は泊まり.朝9時にようやった寝た.米国大統領選挙がどうなったかも知らなかった.昨日,自分へのご褒美用のチーズケーキを買ってきてあったので,ひと仕事終えた今それを賞味しながらこれを書いているところだ.激ウマ♪(笑) 明日は…朝8時から野球に,とチラリと思ったが,朝LSM関係でお客さんが来るので断念.

11月08日
(水曜日)

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 [電子・コンピュータ] 売上が$36万弱,それに対して純損失が$4,370万!こんな企業には一体生きる道は残されているのだろうか?しかし市場はこの企業,すなわちIntel互換CPUのニューウェーブ「Crusoe」をひっさげて華々しく登場したTransmeta社(Linuxの産みの親Linus Torvalds氏が開発チームに助力していることで一躍有名になった)のIPOを強く後押しした.公募価格21ドルに対して45ドル以上の値がついたのである(→ZDNNによる参考記事).

  IBM(→ZDNNによる関連記事)もCompaqも(→G2Newsによる関連記事)Crusoe搭載のモバイルPCについてその開発をとりあえず断念してしまったのに,投資家はまだこの企業の将来を信じているようだ.これはこれで非常に面白い.客観的に見て大丈夫としか思えない企業があっという間に倒産した事例は歴史を顧みると事欠かないが,逆にどうみても倒産という企業がよみがえったということも多々ある.Transmetaもそうなると面白いかもしれない.大企業の行動とは裏腹に市場が優良企業を後押しする!なんとも痛快ではないか.ビジネス社会の冷酷さは肌身にしみて知っているつもりではあるが…

11月07日
(火曜日)

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 [生活] 職員健康診断,である.学生の頃に比べると,血液検査と心電図が加わったということでグレードアップだ.とりあえずその場では何も異常がでなかったが…さて後日どのようなオシラセがくるか.わくわく,どきどき.

  一つ気になったのは,5年以上一定(62kg)だった体重が減ったことだ.現在180cm60kg.なお,電気抵抗で測った体脂肪率は9.1%.クライマーではさほど珍しくない数値(中の下くらいかな)であるが,これを見た某助教授が「ヤッパリ低いな〜」と言っていた.

 [ひと] 健康診断とは直接の関係はないのだが,なぜか今日は病人・病み上がり・そして具合の悪い人にたくさん会った.何回「お大事に」と言ったことだろう.そして,さらには電子的に残された手記によって具合の悪さを知った人も若干名いる.何かが私の周囲に起こっているような…(笑) 何はともあれもう一度全ての人に「お大事に」と言う.特に直接顔を合わせてそう言えなかった人には…

11月06日
(月曜日)

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 [生活] 髪を思いっきり短くしたら何だか小学生の頃の顔に似てきた.当時のほうが可愛かっただろうけどね(笑). 久々にジャージを着てきたが,皆もう見慣れているのか誰も何も言わずじまい.髪の方はいったい何人が気づいただろう?ちょっと聞くのが怖いな(笑).

 [研究] 研究室ミーティングで,パキスタンの水文データ紹介があった.やっぱりアルところにはアルんだね… それから世界の水資源に関する発表では,水資源データセットを全球0.5度グリッドで作成した結果が世界初公開!他にはIPCC報告(あれ,第三次レポートってまだでてなかったのか)とBIOMEを駆使した植生からの蒸散推定に関する発表. 皆頑張ってるネ.俺も少しは何か結果を出さねば…と思った次第.

 [研究][ひと] 来週月曜に京大防災研で開かれる水文・水資源学会研究グループ「山地流域カタログ・データベース研究会」第一回研究集会 について,この研究会のメーリングリストが盛り上がっている.実は本題ではなくてアフター集会の件だ.大勢は「夜通し飲み」派である.うむ,リーダーのK治さんを始めとして,期待通りの濃い面々だ.

11月05日
(日曜日)

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 [アウトドア] 結局大寝坊.昨日同宿した人が,「岩を探してるって?オレの職場の近くにあるよ」(注:その人は生コン技師で,山の中で土木工事にあたっている)というので喜んでついてゆく.すると,ほら,また未発見の岩があった!これでまた一つ仕事が増えたわけである.るんるん.

 [森と樹][天気と季節] 今日も快晴で素晴らしい紅葉.オレって日頃の行いがそんなにいいかなぁ.ま,そういうことにしておくか(笑).

 [ひと] 高畠華宵画伯のファンで構成される華宵会という会がある.つい先日会員になったのだが,いきなり事務局の女性事務員から電話が来て「インタビューをしたい」とのこと,らしい.らしいというのはそれは留守電に入っていたからである.家の電話では多分連絡は取れません… いったい何を聞かれるのだろう? 

  それから,そう,家族以外の女性から家の電話に電話がかかってきたのは,おそらく一年ぶりかそれ以上だ(苦笑).名前を聞く限りでは華宵会会報(大正時代のアートに関する美術館「高畠華宵大正ロマン館」(愛媛県)の研究紀要を兼ねている)にかなり硬質のそしてよく練り上げられた研究論文を発表している人らしい.文章から想像した年齢とはかけ離れた若い声であった.声のとおりの年齢であるとすれば,その若さであれだけの文章を書ける人がいるというのはちょっと嬉しい.

 [地理][地形・地質] 関東平野を見下ろす絶好の夜景ポイントがある.普通は一人でしか行かない.といっても,いつ行っても先客がいるところだから,まあ多くの人に知られているのだろう.ところが今日はとんでもないスキスキ状態で,見事な夜景を本当に独り占めしてきた.星空とあわせて,視界の全てが光の渦なのである.昨年の大雨災害の復旧が遅れていたため皆敬遠していたのだろうが,それにしても独占というのは初めての経験であった.他人に教えたくない場所,というものを挙げるとすれば,間違いなくここはその候補に入るであろう.

11月04日
(土曜日)

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 [森と樹][天気と季節] なんと美しい青空,なんと美しい紅葉!里から見る錦秋の斜面も,岩の下に立って仰ぎ見る真っ赤なもみじも,ロープにぶら下がっているときに身体に落ちてくる黄葉のシャワーも,すべてが心を豊かにきれいにしてくれる代物であった.心傷つき,悩み,苦しんでいる人は皆群馬県上野村に来ればいい.紅葉はもう少しで最高潮に達する.その美しい山河は,あなたの傷を癒し,包み込み,そして元気を出して生きる勇気を与えてくれるだろう.

 [ひと] 例の居酒屋に面白い人が来ていた.もともと長野県警の山岳救助隊にいたという人で,当然のように山の話で盛り上がった.と思ったら机を叩きながらの大口論勃発.しかしすぐに仲直り(山男だねぇ).結局その人の家に肩を組んで転がり込み,さらに飲み,そこで寝る羽目になった.

 [アウトドア][ひと] 山岳救助の話で最も印象的だったのは,槍ヶ岳頂上で結婚式を挙げた直後に遭難したカップルの話.雷に打たれた新婚夫婦は,岐阜側と長野側にはなればなれに墜落・死亡したという.運命の神という者がどこかにいるなら,そいつはその時よほど虫の居所が悪かったのだろう.せっかくめぐり合えた愛する人と一瞬のうちに離れ離れになり,冷たい雨に打たれて死んでいった人の気持ちを考えるとやりきれない思いであった.そしてその冷たく重たいロク(遺体のこと)を担いで山を降りた救助隊の心境も,麓で待つ遺族のことも…

11月03日
(金曜日)

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 [アウトドア] 群馬県某所で岩遊びの予定だったがちょっと天気が悪いので日和る.夜,現地へ.ほとんど現地での我が家同然となってしまっている居酒屋で,マスターと「村の将来に関するグランドデザイン」を話し合った.

 [車][ひと] 群馬に行く途中,秩父市で面白い車に出会った.足回りをいじって車高を高くする場合,普通は「○○インチアップ」と言うがその車はインチというよりフィートで測ったほうがいいんじゃないかという猛烈な車高アップぶり.空気取り入れ口を屋根より高くしているし(言うまでもないが渡河走行用だ),他にもゴリゴリのオフロード仕様満載で,ジムニー乗りの私としてはとても嬉しくなってしまう代物だった.

  ところがその車の真価はそんなものではなかったのである.助手席の後ろの席でカーテンが揺れ,そして顔を出したのは…かわいらしい猫ではないか!こういう場合窓から顔を出す動物は素手ではまずかなわないだろうという大きな犬というところがお約束だ.完璧なオフロード仕様車に子猫が乗る!そのアンバランスさに私は深く感動してしまったのであった(笑). それにしても,この猫を乗せたまま凸凹道を走るのだろうか?

11月02日
(木曜日)

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 [文献][ひと] 当然のように飲みまくり,研究室泊.同僚のS君(男性)を捕まえて無理やり高畠華宵先生の美人画全集を見せ,「こういうタイプがいいなぁ」「いやこっちですよ」と激しいバトル(笑)を展開していた. まあ好みは人それぞれ. 面白いのは,少なくとも私の場合,今まで付き合った人がそれじゃあ昨晩まくし立てた(笑)好みの外見ばかりだったかというと実はそうとは限らないというところだ(それは大抵の人はそうじゃないか?え,そうじゃない?) 何なんだろうかね,この気持ち.

 [ひと] 重要な電話.それも断りの電話をする羽目になった.期待されていたのを断るので,申し訳なさでいっぱいであったが,それが声の調子に出たのか,相手から逆に励まされる始末.人情に触れる体験であった.

11月01日
(水曜日)

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 [天気と季節] 冷たい冷たい雨である.というわけで今日予定されていた船橋市(海老川)現地調査は中止.

 [生活] 珍しく靴を履いてきた.なんて書くとなんだかいつもは裸足みたいだな(笑).いつもはサンダルである.それも壊れかけている. 今日は下北沢にあるビストロなんとかというところに行くことになっているのだ.もっとも,ビストロとは何なのかいまだによく知らない(笑).まあたぶんおいしいものを食わせてくれるんでしょう.

 [食べる・飲む] 本郷にいたとき,やたら交際費が余っている会社で働いていたので,本郷通り沿いの食べ物屋はすべて社費で行ったはず(今考えてみればものすごい贅沢).ということはビストロなるところにも行ったことがあるはずなのだが,あんまりよく覚えていない.

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安形氏にめいる
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