日記:2002年03月

最終更新:2002年9月21日 19:12



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安形氏にめいる
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03月31日
(日曜日)

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桜咲く日大

  京王線に桜上水というなんともいい名前の駅があり,そこから10分ばかり南に歩くと日大の文理学部.

  今日はそこで開かれている日本地理学会に行きました.というか自分が発表なのです.

  CREST作業の第一段階として,EPICによる灌漑用水グローバル推定の話をしました.

  ちょうど,大学の前で世田谷区だかどこかが「さくらまつり」なるものをやっていて,なんとなく祝祭ムード.

  出てきたコメント:国別でやっているデータの制限を強調しているけど,米国なら州や郡単位でチェックできるのでは?

  答え:JGRで先を越されました…

  もっとも,あれは自作cropモデル.グローバル適用を目指すために米国でキャリブるという点も考えていいかもしれない.本当はアジア域でオリジナルな結果を出したい気もしますが.

03月30日
(土曜日)

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法学の日々

 [文献] 久しぶりに手にとった,「法と社会」(中公新書,碧海純一著).法学の入門書のための入門書という位置付けです.私が生まれる前に出た本で,1997年でなんと46版!

  じつは法学自体の説明は終わりの方にやっと出てくるのでありまして,それまで人間社会の話がずっと続きます.これがなんとも勉強になる.「文系センス」が必要になるとき,折に触れて読み返すというわけです.

  明るいうちは家にいて仕事.

03月29日
(金曜日)

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共生

 [文学と言語][経済・社会] 宣伝文句として「自然環境と共生する」企業というのがたくさんあります(中には本当に宣伝だけというところもあるかもしれませんが).ちょっと考えてしまいました.

  何が気になるかというと,要するに自分を「自然」と切り離して,「他者」としての自然と手を結んでいますという言い方.

  僕なら逆の宣伝をするね,と思ったものでした.つまり,「自然」の側に身をおいて,人間と共生するというような言い方.

  「私たちは経済社会と共生します

  もっとも,さらに究極言うと自然と自分たちが「他者」としての関係ではない渾然一体としたものという言い方になるけど,そういう場合たぶん「企業」というものは存続しえないのだろうな…

03月28日
(木曜日)

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CREST=頂稜

 [研究] JST(科学技術振興事業団)の大型科学振興プロジェクトCREST(戦略的創造研究推進事業)には20以上の研究領域があり,そのうちの一つが「水の循環系モデリングと利用システム」です.じつはこの領域の統括者は虫明先生.

  で,この領域の中には6つのプロジェクトがあって,そのうちの一つが「人間活動を考慮した世界水循環・水資源モデル」.このリーダーはじつは沖さん.

  この4月から,安形はこのプロジェクトの雇用研究員となるわけです.

  さて,そのCRESTプロジェクト(沖さんのプロジェクト)の会合はおおむね月一回のペースで行われています.今日がその日でした.

  会場は,楕円形のテーブルに,異様に立派な黒い革張りの背もたれがついた椅子が並んでいる部屋でした.同じ建物の同じフロアに住んでいるのに始めて来ました.

  発表は,アジアの農業生産と窒素負荷に関するもの(川島先生)と,環境用水概念の紹介(白川さん). 川島先生の話の一部は,じつはTRIPを使ったものです. データを使ってもらったのも,そして成果が出たのも両方嬉しいことですし,またデータを公開したことについて喜んでいただけたようです(私が作ったデータではなく,単にURLを紹介しただけなのですが). これに刺激をうけて?「このプロジェクト全体で共有する価値のあるデータ」について議論がありました.

03月27日
(水曜日)

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京都へ

 [研究] 京都日帰り出張なるものをやってきました.なんと忙しい.いつもの安形なら前の日の大垣夜行で行ってくるところですが,しかし昨晩も延々と仕事だったのです.

  ぎりぎり間に合う新幹線にやっと乗る.指定が取れなかったので自由席です.席は確保できました.

  どういうわけだか右足の踵が腫れており,歩行に困難をきたしております.すわれたのは幸いでした.

  回りは家族連ればかり.子供の声が響いております.やかましい. 私もかつてはこういうウルサい子供だったに違いないのですが,その報いを今受けているのでしょうか(笑).

  京都駅前のホテルが,仕事の場.地球研の第五プロジェクト(沖さんがリーダ.本年度はFeasibility Studyとなっている)であげた業績について,外部評価委員なる人たちの前でプレゼンするのです.プレゼン時間はたった10分.10分のために数時間かけて京都往復.民間時代を思い出さないでもない…

  着いてみて吃驚,まず予定が伸びに伸びて,15:30〜の予定が16:30〜になりそうとのこと.それから,PCプロジェクタでなくOHP.PC故障などの念のためにOHPを作っておいたので事なきを得ましたが…

  しかしそれなら,行きの新幹線の中で気合を入れてポリッシュしたこのプレゼンはどうするのだ?(涙)

  まぁまだPCプロジェクタは「あって当たり前」というものではない.確認を怠ったのは自分の責任です.

  第一〜第四プロジェクトのプレゼンが終わり,さて私の番.名前を呼ばれて入ってみると,そこに評価委員の先生方が.名前だけ知っている大物もいます.こんなところで初対面とは思いませんでした(笑).

  で,いきなり言われたのは「では5分で発表してください」

  ダチョウ倶楽部状態だ.10分用のプレゼンを用意したのに.「おいおい聞いてないよー」 臨機応変で無理やり短くしゃべりました.

  さて質疑応答時間.質問の本質とは関係ないところで激しい表現があったので,それにマトモに反発して大騒ぎになりそうになったのが一回ありましたが(自分のことを非難されるのは別になんとも思わないが仲間の成果を批判されるとアツくなってしまうのは昔から…),なんとか終了. さらりとかわして「まぁこれからに期待していてください」といえなかったのはまだ修行が足りない?

  その後控え室で他のプロジェクトリーダの先生方と話した内容が面白かった.皆戦後の食糧難を経験した人ばかりが,日本の食糧事情を論じるのです.

03月26日
(火曜日)

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再会/4億年の炭素循環

 [研究][ひと] 七年ぶりの人に会う.オーストラリアのMurugesu Sivapalan教授.スリランカ出身.REAの人といえば思い出す人も多いのでは?

  1994年,八王子であった国際森林水文学シンポジウムで会って,次に1995年にタイ・パタヤであったGAME-Tワークショップで再会.その時,Macroscale hydrological model(MHM)に関する会合があり,沖さんがいきなり私に話を振って,私が「REAを考慮したモデリングが興味深い」なんて発言したことも,ちょっと懐かしい思い出です.

  久しぶりに会ったSivapalan氏は,こめかみが白くなっていて,歳月を感じさせました. 今日行われたのは,講演会「Complexness in slope, Simplicity in watershed : Is there connection?」(だったか,そんな感じの題名)です.

  流路網からUH(ユニットハイドログラフ)を作るという試みはずいぶん古くからありますが,今日出てきたのは,transportation time distributionとUHを結びつけるという話.

  安形の質問:「REAに対応して,これ以上時間スケールが短いと不確定性要素が明瞭に強くなるような境界の時間間隔,つまりRETのようなものは定義できますか?」

 [研究][文献] 午後は横浜市の地球フロンティア研究システムに行って来ました.

  先日始まった,「Vegetation and the Terrestrial Carbon Cycle - Modelling the first 400 million years-」翻訳プロジェクトの会合です.

  今日は第一章と第二章.この本の性格が書いてあります.昔の生物の「生きている姿」を観察することができないのにどうやって過去の生物活動と炭素循環を再現しようというのでしょうか?

  鍵は光合成の主役となるrubiscoというものの性質が,現在見られる生物間では,それらの発生年代に関わらずあまり差がないこと.つまりこの酵素の活性が一応不変のものとみなすことができるということ,ひいては,(地質学の基本原理のように)現在から過去を見ることが可能であろうということです.

  気宇壮大な試みの本,そして,副題にあるように,モデル話が大量に出てきます.そこがまたいい.

 [ひと] フロンティアの方から,面白い写真をいただきました.どこかのショールームの写真.おっと,コクヨの高級椅子AGATAではありませんか.

  未だに名前の語源がわからないので,いつかショールームに行って聞いてみようと思っていたのですが,少なくともショールーム行きに関しては先を越されたわけです.

  しかし,この写真自体は撮影者から直接もらったわけでなく,間接的にわたってきたもの.そして困ったことに(面白いことに?)撮影者が誰だか分からないのです.というか心当たりが多すぎる…

03月25日
(月曜日)

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Move!

  朝四時に帰って,で,昼間来ました.

  昨日に続いて,イタリア戦線.Inter MilanoAS Roma首位決戦です.

  絶好調のレコバが試合開始早々に一人抜け出してゴール.前半終了前にレコバの折り返しを,ヴィエリがな,なんだこれはという不思議なヘディングシュート.

  後半トッティが技ありの一点を返し,ここからローマのペースかと思いきやその強力な攻撃をのらりくらりと交わしつづけたインテルがいつのまにか試合の流れを引き寄せ,逆にローマに焦りがたまります. レコバが直接フリーキックを叩き込み,ジ・エンド.

  順位が下の方も面白い.8チームが勝ち点五点以内に収まっているのです.残留争いは異常なほどの盛り上がり.

 [研究][生活] 今日は大量の事務机が研究室に到着する日.そして,多くの人が部屋を替わる引っ越し日なのです.

  安形も隣の部屋に移動しました.部屋番号自体はBe604で変わりません.

  到着したらちょうど机を動かしている最中.安形分はさっさと場所をキメて,速攻で電源とネットワークをconfig.配線をきれいに直して,で,PCを立ち上げました.

  そして結局今PCを使って作業中というわけです.

  横には,20個以上のダンボール.未開封です.あけているヒマは当分ないでしょう…

  なんとなく新しい季節が始まる雰囲気.机移動を手伝ってくれた諸氏に感謝です.

03月24日
(日曜日)

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なんとなく角煮の味/イタリア戦線異状あり

 [食べる・飲む] いきなり,本格回鍋肉

  豚上バラを塊で買ってきて,ねぎの青身と生姜皮と一緒に圧力鍋で15分.取り出します.

  このゆで汁がまたなんとも絶品のスープになる(冷ましてから油を取ることを忘れずに…).翌日ワンタンスープに化けました.

  肉を薄切りにし,中華なべでニンニクスライスと刻み生姜をゆっくり炒めます.香りが出たら肉を炒め,トウバンジャン(私の場合は少なめ)を入れる.ねぎを入れ,キャベツをどっさり.油が回ったところで(炒めすぎないように…),鍋肌から合わせ調味料.

  合わせ調味料は,ティエンメンジャンと砂糖と酒と醤油を同量.肉100gに対して各大さじ一杯というところ.

  味がからまったらごま油をちょいっと.はい出来上がり.

  豚肉からほのかに甘味が出ていてこれがウマい.キャベツもしっかり歯ごたえが残っていてよいよい. 一人で食べるにはもったいないが,やっぱり独占してしまいましょう…

 [サッカー] その前に早朝TVでイタリアサッカーParmaJuventus戦を,最後だけちょっと見る.中田フル出場でなかなかの動き.不遇をかこっていてもちゃんと用意しているんですね.試合は押し気味のパルマが終了間際のゴールで1-0勝利.Juventus優勝戦線から一歩後退.

 [森と樹] ちょっと寒いのであります.桜が咲いているのですから花冷えというべきなのでしょうが,ちょっと季節が例年よりずれているような…

  下井草周辺は桜がたくさんあり,通勤途中の眼を楽しませてくれます.そういえばいつもより散歩している人が多いような. 一方駒場周辺は花の盛り.ボケがあるカイドウもあるスオウも咲いている. レンギョウもしっかり存在をアピール.

  屋久島から帰ってきて意外だったのはハクモクレンが散り始めていたことでした.ちょっと残念でしたが…

  そういえば今年も新宿御苑のハクモクレンを見にいけなかったですね.

 [研究][生活] 研究室は内部引越しなのであります.深夜誰もいないときに荷造り作業.隣りの部屋に移ります.

  ダンボール箱を数えたら31個でした.ちょっと小さい箱が多かったせいもありますが,ずいぶん多いものです.

03月23日
(土曜日)

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林業の明日/本屋ひさびさ

 [文献] 知人が本を出したという知らせが入ったので,久しぶりに本屋に行ってみました.そういう時間がなかなか取れないのです.

  新しい本の題名は「日本の森はなぜ危機なのか」というもの.まえがきは著者自身が公開しています

  本屋をいろいろ巡っているうちに,書店主の策略に引っかかったのか(笑)いろいろ本を買い込んでしまいました.

 [森と樹][経済・社会] [1]「日本の森はなぜ危機なのか〜環境と経済の新林業レポート」田中淳夫著/平凡社新書ISBN4-582-85133-9/2002.3.20199pages/¥760

  普段漠然と考えている日本の林業の危機とその対処法について再考を迫る本です.

  林業問題は流通問題であるという側面を持ちます.そこを指摘するという点が最も新しい.

  他に「紙から木へのリサイクル」「間伐なしで木材を得る方法」「ハイテク焼畑」などは,始めてこの種の知識を目の当たりにする人にとって面白いでしょう.

  林業には,簡単ではないが明るい明日がありうる,そういう著者の主張が伝わってきます.

 [森と樹] [2]「『森を守れ』が森を殺す〜自然保護運動の常識を撃つ」田中淳夫著/新潮社OH!文庫ISBN4-10-290034-9 2000.10.10/296pages/¥562

  著者が森林と林業について書いた始めての書が文庫化されたものです.これまた作者による紹介ページがあります. じつは文庫化される前のものを持っているのだけど,つい買ってしまいました.

  森林はCO2を吸収しO2を放出するという言い方があります.それ自体は森林の一面を正しく捉えているわけですが,CO2→O2となったとき余った「C」はどこに行ってしまうんでしょう?

  もしこの「C」が延々と森林にたまりつづけるなら,確かに森林はCO2を減らすものとなります.

  現実には,そうである森もそうでない森もある.生きている木が溜めた「C」も,呼吸や腐敗で有機物が分解され,CO2となって空気に戻ってゆく,その「吸収」と「放出」の差し引きで,その森林が二酸化炭素を吸収するかどうかが決まるのです.

  まぁ冒頭部分がそんな感じで始まるので,著者の意図とは違ってなかなか過激な題名になってしまったようですが,中身はそれほどムチャクチャではありません.

  「森林の公益的機能」について考えのある人,一家言ある人にはお薦めの本です.

  ただ現在は,この本が書かれた当時よりも単純な(思考が足りない)自然保護運動は減っているように思うのですがいかがでしょうか.

 [経済・社会] [3]「会長はなぜ自殺したか〜金融腐敗=呪縛の検証」読売新聞社会部編/新潮文庫ISBN4-10-134831-6 1990.10.1/315pages/¥514

  昨日紹介した「会社がなぜ消滅したか」が文庫になっていることを発見.その隣に置いてあるこの本をつい買ってしまいました.未読.

 [文化芸術] [4]「仏像の見方〜メガネをかけたようにわかる」「サライ」編集部編/小学館ISBN4-09-343501-4 2002.4.10/¥1200

  またなんでこんな本を…(笑)

03月22日
(金曜日)

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普通の人の普通の腐蝕/引き取り手募集/美しき拍手

 [文献] 昨日書いた「会社がなぜ消滅したか」の印象的な部分はいくつかあるけど,その一つが「あとがき」(読売新聞社東京本社社会部次長 清武英利氏著).

  こんなことが書いてあるのです.ちょっと長いけど引用:

山一の破綻に,超人的な人物や際立った悪人は登場しない

法廷の廊下で健康談義を交わす,かつての「ドン」とナンバー2の元社長,涙の多かった新社長,ヤケ酒を飲んだ最後の会長,逆転の合併を模索した野心家の若手取締役,小沢一郎氏に延命を託そうとした元副社長,破綻した会社に何か月も泊り込んだ硬骨の調査委員長…いずれも,私たちの隣りにいる等身大のサラリーマンばかりである.大企業消滅という異常事態がなければ,ノンフィクションの追跡の対象になりえない人たちだったであろう.だからこの本は,そうした平凡な人間たちの失敗の連鎖を記録したものとも言えるかもしれない.
もっとも,ちょっと注意しなければならないのは,この本はそういう人たちを特別扱いしなかったという言い方も出来るということです.

  つまりウケを狙うんだったら,それこそ破綻の原因を作り育ててきた人たちを徹底的に悪人に仕立て上げ,たとえば「硬骨の調査委員長」を巨悪と戦うヒーローになぞらえるという書き方も出来るはずなのです.

  この本がそういうことを全くやっていないわけではないのですが,しかし,あくまで等身大の普通の人として書こうという態度も強く見えます.

 [研究][文献] American Geophysical Union(AGU)の会員は,同学会発行の雑誌をオンラインで見ることができます(新しい号の閲覧には有料登録が必要).1995年からWater Resources Researchを郵送で読んでいた私は,従って7年分の同雑誌を持っているのですが,オンラインで見られる同誌は既に1990年から後全部ということになっています.それに雑誌を持っていても現実に目を通すのはそのうちの一部.本棚を大量に占領しているこの雑誌を,処分することにしました.

  Water Resources Research, Vol.31〜Vol.37 (1995-2001,ところどころ抜けあり)です.どなたか欲しい方いらっしゃいます? 今度の木曜日に処分します.

 [研究][ひと] 東大弥生キャンパスの弥生講堂.工学部社会基盤工学科の玉井先生の最終講義でした.

  結構ウケていたのが印象的.年齢層によってはかなり面白いジョークなのかもしれません.淡々と,これまで35年間通ってきた道を振り返り,笑顔で終了.満場の拍手,拍手でした.

03月21日
(木曜日)

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過剰な紙

  (どこをほっつき歩いていたんだという声が聞こえてきそうですが,生まれて始めて屋久島に行っていました.仕事でですよ.ちゃんと調査らしきこともしてきました.結論:水文学者,屋久島の山を歩くべし.場所によってはとっても簡単にいけます.もっとも場所によっては,生命の保証はできず… じつは行きも帰りも飛行機トラブルで,なぜか鹿児島に二泊することになりました.縁があるのかな?おかげさまでシラス台地周辺の地形はよく観察できました. 事実上始めての九州体験でした.)

 [文献][経済・社会] 朝,読売新聞社発行「会社がなぜ消滅したか」を一気に再読.何かあると読み返してしまう本です.もう忘却の彼方かもしれないけど,1997年に自主廃業を発表して翌年消滅した山一證券のことを描いた本なのです.

  1998年3月31日,各支店最後の日.3時にシャッターを下ろして101年の歴史に幕を閉じたところの描写は実に泣ける部分です.苦い乾杯・記念写真・泣き出す社員・肩を組んでの蛍の光斉唱.

 [研究][生活] 研究室引っ越し.といっても研究室内での話.4月からイッキに人が増えるのです.三人分の場所を占拠している私も隣の部屋へ.そういえば理学系大学院地理学教室の時は,研究室ごと別棟に移るという引っ越しがあった.あのときはダンボールが38個になった(学生間で一位だったと思うが,単独一位ではなかったというところが面白い.いや,笑い事ではなくて,一位タイの二人はじつは同じ部屋の住人なのであった!その部屋がどんな状態であったか想像してみましょう(笑))という思い出があります.さて今回はいくつになるか.

  結論から言うと少しは減るはずです.家に相当持って帰っているからです. で,今日も少し持って帰る.

  今日は屋久島から担いできたザックの回収に車で来ているのですが,これには文献回収という目的もあるのです.

 [研究][文献] AGU(American Geophysical Union)の学術雑誌Water Resrouces Researchは,会員ならばいまや1990年のものからオンラインで見ることができます(昔のはスキャンものか?写真が黒くつぶれていたりするが…). というわけでこれまでタメてきた印刷版を一気に持ち帰り処分することにしたのです.

 [車][文献] 紙質が良すぎるのか,一冊一冊が実に重たい.ダンボール箱の重さも,こりゃサスペンションがイカれるんじゃないかと思うほどのものです. 少なくとも,ヘッドライトの光軸が少し上がって対向車は迷惑だろうな…

03月20日
(水曜日)

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  (朝の便で羽田へ.そのまま研究室へ…と思ったら行きにとりあげられた預けたキャンプ用ボンベを回収するのを忘れていたことに気づき,羽田に引き返す.結局昼頃研究室着.お土産で満杯のザックを背負った私は,ちょうど皆昼飯に出るところでバッタリ鉢合わせ.)

03月19日
(火曜日)

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  (朝,徒歩で大川の瀧往復.瀧は,写真では分からないスケール.しばらく瀧前で何にもせずノンビリしていた.と思ったら同じことをやっているらしい女の子がいた.でもお互い言葉を交わさずサヨウナラ.近くで大川湧水も発見.花崗岩地帯の水とは全く水質が異なる. バスで中間に行き,有名なガジュマルを見る.お年よりに何回も声をかけられる. バスで空港に行き,今度は快晴の峰を見下ろしながら鹿児島へのフライト.シラス台地の地形もよく見えた. そうしたら鹿児島からの便がエンジン故障により飛ばす.近くのホテルに無料で宿泊. 結局,行きも帰りも鹿児島泊.)

03月18日
(月曜日)

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  (新高塚小屋→花之江河湿原→湯泊歩道→湯泊. バスで栗生にいき民宿泊.  湯泊歩道は適度な荒れ方で結構楽しめる.一人も人間に出会わず.山慣れしていない人だけで行かないように… 教訓:この山では,巻き道が一番恐い. 一日中快晴.)

03月17日
(日曜日)

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祠に祈る

  新高塚小屋→焼野三叉路→永田岳往復→宮之浦岳(屋久島最高点.九州全体からみても最高峰)→花之江河湿原→石塚小屋

  この日のレポも別便にて. 以下はまとめ.

  宮之浦岳・栗生岳・永田岳はいわゆる屋久島三岳.いろいろなピークや巨岩は,伝統的な「岳参り」の対象です.例えば縦走路脇にある栗生岳の巨岩と巨岩にはさまれた岩窟には祠があります.

  基本的に尾根道なのですが,水場に不自由しません.こんなに稜線に近いところから水が湧き出ています. また,高木限界を超えている部分がおおく,笹原を行く快適なコースです.ちなみに天気は高曇り.

  焼野三叉路から永田岳を往復する道は注意が必要.背丈以上の笹薮の部分があります(ほんの一部だけですが).また,稜線は二重山稜状の複雑な形をしており,踏跡はそれを右に巻き左にそれとこれまたややこしい状態です.もっとも,きちんと地図を読めれば何の造作もないですが…

  永田岳から三叉路に戻る途中,昨日の同宿者パーティと会いました.様子が変.迷っているようです.

  地図を持っていませんでした. 「永田岳はどれですか?」とも聞かれました.正面にデンとそびえているのがそうなのですが…

  そんなんで大丈夫なのでしょうか.私は,ワンゲル出身という人に会ったら,その人は地図を読めるものと勝手に決め付けてしまうのですが.

  永田岳への道,それから花之江河−石塚小屋間の道に比べて,主稜線は実によく整備されています.木道がおおい.これは縄文杉周辺と同様に,人が多く入ると道が深くほれてしまうからであると思います. こういう道が山じゅうに張り巡らされていると勘違いすると,地図なし山座同定なしで,わき道を突っ込んでしまうことになります.

  石塚小屋はブロックつくりの小さな無人小屋.同宿者なし.静かな夜でした.

  夜はまとまった雨が降りました.少なくともここでは,今日も「1mm以上の降水があった日」になったことでしょう.

03月16日
(土曜日)

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谷と杉

 [森と樹][地形・地質] 縄文杉コースであります.5:34のバスにのり,6:20ころ登山口へ.詳しいレポは別便にて.

  まとめると,トロッコ道を延々と歩いて切り株更新と花崗岩山地渓流を観察,途中水場が異常に多いことを確認.登山口に入ったら木道でガチガチに固められているのですが,これは登山道侵食を防ぐためであると一目でわかります.

  地形図に出てこないスケールの細かい谷をいくつもいくつも渡ります.従って予想外にアップダウンが多い道.天気は本降りの雨.

  しかししかし,これらの谷の美しさは,縄文杉に比べればあまり紹介されないけれども,特筆に価するものでした.

  途中で斜面土層の露頭あり.10〜20cm程度という実に薄い土層の下は2m以上のマサ(花崗岩の風化した小砂利)になっています.

  縄文杉は急斜面に立っていました.現在は,斜面下方の展望台から見ることになっています.無理もありません.急斜面を多くの人が歩くと薄い土壌が流失し,根が踏まれ,木にとってはろくなことがありません.

  この種の巨樹は,近くに行けばいくほど加速度的に大きさを感じるようになります.しかし,近寄れないのは致し方ないことです.

  縄文杉すぐ先の高塚小屋で,同行者と昼食.ここからは単独で登りつづけます.ちょうど晴れてきました.

 [ひと][文学と言語] 新高塚小屋泊.大学ワンゲルの面々でけっこう混んでいました.いつもはマイナーなルートを中心に歩くので,こんな賑やかな山小屋は久しぶりです.

  女子部員がおおぜいいます.今のワンゲルはそうなのでしょうか.おっと関西言葉ではありませんか.これはうれしい.ニコニコしながら?聞いているうちに,早寝しました.初対面の二大学のワンゲル部員らが合同でトランプを始めました.罰ゲームがイッキ飲みです.明日遭難してもわしゃ知らん(涙). 自分自身の体調はなんとか戻ってきた感じ.

03月15日
(金曜日)

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2020年の水文学を考える研究集会

  (朝イチの便でやっとこさ屋久島に着いたあと,上の題名の研究集会へ直行.屋久島環境文化研修センターというところで行われました←というか予約作業等を行ったのは当の私.研究会自体のレポートは別便にて.)

 [アウトドア] 昨日,ザックの中のキャンプ用ガスを羽田空港で取られて(飛行機に乗せることが出来ないので,空港預かり),こりゃ知らなかったどうしよう現地で買うしかないな…と思っていたら,あらなんと,ニーズがあるのか空港で売っていました.また,空港を出て右に3分くらい歩いたところにあるサムズというホームセンターでもIwataniのが手に入ります.

 [研究] 夜を徹しての議論.私は酒を沖さんがついだ一口しか飲まず精進精進.なんといっても明日朝は5時起き.といっても体調は平気か?どうも大丈夫のようです.

  寝過ごし防止に広間で寝ていたのですが,どうやら横で寝ないで議論していた面々がいたようです(私は横で誰かがしゃべっていても平気で眠れる)

  私が寝る前に繰り広げられていた議論は,どんなのがあったっけ?

  • 生物多様性は本当に必要なのか
  • AIBOの「知能」はどのように実装されているか
  • 海外学術調査のお勧めは
  • 分野の将来の姿を語り合わねばならないという事実をpositiveとnegativeのどちらに捉えればいいのか
  • あとなんだっけ,
とにかく一癖も二癖もある面々があつまると実に面白い議論が展開されます.

03月14日
(木曜日)

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鹿児島

 [身体と健康] とにかく病院へ. しかし病院にいるだけでなんだか具合がよくなってきたぞ.ハイパー病院(笑)

 [研究] 無理をしてでも行くことに決定.なんと,羽田までタクシーという贅沢三昧.

  機内ではちょっとぐったり.なに,有料でビールのサービス?しかしそんなものを飲むになれないのでした.

  鹿児島空港では京大の大手さん内田さん徳地さん(初対面?)に遭遇.雨.アナウンスは,「屋久島空港の天候によっては鹿児島に引き返すこともあります」.

  とりあえず宿に連絡.天候と飛行機のことを言ったら,「ああ,よくあることですヨ」といわれてしまう.先に着いていた沖さんにも連絡がとれました.「僕らがついた便でもそう言ってたよ」とのことなので,「飛行機会社としては,とりあえず言っとけということなのかな」と甘いことを考えていました.

  始めてみるYS11は,雨の中を飛び立ちました.結構乗っています.よく揺れます.

  屋久島空港着陸を試みること二回,結局うまくいかず,引き返すことになってしまいました.

  その間機内は大揺れ.ベルト着用サインは煌煌とつきっぱなしです.気持ちが悪くなっても洗面所で吐いてくるということが出来ないわけで,周囲では座席前に置いてあるゲ○袋が大活躍.

  搭乗時には乗客の中で一番顔色が悪かったに違いない私でしたが,皮肉なことにそれ以上症状が悪くなることはなく,鹿児島に降りたときには顔色悪さ度は多分したから数えたほうが早かったはずです. それになんだか調子がよくなってきたぞ…飛行機に乗って体調がよくなったなんて始めて.

 [経済・社会] この便は結局欠航扱いとなってしまいました.これは飛行機会社の責任ではないわけで,空港の係員も結構サバサバとしています.では次の便(最終便)にチャレンジなのかと思ったら,行き違いでもう出てしまったあとでした. 京大の方たちと観光案内に行き,近くの安いホテルを紹介してもらいました.

  迎えにきたホテルの車は,どう見ても割烹料理屋というデコレーション.それにハンドルを握っているのは板前の格好の人.着いてみて吃驚,海鮮料理屋の上の階がホテルなのです.夜は皆(四人)でその料理屋.

  屋久島に連絡したところ,最終便はちゃんと着いたのだそうです.なんと僕たちの便だけが欠航なのでした(他に,違う行き先の便は何便か欠航したらしい)

  夜の議論は,地球研の位置付け・生産研の実態・京都市街地の人口動態・IDEデバイスの認識問題などなど…

  同じころ屋久島の宿では23時ころまで自己紹介セッションが行われていたそうです.ちなみにこれ,18時終了予定だったものなのですが.

 [研究] ところで私が今参加している学会が12あるということを言ったら,じゃぁ全部言ってみてということになり,指を折りながら言ってみると,どうしても一つ足りない.何を言い忘れたのかなと思っていたら,あとで気づいた.土木学会です. おいおいオレはいま土木系の研究室にいるんじゃなかったっけ…

  ちなみに,入っていそうでまだ入っていないのは,気象学会地下水学会情報処理学会生態学会陸水学会第四紀学会など.

03月13日
(水曜日)

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忙殺!

  長期の出張(3/14〜19.後日記:飛行機トラブルにより実際の帰京は3/20になった)となるとその前に片付けるべきものが山のように.

  結局1時ころ帰って,寝ずに仕度.と思ったけど3:30まで仕事が.

  それから仕度.と思ったらそうは問屋が卸さなかったのです.腹痛吐き気,まぶたが腫れて目が開かない.なんだコリャ.朝イチで医者行き決意.

  あとで考えたら,この時点で飛行機会社にキャンセル連絡を入れるべきでした.うーむ余裕がないぞ.

  もうこの時点でとっくに3/14なので,あとは明日の分の日記.果たして屋久島にはいけたのでしょうか?乞うご期待.

03月12日
(火曜日)

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屋久島予習

 [研究] 屋久島には遊びで行くんじゃなくて,IAHSのHydrology2020にあわせて,国内でも「2020年の水文学」を考えようという研究集会なのです.

  今日の研究室セミナは,くしくもその屋久島参加者による,それもなぜか全員屋久島ないしHydrology2020関係の発表.屋久島議論へのいい予習になりました.

 [身体と健康] と言いながらも,風邪の流行は相変わらずでまた一人欠席連絡.最近胃に穴が開いたとか肺に水がたまったとかヘルニアが再発したとか股関節を脱臼したとか,周囲に身体を悪くする人が多いなぁ. って人のことは言えませんが.

 [食べる・飲む] 3/20は修論生卒論生お疲れさん&さよならパーティ.しかしいけないことが確定.去年もそうしたように,彼らには個人的に餞別だ.

03月11日
(月曜日)

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駿河台を歩く

 [地理] 東大生産技術研究所は,じつは15分ばかり歩くと日本地図センター. 屋久島の地形図を買いに行きました.

  なんと一枚在庫切れ.地図セがなんでやねんと思ったのですが,4/1に図幅の新発行があるとのこと.地図セならではの品切れなのですね. 渋谷大盛堂は先日行ったらあの地図コーナー(僕は大好きなところだった)がなくなっていたし,さてどこに行こう?と思っていたら,困っている様子を見かねたのか職員が紹介してくれたのが,なんと昔のおなじみ内外地図(駿河台).

  ギリギリ時間はある.どうせだからと行って来ました. ついでに神保町の古本屋…という時間がなかったのが残念.久々の外歩き.

 [天気と季節] 研究室花見会は4/6から4/13に変更になったそうです.どちらにしても行けないな… それにしても桜の季節じゃないな.まぁ別の花もあるか(後日記:3/20に屋久島から帰ってきたらもう咲きはじめていました)

03月10日
(日曜日)

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魔法のような弾道/払いすぎの歌

 [サッカー] イタリアサッカー,今年の優勝の行方を争う大一番,Inter MilanoJuventusの試合,早朝4時半からライブで見る(サッカー以外のTVはほとんど見ないのですが).インテルはセードルフの奇跡的なロングシュートで二点,ユヴェントスは渋い渋いヘディング二発でともに譲らず. 前半最初から飛ばしすぎで最後は結構大味になったけど,それでも最後まで緊張感あふれる試合でした.久しぶりにあっという間の90分を体験.

 [サッカー] 昨日のエスパルス,今週もVゴール勝ち.延長に入ってすぐにVゴールを決めて,なんだか勝ち点1損した気分だった先週とは違い,今日は延長後半終了2分前のゴールで,ちょっと得した気分?

 [経済・社会] ところで,確定申告です.今日は書類を作成.私は年末調整は行ってもらっておらず,毎年自分で税務署に行きます.

  あれ,まだ定率減税やっているのか,などといろいろなことが分かります.配当とか住宅取得とかのいろいろな減税処置がとられていることも分かります(もちろん僕自身は関係ないけど).

  こういう用紙を作ったり配布したり税務署にシステムに組み込んだり,という時間まで考えると,税制を考えるには数ヶ月先の経済状況を読み通す眼力が必要なのですね.

  毎年そうだけど,源泉徴収ではちと多く取られすぎということなのでいくばくか返って来ます.だったら最初から取りすぎなければいいのにと思わないでもないけど,現行の制度を元にする限り,毎月の収入をもとにしては納税額の計算ができないので,しょうがないといえばしょうがない.

  配偶者控除も扶養者控除もない私もいくらかは返ってくる.ということは所帯もちの人はもっと返ってくるのでしょうか. もともと自分の可処分所得なのだから「ありがたい」と思うのは変だけど,ちょっと顔がほころぶ人が出てきそう. 考えてみれば,いつもは少なめに取っておいてこの時に「足りなかったからもっと払ってね」というのでは不満がくすぶりかねないですね(こちらも,もともと自分の可処分所得じゃないのだから文句を言う筋合いは本来ないのですが)

03月09日
(土曜日)

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40TFLOPSが動き出す

 [文化芸術] 静かなイントロから,野呂一生のフレットレスギターが「亡き王女のためのパヴァーヌ」を奏で出す.これでいつも目が覚めます.MDを目覚まし代わりに使っているのです.

  そろそろMDを変えたくなってきましたので,目をつぶって箱からエイヤと選んだら,またもカシオペア.景気よくTwinkle Wingで始まります. 途中には「Smile Again」というイイ題名の曲もある.

 [電子・コンピュータ] 昨日書いた地球シミュレータ,「4月完成すれば」ではなくてもう納入が済んだようです.

  NECのニュースリリースがありました(ZDNNの記事もあった)

  動き出すとされているのはこの11日.

  世界一の座に着いているうちに,世界の注目を集めるような成果を挙げたいもんです. もちろんその後でも充分それはできるはずだけど…

03月08日
(金曜日)

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人間はついてこられるのか

 [身体と健康] 好きなものばかり食べて,好きな仕事ばかりして,それがドーピング.だいぶ具合はよくなりました(インフルエンザじゃないというのは本当だったらしい).

  お見舞いメイル,殺到というわけじゃないけど(笑)ちらほら. と思ったら懐かしい友から手紙が来ました.紙の手紙ですよ.なんだかかえって新鮮ですね.いい「薬」になりました.

 [電子・コンピュータ] 4月完成すればその時点で世界最速の汎用計算用コンピュータとなる,地球フロンティア研究システム地球シミュレータのことはこの日記にすでに登場しました(昨年11月見に行った)(後日記:「4月」というのは間違い.3/8,つまりこの日完成でした.11日から稼動したようです→翌日の日記参照)

  最近,地球シミュレータより速いコンピュータのネタが次々とニュースになりました. 以下,リンクは主にZDNet Newsのサイトから.

  その1:48TFLOPS[完成]:これは東大理学系大学院天文学専攻のマシン(→ZDNN記事).専用チップの問題特化型で,理論的最大性能は48TFLOPS(書き忘れたけど,地球シミュレータは40TFLOPS.ちなみに現時点で実在する世界最速は12TFLOPSくらい.)

  天文学計算用の問題特化型なので,たとえばよくあるスパコン用ベンチマークであるLINPACKGaussian98フル計算などをやらせたらどんな性能になるかは分かりません(鋭い方は気づいたと思うけど,地球シミュレータについて上では「世界最速の汎用計算用コンピュータ」と書いたのはこういう意味です)

  その2:65TFOPSと100TFLOPS [発表のみ]:富士通がついにベクトル型の開発をやめてスカラ超並列へ鞍替えするのだそうです.あらまぁ,VPPはVXはどうなるのでしょうか.で,華々しくブチ上げたのがこの65TFLOPS年内出荷計画(→ZDNN記事

  あと,米国ではNCSAなどが100TFLOPSの計画を持っているとのこと(→ZDNN記事)

  ただ,この業界,発表だけ派手にやってその後うやむやになるというケースが後を絶たない(そういうのは競争相手牽制のためという噂すらある.百鬼夜行だ).どこまで信じればいいんだか.いずれにしても富士通のほうは年末明らかになりますね.

  その3:1000TFLOPS [いつできるかも知らん]:一部で名前だけは有名になっているBlueGene.具体的な性能計画が漏れてきました.1PFLOPS以上です.ペタの単位です(→ZDNN記事) IBMが,ORNLと組んで開発するとのこと. スパコン界の雄,LLNLがどう出てくるか楽しみ.

 [電子・コンピュータ] まぁ理論最大性能と実際の研究計算での性能はあまりイコールではない(車のエンジン性能と走行性能の違いにも似ている?)のだけど,そして,TOP500(世界の高速スパコンの序列を定期的に掲載しているサイト.このリストに載ることが一つのステータスになっている感がある?)で使っているLINPACKがスパコンの性能をトータルにあらわしたものとは思えないのですが,でも結構面白い争いです.

  しかし,こういう極端に速い技術革新(質的でなく量的なものであるにしても)に,ユーザやエンジニアがついていっているのか,実に疑問なんですけど.

  電算機技術は,人類に幸福をもたらすものじゃなかったんでしょうか?  理由もなく強調.

03月07日
(木曜日)

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病院にも技術革新

 [身体と健康] インフルエンザが流行っているそうで,皆様もお気をつけください.

  昨日の話です.私も頭痛高熱のどの腫れ鼻水…がでてきました(不思議なことに,そんなにだるくない)

  で,珍しく医者へ.症状を聞いた看護婦さんが「インフルエンザの疑いがありますね.検査しますね」といって,綿つきの針金のようなものを鼻の穴へ.

  痛い!

  両方の鼻の穴からしっかり鼻水をとられ,待つこと20分.結果は「陰性」でした.つまりタダの風邪というわけです.一週間安静というものでなくてよかった.なにより,昨日のミーティングで研究室全員にインフルエンザウィルスを撒き散らしたんじゃなくてよかった(でも風邪はしっかり誰かにうつしているかもしれない・・・)

  それにしても,いまや20分でインフルエンザと風邪の区別がつくのですか.医療技術のことはよく分からないけど,知らないうちにずいぶん進んでいるんですね.

  まぁそれ以前に,病気にかからないことのほうが大事か. 治ったら,部屋の掃除をしてハウスダスト削減だ(関係ある?).

 [研究] あと一週間で,屋久島研究集会開始.幹事役は大変でかつ面白い.

03月06日
(水曜日)

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水商売にも良し悪しが

 [水] 突然大量の問合せメイルが,おそらくは「名水大全管理人としての」私に届くようになりました.

  内容は,「先日TVでやっていた”日田の奇跡の水”について詳細を教えて欲しい」というものです.

  TVをほとんど見ない私がそんな番組があったこと自体知るわけがなかったのですが,Webで探ると,どうやら日田天領水という商品のWebサイトがさかんにTVで取り上げられたことを喧伝しています.多分これなのでしょう.

  水なら何でも情報をもっている便利なサイトだと思われているのでしょうか名水大全は.もちろんそう思っていただけるのは光栄ではありますが,しかし,私の守備範囲はあくまでも自然の水の流動であって瓶詰めの水の生理学的特性ではありません.

  なに,「活性水素」?液体の水の中で原子状態の水素が安定して存在できるのなら,それは面白い話です.でもこの件は専門家である天羽優子氏の「水商売ウォッチング」をご参照ください.まだ決着はついていないようです.

  天羽氏のサイトに取り上げられているトンデモ宣伝が,氷山の一角なのかそれともこれで全部なのかは分かりません.面白いのは,そこで,「論文」というものが,世間では実に重みを持って受け止められているということです.「〇〇大学の〇〇教授が論文で発表!」ということが,まるでその内容がすでに学界で認められ常識となったことの証左であるかのように書かれるのが宣伝でよく出てくるのです.

  はっきり書いておきます.論文が出たということは,その内容がひろく認められたということとイコールではありません.むしろ,これからその内容が全研究者によってチェックされる,というくらいの重みしかありません.もちろんそれ自体は重要なことではありますが,決してその内容が次の世代の科学を切り開くものになるというお墨付きが得られたというわけではありません.

  そのへんは勘違いしないでください.これからこのことは口をすっぱくして言っていくつもりです.

  名水大全メニュー画面では,「私はこの水のことは知らんよ」と書いておきました.

 [身体と健康] (後日記)もっとも,この水の効能自体を否定する気も,業者の営業を妨害する気もありません(応援しようという気もないけど).私の態度は,名水大全掲示板に書いたようなものです.

 

どのような水であるかはしりませんし,ましてや効く効かないはもっと分かりません. しかし宣伝文句や体験談(と称するもの)を信じるも信じないも皆さんの自由です. 値段と入手の手間と得られるかもしれない効能を天秤にかけた上で,買う買わないをお決めになってください. なお,その際上にあげたようなInternet資料もまた参考にされるとなおよい(自分で納得できる)決定が出来ると思います.

 
ただし「買うな」とか「やめとけ」とは言いません
 
親しい人が苦しんでいるときに,何かしてあげたくなるのはよくある話.しかしなにをすればよいのか分からないとき,他人の情報に頼るしかないのは寂しい話ではあります. が,たとえそうやって知った情報がもとであろうとも,「その人のために何かをした」と自分が納得できるための行動は取れるわけだし,なによりその真心が相手に伝われば,それは強力な「薬」となるものです.

03月05日
(火曜日)

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まにあっく

 [研究][電子・コンピュータ] 研究室セミナで発表.今日のお題は,「PCクラスタとGCM on Linux」

  Endian(バイトオーダー)問題についての紹介はちょっとマニアックすぎたか…

 [身体と健康] ミーティングの時に風邪を引くというのは二回目だな… でもちょっとしゃべりすぎました.

03月04日
(月曜日)

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一瞬目を疑う

 [文献] 題名だけを見て通販で買った「これだけは知っておきたい日本の水と世界の水」(菱田昌孝他著,東京教育情報センター 2002年1月発行,ISBN4-8081-4318-6,¥1500)という本をぱらぱら見ていると,あれ,

  オレが手伝ったが載ってる

  なんだ,誰かが盗用したのか,と思ったのですが,よく見たらその部分の著者はウチの沖さんではありませんか.「菱田昌孝他著」としか知らなかったのですが,表紙にしっかり名前が載ってました.

  それにしても派手なデザインの表紙です.

03月03日
(日曜日)

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Jリーグ

 [サッカー] 清水エスパルス,開幕戦は延長勝ち.勝ち点2.ということは勝ち点1を失ったともいえる.ま,負けるよりは百万倍よしです.

 [研究] GAME-TropicsデータのCD-ROMは,「GAME Data CD-ROM Vol.4」となることが正式決定.デザイナーKimさんから送ってもらったレーベルに,この文字を入れる必要が出てきました.

  雨量計マップをかなり改良,3度×3度マップに方向ごとのリンクをつけ(これまでGIF画像を直接だしていただけ),あとはフィリピン日雨量を追加.

03月02日
(土曜日)

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気分は北アルプス

 [研究] 上高地自然史研究会の研究発表会に行ってまいりました.中心となって動いているメンバーの一人は,実は東大地理の先輩.珍しく,発表の半分くらいに対してしか質問をしなかったので「安形が来たから安形氏質問タイムになるかと思ったんだけど」といわれてしまいました(笑).

  ディープなフィールド話が聞けたのは,やはり行ってよかったです.

  こういう会に入っていると「自然は変貌する」ということは当然のように思えてきますが,しかし実はそういう自然観が世間に広く広まっているわけではありません.だから上高地で「自然に」起こっている土砂移動を「防ぐ」ために,上高地らしさをスポイルしてしまうかもしれない砂防工事が行われてしまうのです.

  とかなんとか言いながら,実は私は上高地に行ったことがなかったりするのですが(爆).すべては自分の五感で確かめたいものです.

03月01日
(金曜日)

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ふたたびのAGATA

 [地形・地質] ロッククライミングでイタリアに行っていた知人が買ってきてくれたお土産は,イタリア語の鉱物図鑑.

  めくっていたら,「Quarzo」(石英)のところで,とある綺麗な写真のキャプションにこう書いてありました.

  Agata (Brasile)

  なんだいこりゃ,と思って本文を見てみると,本文にもAgataという単語が出てきています.

In questo sedondo caso rappresenta delle varietà di pietre semipreziose che prendono il nome di agata, diaspro e corniola.
・・・とまあ知ったような顔して書いたのですが,実は私はイタリア語はさっぱりわかりません(笑).

  イタリア語でAgataってどういう意味なんでしょう?情報求む.

  KOKUYOの椅子にAGATAという名前のシリーズがあるというのは昨年書いたけど,こちらの語源はいまだ不明.本当にショウルームに行って聞いてみたくなりました.

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安形氏にめいる
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