日記:2001年09月

最終更新:2001年11月14日 15:40



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安形氏にめいる
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09月30日
(日曜日)

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大湧水登場/シンポジウム発表

 [水] 早朝寒風山に行き,前から気になる存在だった滝ノ頭湧水へ突撃.かなり分かりにくい道をたどると大きな池に出て,これをぐるっと回った奥に湧水群がありました.ここまでにいたる道には大きな杉がボコボコたっていて,嬉しくなります.

  湧水は十箇所以上に分かれて出ていました.どれも相当の量で,これまでに研究によれば平均250リットル/秒なのだそうです.寒風山の湧水は30箇所ほどが知られていますが,ここ一箇所で多分全体の量の8割は出ているはずです.

  すばらしい湧水です.周囲の森も見事.名水百選が取りこぼした,穴場中の穴場でしょう.

  つぎに,岩清水へ.これが難儀しました.下に溜池があり,ここから上がる道をがんばって探したのですが,滑落の危険を数度潜り抜けても結局見つからず.ではあきらめて上から回るか…と車で行ったらアッサリ見つかりました.ただし,先ほど下から攻めたときにも,実はかなり近くまで来ていたことが判明.オレモヤキガマワッタカと反省しました.

  滝ノ頭に比べるとはるかに小さな,でもこちらも手入れの行き届いた好ましい湧水です.

 [研究] 午前の学会は水文セッションに出席.滝ノ頭湧水の話も出ていました.また,私以上に湧水を数多くめぐっている地調の安原さんグループの発表も聞くことができて満足.

  午後はシンポジウム「変貌する水環境と地理学からのアプローチ」.安形発表です.発表直前までプレゼン資料を直していた(よく見たら,安形の嫌いな「単語途中改行」がいくつかあった.また,ギリギリまで表現を練り上げた)のですが,イザという時にフリーズしてしまい,結局事前に用意したOHPでしゃべりました.

  (発表内容使用プレゼン資料はWWWで公開しています).

  要するに「地理学者よ,今こそ勝負だ」というアジ演説(笑)なので,力みを故意に入れてしゃべりました.後から言われたのですが,もう少しゆっくりでも良かったんじゃないか?とのこと.でもそういわれるくらい,を目指したのでまぁまぁ成功でしょう.

  シンポ発表自体が終わったら,発表者全員前に座らされて,そこから総合討論.結構盛り上がりました.間接水消費の概念についてもちゃっかり宣伝してきました.

  打ち上げはシンポジウム発表メンバーで.安形発表への感想として「一人だけ毛色が違っていて,結果的にシンポジウムの目玉になったかもしれない」 … 「学会の目玉」はいつも目指していますから,ちょっと満足なコメントでした.

  今日も車で寝泊り.ぱらぱらと雨が降ってきました. 長い長い,一人の夜です.

09月29日
(土曜日)

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地理学会 一日目/怠け者は恐かった

  八郎潟駅近くに車を置き,電車通勤で秋田へ.八郎潟→秋田は¥480でしたが実は特急だったので特急料金¥630もかかりました. 八郎潟の広大な稲田の向こうに,明日行く予定の寒風山がノンビリと横たわっていました.天気は快晴.

 [研究] 日本地理学会の学会がここ秋田大学で開催されるのは,長い学会の歴史の中で始めてなのだそうです.一日目は遠方から来る人のことを考えて,13時からのスタート.

  いきなり灌漑の話がでました.立正大の院生です.さすが立正.もちろん質問.だいぶ立ち往生させてしまいましたが,ま,教育教育.立派だったのは,指導教官の先生が何も助け舟を出さなかったことです.これは発表者にとっていい経験になったでしょう. これに懲りず頑張れ若者.

  古巣の東大地理から何人か発表.私は主に地形のセッションに出ていました.最近とんと周りで聞かなくなった用語のオンパレードを,ただただ懐かしく聞いていました.

  ずいぶん,住む世界が違ってしまったものです.

 [文化芸術] 懇親会は駅前のホテルの宴会場にて.ちょっと豪華です.皆背広あるいはそれに類した格好の中で,私だけが派手な黄色のフリースで異様に目立っていました.

  こういう会には珍しく,アトラクションがありました.なまはげ太鼓というものです.先日に続いて,最近太鼓に縁がありますね.備中太鼓に比べてアドリブ度と勇壮さパワーアップというところでしょうか.

  前半は,何人かが本当になまはげの格好をして叩きます.たまに客席をのしのしと歩き回る.なまはげ(鬼ではなくて,山の神の遣いというキャラクターらしい)怠け者をとって食うということなので,私などずいぶんヒヤヒヤしました(笑). 一人はずいぶんデカい体格.なまはげの面の下は大仁田か趙野か?

  終わってからの挨拶で「他人からはいろいろ言われますが,'馬鹿'を貫き通して20年,年間200ステージ太鼓を叩いてきました」というところに心から喝采.二曲目演奏の前にあった「全く意味というものを持たない曲です.ただただ,太鼓のパワーが皆様に伝わるよう願いながら叩きます」という紹介に深く感服.太鼓演奏の本質を見事に言い当てた紹介でした.

09月28日
(金曜日)

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秋田へ,のはずが

 [研究][電子・コンピュータ] 頼まれ仕事をまだやっていないことに気づき,あわてて研究室へ.なんとか終わらせたのですがどうも期待されたような結果ではない.結局,もっとよく考えてから投稿しようということになりました.いったいどんな結論が今日作った図から出てくるのか,楽しみです.

 [車] 出発は22:30.珍しく首都高なんて乗って,美女木JCTから外環,そして東北道へ.途中給油時にボンネット内を見てもらったら,バッテリ液減少・オイル減少and汚れ・ウォッシャー液減少と,最近全然ボンネットを開けていないことがバレるようなひどい内容でした.とりあえずオイル補充だけお願いしました(後日記:これがあとでとんでもないことにつながる…)

  途中の気温表示,なんと一桁℃.下りたSAでは息が白い. 「オレも心配性だな」と思いながら一応持ってきたフリースが,実は大活躍だったのでした.

  北上JCTから秋田道に入り,錦秋湖SAでストップ.一応refreshしたつもりでしたが,この2週間の壮絶な不眠仕事のためか,どうにも眠気が止まらない.結局次の山内PAで大休止.

  朝,湯沢市の力水やしず台の清水に行くという計画は見事に頓挫したのでした.

09月27日
(木曜日)

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秋田へ,そして名古屋へ

 [研究][ひと] いろいろな人が,いろいろな理由で私の身辺を去って,やがて10月です.  来月こそは,いい月でありますように.なお,10月になれば研究室に新しい人が来るらしいです.

 [研究] 明日から日本地理学会のために秋田に行きます.帰ってきたらすぐに,10/2に名古屋へ.これは5th International Study Conference on GEWEX in Asia and GAMEのため.

  あと,11月にはKuala LumpurとToulouse.移動が多ければ多いほどCO2を撒き散らすことになるのだけど.

 [研究][電子・コンピュータ] GAME-Tデータセンタバングラデシュ日降水量1998を公開です(最近やっとこさデータの「仕様」が固まってきたので,これまでやっつけ仕事(笑)でまとめてきた各種データを再整備するつもりです)

  また,ドイツにある有名なGPCCという国際機関からデータに関して問い合わせが来ました.今自分が,世界を相手にしているということが分かる瞬間です.たとえ扱っているデータが自分で取得してきたものではないにしても.

  今日は研究室の大勢が修論・卒論各中間発表の打ち上げ寿司会に行ったらしいが私は行きませんでした.もちろんいけなかったこと自体は残念ですが,今は仕事をしていたいので(なんかいつもは仕事をしたくないと思っているかのような書き方…(笑))後悔はしていません. 多忙であることは,悪いことばかりでもありません. やることが山積み,というのは,ある意味幸せなことでもあります(体壊さない程度に没頭します)

 [電子・コンピュータ] ちなみに,上記GPCCWWWサイトを見たとき,新しめのIEだとマウスを動かすにつれて小さなキャラクタがマウスの動きを微妙に追尾するように動くことにお気づきになるでしょう.これはdynamicHTMLです(Mozillaの場合は未確認.報告求む). なんとなく,の遊び心.ほのぼの系ですね.

09月26日
(水曜日)

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たまには技術系の話?

 [電子・コンピュータ] インプレス「PC Watch」に毎週連載されている「週刊PCホットライン」,今週は「台湾製の無印良品ラックはATX規格対応?」.面白い.元麻布氏のことだから相当技術的に高度な(専門家以外には,一行読むことすら難しいだろう)ことも書けるし実際バックナンバーを見てみるとそういう記事も出たことがあるのですが,しかし今週はちょっと裏ネタというか,脱力系(笑)というか,肩の凝らない内容.

  もう一つ言えば,IDF (Intel developper's forum) Japanで発表された「こんなPCが欲しい」コンテスト受賞作の,特に自作巨大ヒートシンクケース型PCにも笑ってしまいました.

  こういうギミックな感じが大好きです. そしてまた,PC部品を通常でない方法で使うとき,あるいはPC部品でないものをPC作業用に流用するとき,そこにはアートを感じます.

  思い起こせば,art nouveau勃興期には,industrial designもartであるという捉え方が始まりました(まぁ実際花開いたのはart deco時代なのかもしれませんが).

  ま,こんな記事に「ほのぼの」としたものを感じてしまうヤツがいるというお話でした. 今は,ほのぼのがもっと欲しいですね.

 [電子・コンピュータ] コンピュータウィルスのうち,とくに自分の力で拡散するという能力をもつ厄介者をワームと呼びます.最近世界に急速に「繁殖」しはじめたのはNimdaというワーム.Windows系のPCを使っている人は注意です(→Microsoftによる関連ページ)自分のPCが,知らないうちに加害者になっているかもしれない,というのがこの種のワームの怖いところです.

  Nimdaには,現時点で少なくとも4種類の拡散方法が組み込まれています(これが一つのワームの中に全部入っているということが目新しい.既存の技術を組み合わせただけなのですが,その組み合わせというデザインが卓抜です):

  1. 汚染されたホームページを,Internet explorer(IE) の,5.01SP2・5.5SP2・6以外のバージョンで見ると,IE側が感染する
  2. 感染したPCは,ネットワーク共有フォルダも汚染しはじめる
  3. ウィルスプログラムを,添付メールの形で他人に送りつける.不用意に添付ファイルを開くと見事に感染.
  4. 無作為にネットワーク上の「セキュリティが甘い」マシンを探し回り,MicrosoftのWWWサーバ「IIS」を運用しているサーバを汚染する(この汚染サーバが[1]の原因ともなる)

  それにしても,これだけ「高度な」デザインをもつワームを組めるんだったら,その能力をGCMの改良に向けて欲しいぞ…ってこれは先日も書いたことですね.

09月25日
(火曜日)

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異国からの便り/渋谷〜駒場ウォーク

 [研究] 先日あった,国際地形学会議野外見学旅行「宗谷丘陵」の参加者から手紙が届きました.うれしい限りです.こうして人的ネットワークが築かれます.もっとも,とりあえずの返事はe-mailで失礼しましたが…

 [電子・コンピュータ] 渋谷にC Magazine2001年10月号を買いに行きました.いつもは買っていないのですが,今号にはMSのVisual Studio .NET β2日本語版のCD-ROMがついているのです(財政的な理由により(泣),MSDNのその種のサブスクリプションには入っていません)

 [身体と健康] 渋谷からの帰りは歩きました.結局あまり時間はかからないのです.松涛あたりの住宅街に,隠れ家のような料理屋や喫茶店を発見したりしながら(いつかヒマができたら行きたいものだ…),前から気になっていながら実はまだ入っていないケーキ屋の前を通って研究室へ.おっとその前に,駒場駅前の静かなカレー屋で,本を読みながら遅い昼食.

 [研究] 研究室に帰ったら水文水資源学会誌(vol.14, No.5)が届いていて,おや,シリーズ「若手のページ」に同僚の文章がある(題名:「私が研究を行う動機」).私はかつて毎号その隣のページに掲載される別のシリーズ「発想のたまご」にかなり挑戦的な文章を書いたことがありますが,今回の同僚の文章はかなり謙虚.まぁこの研究室がそれほど傲慢人間の集まりというわけでもないと分かってもらえていいかもしれません(笑).

  私自身の研究の動機は,ちょっと明確ではないですが,無理やり縮めると,「それがぼくには楽しかったから」…ってこれじゃ何かのパクリですね(笑).  今の私には,個人的な楽しみよりも「僕がここでは役に立つから」のほうが重要になってきたかもしれません.

  元(半分)社会人としては,これまで自分につぎ込まれた膨大なコスト,つまり国費というものを,どうしても意識してしまうのです. コストをあまり意識しないで職務遂行ができるのが学者の特権である(だった)にもかかわらず,です(全く偶然ながら,このコスト意識の格差についてつい先日友人と語り合ったことを思い出しました)

  もっとも,「好き勝手なことをやってそれが結果として社会の役に立つ(かもしれない)」のが,私にとっては研究なる世界なのかもしれません(つまり,やはり「自分が好きなこと」というのが前提になっているのでしょうね…).  なんにせよ,私は偶然(かどうかは知りませんが)何らかの能力を持って生まれ育ってきたのは事実で,自分がどこまでの潜在能力を秘めているかとことん見極めてみたい感じがします. その対象が研究活動である限り,結果として,人類がもうすこし「賢く」なるために役立つのだとアイビリーブなのであります.

  この最後の「人類の智恵の蓄積に寄与」云々のところがキーワードでしょう.そして結論.僕は「そうしたいから」もさることながら「そうできるから」,ここにいる. …まぁこれくらい書くと自分へのプレッシャーになっていいかも(笑).結局傲慢人間であることは変わらないのであります(爆).

 [食べる・飲む] 偶然といえば,研究室に帰ったら,上記のケーキ屋(目黒区駒場:グラン・メール・マーサ)のケーキがありました.今日修士論文中間発表を終えた学生,明日卒論中間発表を控えた学生,今日博士論文に向けての構想を内内の会合で発表し終えた学生…と一緒に,さらに安形の土産「岡山のぶどう」も加えて豪華なディナー(?)となりました.

 [食べる・飲む] ところで先ほど私が駒場のケーキ屋でケーキを買わなかったのには理由があります.店の前を通ったとき,すでにケーキを持っていたのです.ふとしたときに欲しくなる,ガトーしらはまのチーズケーキです.これ(と,ぶどうの残り)は明日卒論発表を終えた学生を囲んで皆で賞味する予定.ただし安形は多忙かも…(後日記:結局行けもしなかった)

09月24日
(月曜日)

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富士山頂雪化粧

 [天気と季節] 多賀SAで仮眠したあと,秋晴れの東名を東へ.由比PA手前,正面に堂々とそびえる富士山.てっぺんがすこし白くなっていました.二人で交代しながら運転し(今日の安形担当は,上郷SA→足柄SA),1時過ぎに帰京です.

  交通費,ひとりあたり¥24,000.お互いお疲れ様でした.

 [研究] 帰ってみると,研究室の仲間にディスパッチした仕事が多少帰ってきていました.自分がマネージしている仕事の一部分を人に任せるというのは,なにかと難しいことですが今後はこういうことも覚えてゆかねばなりません.

  それにしても,皆仕事が速い.優秀な後輩を持つというのはある意味快感であります.たとえ彼らが,いつかは私を軽く追い越してゆくライバルであるとしても.

  ちなみに明日明後日は,修士論文や卒業論文の中間発表会です.明日も練習をやるらしい.

09月23日
(日曜日)

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太鼓の音/逆縁

 [天気と季節] 山間地の朝は肌寒い.と思ったら空自体がもう秋.気がつけばもう九月下旬なのですな(実は気づいていなかった(笑)).

  見事に晴れた空のもとで,熱戦が続きました.

 [アウトドア] 女子はいまやほとんど確実視されるようになったYちゃん(13歳)の優勝.混戦の男子は,身長153cmの小柄なK選手がハンディを乗り越えて感動のクライミングで優勝(→JFAによる結果発表). 全体的に,美しい大会でした.

  男女優勝者の身長の合計は,日本フリークライミング史上最小でしょう. これからはtiny派の時代かな? のっぽ(身長181cm)の私としては気になるところです.

 [ひと] 大会終了後は,かつて町がクライマーのために作ってくれたクライマー小屋(まさに驚愕&恐縮すべき存在である)前に移動して,交流の夕べなるものが開かれました.地元産の本当においしい果物と野菜,肉,そして鮎,地酒… 備中太鼓の勇壮なパフォーマンスの後,「選手の皆さんも飛び入りで太鼓を叩いてください」となり,そう,こういう場所でしり込みしないのがクライマー(笑).多数が乱入して摩訶不思議なリズムを連打.「さすが皆さん腕の鍛え方が違う」とのお褒めの言葉?を頂戴しました.

  というわけで夜,感謝の気持ちを残して解散.またいつかここにくることがあるのでしょうか.美しい山河と,暖かな人の心の町でした.ちなみに人口3000人.クライミングが町おこしに役立ってくれればいいなと願っています.

 [ひと] さて,夜.私自身はほとんどなじみがないのですが,しかし車の持ち主の友人がかつて大変お世話になったという岡山クライマーの家に挨拶.ただしその主はもうこの世の人ではありません.パラグライダーの事故で最近なくなってしまったのです.というわけで友人に頼まれてお墓に線香をあげに行ったのです. 二人で夜の墓参とは,ちょっと文学的?なシチュエーションです(笑). お父様が見えられて,しみじみと故人のことを語りました.

  逆縁という言葉があります.親が子の供養をすることです.一昔前のクライマーといえば,親の世代からみると何やってるんだか分からない放蕩息子(娘)であったでしょうが−私自身反論はできない(笑)−,しかしそれでも生きていて欲しかったでしょう. それでも亡き息子さんのためにこうして800kmの遠方から友人が墓参に訪れたということで(二日前にも別のクライミング仲間が来ている),少しは悲しみが和らいだでしょうか,それともかえって深まってしまったでしょうか.

 [車] オービスの発見法(いままで全く知らなかった.Jimny程度のスピードでは気にする必要が全然ないし(笑))を教えてもらいながら,ガラガラの道を東へ東へ.龍野西から大津までが私の担当でした.吹田ICそばにあるという太陽の塔を見落としてしまったのが残念.

09月22日
(土曜日)

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学校の香り

 [アウトドア][身体と健康] 体調を悪くして入院していた,フリークライミング競技会の大物(この人がわが国のフリークライミング競技会の発展に重要な功績を残した.歴史の黎明期にはこういう人が必要なのです)が審判員として復活.安形は下っ端にまわりました.それにしても回復が早い.もう一人の大物と「今年は○○さん復活できないだろうからなんとか二人で乗り切るしかないね」なんて話していたのはつい先日なのですが. 鍛え方が違うんでしょうか.

  JFA(日本フリークライミング協会)ジャパンツアー第五戦「ウェスタンカップ」初日は男子予選のみ. 競技会自体は,同時に一つのルートでしか競技が行われない,ジャッジにとっては楽な大会でした. もちろん10年前の競技会黎明期には,この構成ですら皆バタバタしていたのですが,だんだんメソッドが確立してきて,必要なところで必要なだけ力を入れるということが出来てきたのでした.

  競技会会場は,小学校体育館という珍しいシチュエーション.まずは準備も含めて一週間体育館を使用させていただいた小学校に感謝です.

  学校の中を,選手誘導コースに沿って歩き回りました.一学年一クラスの,ちいさな学校.空気がなんだか懐かしい.匂いも安形が通っていた小学校,とくにその二つ目,によく似ています(安形は「香りの記憶」にはちょっと自信がある).懐かしい限りです.

 [アウトドア][経済・社会] 感謝といえば,町を挙げて歓迎してくださった備中町にもささげられなければいけません.開会式には町長・助役・町議会議長&副議長・体育協会会長・町出身の県議会議員…が勢ぞろい.

  礼儀がよろしいとはちょっと言いにくい人が多かったクライマー集団は,これまであちこちで排斥のような扱いを受けてきたものですが,時代も変わったものです.もちろんここには,先人の努力があります.

  少なくとも昨今のクライマーは,命知らずの大馬鹿者ではありません.時がもうすこしたてば,ちょっと変わってはいるけど普通のスポーツとして,クライミングが世界に受け入れられるようになるでしょう.

  実は一足お先に,ファッション関係でクライミンググッズが大人気なのです.

09月21日
(金曜日)

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世界が悲しみに満ちていても

  緊急ニュースが続々と入ってきて,結局昼時は家にいなければいけないハメに.車でとって返し,また午後車で来て,そして夜は知人の車で岡山県備中町へ.

 [ひと] ニュースの中にはいいものも悪いものも.しかしながら最高だったのは,ニューヨーク周辺にいた友人と全員連絡が取れたというものでした.この一週間以上ちょっと暗かった(?)原因の一つ.

  が,しかし.

  米国在住の友人の友人はいまだ安否不明.別の知人の知人も,多分絶望. かつて理不尽な死によって友を喪った経験を持つ者としては,やはり他人事ではありません.

 [文化芸術] 岡山に向かうレガシィの車内ではZARDの超ポジティブソングが流れています.歌自体ははっきり言って安形の趣味には合いませんが,しかし世の中を少しでも明るくするために役立つのならこういう歌には大変な存在意義があるというものです.

 [車] 富士川SAから大津SAまでは安形が運転しました.かつて妹の結婚式のために当の妹を含む家族全員を載せて走った道です.

  もともとオートマ車は得意ではなく(→参考記事),しかも他人の車で他人を乗せているわけですからだいぶ疲れましたが,それでも高速道路を走ること自体に向いた車でしたので,その分は快適でした.

09月20日
(木曜日)

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駒場のおでん

 [研究] GAME-Tの今後に関する会議と発表会.出なかった人は大損.これは面白かった.たとえば,KogMaの乾季の蒸散(乾季の末期に潜熱が最大になる)は,実はそのとき土層を掘ってもカラカラに乾いていまして,いったいどこから水が来ているか分からないほど深いところにある水が寄与しているらしいのです.LSPで,RootZoneの定義を考え直さなければいけないかな…(それならそれで,飯の種が増えて歓迎?(笑))

 [研究] 安形もGAME-Tデータセンターのオフラインデモを見せました.ちなみに先日「誰がどこで何をはかっているかリスト」を完成させたとたんに「○○地点で△△先生が□□を測っているとは知らなかった.ぜひデータをもらいたい」という熱心なリクエストが殺到してびっくり.つまりこういう情報があまり流通していなかったわけですね.でもこの表,ぜんぜん完璧ではないです.読者の中にGAME-Tな人がいたら,ぜひ情報を…

 [食べる・飲む] 二人三脚をいままで組んできたKさんが韓国に帰ることになり,今日は歓送会.Kさんが案内してくれた某店は,あのグルメのIさんがしらなかったというマニアックな店で(なのに安形はしっていた.前代未聞の珍事?(笑))乾杯です.

  昨日に続いてこういわねばなりますまい.ポスドクは孤独.いつ突然いなくなるか分からない. でも生きていればいつか会う事もあるでしょう.そして何よりも,お互い第一線で活躍していれば,会う機会も増えるでしょう.というわけでお互いさよならは言いませんでした.

 [食べる・飲む] Kさんが帰ってからも一人研究室で飲んでました(身体にわるいって).人の心の変わりやすさを嘆じながら…

09月19日
(水曜日)

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永遠の別れにならないように

  (注記:パリ滞在中日記はまだもうすこし待っててください.ちょっと時差ボケ?いやもともと性格はボケ?(笑))

 [ひと] 博士号をとって故国に帰る留学生が挨拶に来ました.帰る国は,パキスタン.最近情勢不穏であることはご承知のとおりです.

  「戦火の中に帰る」ということにならねばよいのですが.そして何よりも,これが永遠の別れにならねばよいのですが.案じるばかりで何も出来ないこの身です.

 [ひと] もう一人,gsib計画を二人三脚でやってきたKさんが母国(韓国)に帰ることになりました.私と同じポスドクだったのですが,これで正式な身分です.扶養家族を抱える身での異国での生活は大変だったと思いますがこれで楽になれるでしょう.

  お二人ともお疲れ様でした.くれぐれも,お体には気をつけて.

  ポスドクは,そう,旅立つときにはいきなりニュースがきます.私もそうなるのでしょうか.

 [ひと] 全く逆に,フィリピンにてADB(アジア開発銀行)のインターンとして活躍しているK君が一時帰国して,そのフィールドワークをもとにした修論発表の練習をしていました.ほぼ全員がそろった前での発表.

  人の行き交うこの世界というものを少し実感する一日でした.

 [身体と健康] もう一人,さよならを言わねばならない人がいました.まぁ哀しい別れというものではありませんが,歯医者の先生です.実に長い間の付き合い(笑)だったのですが,今日で治療は終了です.

  入り口のアールヌーボー調のランプが大好きでした.もうしばらくは見られないでしょう.見ざるを得ないような立場にはなりたくありませんが(笑). こういうものが部屋にあってもいいかな,と,最後に玄関を出るときにふと思いました.

  さようなら,皆さん.人はすべて旅人.

09月18日
(火曜日)

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電子機器な日々/花か団子か

 [電子・コンピュータ] ミスター・モンスーン松本さんがまたデータをゲットしてきました.バングラデシュのステーション表です.これまで気象データだけあって実は不完全なステーションしかなかった(つまり,数字は大量に手にしているのにそれがどこのデータなのかわからないというスゴい状態)だったのが一気に解消です.とりあえずステーション表だけは公開.こうして形を作ればmotivationが上がってきます.

 [電子・コンピュータ] 満を持して?gsibプロジェクト再開.成果を一番欲しがっていると(かってにこちらが)思った人に「データあげます」と言ったら「いや,それより先にやる仕事が….それに新しいモデルだけど結果検証やっている?」とアッサリ. まぁこちらの都合の押し付けは迷惑ですな. というわけで拙速よりも慎重に. ちなみにこれまで,このモデルはチャオプラヤ川では輝かしい成果を挙げました.他では,さて,どうなるか…

  SiB2各種パラメタはこれまでファイルなどで外部から与えていましたが幾つかは実は内部的に生成できます.ただし他のデータから極めて複雑な計算をしなければなりません.この計算を内成化するために,momopt.fというファイルをKさんからもらっていたのですが,このファイルの中で呼び出されているサブルーチンが一つだけ見つからず,結局ポシャっていました.

  ところがひょんなことで気づきました.これってpublic domainの数式演算ルーチンじゃないか?どんぴしゃり.サブルーチンdbskes()は,第三種Bessel函数に関する計算ルーチンで,NetLibfnライブラリで見つけました.単体コンパイルは余裕で通り,さて,動くかな,その前に,リンクは通るかな…楽しみ楽しみ.目がランランと輝いてきます(笑).

 [電子・コンピュータ][森と樹] トップページのデザインを少し変えました.お気に入りなんだけど大きくて邪魔な(笑)北海道最北クライミング写真(いままで5人以上の人がこの写真を褒め,うち三人は「カワイイ」と言った(!))を泣く泣くページ下方に移し,「最近のワタクシ」を冒頭に復活させました.

  「森の美しさが分かる人をフォンテーヌブローに連れてゆきたい気分」…これ,本音です.

 [食べる・飲む] 夕飯は麻婆豆腐を丸美屋CookDoも使わずに作ることを挑戦.挽肉がパラリと炒めあがるまで充分待つことがコツなんだそうだけど,せっかちなので(笑)きちんと出来たかどうか.もちろん味は自称?最高.豆腐を崩さないコツを覚えたので,いままでよりずっときれいです.え,今までが汚すぎた?(爆)

09月17日
(月曜日)

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飲んだ!久々に皆と

 [文化芸術] 弥生美術館(私は会員なので年に4回タダで入れる)からの便り.美術館三階の華宵の間では,今度「華宵の夜」に関する展示を行なうそうです.

  便りに載っていた展示予定作品は,どれも泣けてくるほど美しい,安形が好きなものばかり.行かねばなりませんね.10月末まではなんとか東京に+この世にいたいものです.

 [食べる・飲む] 研究室で,よく理由はわからないのですが(笑)飲み会勃発.安形も参加しました.「安形はだいぶ飲むと人格変わるなぁ」と慨嘆されました(爆).

  はいはい,いつも言いたいことも言えず抑圧されております…ということにしておきました.誰も信じていないようでした(笑).

09月16日
(日曜日)

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日本の緑

 [水][身体と健康] 昨日のパリ水道水飲用実験の結果:何事もナシ.伝導度600μS/cmくらいでは私の腹はびくともしないらしいです.

 [ひと][身体と健康] 何事もなかったかのように,飛行機は成田到着.何事もないのだけど,その何事もなさが貴重に感じられます.参加の皆様お疲れ様でした.これから家に帰らず中国に行くKさん,身体に気をつけて.見事な発表の(そして,これから毎回あのレベルの発表が期待されるツラい立場になった)H君も,身体に気をつけて.相変わらずの激務が続くOさんも身体に気をつけて.

  なんだか全員に同じことを言っていますね… ま,でも生きているとは素晴らしい.

 [経済・社会] 仏フラン〜日本円間の交換レートが,¥→Fの時19円だったのにF→¥は13円と不思議な魔法をかけられたような代物だったので,現金はそのままとっておき(多分またすぐ行く),T/Cだけ¥にしました.T/Cはどちらにしても16円くらいだったのです.

 [森と樹] 珍しく成田エクスプレス成田→新宿¥3110.総武沿線のなんでもない森を見て,その見慣れた樹種のオンパレードに日本帰国を実感.フォンテーヌブローのあまりに美しい森,かならず再訪します.

 [研究] 明日から普通の忙しい生活.今度は私が世界に感銘を与える番ダゼというmotivationのもとに,精進精進.

  とかなんとか言いながら,実は家に帰らず研究室に来てしまったのでした.となるとやっぱり仕事をしてしまいます.というより,仕事をしているととりあえずいろいろなことは忘れられるのです.なんて便利な性格.他の人には迷惑?たまに約束まで忘れたりして(笑)  留守中のメイルは100通くらい.何通かは「皆大丈夫か?」「うぃっす」に関するもの.研究関連ではとりあえず事件に巻き込まれた人はいる様子は(まだ)ありません.

 [生活] 誰も待つ人のいない小さな部屋at 杉並区 に帰ったのは深夜.墓石ザックを背負い這いつくばるようにしてたどり着いたドアの向こうは,恐れていた生ゴミ腐敗臭もアリンコの大群もなく,拍子抜けするほどいつものままでした.

  台所の流し(最近,よくピカピカに磨いている)の真中に,小さなクモがいました.まるでご主人様?の帰りを待っていたかのように.

  その小さな小さな命を,やはり先日と同じようにいとおしく想ったものでした.

 [ひと] 家へのメイルも100通くらい.これまた多いのは無事を問い合わせるメイルです.これが会話だったら皆声が上ずっているような,そんな内容です(他人事ではない事件ですので).個人宛にも何通かあり,即刻返事しました.世界はこうしてつながっている. 命は短いが,さりとて簡単に人生を終えるのも惜しい.

  心配してくれたY君@関東某県,ありがとう.しかしいくら安形でもパリからアメリカへ寄り道はしないよ… というかパリとニューヨークの違いは分かってる?それじゃ試験が心配だ(笑)

09月15日
(土曜日)

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  (詳しくは後日:この日は無理やりフォンテーヌブローの森へ.ため息が出るほど美しいのですが,10分くらいしか要られませんでした.夜の飛行機で帰国.いろいろな理由が重なって,結局よく眠れず←なんで大スクリーンの前の席なのだ)

09月14日
(金曜日)

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↓前日

  (詳しくは後日:この日はNYの友人の安否がつかめないことを知って愕然.しかし同僚の発表に深く満足.ルーブルの近くにある装飾美術館を探訪しました.)

09月13日
(木曜日)

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  (詳しくは後日:この日は昼にJan Polcher教授およびAaron Boone博士と昼食.教授に「そんなことできっこない」「時期尚早」と言われて内心大喜び.夜は予想に反してヒマになってしまい,本屋めぐりをした後ムール貝料理に挑戦)

09月12日
(水曜日)

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↓前日

  (詳しくは後日:この日はテロ映像を見て昔友人を襲った悲劇を思い出しながらも自分の発表をなんとか終えました.また,oralに選ばれた発表とposterに回された発表で何がどう違うのか次第に分かり始めてきました.)

09月11日
(火曜日)

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新しい研究は斬新な質問から?/フランス料理登場

 [研究] 朝は08:30からです.大物が次々と登場します.おっと,出ましたDenis Lettenmaier教授.陸面過程モデルVICのプロデューサーです.グレグ・ノーマンを髣髴とさせる銀髪の,なんだか年齢不詳な不思議な人です. 話は抑揚がなく意外と眠たかったですが,でも内容はさすがです.

  おっとWWW資料が紹介されました.こういう例って多いですね(私の発表もそうでしたが)LDAS Experimental Monthly to Seasonal Streamflow Forecasting Projectです. 楊さんがいくつか質問しました.

  一人一分のポスター紹介,沖さん増田さん鼎さん登場. ポスター発表では,北欧のフラックス観測データベース整備の人と,インドを対象にLSMを使っている人と盛り上がりました.

  11:30再開.いよいよR. Koster教授です.例によって例のごとく土壌水分とGCM話.設定した三つの問いは,

  1. 土壌水分初期値の設定を変えることは,月を超えて影響するか
  2. なんだったっけ二つ目は(おいおい)
  3. 土壌水分初期値設定は季節予報技術に何らかの貢献をするか
です.1997-2000年についての1度グリッドALGCMカプル実験.ただしLSMへの降水入力だけはGPCPを使っています.

  6/1までLDAS Phase,それからSeasonal Forcast Run.で,二つのrunを比較しています

  1. AMIP runs :prescripbed SSTs
  2. SM init runs : SST prescribed and SM by realistic (GCIP prec)
この二つのrunで違いが有意な地域は,アメリカ中部・アフリカ中部南部・カスピ海の北,とのことでした.

  「6/1のSM初期値が6月の降水に影響を与える地域」を,次の仮定(制限)を儲けて理論的に解析しています

  1. 土壌水分メモリー式の導入
  2. 横軸W<縦軸e/rnの回帰が成り立つとする
  3. 蒸発散はローカルサーキュレーションの影響と仮定
 理論と実際(といってもやはり実験ですが)一致したそうです.

  残念ながら,二つ目の問いへの答えは,判然とせず,特に統計的にはっきりしたものは得られていないそうです.

  ここで,何か気になったことがあるので質問をぶつけようかと思ったのですが,やめました.が,やはり気になったので昼休みに入ったところでRandyに直接質問してみました.「ごく狭い範囲だけ土壌水分初期値を変えた実験をやったとき,その影響範囲は?言い換えれば,土壌水分初期値の違いは,どの程度地理的に広く影響するか?発表では時間的な影響範囲を論じたが,空間的な影響範囲を論じなければ話の全体像が見えてこないのではないか?」ということです. 実は,そんなことは研究の初期段階でとっくに調べているだろうと思ったのでした.つまり質問の形でちゃっかり教えてもらおうとしたのですね(笑).

  ところがRandyの答えは,「フム…それは面白い質問だ」,で終わり.いきなりねらいが外れたのでした(笑).しかし,その瞬間Randyの目がキラリと光ったのはもちろん見逃しはしませんでしたゼ.この様子なら,もしかしたら帰国後すぐにそんな研究を誰かにやらせ始めたりして. 拝啓Randy様:このネタで論文を書くときには謝辞に私の名前を入れてください(笑).

  しかしそうなら,さっきRandyの発表後手を挙げて公衆の面前で質問すれば良かった.「質問デビュー」になったはずなのですが残念.ま,次の機会に(後日記:結局意地張って後日質問してしまい,大きくハズす(笑))

  続いて小池先生がいきなり登場.CEOPを紹介.あれ,生駒さんネタがCEOPの仕事になってる. 衛星データが88TB/yearという具体的な数字が出てきたのが面白かったです.でも意外と少ないんですね.

 [アウトドア][文献] 昼食時にホテルに帰ったところ,ちょうど仕事の電話.日本でちょっと頼まれごとをしていたのです.一応打ち合わせをしてParisでの連絡先を交換し合った後,そとをぶらつくと,オヤ,ショウウィンドウに燦然と輝くのはあの伝説の山岳ガイドGaston Rébuffat(フランス)の本ではないですか!慌ててその店に飛び込んだら,山岳関係書籍の古本屋でした.ホテルから歩いて2分くらいのところ.ますますこのホテルが好きになりました(笑).

  私のクライミング師匠は,昔レビュファと一緒にアルプスを登り,実は著書に写真が載っているという人です.原書をオミヤゲに持ってかえる事にしまして,「Entre Terre et Ciel」, 「Étoiles et Tempêtes」, 「Les Horizons Gagnes」(邦題はそれぞれ「天と地の間に」「星と嵐」「星にのばされたザイル」)の三冊を買い込みました.

  世界中のクライマーの目をくぎ付けにした美しい写真と,過激な登攀内容,そして名調子の文章…山岳ガイドが書いた本の中の白眉と言われる著書です.パリにまできた甲斐があったというものです…っていったいオレ何しに来たんだ(笑).ま,休憩時間ということで勘弁勘弁.

  夜は皆でレストランに行くらしい.昼食はできるだけ少なくしました.今日は(今日も)一人のランチです.

 [研究] Berbery氏 (U of Maryloand).新しく知った言葉「AHC」=atmospheric hydrological cycle.MississippiとLa Plataの比較なのですが,その比較の理由の一つが面白い:「Data-rich region vs. data scarce region」なのだそうです.どちらかというと後者の話が多かったですね. URL紹介は,氏のサイト.

  次が大端先生.GAME-Siberiaネタ.いつものようにクールにまとめました. 次のStewart氏(カナダ)の話は,残念,あまり聞いていません.

  ポスター発表の時間.ここでAaron Boone氏に初対面.Rhône河プロジェクトの締め切りはもう過ぎていることを強調される(笑).Kanamaruさん(ボストン大)の発表:ミシシピの流域界にゾンデをずらりとならべて大気水収支法のようなことをやった結果でした.

  A. Ducharne( U. of Pierre et Marie Curie)氏の後,Ann. Henderson-sellers氏 (ANSTO , Autralia).派手な発表が面白いパワフルな女性.なんだかんだ言っても観衆を引き込むパワーに満ちています.沖さんによると昔はもっとジェスチャーが派手だったらしい(!)のですが,そのころ会いたかった気がします.

 [経済・社会] ホテルに帰ったところレストラン行きメンバーがロビーで鳩首会議.案内してくれるパリ在住の元研究室秘書Sさんが,こられるかどうか分からないとのこと.

  ここではじめて,米国のテロ事件のことを聞きました.ただし映像は見ていませんので,どんなものなのか皆目見当がつきませんでした.

  Sさんとは連絡がつき,子供連れでいいなら一緒にいけるが…とのこと.私達の答えは「せっかくだから一緒に」.

  メンバーは5人.それにSさんとのその娘さんにと現地で合流です.地下鉄でEtienne Marcel駅に行き,徒歩5分.Rambuteau駅前でSさん親子を待ちます.

 [文化芸術] …来ません.鼎さんがダッシュします.携帯電話を使えない立場にあるので,どうも勝手が違います. ふと見ると傍らには妙に機械的な建物が.おお,これこそかつてこれじゃ石油コンビナートじゃないかといわれたポンピドゥー・センターではありませんか. こんなところにあったんですね.ま,今はアール・ヌーボーに夢中なので気にしていなかったのですが(後日記:後になって,私はフランスにおける現代美術の層の厚さとそれに対する関心の深さを思い知らされることとなる)

  鼎さんが見事Sさん親子を発見してきました.やはり違う場所で待ち合わせだったのでした.Sさんには小さな女の子がついてきていました.

 [地理] それから10分くらい歩き,レストランへ.それにしても,パリって道自体はまっすぐなことが多いのにほとんど全ての道が直角に交わっていないのですね.

 [食べる・飲む] さて,まずentrée(前菜).田舎風シチューを頼みました.語学に恐ろしく堪能なSさんからフランス語を褒められて,お世辞だとは分かっていても(笑)ちょっと満足. 見たことのないようなキノコがたくさん入っていました.どれも美味しかったです.ま,トリュフなんてものを「発見」した欧州文化では,結構キノコは重要なウェイトを占めているのかもしれません.

  次はplat.マッシュドポテトに白身魚を加えたようなもの.最初は特にどうということはないですが,食べているうちにどんどん美味しさがしみてきます.理由はよくわかりませんが,なんだか懐かしい味です.

  Dessert. りんごを暖めたものに,ヨーグルトのようなクリームをつけて食べます.これが旨い,絶品.これまでの二品ももちろん旨かったですが,これはさらに「コレだけをわざわざ食べに来る」価値があるような気がしました.

 [ひと] 子供は元気に動き回っていますが,騒ぎまわるようなことはありません.机の下にもぐったりして,なんだか私に似ていないこともないですが,せめて性格は似ませんように(笑).

 [研究] 明日は私がポスター一分発表.ホテルに帰ってから練習です.何しろ一分発表ですから数多く発表練習ができます.

  まず,「言いたいこと」「言うべきこと」をまとめて箇条書きにしてみます.十数個が出てきました.

  ストップウォッチ片手に試してみると,大抵のアイテムは11秒前後で言えるようです.したがって,5アイテムはいえることになります.

  問題はこの次で,なかなか5アイテムが選べませんでした.7アイテムまではなんとか絞り込んだのですが,どうしてもあとの二つが… とりあえず絞り込みは後回しにして,シャベリの練習に入ります.またまたストップウォッチをもって,どのアイテムも最初の数単語を言えば自動的に(?)11秒でしゃべれるように表現を磨きかつ口の回り方を訓練しました.

  いろいろなアイテムの組み合わせを試しながら,準本番の練習です.都合30回はやったでしょう.どれも55秒〜70秒になりました(5アイテム時). それにしても,です.たとえ一人とはいえ発表練習なんてやったのは何年ぶりでしょうか.

09月10日
(月曜日)

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オレは嫉妬した/動物達の涙と怒り

 [天気と季節] 朝であります.あれ,朝? 6時だと真っ暗,7時がまだ薄暗い.これが夏時間というものでしょうか?夕方の自由時間がありあまるほどあるのに,朝の散歩なんて事実上できないのです.というわけで夏時間反対.

 [水][身体と健康] 荷物を整理していたら,カミソリと薬セットがないことに気づきました.一緒の袋に入れていたのですが,機内で風邪薬を取り出したときに(他の乗客のために出したもの),椅子の下かどこかに置き忘れてしまったのでしょう.このことで,一つのプロジェクトが中止となりました.それは,パリの水道水飲用テストというものです.パリの水道水が生でのめるかどうか,この身体で実験しようというわけです.万一のときのバックアップに薬を持ってきていたのでしたが,これで最終日までプロジェクトは持ち越しとなりました.

 [文学と言語] カミソリの方は,フロントで店を教えてもらって,買うことができました.ちなみに会話は無理やり全部フランス語で行いました.向こうはずいぶん困ったでしょう…(笑) 英語をしゃべれるホテルクラークなのに. これから連日,学会会場以外ではフランス語で通すことにしました.

 [水] 朝食はホテルの地下の,なんだかあなぐらみたいなところで取りました.同僚の妹さん(パリに留学中)も来ていました.驚いたことに,その人はあのLourdes(ピレネー山麓の,世界で一番有名な湧き水のある村.→参考資料:「奇跡の泉ルルドへ(竹下節子著)」)に行っていたのだそうです.私もいつか行きたい村です. 前記竹下氏の文によれば,村全体が心の温かさに包まれ,肉体的な治癒効果を得られなかった患者ですらもこの村では微笑んでいるのだそうです.

 [食べる・飲む] それはそうと,私はここでパリ滞在中に食べた中でもっとも旨かったものを発見しました.パンです.日本で買う自称フランスパンとは一味も二味も違う,まさに別世界のものです. なんとおいしいのでしょう.驚きました.こういう乾いた風土では,おいしいパンができるのでしょうか.

 [研究] さて,Collége de Franceです.学会会場です.パリ第三大学(つまりソルボンヌ)の向かいの建物です.なんとも重厚な建物です.その地下のホールが会場でした.

  収容は500人もないくらい?さして大きな会場ではありません.しかし美しい.そして,さすがフランス:照明や音響のセンスが抜群です.

  「嗚呼,こういうところで口頭発表をしたい」と思いました.全ての口頭発表者を心から羨ましく思いましたね,マジで. と同時に,「大丈夫,いつか必ずこういうところに招待される身分になるさ」ともチラリと思いましたが(ウヌボレ復活(笑)).

  キーノートスピーチをちょっとサボり,ポスター会場を見に行きます.ポスター発表で気をつけなければいけないのは,発表ガイドに書いてあったポスターサイズと会場のポスター「用地」のサイズは大抵違うということです.ひどいときには縦と横のサイズが逆だったりします.こういうときにA0などの巨大な紙でポスターを作ると途方にくれることになります(強いて言えば,A0でも縦で作っておくとつぶしがきく).私は大抵,B4のきれいな台紙にA4ポスターを貼ったものの組み合わせを持ってゆき,現地で現物あわせで組み合わせを考えて貼ります.画鋲が大量に必要なので,それも自前でもっています.

  今回,案内では「横84×縦120cm」となっていました.さて現実はどうだったか?答えは「人によって違う」.メジャー(もちろん持参)にてパネルを測ったところ,横168×縦118cm(ただし下が相当空いている)でした.で,番号によってそのパネル1枚に二人がポスターを貼る場合と一人でそれを占領する場合があるのです.前者の場合,A0でギチギチですが,下方には垂らし貼りすれば延ばせます.後者の場合かなり自由にレイアウトができます.で,自分がどちらの状況になるかは,当日になるまでわかりません.

 [研究][経済・社会] 11時〜1230,口頭発表.「雲物理」「雲とエアロゾルの相互作用」に関するセッションです.いやはや,知らない単語が続々と出てきます.CRM,CSM,SCM…「CRM」「SCM」というと,いつも日経コンピュータ週刊東洋経済で読んでいる単語なんですが,もちろん違う意味ですよねえ(笑).

 [食べる・飲む] 最近まで研究室にいた楊さんがいたので一緒に昼食.近くのブラッセリーで,これまた強引にフランス語で押し通して注文.それにしても,量が多いのですわこれが.定食(menu)なんてこの安形でもまず食べきれません.食前にビールを一杯(これが悪いのかもしれない(笑)),そして一品料理を一皿.これでもう満腹であります. とかなんとか言いながら実は楊さんとmenuを頼んでしまったのでした.二人で200Fくらいでした.

 [研究] 14時から口頭発表再開.驚いたことに,皆発表が恐ろしく稚拙です.実は最終日に同僚(D1)が口頭発表するのですが,まず間違いなくこれなら勝てます.OHPの文字が見えません(自分ではばかばかしいと思うほど大きな文字が必要なのに).妙に緊張して早口な人が多いです.1530終了のはずが15:10ころ終わってしまいました.

  その後,これは毎日あるのですが,当日のポスター発表に関して一人たった一分で紹介します.もっとも,これまた見えない文字のオンパレード… あと,国際学会のお約束ですが,欠席が多数でした.

 [電子・コンピュータ] ポスター&休憩です.Internet部屋があったので覗いてみました.おや,触ってみたら何かがおかしい.なんとキーボードが違うのです.具体的には,「A」と「Q」が逆です(フランス語では「q」がよく登場する).「M」や「.」の位置が違います.数字キーはShiftを押さないと数字がでません etc, etc….

  17時再開.また知らない単語でしたが,「LWP」「ARM」なんて,今度はコンピュータ屋にはおなじみという略語が,もちろん全然違う意味で出てきました(どうせなら後者はstrongARMにして欲しかった(笑)). 今日は,LWP=liquid water path,ARM=atmospheric radiation measurmentの意味です.キーセンテンスは「large sacle radiative sinks (the subciding dry regions )are tightly connetd with the source resion (ITCZ) through the Hadley circulation」

 [森と樹] つづきまして夜は懇親会.徒歩15分くらいのところでやります.地図を見たら,お,近くに植物園なるところがある.早速行ってみました.パリもここまで来ると多少の起伏があります.その坂の途中に,いきなりレバノン杉の大木があって嬉しく思いました. スズカケとマロニエの並木がきれいでしたが,どちらかというと園芸種に偏ったgardenでした(高山植物園なるところもあったのですが,申込が必要なようでした)

  懇親会は,なんと自然史博物館なるところで行われました.ちょうど日本でいうと国立科学博物館(東京,上野)の本館みたいな感じで,生物を中心とする地球の歴史を描いている巨大な吹き抜けの博物館です.外は思いっきりパリらしいルネサンスな?感じなのですが,中はかなりモダンです.

  展示内容自体は,実はたいしたことはない(見たようなものばかり).が,その見せ方のセンスが実に秀逸です.なるほど,コレにはコウイウ見せ方があったのか,と幾度も思いました. さすがフランスとまた思いましたね.お見事.

 [ひと] 懇親会,沖さんは顔見知りがやたら多いので周りに人の輪が絶えません.そばにいれば必ず何人もの有名人と知り合いになれるはずです. 私はマイペースであちこち回り,今日発表のあった人を捕まえて質問をしたりしていました.が,最も今会いたいAaron Boone氏が見つかりません.沖さんに「誰か紹介しようか?」と聞かれたので間髪を要れず「Aaron」と答えたら,どうやら来ていないとのことで,そのボスのJan Polcher教授を紹介してくれました(こちらも会いたかった人).何しろローカルコミッティーの元締めですので相当多忙だったはずですが,少しの時間を割いて会ってくれました.

  一目見た瞬間,思いましたね.「あ,ミスター・スポック」(笑). それにしても頭のイイ人でした.ALMA関係で話をしたいとのことで,結局,木曜日の昼を一緒にとることになりました.

  続いては陸面過程の大物,Randy Koster教授.先ほどのJanに続いて私より背の高い人です.Janに比べて柔和な表情のヒゲのおっさん(失礼)なのですが,話をしていると頭の良さがビシバシ伝わってくるような人でした. それにしても,JanといいRandyといい,こちらを見つめるときの目の光の強さが凄いね.ガン付けならこちらも負けてはいなかったと思いますが(笑).

 [食べる・飲む] ソーセージのようなものが置いてありました.一つ口に放り込んだらグエとなりました.全然違う代物で,いったいあれはなんだったのか今でも不思議なのですが,とにかく私の最も嫌いなテイストの,グニョグニョしたものだったのです.大変,一気に吐き気が襲ってきます.慌ててその場を離れて,一人博物館をうろつきながら少しずつ息を止めて飲み込みました.

  一人になったので,ついでに博物館をぐるりと回ってみることにしました.よく見ると,吹き抜け周囲だけでなく,付属の小部屋にもたくさんの展示があります.

  一つ,空いているかどうか分からないほど暗い部屋がありました.が,ガラス扉は開いていました.幅10m奥行き50m以上の,異様なまでに静寂をたたえた大部屋でした.入ってみると,いくつかの動物剥製があり,それにスポットライトが当たっていました.どうやらここも展示室のようです. 名前を見ると,「Salle des espèces menacees et des espèces disparues」 つまり絶滅種と絶滅危惧種の部屋,というわけです.

  足元が見えないほど真っ暗な中にずらりとしかし寂しくスポットライトを浴びて並ぶ動物達.

  やはりここも,内容自体は別にどの博物館にもあるようなものに,その見せ方が実に見事なのです.ある者は人に向けて牙をむき,ある者は茫洋とした視線を遠くに向け,ある者はやせ衰えた姿をさらしている. そのうちいくつかは人間の活動が滅ぼしたものなのです. そんな剥製の数々を順番に見てゆくと,自然に人の罪業の深さを感じるようになってきます.恐るべき演出力です.

  動物を擬人化するのはほどほどにした方がいい(こう見えても日高敏隆は結構読んでいる).が,この部屋にいるとどうしても,彼らの怒りと涙というものを勝手に感じてしまうのです. デートにはぴったりというほど暗い部屋(先日紹介した東京国立博物館法隆寺館より暗い)なのですが,ま,二人で行かない方がいいでしょう.お互い暗くなります(笑).

 [アウトドア] こういう時は一人になりたくなります(まださっきの吐き気が残っているし.それにしてもあれは一体何だったんだ?).まだあまりこの業界で有名人でないのは幸運でした.先にお暇して一人ぶらりとParisの町を歩きました. 途中,大きなガラス窓の向こうに人工クライミングウォールを見つけました. 寂しい光の非常口ランプに浮かぶ誰も登っていない人工壁を,いつまでも飽きず見つづけていました.

09月09日
(日曜日)

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おふらんす/セイヌの夕暮れ

  空港には3時間前につきました.チェックインカウンターは冗談のような大混雑.とりあえず通路側をゲットしましたが,このとき「お連れの方とご一緒がよろしいですか?」と聞かれました.こういうのって分かるんですね…と思ったら,3人並べれば通路側の席を一つ埋めるだけで済むという魂胆があったのかもしれない,と後で気づきました.

 [地形・地質] 成田発パリ行き,日本航空405便.各席の背に小さな液晶ディスプレイがあり,自分で各種チャネルを選ぶことができるデザインです.そのうち最高に面白かったのは,下方を見るカメラのリアルタイム画像です.ウラジオストックあたりの地形と植生は宗谷丘陵を彷彿させます.おっと,美しい河川蛇行,ブラボーな河跡湖… 後で見た,ウラルの東は侵食谷がきれいに見えました.

  全体的に,機内は豪華です.これまでこれほど手の込んだ機内は見たことがありません.私にはちょっと似合わない感じ(笑)です.しかし,たびたび飛行機による出張を繰り返すようになるとこれくらいが欲しくなるのかもしれません.

  離陸後1時間くらいたってから気づいたのですが,となりは鼎さんと平林君ではありませんか.体よく彼らは通路側でも窓側でもない席に押し込められたのです(後日記:帰りも3人ならんだ席で,安形が最初にチェックインしたのに真中の席になった)

 [電子・コンピュータ] ノートPCにインストールしたcygwinがおかしくなりました.一度WinMEのブート時にレジストリ読み込みエラーが起こり,私事に従ってリブートしたのですが,どうもそのときレジストリがおかしくなったようです.たとえばmanができないのです(tblgzipgroffmanから呼べません).gccではコンパイルはできるけどリンクができません(ldで失敗).原因はシンボリックリンクが軒並み切れていることでした./usr/bin/binなど,いくつか手動で張り直しましたら直りました.人騒がせな…

 [研究] 食事中の方にはごめんなさいな話題です.機内のトイレです.ほんの少量の水を使い,あとは空気の力でエイヤと吸い取るタイプです.これを見たら水関係の人は「節水型だな…」と思うことでしょう. もっとも,取水の60〜70%は農業用であり,生活用水の割合はたいしたことはない.節水のために他所で用いるエネルギーもあるし…などとネガティブに考えてしまうかもしれません.

  しかししかし,身の回りに節水グッズがあると社会全体に節水への意識が高まり,やがて…なんという間接節水効果なんてものが定義できるんじゃないでしょうか.人間の行動ならば専門家がたくさんいる.そちらとタイアップして研究を進めても面白いでしょう.

 [天気と季節] いきなりフランス上空です.ひたすら畑.さすが農業立国の国.さて,いよいよ初の欧州,パリ・シャルルドゴール空港に着陸です.見事なランディング(いままで体験した中で最もショックが小さい).トレビアン!下りてみると,ガラス張りの通路でターミナルに向かいます.ガラス越しに見る空の色,雲の輪郭から,空気がいかに乾いているか想像できます.この国にはカビなどというものは存在しないんじゃないだろうか…と考えながら歩きます.

 [地形・地質] 研究室で昔秘書をやってらしたSさん(パリ在住)の突然のお出迎え.再会を喜びます.フランス語通訳をやってくれたSさんの案内でTaxiへ.4人乗りだと断られることがあるらしいのですが,追加チャージかなにかで納得させたみたいです.

 [地形・地質][サッカー] パリ郊外のドライブ.小柄な三人が後ろで,大木(笑)の私が助手席.黒人ドライバーとSさんの間で話が弾みます.全く分かりません.でも固有名詞から,どうやらサッカーの話をしているようです. さて,地形はもちろん日本に比べるとはるかに平坦なのですが,それでも多少の起伏はあります.武蔵野面と立川面くらいはあるといったサイズの起伏です(ただし地質は第三系).それにしても空が広い.そして強烈な紫外線.

 [地形・地質] どこかバンコク市外縁辺部にも似た郊外から,いきなりパリ中心街に入ります.あ,左に見下ろせるのはセイヌ河.ボンジュール,セイヌ! そのセイヌ川を渡り,左岸の道を下流側へ.ノートルダム寺院を右に見て,左に曲がって南下します.ソルボンヌの前の道は緩い坂で,これは意外でした.パリはもうすこし完璧にマッタイラというイメージがあったからです(これはもちろん間違い)

 [地理] ソルボンヌからオデオン座の脇をとおり,細い通りへ.ビックリさせられるのは,両側に並ぶパーキングロットに車がビッチリ詰まっていること.その間の車1台分の隙間を,タクシーは抜けてゆきます.と,そこでストップ.全員降ります.そうしたら,後ろに5台くらい車が並んで待っていました.一台タクシーが止まると,後ろの車はどうしようもないのです.

  ホテルの名は,Hotel Delavigne(1, rue Casimir -Delavigne).12号室に案内されました.こぎれいな部屋です.安形にはもったいない(笑).確認のため部屋中見て回ったところ,ドアに料金表が貼ってあるのを発見.一泊720フラン(¥11000くらい)と知って卒倒しそうになりました.なんと高級なホテル(安形レベルで)! こんなところに6泊か,他人任せにしたのがいけなかったかな…と思いました(後日記:数日たったらこの立地の見事な選定に気づき,部屋を取ってくれた人に感謝するようになった.現金・・・(笑))

  夕暮れまではまだ早い.早速セイヌにごあいさつです.サンジェルマン通りを横切り,路地をいくつもいくつも曲がって(パリでは,直角に交わっている道路はとても少ない),やっとついたセイヌ川.流れているかいないかわからないような川です.御茶ノ水あたりの神田川,これが幅5倍になった感じでしょうか.高水敷なんてなく,橋から水面までの距離は結構近いです.

  立派な建物.フランス学士院です.対岸はあのルーブル美術館.その間を結ぶ橋がポント・デザール.板張りで,車が通らない歩行者天国な橋です.思い思いに座っている人々.快晴のパリの,美しい昼下がりです.セイヌ沿いに上流に歩き,最も古い橋ポン・ヌフの一つ上流側の橋にたどり着きます.ここから見る夕景が見事の一言でした.シルエットとなって夕焼けに溶け込むポン・ヌフ. 一人ぼんやりそれを眺めている私の姿も,パリの夕景に溶け込んでいたでしょうか.それとも単なる邪魔だったでしょうか(笑)

  ここからはノートルダム寺院が近いです.とりあえずこの巨大な寺院の周りを一周歩いてみました.見る方角によってだいぶ印象が変わります.意外なところから美しいアングルが得られたりします.

  日曜日はしまっている店ばかり.カフェは満員.コンビニなどはまず見当たりません. ブラッセリーに独りで入り,初の食事.定食セットにビールをつけて150F.量がとても多いです.元気でお茶目なギャルソンが,なんとも粋でした.覚えたてのフランス語がちょっとは通じて,うん,満足.

  郊外とパリを結び,パリ市内では地下を走るRERなる鉄道に一区間だけ乗ってみました(東京の交通にたとえると,地下鉄と郊外私鉄が相互乗り入れをしている路線のような感じです.パリ交通局RATPWWWサイトのRER路線図参照).車体にすら落書きがあるのにビックリ.でも駅は「多少汚い」程度で済んでいます. ホームでも車内でも,案内放送などは皆無.トンネルはなぜか異様にデカい.Luxemburg駅で降りて徒歩五分で,ホテルへ.

 [経済・社会] 今日は紙幣と硬貨を覚えました.紙幣:赤=200F,茶色=100F,青=50F(サンテグジュペリ+星の王子様).硬貨:外枠金+中銀=10F(ちょっと小さい),銀色=1F,2F(8角形の飾り),5F(デカい),金色=20Cなど,1F以下のもの.

09月08日
(土曜日)

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まだまだ準備

  昨日に続いて準備4:名刺作成です.初対面のビッグネームが多いので,必ずきちんと顔を売らねばなりません.

  さて,ポスター発表なのですがまだポスターは作っていません.今晩泊り込んで作成し,寝ずに飛行機に乗り込み,向こうについたときは時差ぼけすでに解消!と目論見たいのですがいかがでしょうか.

  パリのガイド本を買ってきて,一応の地理を頭に叩き込みました.駒場東大前駅近くのカレー屋で長時間居座って読んだガイドの感想は,「やはり街をじっくり歩きたい」と「郊外の森には必ず行ってみたい」.

  あと,musée関係では,地図上で自然史博物館と植物園を発見.コンテンポラリー・アート関係ではどこかにないでしょうか?それから,art nouveau関係があればちょっと見たいなぁ.地図ではダリ美術館なら見つけたのですが,ちょっとart nouveauとは違うし…. それと「フランス科学アカデミー詣で」もしてくるかな?クライミングの「聖地」フォンテーヌブローの行き方も把握しました.

  …って,結局あまりメジャーな観光地に目が向いていない私です(笑). でも結局仕事をノートPCに大量に詰めて持って行くので,結局どこにもいけそうにない予感も少し(爆)

  もちろん出歩きの件だけでなく(笑),研究上の成果(世界に顔を売ることと人脈作りも)が大いに挙がることも,今から期待しています.

09月07日
(金曜日)

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フランスへの準備

 [研究] フランスへの準備1:またしてもタイの観測点地図を整備(RIDによる河川水位流量観測網です).仕事が進んで進んでもう大変(笑)

  それにしてもこういう締め切りが近づくと妙なパワーがでるのだけど,しかしだったらもっと前に始めておけば?と言われるのもまた事実(苦笑). そういえば「追い詰められれば惑星をも破壊する力を出す」とラフノールの行者に評されたのは超人ロック…っっって誰か覚えてます?(笑)

  もっとも,よく考えたらこの地図,直接は発表に使わないんですけどね… ま,こういうパワー全開の時に,ついでに関連した仕事をイッキに片付けるのも,人生の智恵. 実は家族の誕生日なんだけど,ゆっくり電話している時間はありませんでした.あと何年こういう生活が続くのでしょうか.

  フランスへの準備2:なぜか持っているフランス語の辞書を,本棚の底から引っ張り出しました.が,いかんせん仏和のほうは重たい.和仏のほうは軽い辞書なので,仏和も小さいものを買ってくることにしました(結局翌日買いに行った)

  準備3:先日買った格安ザックがすでに出番.一週間分の着替えとスーツと革靴と,そしてなぜかクライミング用具(笑)を放り込んでパッキングです.本気で詰め込むと90リットル入るという化け物なのですが,今回入れたのはその1/3にも満たない量.でも最近のザックはあまり形が崩れませんね.というより,本来の大きさをあまり感じさせないパッキングも可能になっています.たいしたものです.これだけ空いているのだから…と,ロープ(ザイル)も持っていこうかと一瞬考えました(笑)がもちろんやめました.

  第一,そんな時間は多分とれないのです.

09月06日
(木曜日)

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ドーピング

 [食べる・飲む] ガトーしらはまの焼きチーズケーキ.(最近やっとおいしい淹れ方のコツがつかめてきた)レモングラスをベースにしたハーブティー. そして相変わらず甘いけどあまり歯にくっつかなくなったミルキー

  ひたすらGAME-T関係,というかParisでの発表関係の仕事.なにしろまだ作業が全部終わっていないのです(そんなレベルで発表を申し込んでしまうこの度胸…) なんにせよ,田圃の水循環がいかに今までのシミュレーションモデルでは再現しにくいか欧州のビッグネームに対して力説するという役目も負わねばなりません(こちらの作業はすでに終わっています)洋物はやっぱダメなんですよと,国粋主義者が聞いたら泣いて喜びそうなことを言っておりますが,もっとも,うかうかしていると彼らは確実に追いついてくる.

  後は,世界が待望していたデータセットが今この手もとにあるということの宣伝という役目も(これを一枚のポスターに納めるのは相当のパワーが要るかな…).現在行っている作業はこちらに関するもの.

  で,すぐ飽きて別のことをやり始めたがる(笑)私をなだめるために?,好きなものを食べる生活.指もさることながら口も休めない?(笑) チーズケーキというよりはチーズの塊としか思えない重量感あふれるしらはまのケーキ,久々に買ってきました. 研究室にオスソワケ…というよりは私よりもっと苦労している面々に丸ごと渡して,そのオコボレを頂戴しました.

  なんと贅沢な味. 朝,ペペロンチーノをあまりにも辛くしすぎてしまったので,ま,口直し? 頭も少しクリアになった気分です(笑).

 [電子・コンピュータ] NECが秋葉原ラジオ会館のBIT-INNラウンジを閉鎖という記事を見て,感慨にふけった人は年がバレます(笑).私も中学高校のころ東京に来たときには必ずここに寄ったということを白状しておきます. Z80の機械語はニーモニック表がなくても余裕で読めたものですが,そんな単純なCPUが主流だった頃もあったんですね…

09月05日
(水曜日)

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寝てない

 [研究] 今日もまた卒論生中間発表練習会.一昨日に続いて二回目なのだけど,実は最初「昨日に続いて二回目」と勘違いしてました.曜日や時間の感覚が滅茶苦茶…

 [研究] 仕事に関しては,副産物としてタイの現業雨量計マップが出来たので公開.

  とりあえず仕事はした気分(笑)

  こうして地図に並べると,「あれ,こことここはこんなに近かったのか」なんて発見があるもんです.

 [水][文献] 国土交通省 土地・水資源部水資源局編集の「日本の水資源平成13年度版」入手.内容そっちのけで,表紙にくぎ付け.火山噴出物の崖から湧水が落ちているように見える滝の写真です.どこなんでしょう?どちらかというと気温があまり高くないところのように,植物の様子からは見受けられます.

 [電子・コンピュータ] ついで:こんどのAIBOは丸みを帯びた体躯で,なんと肉球までついているらしい.

 [電子・コンピュータ] 研究用PCにcygwin導入.とりあえず@IT「LinuxSquare」の記事を見ながらXFree86をインストール.タダでXサーバを立ち上げたことになります.そしてnetCDFGMTをインストール.必需品ですからね.ただし,MATLABが入っていないので後者ではmexはインストールせず,またsegyもコケたので切りました.あとXlibもとおりが悪いのでxgridも却下.後者のインストール時間は約4分半で,まぁまぁの速さ.

 [食べる・飲む] ずっと仕事している最中,ハーブティーをいろいろブレンドして飲んでいました.今手元に6種類の葉があります(カモミール・ラベンダー・レモンバーム・ペパーミント・レモングラス・ジャスミン).それをいろいろとまぜながら,この30時間で15種類のブレンドを作りました.こりゃ傑作と思ったものも少数ありましたが,ブレンドメモを残しておかなかったので今となってはもう幻の味…(泣)

09月04日
(火曜日)

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芸術の国

 [経済・社会][文化芸術] 外貨両替をしてきました.日本円から仏フランへです.来年1月1日からはユーロをそろえることになるのでしょうが,今はまだフランです.

  初めて見るフランスフラン(今まで欧州には行ったことがない).見てビックリ,色彩が妙に鮮やかです.しかしケバいというでもありません.何というのでしょうか,とにかくセンスがいい,の一言なのです.

  200フラン(約4000円)札はエッフェルの顔とエッフェル塔の一部,100フラン札はセザンヌの顔とその絵の部分.そしてなんと,50フラン札にはサンテグジュペリの顔と並んで星の王子様が堂々と登場!

 [サッカー] フランスの美的感覚の「実際」を感じたのはフランスW杯の報道.特にあのスローモーションは良かった.プレー以外に選手が見せるいろいろな表情を見事に切り取った映像が圧巻でした. それまで見たことなかったようなセンスのある画面作りに,個人的なフランス株が急上昇したものでした.

 [文化芸術] しかし,だ.日本の札だって多分負けてはいないはず.日本らしさは,たとえばそのマニアックとすらいえる精密な彫り物に現れています.倍率のいいルーペでお札をよ〜く眺めてみましょう. もう手放したくなくなるかも(もともとそうだって?(笑)).

  ちなみに生産技術研究所の中にはナノテクノロジ関係でフランスの研究所と提携しているセンタがあります.というわけで欧州から何人かの研究者が来ている.昨年の「生研ニュース」(手元にないので巻号不明.ペコリ)によれば,彼らの日本への印象として「新しいものと伝統的なものが絶妙にミックスされている」と書いてあったような記憶があります.

 [電子・コンピュータ] 個人WWWリソースを公開してから始めて,写真を入れ替えてみました.「宗谷計画」と「トップページ」です.

09月03日
(月曜日)

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プレゼン練習

 [研究] 卒論生は今月末に中間発表なるものをしなければなりません.今日はその練習会.博士論文発表会練習のときとは違って,珍しく数日続けてマトモな時間に研究室にいたことが幸いして,その場に居合わせることができました.

  ま,最初の段階としてはこんなものかな.改善点百万個ですが,絶望的というほどでもない.今後見違えるようによくなるのは確実.応援応援.

 [電子・コンピュータ] それにしても,発表練習なんて自分ではここ数年やってませんね.たまにはいいかな.確か最後にやったのはM2の時に初めて出た国際学会(口頭発表)のための練習でした(修士論文発表のときも博士論文面接のときも人前では全く練習しなかった).当時はまだ珍しかったLotus Freelanceを,先輩の影響を受けて使ってみた発表です.もちろん当時プロジェクタなんて素人の手に入るものではありませんでしたから,写嬢でポジフィルムに落としてスライド発表を行ったのです.Freelanceはともかくとして,写嬢のほうは覚えている人どれくらいいるかな…(そもそも読める人が何人残っているのだろう?).意外とデザイナ間や超ハイエンド市場ではまだまだ現役なのかもしれませんが(勝手な想像)

 [研究][地理] さて私のほうも,9日からParisに行って行なう自分の発表準備もしないといけません.今年の忙しさは殺人的ですね(これはこれで楽しいけど). それにしても,Parisの地理はまだ全くしりません.これまでの旅行のように,現地で地図を買って自分でなんとかすることになるかな… ですが,おそらくはノートPCを現地に持ち込んでひたすら仕事になるでしょう(おっと,フランスのプラグ形状はどうでしたっけ?).こっそりサボってフォンテーヌブローに行くというのはちと望み薄. 

  仕事もさることながら,これが(グローバル水文分野においては)私の世界戦デビューですから,あちこちに顔見世に走らねばならないのです.サボれません,ちっとも(笑).

09月02日
(日曜日)

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ヲジサン,ガンバル

 [ひと][文化芸術] どこかで聞いた題名だと思った人は鋭い.今年3月に使ったネタです.で,前回と同様に今回も囲碁でのベテラン逆襲が題材.

  名人戦(朝日新聞主催)は4日から韓国ソウルで第一局が始まります.中堅の依田紀基名人に対するのはなんと59歳のベテラン林海峰九段.並み居る若手を抑えて奇跡的ともいえる復活劇です.

  その前には,小林光一九段が若手の星山下敬吾碁聖(22歳)から,自らが昨年奪われた碁聖を奪還.その前にも,本因坊戦(毎日新聞主催)では王(銘)本因坊が,これまた若き天才張栩七段(21歳:史上最年少の挑戦者)の挑戦を激闘の末退けました.

  若手の伸びが止まったのか,それともベテランが底力を出し始めたのか… しぶといベテランは若手にとってはうっとうしい存在かもしれませんが,この壁を乗り越えなければ明日がないのも事実.

  研究の面でも,また同じ.

09月01日
(土曜日)

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数の感覚について/品質について

  地球上の水の体積は「約14億km3」,地球を「半径6370km」の球体とみなし,この表面に満遍なくこの水を満たすと,その深さは「約2.6km」になる.この十万年間で,氷期−間氷期サイクルに伴って海の深さは「150m程度」変わってきた…こういった数字の感覚を身に付けることは大事です.

 [文献][経済・社会] 週刊ダイヤモンド2001年9月1日号p.112,伊勢丹社長へのインタビュー記事に,そういった具体的数字を説明している部分がありました.

ファッションの商品寿命は25日目でピークになって,50日間で終わる.とすれば,商品投入の20日目には残り30日間戦える色・サイズに集約し,再投入したい. 製造から店頭搬入まで14日かかる.とすれば,店頭に展開してから6日間で意思決定しなければならない.(後略)
(「編集長インタビュー:伊勢丹社長武藤信一:「中産階級の崩壊で再編は不可避.だが,おカネの出し方はじっくり考える」.インタビュアー=辻広雅文)

  業界の人にとっては当然とも言える内容なのでしょうが(商売だから,必ずしも口から出ること全てが本当とは限りませんが…)素人にはこう具体的に言ってくれるとありがたいです.

 [経済・社会] 外に,小売店の品質に関して思ったことがあるので,これは他所に書いたことをそのまま転載.先日山岳用品店のバーゲンで買った激安ザックについてです:

要するに不良品なので安いのだけど,素人にとって参考になるのはどこが不良なのか書いてあるタグがついていることです.たとえばロウ・アルパインのPCバッグ.ミシンホールがあるということです.目を凝らして探して,やっとこさ見つかりました.実用にも美観にもまるで問題ナシ. 次は大型ザック.吹流しの汚れだというけど,私なら(中略)買って家に帰るまでにもうこれくらい汚れるんじゃないか(笑)というくらい軽微な汚れで,これも探すには骨がおれました(見やすいように近くにテープが貼ってあるのですが). 製造業における品質管理の厳しさを改めて思った次第です.

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安形氏にめいる
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