日記:2001年12月

最終更新:2003年6月17日 03:07



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安形氏にめいる
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12月31日
(月曜日)

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今月と今年を振り返る

  荘厳な夕景を見ながら今月と今年を振り返る.ここ生産技術研究所六階からは富士山のシルエットが丹沢の上にきれいに見えていました.

  今月は霧ヶ峰の大快晴で始まりました.穏やかな天気こそが何よりも最高の誕生日プレゼントとなったわけです(誕生日は12/1…ということは例のロイヤルベビーと同じ日.これから数年,毎年報道されるのかなぁ).

  でも一ヶ月でみるとこれといった成果はない.いや,種をまいたのが育ってきたというものはいくつかあるし,完成間近なのもあるけど,完成したというものはない.また来年の課題です.

  今年は,というと,いろいろな人が去っていった年としてちょっと記憶に残りそうです.

  去り方にもいろいろある.心が去っていった人.これは辛い.辛いが,人の心はいい意味でも変わりやすいものだからまた「出会える」かもしれない.

  何しろそれ以前の問題として,他界してしまった人が大勢いるのです.今年は何回背広を着る羽目になったことか.そのほとんどが葬式なのです.

  そんな中で,NYの知人はみな無傷.まぁ殺しても死にそうにない連中だが…(笑) これこそが今年の三大ニュースNo.1でした.

  総じて言うとあまりいい年だったとは言えない.言えないけど,たまにはこういうこともあるし,来年をいい年にするための布石を打ったところもある. 企業でいうと,業績がよいとはいえない時期でも(というかそういう時期だからこそ)いろいろな手を将来に向けて打っておくところが強い企業.

  また,後から考えると,やがて来るよき時期のベースとなったのが今年であったということにもなるのかもしれない…自分でも気づかぬうちに…. 少なくとも,過去にはそういうことがあった.というわけで楽観論でいきませう.いくしかない.

  印象に残った風景:フォンテーヌブローの森とのたった10分の出会い.雪の八ヶ岳.夕暮れの木曽御嶽.水水の最中一人でうろついているときに出会った不思議な山間集落(山梨県増穂町).森の中に人知れず湧き出る泉.後輩のあまりに見事な学会発表…

  今年の一冊「二十世紀数学思想」(佐々木力著,みすず書房)→8月の日記参照.

  では,皆様に素敵な新年が来ることを願ってPCをシャットダウンします. プチ帰省へGO!

12月30日
(日曜日)

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連続13時間/昔よく聞いた曲

  必殺の安形氏集中力,連続13時間の労働です.

  でも実は年賀状書きだったりします(笑). のまず食わずで昼12時から翌夜1時まで.そこからパスタを作って休憩し,また朝6時ころまで.

  去年よりはるかに時間がかかったのは,これまでにストックした紙焼き葉書大写真を,今年「使用」する前にスキャンしたからです.今年は30枚程度はプリンタで打ち出した写真になりましたが,来年再来年はどんどんその割合が増えてくるはずです.

  今年も増減がトントンで100枚前後でした. ちなみに減った原因に「物故」が大量に入ったところが,なんとも今年らしいところです.

  安形氏年賀状ルール:[1]同じ人に同じ写真は二度出さない.[2]同じ年に,同じグループに属する人たち(お互いに直接話をする可能性が高い人たち)に対して同じ写真を出さない.

  皆様にどんな写真がどんな形で届くか(プリントアウトか紙焼きか,余白付かフチなし印刷か)はお楽しみ.

 [ひと] 気づいたこと1.互いに知らない(と思われる)複数の知人が極めて近くに住んでいる例が3例.

  その2.「A丁目B番C号」という住所の(A,B,C)の組み合わせが,その順序に至るまで同一という人が三人.

 [文化芸術] 仕事の時のBGMはああ懐かしの岡村孝子.マイベスト3の「クリスマスの夜」「電車」「長い時間」を10時間以上延々と繰り返していました.「このころはいい歌歌ってたな…」と改めて思いました.歌は下手でよく音程をはずすんだけど,ちょっと独特の優しい声をしています.

  「クリスマスの夜」(アルバム「SOLEIL」所収)は,私の好きな歌にしてはめずらしく二人称の人に対しての励ましソングなのですが,よく聞いてみると励ましのターゲットは一人称なのです.別れた恋人の幸せを願うことで自分を励ますというわけ. 実は悪い男にだまされてたんじゃなければいいけど…ってこれは余計な詮索ですね(笑)

  「電車」(アルバム「Liberte」所収)こりゃ名曲,と勝手に決め付けさせていただきます. この歌の主人公みたいな人,結構いるね,確かに… (昨日の記事参照). キーワードは「何があってもとりあえず明るい顔をしなければいけない立場の人」「他人に言えない弱気」「電車のガラス窓にもたれてため息」

  「長い時間」(アルバム「Eau du ciel(天の水)」所収)はこれで「ながいたび」と読ませる.始めて聞いたときには「オレのこと歌っているみたいじゃん」と思ったものです.そう,決して威張れる生きかたでないにしても自分らしいのが一番.

 [研究] どうでもいいが,今日はGAME-Tデータセンタで他の先生から頂いたデータを公開した最初の日から数えてちょうど一年.

12月29日
(土曜日)

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無愛想について考える

 [身体と健康] コンタクトを入れた目にホコリが入るともう大変.この痛みはちょっと口では表現できません.

  はずしたり付けたりを繰り返し,まぶたの上からごしごしこすり(本当はいけない)…をやっているうちに,涙がぼろぼろ出てきます.失恋したばかりの女の子だってこうは泣かないでしょう.歯を食いしばって堪えるという痛みではないのでこりゃ大変です.

  鏡を見てみたら,あららまぶたが腫れています.まるで一晩中泣き明かしたような顔です. あまり顔を見せないようにうつむきかげんで歩きます.

  研究室に着いてもまだお岩さん顔. どうせ誰もいないからイイヤと思っていたのですが,行ったらたくさん人がいた!さすが研究者,世間で仕事をしていない時が稼ぎ時(ってそりゃ自分だけ?(笑))

  誰ともあまり話をしませんでした. 無愛想度当社比50%増(笑)

 [ひと] でも無愛想はいつものことですから,不審に思われる心配はない.こういう時は楽です.

  逆にいつも愛想のいい人が世の中にはたくさんいる.でも皆その理由はまちまちですね.

  その1:単に屈託がない人.こういう人ばかりだと楽しいかもしれないけど,世の中に屈託というものがなくなったらほとんどの小説家と漫画家は失業しますね…そういう問題じゃないけど.脱線脱線(笑).

  その2:人に嫌われることを死ぬほど嫌う人.その裏返しで愛想がよくなるというわけ.悲しいばかりの努力で人間関係を保とうとする.

  その3:寂しがり度が強い人. これは「その2」のvariation.やはり見ていて胸がつまる.伝統的に私の周りではこういういう人がよくいる. 案外世の中一般を見ても多いのかもしれません.

  その4:他人を喜ばせることが本当に嬉しい人. 外見上愛想のいい人は,一見このタイプに見えてしまうことがあります.でも「その2」や「その3」である場合も別にめずらしくともなんともない. が,やはり根っからその4である人もやはりいる,のかもしれません.

  で,実はこれらは皆エンドメンバーであって,一人の人の中に上の様々な事情が混在しているし,また別の理由があることもあります.

 [サッカー] なぜか天皇杯と相性がいい我らが清水エスパルス.今回も決勝進出です.でもこれまでの決勝は,フリューゲルス有終の美やアントラーズ三冠達成の引き立て役になってしまったのだけど(「準決勝までの天皇杯」だけと相性がいいのだろうか?(笑))

  「21世紀最初の敗者」は「2002年最初の勝者」となるか?

 [サッカー] サッカーといえば,最近聞いた面白い話.今季のイタリアサッカーセリエAで,その戦力や実績からはとても信じられないほどの奇跡の快進撃を続けているキエーボというチームがあります(本拠地はVerona)

  この「弱小」クラブの会長さんは結構若い人で,で,

ハリーポッターによく似ている

というわけで,この快進撃は「会長さんがなにか魔法を使っているに違いない」といわれているのだそうです.

  魔法ねぇ,そういえば中学生のころWizardryが流行したとき(言っとくけどシナリオ1です.今はシナリオ8が出ているらしいけど)指輪物語のにわかマニアが激増したっけ(笑). 頭に来る人物には心の中でTILTOWAITを唱えたものです(爆)

12月28日
(金曜日)

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IPCC/javaな日

 [研究] 今日もM1発表会.IPCCレポートのサマリです.

  まぁ何事も経験経験.

  その後大勢で飲みに行ったらしい.仕事したいしたい指数300%だったので行かず.

  でも喉がちょっと痛いときに仕事三昧なんて慣れないこと(笑)をやっちゃいけません. 終電は意外と空いていたのだけど,ちょっと大変でした.

 [電子・コンピュータ] 昔M2の学生が作ったjavaプログラム(全球河川流路網TRIPの作成のために作った可視化&データ編集ユーティリティ)を見てみる.そして,SolarisとWindowsで試してみる.もともとSolarisで組まれjavacされた*.classは,確かにWindows2000(のVM)でも動きました.Write Once, Run Anywhereは少なくともここでは生きていた.

12月27日
(木曜日)

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葛根湯を飲みながら/青山の一夜

 [身体と健康] いつもは研究室で集まりがあるときはハーブティーをもってゆきます.今日はちょっと変わってて葛根湯.

  漢方のニホヒが部屋に漂う.皆迷惑だったかも(笑)

  特に風邪を引いていないけれど,こいつは体が温まります.

 [研究] どんな集まりかというと学生による論文発表. なんだか久しぶりにこういうのを聞いた感じがします.

 [研究] そのあと,今度はペパーミントをギンギンに効かせたハーブティーを持ってゆく.行き先はCRESTプロジェクトの会議. なぜかウチの学生がゾロゾロ来たので何事かと思ったけど,会議というよりは研究発表的なものだったのでそれなりに楽しめたかもしれません. が,一部寝てたぞ…(涙)

  ちょうど未来開拓のモデル結果くっつけ仕事の延長になる感じですね.と思ったらグローバルにEPICを動かしているTさんからその結果を頂いたというニュースが入りました.

  1/15の未来開拓会合に向けて多少仕事ができそうです.頑張れ自分

 [食べる・飲む] 夜は何を思ったかイタリアン.が,「フランス産の去勢鶏」「フランス産のムール貝」…って最初はフランスものばかりじゃないか. 最後のほうに出てきたパスタはさすがにうまかったけれど.

  メインは鶏.ローズマリーが控えめに効いていました.私が作るとついハーブがでしゃばってしまう(笑)のに.

  ギター演奏でカンツォーネ.今日も長い夜でした.

12月26日
(水曜日)

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旅立つ人へ

 [ひと] 結婚して遠くに引っ越すM子さんを送り出す会.

  今年は葬式だらけだったけど来年はどうなるでしょう.とりあえずいい年でありますように.

  NYの知人は皆無事だった.そのことが私にとって今年最大のニュースでありましょう. …かつて当たり前であったであろうことが嬉しいという,そんな年だったわけですね. 何しろ9/11は,僕はいろいろな情報源から切り離された状態でParisにいたのです.

 [生活] コンタクトをいれて二週間.今朝始めて,両目とも一回目で入りました.

  だからどうだというわけじゃないけど,毎日簡単に入ったりいつまでも苦労したりと一定しないところが面白くて,なんだか占いみたいなのです.

12月25日
(火曜日)

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AGCM

 [研究] 東京大学気候システム研究センタ(CCSR)で,GCM(気象シミュレーションを行なうモデル)に関する集会があり,行ってきました.

  実は職場の隣の建物だけど,今までに二回しか行っていないような気がします.

  噂しか知らなかった「CCSRの和室」,始めて拝見しました.

  印象に残った発言や発表:「モデルで起こることは,長い眼で見れば自然でも結構起こる.モデルパフォーマンスについて「自然では起こりえない.ダメ」とはなかなか言えない.Natureのことを我々はもっと知らねばならない」「現業機関では20回以上のアンサンブル平均を取ることによって予報精度が向上したのだが,その理由は誰にもわからない.そこを調べるのは研究機関の役目」

  CCSRの人ともいろいろオハナシできました.良かった良かった.向こうは「妙なのが来たな」ぐらいに思ったかもしれないけど…(笑)  コーディングについてはだいぶデキる人がいるようです.大抵のプログラムは数倍速くする自身がある安形氏ですが,彼らのコードをさらに改良するのはかなり骨が折れるかもしれません.コードの質が最初から悪すぎる場合も高速化は難しいものですが,今回は全く逆の話になるのです.

  GCM自体はまだ触ったことがない(先日の対話参照).でも公開されている情報を見てみました.そうしたらドキュメントが公開されていました.

  公開されているマニュアルは,なかなかのデキで,これなら高校生くらいでもトップレベルをつれてきたら完動させるのに一週間かからないでしょう.

  こういうドキュメント作りの労力は大変なものですが,こうむる恩恵もまた大変なものです.

 [電子・コンピュータ] 累積パッチの適用状況を管理するためのバージョニングシステムが整備されていないようで,そこを指摘しようかと思ったけどやめました.ユーザコミュニティ≒製作者グループである現状からは,そこまでシステム側を整備するよりは個々人のリテラシの高さに立脚した運用のほうがいいかもしれないからです.

  それに,未来開拓/CRESTの世界水モデルを安形オリジナルと自賛できるくらいのものにしようと考えると,GCMに深入りしすぎる時間はないように感じるのです.このあたりはジレンマですね.

  何よりも,時間が欲しいです.

12月24日
(月曜日)

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静かなる聖夜

  東京ではクリスマスの雪は望み薄.新潟札幌あたりに行かないと.

  ソフトドリンクで乾杯.

  何に,誰に?

  よく分からないが,とりあえず未来のために,未来の自分とその時周囲にいる人たちのために.

  静かな長い夜でした.おしまい.

12月23日
(日曜日)

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全文公開

 [研究][電子・コンピュータ] 安形氏公開文書ページをごらんあれ.D論をPDFで全文公開です.Acrobat購入を記念して.

  てっきりモデリングでD論書いたと思い込んでいる方いるかもしれないけど,違うんですよ.せいぜい地図つくりにSurfer,図表つくりにExcelを用いた程度.ほとんどは壮絶なフィールドワークで書いた,ようするに足で稼いだ論文です.

  もっとも,そういう血と汗の結晶が,何かの図のたった一つの点にしかならなかったりするもの.いやそれならまだマシで,調査が結局何の役にも立たなかったなんてことはお約束.まぁそういう経験を重ねると,他の人の業績を見る眼,他の人の描いた図の真の価値を読み解く眼力も養われてくるというものです. まぁこれはモデラーも同じですね.

 [生活] ひさびさに床屋へ.ここのおっちゃん,私の顔は覚えていないくせに頭のことは実によく覚えている.左後頭部の大きな傷,これを見て「あ,あんたか」と言うのです(笑).私のことを広島出身とばかり思い込んでて,もうその度に訂正するのが面倒になってきたので今日はもう広島生まれということにしておきました.

  すっきりした頭で街を歩く.今日は昨日よりすいています.クリスマスごろの東京は,本当に空気が乾いていて,冷気が皮膚に刺さりそう.

  Coolな頭で街を彷徨い,いやそんな時間はあまりなく,結局夜研究室にきて一人お仕事です.寒い方がいいので暖房はオフ.

  暖かいところで暖かい人と一緒にいる皆様,Googleも冬仕様イラストだし(って関係ないか(笑)),メリークリスマス!

12月22日
(土曜日)

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あくろばちっくな生きかた

 [電子・コンピュータ] ついに買ってしまいました,AdobeAcrobat.個人購入です.

  世間じゃクリスマスなんですな.渋谷はえらい混みようでした.

 [森と樹] 我が家の近くのとおりの街路樹はトウカエデ(Acer buergerianum ).大方葉っぱを落としているんだけど,なぜか一本だけ頑固に落葉していないのを発見.それもきれいなグラデーションの紅葉です.

  一人だけやってることが違う,そう,こう来なくっちゃいけません.

12月21日
(金曜日)

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あやしいパーティ

 [ひと] 安形が参加する飲み会は男女数に著しい差があることが多いんですが,今日は同数でした.

  といっても合コンじゃないよ(笑).ちなみに私の親戚が一人混じっていたりします.

  親戚とはまったくの偶然ながら職場が近い.下手をすると同じ建物に入っていたかもしれないくらいの近さです.が,実は同じところで働き始めてから数年間一度もあっていませんでした.

  ところが偶然というものは恐ろしい.思いっきり共通の知人がいたのでした.というわけで去年あたり再会.ぱちぱちぱち.

 [食べる・飲む] 会は結構盛り上がりました.○れ○ん事件とか,階段突破作戦とか,△△や□□や,とにかく参加者だけのヒミツというのがたくさん. ところで○○ちゃん,ビールは冷えてた?(謎)

 [電子・コンピュータ] 終わってから研究室へ.机の上にSIMMの山が出来てる.私がつくばに行っていた日に,研究室では大掃除で(つまりサボったことになるな(笑)),その時発掘されたのだそうです.だれも氏素性を知らない謎のメモリ.いくら私でもSIMMを一目見てスペックが分かるほどヲタクじゃない(笑) でももう一度秋葉原に売りに行く楽しみが出来ました.

  でも研究室で,「よく分からない部品はとりあえず安形に回しとけ」というコモンセンスができつつあるような…(笑)

12月20日
(木曜日)

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忘年会があったらしい

  研究室の忘年会欠席しました.毎年そうですね.今年の理由は,ひみつ.

 [食べる・飲む] もちよりパーティなので,時間があれば例のブッシュ・ド・ノエルでも持っていってウケをとろうかと思ったのですが,残念ながら寄っている時間はなし.皆が片付けをしている22時すぎにようやく研究室にいけました.

  でもなんと,秘書の方が手作りチーズケーキをもって来てくれたんだそうです.大人気だったとのこと.行けばよかったかな(笑).

12月19日
(水曜日)

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クライミングの未来

 [電子・コンピュータ] テロリズムについていろいろ話題があった今年でした.さて,コンピュータの世界,あるいはサイバーワールドにおけるテロリズムとは?

  いや,なんとなく最近,いろいろなネットワークが不調なんです.たとえば私の第二メイルアドレスを持っている,それから名水大全をおいているNIFTY.さいきんそのNIFTYのメイルサーバが不調なんです.

  よくパスワードエラーが起きたり,勝手に切断されたりする.

  で,こういうことを隠し立てするとのちのちろくなことにならないということは,さすが元大手BBS会社,長年の経験でよ〜くわかっているようで,NIFTYのWWW資料にもちゃんとこの事実自体は公開されています.

  ただ,なんと11月からずっとトラブル発生中なんですよね.どんな障害なんでしょう.それこそ目に見えない破壊活動?

  まぁこうやって不安の種を広げるのは,それこそテロリストの思う壺ですね.つとめて楽観的にいきましょう.

 [アウトドア] 所属山岳会の忘年会.いやー白熱しました.

  もっとも安形は(いつもそうだけど)聞き役. 聞く分には実に興味深い話題.

12月18日
(火曜日)

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三たびつくばへ

 [研究] 気象談話会という小さな会があり,つくばの農業環境技術研究所に行ってきました. 7時20分東京駅発のバスは,けっこう満員.実は昨晩一睡もしてません…

  結論から言います.今年出席したあらゆる会合の内で最高に面白いものでした.

  会の題名は「大気−植生相互作用の実態把握とそのモデリングに関するセミナー」というもので,要するにLSM関係.ただし,最初に発表されたときのプログラムは題名とは裏腹にモデラーがあまり登場していないものだったので,会の主催者の方に飛び入り発表を申し込みました.

  実際の発表はどうだったかというと,細胞の水チャネルというミクロスケールの発表から,個体レベル・群落レベル・数十キロスケール・大陸スケール・全球と,信じられないほど多様なスケールの発表がありました.意図してそうしたのかは分かりませんが,とにかくそこが面白かった.

  印象に残った議論を少し紹介:「植物にとってN(窒素)は,”葉っぱがどれだけできるか”ということに対する制限要因となる.今後のLSMでは,Nの効果を組み込んでいないものはあまり信用できない」…植物生理に詳しい方の意見です.

  NPPの形で算出された炭素蓄積量は,アロケーションモデルによって幹・葉・枝に分配されますが,そこにNという制約条件が加わるわけです.

  あと,「高緯度のほうが,林床植生が群落全体からの水エネルギーフラックスに与える影響が大きい.単層モデルでは限界を感じる」…GAMEで熱いところ寒いところ間のところのいろいろなところでフラックス観測が行われましたが,そのまとめを行なった方の意見です.

  MINoSGIの話も始めてちゃんと聞けました.よかったよかった.

  ミクロ派の話も面白かった.細胞膜には,水チャネルという,他の部分に比べて極めて水を通しやすい「穴」が開いていて,それの生理活性が温度とともにどう変わるかという話です.根圏部の温度がイネの吸水特性に影響を与える理由を解明するための試みです.某農業試験場の女性研究者の発表でした.なんだか面白い人でした.

 [研究][文献] 研究所の玄関ホールには,同所発行の出版物が並んでいました.「農業リモートセンシング」というハンドブックが最高に面白かったので,一部買いたいと思って担当部署にいったところ,版元を紹介されました.なんと東大の目の前です.

12月17日
(月曜日)

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コンピュータゼミ

 [電子・コンピュータ] M1相手のコンピュータゼミ,いよいよプログラミング自体の話.使用テキストは随時公開中です.

  端末を目の前で操作し,皆の作った課題プログラムを見ながら議論するというのはなかなか面白いものです.参加者が5人だからできることです.

 [食べる・飲む] 今日のケーキは,レアチーズ.いや,レアヨーグルトというべきか?荻窪駅近くにチーズ専門店があり,そこの妙にチーズに詳しいにーちゃんに「レアチーズに向いたチーズ紹介してよ」と頼んだらイチオシされたものです.一応名前がFromage Frais(詳しい方はご存知でしょう.アレです)ですから,これはチーズであると自称しています.

  が,実物は誰がどうみてもヨーグルト

  チーズケーキ作るときには,チーズは常温に戻してやわらかくする云々といった話がありますが,このチーズ(と,一応書いておくことにする)ではそんな心配はご無用.砂糖を混ぜるのに苦労するなんてありえません.

  ちょっとレモンシロップを利かせすぎて完全にカンキツ系のテイストになってしまいましたが,それはそれでおいしいものでした.

 [電子・コンピュータ] 朝三時まで,Pentium4マシンのお守り.Windows2000を入れなおし,パッチを当てました.PenitumIIIの1GHz→Penitum4の1.7GHzの変化は,実は体感ではそれほどでもない.画面の書き換えはかなり早くなりましたが. もっとも,ヘヴィな計算をやらせたときにかなり違いが出てくるでしょう.楽しみです.

12月16日
(日曜日)

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妖しき中古市場/コンタクトのある生活

 [電子・コンピュータ] 現在持っているマザーボード(ABITのデュアルPentiumIII)とPentiumIII(1GHzEB)を秋葉原に売りに行きました.二つあわせて¥24000で売れました.吃驚しました.価値のないものは本当に¥10で買い叩かれるのですが(10月の記事参照),買値の半分以上で引き取ってもらえるとは予想外でした.

  この分ならば,短いサイクルで下取り→新製品購入ということを繰り返す,というライフサイクルもアリかもしれません.

 [身体と健康] 先日買ったコンタクトの話.コンタクトにしたらいろいろと変わったところがあります.

  1:自分の顔をよく鏡で見るようになった.今まではそんなことはほとんどしたことがありませんでした.それにしても,人間の顔って,毎日様子が違うんですね. あと,自分のまぶたが二重であることがわかりました(今ごろ?) あと,めがねをはずしてみると,結構自分の目が大きいことが分かりました.

  2:地面が遠い.めがねとは,いろいろな面で物の見え方が変わっています.その最たるものは,どういうわけだか地面が本当に遠く見えるのです.こんなに背が高かったのか…

  3:他人の顔がよく見える.これも理由はよく分かりませんが,他人の顔がはっきり見えるようになりました.特に「目」を見て「この人もコンタクトかな…」なんて考える妙な(笑)習慣が出来てしまいました.

  入れ方・はずし方はだいぶ上手になりました.ただ,どういうわけだか右目のコンタクトは何度挑戦しても一度では入りません.左眼のほうは大抵一撃でなんの痛みもなく入るのですが.

 [食べる・飲む] リンツのモカ味チョコを,温めた生クリームで溶かし,氷水で冷やしながらガナッシュを作ります.それをロールケーキに塗ってフォークで適当に模様をつけると,はい簡単にブッシュ・ド・ノエルの出来上がり.

  始めて使うチョコレートだったので,今日は練習用と割り切ってしまったのですが,失敗,これなら皆に食べてもらえばよかった.キルシュヴァッサー入れすぎたかと思ったけど,ちょっとビターなチョコレートの味にはこのほうが合って合格合格.

12月15日
(土曜日)

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深夜ドライブは楽しい?

  某電気器具量販店に行って価格調査.GPS受信機はまだ高いし,GPS腕時計はもっと高い.昨日書いたGPS携帯には期待していたんだけど…

 [電子・コンピュータ] 生産研では,メールトラフィックには某ウィルスフィルタがかかっています.最近猛威をふるっているBADTRANS.Bワームも,これまでに100通ばかり感染メイルが届いていますが全部そのフィルタに引っかかって事なきを得ています.

  今日もまた何通も「ウィルス見つかったから処理しといたよ」メール(自動的に送られてくる)が.やれやれと思って見ていたら,あれ,

  自分が自分にだしたことになっているメイルだ

  実はそのメイルは深夜家から見たのですが(暗号化して通信してます),これはイカンと思って車で研究室にきてしまいました.

 [電子・コンピュータ] 結論から言うと,これはfromを騙ったメイルでした.私自身のPCは相当ガードを固めてますし,そもそも後に述べるような理由で,メイルが出されたということになっている時刻には動作していませんでした.

 [電子・コンピュータ] さて,PCが動いていなかった理由は?

  ハードウェアトラブルです.おそらく. おそらくというのは,再現性のないエラーが起き,Windowsの再インストールも出来ない状態なのです.IDEドライブを見に行くとインストーラがブルースクリーンを出すという事態です.

  安物メモリを取り外すとだいぶ安定してきました.が,swapが多発して使い物になりません.この際一気にマザーボードごと変えてしまうことにしました.

  結局家に帰ったのは4時.

12月14日
(金曜日)

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衛星にだまされた話

 [電子・コンピュータ] KDDIがGPS機能付携帯電話を出したという話.コレは買いだと思いましたね.GPSの需要は,個人的にはとても大きい.人跡未踏でしかも自然的ランドマークの乏しいところで正確に湧水の位置をプロットするのは結構大変なんです.

  で,さっそく近くのAUショップに行きました.行って分かったんですが,すくなくともいま売り出されているタイプの端末では,cdmaOneの電波が届いてないとeznavigation機能が使えないのだそうです(→eznavigation紹介ページ参照).ただしeznavigationがダメでもGPS(緯度経度ゲット)は使えるんじゃないかな…とチト甘い期待も.

12月13日
(木曜日)

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若者,来る/武装解除

 [研究][電子・コンピュータ] 大学院でどこの研究室に入るか決めるための学部四年生向け研究室見学会.何人かが見学に来ました.

  社会基盤工学の本体(本郷)から離れたところにある生産技術研究所について,四年生はもしかしたら「寂しいところ」と思っているかもしれない,という意見が同僚からありました.デコレーションは,だからずいぶん凝りました.助教授部屋からポインセチアが登場,なぜか学生部屋からチョコボールのキョロちゃんが登場.時間内には絶対説明できない分量のパネルがずらりと並びました.

  説明は沖さんにお任せ.何人かは,研究に対する興味だけでなく,生活に関してかなり突っ込んだ紹介を求めてきました.かなり来る気があるのでしょうか.ン千万円のワークステーションを自由に使え,横長の机を一つ占領し,という優雅な生活はじっくり見ていただけたでしょうか.

  世界の最先端となる事柄を見つけ出す,あるいは創りだす組織の力というのは感じ取ってもらえたでしょうか.

 [生活][身体と健康] まだまだコンタクトには完全には慣れず.まぁ二日目なら当たり前というところでしょう.

  家に帰ってコンタクトをはずしたときの解放された感じ. ふと思ったのですが,女の人がお化粧を落とすときも同じような開放感を味わうのでしょうか.

12月12日
(水曜日)

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プラスチック・マジック

 [身体と健康] めがねの曇りが取れません.いや,よく見たら曇りではない.レンズが傷だらけです.

  いつの間にこんな傷が.まぁ心当たりならたくさんあります.壮絶な藪こぎ,幾度にも渡る斜面滑落,クライミングではよく土を頭からかぶりましたっけ.

  そんなわけで,収入があったのにあわせてめがねを新調.

  と思ったのですが突然何を思ったのかコンタクトにしてしまいました.今の眼鏡はとっておくことにしました.

  実は10年前にもコンタクトをしていた時代がある.その時はデイリーケアがあまりに面倒だったのでやめてしまったのですが,いまどきのレンズはそんなに手間がかからないようです.

  といってもやはり手間ゼロというわけにはいかない.連続装用の許可もでていない.でも毎日のつけはずしは,まめさのトレーニングにはなるかもしれません.

  今日の装着は5時間くらい.これからだんだんに延ばしてゆきます.

12月11日
(火曜日)

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学生の行く店ではなかったか

 [研究] 研究室ミーティング.H君はGCM対応TRIP.Y君は論文レビュー,沖さんは熱弁だったけど実はこれは自称前座で,真打(にさせられたの)はイギリスから帰ってきたK君の報告.

 [食べる・飲む] ミーティングの後には,大勢で連れ立って夕食というパターンが最近できているらしい.お好み焼きなど,とにかく何かを「焼く」ということを中心に据えているので自称「焼き会」とのこと.

  安形は今日これに初参加.先日見つけた,その名も「焼き屋」なる店につれてゆきました.

  もっとも安形自身この店にきたのは始めて.

  魚介類中心の店です.あまり舌が肥えてはいない安形にも,結構美味しいものばかりでした.

  そして値段もそれなりでした.「学生さん?だいぶ量を召し上がるみたいだけど,○〇や△△みたいな値段じゃないからね」と警告?を受けていた通りでした(涙). もっとも,安形がほとんど飲み放題というペースで飲んだビールがだいぶ価格を押し上げていたような…(笑) なにしろ店の人が少なくて,事実上セルフサービスで生ビール(ちなみにジョッキは秋田杉のわっぱ!)をついでいたのです.

  でも気に入った.カネが潤沢なときに,少人数で来る感じの店ですね.

  結局今日は研究室に泊まり.

12月10日
(月曜日)

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アセンブラを知っていますか

 [電子・コンピュータ] 突然ですが,M1相手に安形氏プログラミングゼミ開講. 配布資料はいつもWebで公開です.

  「メモリの概念」「機械語とアセンブラなるものがあること」「2進数とビットとバイトと16進数」あたりから始めて,今日はCとFortranで「Hello, World!」でした.

  16進数を知っていると便利だし(HTMLを書いていても不意に現れることがありますよね),メモリイメージを心に刻み付けておくと後々ポインタなどが出てきたときに戸惑いが少なくて済みます.

  今日の分量はたいしたことはないですが,休憩をはさんで2時間もかけてしまいました.これより後は実戦教習が多くなるので,その前に身に着けるべき基礎をじっくりしっかり…と意気込んだこと,そしてなんといっても昔話がやたら多かった(笑)ことが原因です.

  中学高校のころは,プログラムのバイナリコードがマルゴト全部雑誌に載っていました.しょっちゅう徹夜してその機械語を手で逆アセンブルし,ノートをZ80のアセンブリ言語で埋め尽くした経験は,同年代の方ならきっとお持ちでしょう(え,そうじゃない?(笑)).

  私なんかは中二のころそれで急激に目を悪くしました.

  勉強しすぎたからではないのです(笑).

12月09日
(日曜日)

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日曜日は仕事日和

 [食べる・飲む] 家でずいぶん仕事をしました.気分転換にハーブをギンギンに利かせたローストチキンを作りました.

  一人だとマルゴトはさすがに無理なので,骨付きモモ肉です.

  ハーブはタイムとローズマリー.あと,ソースには大好物のナツメグをたっぷり利かせました.

  「笑点」を見たのは8ヶ月ぶりというところ.

  夜もやっぱりお仕事.

12月08日
(土曜日)

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ちちきたる

 [生活] 台所の流しだけはいつもきれいにしている(狭いので,そうしないと物理的に料理自体ができない)のですが,台所全体と居室も掃除しました.家族が来ているからです.

  ダンボール抹殺作戦が効いて,今年前半よりも少し部屋がすっきりしてきました.他にも,一年以上あけていない書類箱があります.一年使わねば一生使わないでしょう…と勝手に判断して,これまた排除予定.

 [食べる・飲む] 昨晩夜は,簡単料理のアサリワイン蒸し,そして作りおきの肉じゃが.肉は,豚肉です.いつも「今日こそは牛肉を買う」と決意?してスーパーに行っても,値段を見て萎えてしまうのです(笑).まだまだ煮物の腕はイマイチで,こうして一日おかないときちんと味が染みとおっていません.

  今日は,掛け値ナシに5分でできる春菊の煮浸し.昨日の残りのアサリを使って味噌汁,そしてメインディッシュは昨日買った日経ビジネスに載っていた,牡蠣の卵とじ丼

  珍しくお茶を出したら,あらまこれは古い. こういう時の細工用に二杯目からはジャスミンを加え,四杯目からはペパーミントを加えたら,なんとも玄妙な味と香りになりました.緑茶にミントとは思わぬ取り合わせですが,結構いけます.発見発見.

 [生活] まぁたまには居室に客人を招くのもよし.いつのまにか掃除もできる. 仕事をするのに無理やり締め切りを作って自分を追い込むのと同じです(かな?)

12月07日
(金曜日)

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つくばの空の下

 [電子・コンピュータ] 用事があったので,筑波の国立環境研究所(独立行政法人)に行ってきました.東京からだといろいろな行き方がありますが,東京駅→つくばセンターのバスに乗りました.

  たしかセンターにつく前のバス道沿いにあったよな…と思っていたのですが,これが大間違い先日乗車した,ひたち野うしく駅からつくばセンターに向かうバスの道沿いにあるのです.東京駅便はそこを通らないのです.結局センターまで行ってしまい,タクシーで環境研に戻るハメに.東京→筑波よりもつくばセンター→環境研の方がお金がかかった… (後から分かったのですが,東京駅便でも「並木大橋」で下りて15〜20分程度の徒歩でいけたのでした)

  しかしまぁ,仕事の内容はそれだけのお金をかけるだけのことはありました.内容は来る3月から動き始める環境研新コンピュータシステムの概要説明.実は環境研外部から来ていたのはごく少数だったようです.説明された内容はここでは申し上げませんが,新しいコンピュータはNECのものであることはすでにZDNNなどで公開されています.

 [森と樹] 説明会は午前中で終わりましたので,周囲を少し歩いてみることにしました.ここに来るのは始めてなのです.環境研内は農園があり,なんともノンビリした時間が流れている空間もそこここにありました.

  環境研の向かいは気象研究所.芝生広場に立つ50mのタワーが目を惹きます.このあたり,本当に空が広い.ヨシが密生した湿地・沼すらあります.と思ったらきれいな森の公園.「赤塚公園」という名前らしい.ここがなんとも魅力的な空間.何本かあるカエデが見事に紅葉していました.

 [アウトドア] 土の感触を楽しみながらこの公園を縦断すると,偶然にも以前来たことがあるクライミング・ジム「スポーレ」の前に出ました.シネコンや公衆浴場と一緒になった不思議な施設「つくばユーワールド」の中にあります.

 [地形・地質] さらにてくてく歩いて,地質調査総合センター(旧名「地質調査所」のほうがまだ通りがいい?)地質標本館に立ち寄りました.入場無料です.

  思ったほどモノスゴイわけではないですが,別にガッカリするほどのレベルでもない.いくつか面白いデータも得てきました.菱刈金山の金の埋蔵量が250t,含有量は鉱石1トンあたり金数十〜数百グラムであること(国内ダントツ),標本館全体で40万点もの試料があり,そのうち4000点くらいしか展示していないこと,今吉コレクションという1万点のサンプルからなる見事な鉱物標本コレクションがあること…などなどです.

  地質や古生物に詳しくない人が全部じっくり見ても消化不良を起こすかもしれませんが,しかし誰にとっても一つ二つ自分にとって興味深いブースが見つかるとは思います.

  ちなみに小学生の集団が来ていました.見ていると(というより,あまりに駆け回っているので見たくなくても視野に入ってしまう),女の子はまず間違いなく宝石関係に見入っていました.小学校のころからそうなんだなぁ… 男の子の中には巨大恐竜骨格標本を期待してやってきた子がいるらしく不満たらたらでした(苦笑).

 [アウトドア] 今日は風が弱く日差しがやわらかかったので,坂が少なく緑が多い(多く見える)筑波は歩くにはいいところでした.

12月06日
(木曜日)

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ロガーの努力を無にしない

 [研究][電子・コンピュータ] 転倒枡雨量計は一定量の雨が降るとパルス信号を出します.そのパルス信号の時刻を記録するのがロガーと呼ばれる装置です.よく使われている会社のロガーですと,パルス記録は*.seqという名前のファイルに入ります.

  これは独自形式のテキストです. 何年何月何日何時何分何秒にパルスがあった,という記録が延々と入っています.

  これ自体は貴重なデータですが,雨量を読み取るときにはちょっと不便です.そこでいろいろなプログラムを作って読み込むことになります.

  わりと簡単で有効な方法として,Excelのワークシートに読み込んで,時間雨量・日雨量表示してしまうという手段があります(データの整列や可視化をすべてExcel側に押し付けることができます).これはExcel VBAで書けば簡単ですが,さらに突き詰めると,アドインにしてしまうのがいいということになります.

  というわけで昔そういうアドインを作りました.そして,最近要望があったので使ってもらい,そのユーザの意見を元にして改造を加えました(感謝感謝).

  そして,今日それをWebで公開しました.名づけてseq2xlsです.

  要するに単なるテキスト処理と集計ですから,perl CGIで書いてしまってWeb公開(テキストボックスに*.SEQの内容をペーストし,ボタンを押すとHTML TableやCSVなどお好みの形で時間雨量等が出てくる形)という手も考えられます.こちらはもちろんOS非依存.ただしまだ手をつけていません.実習課題にはいいかもしれませんね.

12月05日
(水曜日)

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ランチタイムを一緒に/その実はIPCC講習会?

 [ひと] 先日の続き?で,人を二種類に分けると

  • 昼ご飯を一人で食べても平気な人
  • それに堪えられない人
となります. 安形はもちろん前者.

  前者とA型,後者とT型と呼ぶことにしましょう.特に人生経験が乏しいうちは,Aな人とTの人は,お互いの存在も知らなかったりします.少なくとも,なぜ一人で昼飯を食べられるのか,あるいは食べられないのか,お互いに理解の範疇を越えている.

  典型的A型の安形氏も,別に他の人と一緒に昼飯というのがイヤなわけではなく−昔々,T型の女の子の昼飯に連日付き合わされたっていたことがあったっけ(遠い目(笑))−,実は今日同僚と昼飯を一緒に食いました.

  でも何ヶ月かぶり,ですね,これ.

 [研究] 東京・有楽町の駅前に東京国際フォーラムなる大きな会議場がある.そこで今日は,環境庁主催の「平成13年度地球環境研究総合推進費公開シンポジウム・地球温暖化研究の最前線」というシンポジウムが開かれました(→詳細紹介).

  プログラムを見ていただければ分かるように,一日中温暖化絡みの講演で埋まっていました.

  このシンポジウムには直接にはどこからも情報がなく,偶然ポスターで見かけたのでした.研究室内には知らせましたが,誰も来るヒマあるまいと思っていました. が,M1の同僚が二人来ていました. 彼らと一緒に有楽町ランチ♪としゃれ込んだわけです.

  さて,内容.一応プログラム題名と公演内容がかけ離れている妙な人はいませんでした(ちょっと残念(笑))

  各講演者は,必ず前フリにIPCCレポートを引用していました.最初の2,3人までは別に良かったのですが,実はそれはほとんど全員同じ資料を同じように引用するということが続いたのでした.最後のほうになってみると,「なんだ,また同じ図かよ」と思えてくるくらいずいぶん繰り返しIPCCレポート(第三回レポート,third assesment report, 略してTAR)の図を見ることになりました.

  IPCCの仕事が偉大すぎるのか,それとも他にろくな研究がないのか.…という問いかけは,あまり意味を持たないのかもしれません.IPCCはそれ自体科学者の集合体であること,そして,純粋アカデミズムだけではなくむしろ政治的思惑もいろいろと絡んでいること等から,我々が慣れ親しんだ?学問論争とはちょっと離れたところにその価値があるようの気がします.

  何にせよ,こうしてとりあえずIPCCを引用しておくとなんとなく温暖化研究の最前線という講演に相応しくなる,そう考えている講演者が今日は集まったというわけです.もちろん,それぞれの講演者で,引用した後の料理の仕方は異なります.

  あと,プレゼン資料の作り方の巧拙は,講演者によってかなり違いました.

 [研究] 20年だか30年だか前の,今からみるとテキトーな温暖化予測が紹介されていましたが,実は現時点でもこのテキトー予測の結果と対して違わない予測しか出ていないのが現状だということも如実に分かる内容でした.もちろん,プロセスの積み上げなどは格段の進歩があります.しかし最終結果として出てきた温暖化予測値の幅(レンジ)は,2,30年前のそれと対して変わっていないのです.

 [電子・コンピュータ] 有楽町には,MUJI(無印良品)があるは,Sofmapはあるは,大きなビックカメラのビルまであるは…と,町並みはちょっと変貌を遂げていました.

12月04日
(火曜日)

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神泉逍遥/大連からの花嫁

 [身体と健康] 「神泉」というのは京王井の頭線の駅の名前.駒場東大前と渋谷の間にある,ホームが全部トンネルの中にある不思議な駅です.よく考えたら湧き水マニアにとってはずいぶん意味深な名前ですが,由来はまだ知りません.

  この駅で降りるのは行きつけの床屋に行くときくらいなので,駅の周りはそれほど知りませんでした.今日は用事があって周囲を歩いたのですが,今日始めて歩く道ばかりでした.

  で,思ったこと:食べ物屋関係は駒場の100倍充実しています.量では下北沢にはかなわないかもしれないが,一癖もフタ癖もありそうな「曲者」ぞろいであることにおいては引けをとっていません.

  たとえば,こんなのはどうでしょう.ずばり名前が「焼き屋」.焼き魚を売り物にしているようです.この単刀直入のネーミングにはちょっと惹かれるものがあります.(後日注:本当にこの一週間後に研究室の仲間といってしまいました)

 [研究] 研究室ミーティング.KさんのGCM話はさすがのレベル.CさんfromタイはD論へ向けての序奏.

 [ひと] 家族ぐるみの付き合いがある高校の先輩が,結婚するとのこと.お相手は中国の人らしい.式にはぜひ出たいものだけど,フィアンセの故郷大連で式が行われたら行くのが大変だな…(でも行っちゃおう).

  去年は年賀状にやたら赤ちゃんの写真があった(まさか取引先に同じ年賀状送っていないだろうな…と他人事ながら心配になる)けど,今年はもうすでにたくさんの喪中欠礼ハガキが来ています.今年あったことをホントに象徴しています.

  でも年の終わりに近くなって,いい話を聞けました.ハッピーウィンターウェディング.

12月03日
(月曜日)

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みつからない

 [食べる・飲む] どうしても見つかりません.いろいろな店に行ったのに. S&B食品液体スパイスシリーズの一つ,ローズマリーです.

  さんざん探し回ったらあら灯台もと暗し,シリーズの中の「コショウ」「ガーリック」「唐辛子」が家の近くのスーパーにありました.しかしまだローズマリーがありません.ついでに言うとタイムもありません.

  ローズマリーとタイムがあれば肉料理が「いかにも西洋らしく」仕上がります.もちろん葉っぱを使えばいいのですが,なんとなく足りないなというときにこの液体スパイスがあると便利なのです.

 [電子・コンピュータ] 私のホームページでソフトウェアやドキュメントを納めているアーカイブのデザインをちょっと変更しました.

12月02日
(日曜日)

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そして美ヶ原

  キャンプ地−8分→和田峠(車道)−22分→中山道和田峠−66分→三峰山(1887m)−66分→扉峠(車道)−83分→茶臼山(2006m)−75分(美ヶ原縦断)→王ヶ頭(2034m)−2時間→三城牧場(松本への車道)

 [アウトドア] 世の中の人を無理やり二つに分けるとこんな風になる

  • たった一人で山の中でキャンプしたことがある人
  • そうでない人
安形はもちろん前者のタイプです. 周囲数kmに渡って人間なるものが存在しない場所での単独キャンプというのは,「自然」の響き・うなりを全身で感じることができる体験です.

  誰だって最初は怖い.ちょっとした物音にも飛び起きます.でもだんだん「自然」に対してリズムが合ってきて,泰然自若とした態度をとれるようになります.

  そして,そういうことをやっていると,たとえば毎日繰り返されるはずの日の出が,ほら,こんなに美しく思えてくる.

  6時ちょっと前起床,7時出発.

  昨日から通行止めになったビーナスラインにポンと出ます.ここは国道142号旧道とビーナスラインが交差するところ.ビーナスラインの料金所もあります.そして,旧中山道ハイキングコースが東西から上がってきています.

  料金所を過ぎてそのハイキングコースに入ると,一登りで旧和田峠.中山道の難所だったところです.たたずむお地蔵さん以外に,江戸期の人々の往来を思わせるものはほとんど何もない静かなところです.

  ここから尾根歩きです.緩やかに登ったあと,右からビーナスラインが近づいてきたあたりでいきなり景色が前方に開けます.これから登る三峰山まで続く草原の道がくっきりと見える,なんとも素敵なところです.夏だと,ビーナスラインの三峰駐車場からホイホイと歩いてこられるはずです. 今日の天気は,昨日ほど空気は澄んでない(北アルプスはガスの中)ですがそれでも快晴.なんと日頃の行いがいいんでしょう(笑).

  三峰山山頂,本当に風が強い.看板の陰に隠れて風を避け,行動食をほおばります.

  ビーナスラインとつかず離れずといった感じで山道は続きます.扉峠の直前で車道にまたでました.どうせ通行止めなので車は来ません.堂々と真中を歩きました.

  扉峠1660m.かつて細い細い山道をたどって車で越えました.今日はノンビリ歩きです.さてここからはいきなり100m一気に上がって,あとは細かい凸凹が続く尾根道を行きます.西側がかなり崩壊していて,ハイキングコースをはずれると危険です(濃霧の時には注意)

 [地形・地質] 崩壊の仕方・土壌の性質・登山道の凸凹は基盤岩石の割れ方や風化の仕方に大きく左右されます.さらにこれらは,生えている植物の種類や自然景観そのものにも影響を与えます.言われてみれば当たり前ですが言われるまではまず気づかないこれらの事実を体系立てて説明したのは東京学芸大学の小泉武栄教授です. ちなみにこのハイキングコースの岩石は火山の石が多いです(和田峠といえば黒曜石が有名ですが,これも火山の石ですね)

  地形図の通り,急なのぼりの後平坦な尾根,最後にやや急な登りをこなして,美ヶ原高原の南端,茶臼山2006mにつきました.D論作成時に登った瑞牆山・小川山以来の久しぶりの2000mです(実は安形は,山のことをいろいろエラソーに言っているがまだ3000mに登ったことがない)

  ここから美ヶ原高原が急に見えてきます.

  なんて平らなんだ

  これはもう富良野なんてメじゃない光景です.標高1950mの平原です.たしかに「山」でなく「原」としか言いようがありません.周囲を激しく侵食されながらもその影響を受けずに残っている火山噴出物の台地です. 完全に平らというわけでなく非常に緩やかな起伏があり,牧場に使われています.夏来たら大変よろしい風景でしょう.

  ここで一人の軽装登山者が登ってきました.24時間ぶりに人に出会いました.実はこの人には後でもう一度あうことになりました.

  ところどころ周氷河現象らしきものが観察される冬枯れの高原を一人歩きます.ときおり曇るようになり,かなり寒さを感じてきましたが,歩いているときは寒いほうが心地よいものです.牧場管理道路のダートには雪が1cmくらい積もっていました.電波塔が立ち並ぶ最高点王ヶ頭2034mまでこんな道です.

  王ヶ頭には高原ホテルと,前述のようにたくさんの電波塔があります.驚いたことに,工事をやっていました.この寒い強風の中,お疲れ様です.三角点に挨拶して,さて下山.

  顕著な崩壊ガリーに沿ってジグザグに下ります.このあたりの安山岩(熔岩の一種)は厚さ1cmくらいに薄く割れる性質があるので,登山道は天然のペイブメントになっています.だから結構歩きやすい.普通,火山の道というのは歩くのが大変なのですが,これは助かります.

  美岳荘に到着.おいしい水場で喉を潤します.すぐに巨大な砂防ダムのわきに出て,ダム工事用の林道にポンとでます.カラマツ林の中を行くこれまた素敵な道です.また山道に入りなおしてとことこ下ってゆくと,今度は舗装道路に飛び出します.三城です.

  松本行きのバスに間に合わせるべき急いでその道を下っていたら,後ろからきた車が横で止まりました.こちらを呼ぶ声がします.なんとさっき茶臼山で出会った人ではありませんか. 松本まで載せていってくれるというのでお言葉に甘えました.

  聞くと,登山ではなくて山にスケッチにしに来ていたとのこと.うーむ松本に住んでいるとそういう趣味をごく普通に持つようになるのでしょうか?(笑) 前住んでいたのがお互いに東京都調布市で,しかも結構近いところに家があったことがわかり,話は盛り上がりました.

  「お礼を差し上げたいのですがあいにく何も持ち合わせがありません」と言ったら「構いません.山では載せたり載せられたりの繰り返しですから」とのこと.これはちょっと名言ですね.

  松本駅の祝賀デコレーションで,皇室の赤ちゃん誕生を始めて知りました.

  松本からは大月で一回乗り換えるだけでもう荻窪へ.非常用食糧と行動食の残りをほおばりながら,車窓にもたれてビールというひとときの至福.

12月01日
(土曜日)

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麗しの霧ヶ峰

  茅野駅−バス63分→車山高原バス停−1時間→車山(1925m)−32分→蝶々深山−47分→鎌ヶ池(八島湿原)−63分→鷲ヶ峰(1798m)−49分→和田峠手前キャンプ地

 [アウトドア] CHINOという不思議な響きの名前をもつ駅を降りたのが九時過ぎ.軟弱にも特急できてしまいました(家を五時半に出れば鈍行でも来られた).八ヶ岳にいくと思しき集団がちらほらいる以外は,思ったより旅人が少ない朝です.快晴の土曜日なのに.

  駅構内のファストフード店で昼食を買い込む.前に並んだ山男の,要領の悪いこと悪いこと.店員の言っていることが半分も理解できていない様子(なのに結構態度は高飛車だったりする(笑)).何かの歌ではないが,町には住めない体質なのでしょう. 

  ピラタスロープウェイや麦草峠方面に向かうバスに,見るからに山登りという集団は全部のりました(それにしても皆,どうして舗装道路を重登山靴で歩けるんだ?).私一人だけ車山高原行きバスに乗車.車窓からは八ヶ岳連峰・蓼科山がよく見えました.

  しかしそれはこれからはじまる展望ロードの序章に過ぎなかったのでした.

  車山に来たのは三回目. 最初は小学校五年のとき.スキーがうまい叔父に連れられて生まれて初めてのスキー体験でした(といってもスキー体験はこの時をふくめて生涯通算二回しかない).二回目は二十歳頃の5月だか6月,蓼科山から下山して車山経由美ヶ原まで長躯縦走しようとしたのですが大雨で断念.その時泊まるハメになった車山高原バス待合室が今も残っていました.黒ずんだ木のベンチに寝転んで一夜を過ごしたことを懐かしく思い出しました.

  さて車山高原,来てビックリ.雪なんて全然ありません.人工雪で幅40mくらいのコースだけが出来ていて,何人か早速滑っていましたが,他は一面の枯草の野原. そんな中を,やっと登山靴を履いて,のんびりと歩き始めます.背中にはシュラフもテントも二泊三日分の食料も水も全部入った大きなザック.とても霧ヶ峰という格好ではありません(笑).

  車山山頂,1925m.たったひとり.大きなドームは気象観測レーダです.それにしてもものすごい展望.名だたる山岳に囲まれたど真ん中にある山ですから,どこを見てもいい眺めです.東から(上から見たときの)時計回りに,蓼科山・八ヶ岳全部・南アルプスほぼ全部・富士山・中央アルプス北部・木曾御岳・乗鞍岳・北アルプス南部・美ヶ原・志賀高原・浅間山…

  これだけの山岳を一気に見たのは,何年ぶりでしょうか.見える可能性のある山が全部見えていたといっていいでしょう.また,富士山と南アルプスはこのアングルから見るとかなり印象が変わって見えます.北岳なんて,甲府でみるよりもはるかに鋭利な三角形をなしていて,甲斐駒ケ岳以上に鋭く天を突いています.

  イヤなことはぜんぶ忘れてしまいましょう. というか,そんなイヤなことあったっけ?(←現金〜(笑))

  私が何かの宗教の敬虔なる信者だったら,信ずる神に対してこの山頂で感謝の祈りの儀式でも始めたでしょう.それくらい完璧な風景でした.(雲の観察が何よりも好きな人はガッカリしたかもしれませんが(笑))

  今日ここまで足をのばした者だけに与えられる特権を堪能して,さて,また歩き出します.茫洋たる高原を漫歩…といえば聞こえはいいのですが,この季節は結構歩くのは大変です.霜柱でぐちゃぐちゃになった泥濘を踏みしめ,転ばないように歩を進める必要があるからです.それでも八島ヶ原湿原に到着.ここから,やや起伏の大きい山道に入ります.

  気温自体はかなり低い.しかし汗かきの私にはこれくらいでちょうどいい.歩いている最中は袖をまくって素肌を出しています.休憩時は袖を下ろし,襟元も全部しめる.暑くなる前,寒くなる前,に先手先手で服の「設定」を変えるのがコツです.

  一人の山旅,誰にも会わず夕方になりました.独りは自由でもあります.起こったことの責任はすべて自分で引き受けるというリスクと引き換えに手にする自由です.行動原理は,

  • 怖かったら逃げる
  • やりたくなかったらやらない
  • 休みたいときに休む
です.ああ軟弱(笑)

  鷲ヶ峰1798m.北西−南東に長い頂稜で,三四つのピークがあります.当然ながら南のピークからは南がよく見え,北のピークからは北がよく見える.

 [天気と季節] 稜線はいつも西側から風が吹いています.和田峠近くでテントを張りました.もちろん風下側です. 歩行時間休憩時間合計約5時間.

  和田峠は風の抜け道になっているようでした.峠のほうからはかなり大きな風音がします.テント付近は無風. ふと気づいたのですが,風が音を立てるのはなにかぶつかる物体があるからです.風自体は音も何もせず吹いている.高層の風もそうなのでしょう.ここんところ地球の気象シミュレーションの話を聞く機会が多かったので,そんなことを考えたのでした.音も立てずにダイナミックに動き回る地球の風というものを想ってしまいました.

 [ひと][身体と健康] 体内の余分な水分を捨てに(婉曲話法(笑) 山屋さんには「小キジを撃ちに」といったほうがとおりがよい)夜,テント外へ. それにしても相当寒い. が,小キジなら問題なし.男に生まれてよかったと思うときは,こんな時です…ってこんなときだけかい(笑)  気温はもちろん余裕で零下です.日付が変わる前なのに,フライシートはすでにバリバリに凍っています. 吐く息が凍ったって驚かない,そんなキンとした冷え方でした.

  テントの中で水を凍らせないよう衣類で水筒と鍋を包み,就寝です.珍しくビールなんぞをあけて一人で乾杯. 何に乾杯したかは,ひみつ(ちなみに宮内庁関係のニュースは全く知りませんでした)

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安形氏にめいる
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