ALMA Standard Model Output: →原文| ↑ALMA バージョン1| ↑↑ALMA データ規約ホーム
LSSの相互比較における,標準的な出力変数の定義をまとめたものが下の表です.ただしこの表は,GLASSの各種プロジェクトの要求する仕様が明らかになってゆくにつれて,どんどん「成長」してゆくことが予測されます.
表を見れば分かりますが,正負規約が二種類あり,そのうち一つを,参加者の判断で採用することになります.全ての変数について,その正負規約はこれらのうちどちらか一方で統一しなければなりません.また,どちらの方式を選んだのかを,netCDFヘッダに書く必要があります.
これらの変数の時間間隔はLSS相互比較プロジェクト毎に選ぶことになります.これはその時点で利用可能なデータと,プロジェクトの目的によって決まる事柄です.なお,一般的なルールとして,フラックスデータはその時間間隔内に渡って平均化した値を用います.一方,他のデータは各時間ステップの瞬間値を用います.後者の理由は,こうすることにより日周期やトータルの変化量をよりよく捉えることができるためです(もちろんこれはその瞬間値が各時間ステップの代表値とみなせるほどタイムサンプリング間隔が短い場合にのみいえることですが).下の表では,時間間隔内の平均値を出力する必要がある変数については赤で表記しています.
各変数は大まかに7つのカテゴリに分けることができます.これは最初のほうは一般的なもので,後の方になるほど特殊なものになります:
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き (慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
SWnet |
純短波放射量 Net shortwave radiation |
短波放射の入射量から,シミュレートされた外向き短波放射量を引いた値.グリッドセル全体の平均値. | W/m2 | 下向き | 下向き | 必須 |
LWnet |
純長波放射量 Net longwave radiation |
長波放射の入射量から,シミュレートされた外向き長波放射量を引いたもの.グリッドセル全体の平均値. | W/m2 | 下向き | 下向き | 必須 |
Qle |
潜熱フラックス Latent heat flux |
蒸発潜熱.グリッドセル全体の平均. | W/m2 | 上向き | 下向き | 必須 |
Qh |
顕熱フラックス Sensible heat flux |
顕熱エネルギー.グリッドセル全体の平均値. | W/m2 | 上向き | 下向き | 必須 |
Qg |
地中熱流量 Ground heat flux |
地下に入った熱フラックス.グリッドセル全体の平均値 | W/m2 | 下向き | 上向き | 必須 |
Qf |
融解熱 Energy of fusion |
固体/液体間の相変化に伴って吸収されたり放出されたりしたエネルギー | W/m2 | 固体から液体へ | 液体から固体へ | 推奨 |
Qv |
昇華熱 Energy of sublimation |
固体/気体間の相変化に伴って吸収されたり放出されたりしたエネルギー | W/m2 | 固体から気体へ | 気体から固体へ | オプショナル |
Qtau |
モーメントフラックス Momentum flux |
module of the momentum lost by the atmosphere to the surface. | N/m2 | 下向き | 下向き | 推奨 |
Qa | Advective energy | 雨によって積雪表面に運ばれた熱量 | W/m2 | 下向き | 下向き | オプショナル |
DelSoilHeat |
土層の貯熱量の変化量 Change in soil heat storage |
熱収支計算の対象となる土層全体の貯熱量の変化量.タイムステップ間全体にわたってのトータル量. | W/m2 | 増加方向 | 増加方向 | 推奨 |
DelColdCont |
積雪層のCold Contentの変化量 Change in snow cold content |
熱収支計算の対象となる積雪層全体のcold contentの変化量.タイムステップ間全体にわたってのトータル量. | W/m2 | 増加方向 | 増加方向 | 推奨 |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
Snowf |
降雪強度 Snowfall rate |
グリッドセル全体およびタイムステップ間にわたって平均した降雪強度 | kg/m2s | 下向き | 下向き | 必須 |
Rainf |
降雨強度 Rainfall rate |
グリッドセル全体およびタイムステップ間にわたって平均した降雨強度. | kg/m2s | 下向き | 下向き | 必須 |
Evap |
全蒸発散量 Total Evapotranspiration |
グリッドセル全体にわたって平均した全蒸発散量. | kg/m2s | 上向き | 下向き | 必須 |
Qs |
表面流出量 Surface runoff |
地表流および速い地下水流による流出量 | kg/m2s | グリッドセルからの流出 | グリッドセルへの流入 | 必須 |
Qrec |
涵養量 Recharge |
河川からフラッドプレーンへ涵養された水の量 | kg/m2s | グリッドセルへの流入 | グリッドセルからの流出 | オプショナル |
Qsb |
地下水流出量 Subsurface Runoff |
gravity drainageの量および遅いレスポンスの側方流による流出量 | kg/m2s | グリッドセルからの流出 | グリッドセルへの流入 | 必須 |
Qsm |
融雪量 Snowmelt |
固体から液体への相変化により生み出された水の量の平均. | kg/m2s | 氷から液体水へ | 氷から液体水へ | 必須 |
DelSoilMoist |
土壌水分の変化量 Change in soil moisture |
土層全体に含まれている水の量の,タイムステップ間の総変化量.グリッドセル全体にわたる平均. | kg/m2s | 増加方向 | 増加方向 | 必須 |
DelSWE |
積雪当量の変化量 Change in snow water equivalent |
積雪層に含まれている水の量(液体水換算)の,タイムステップ間の総変化量.グリッドセル全体にわたる平均. | kg/m2s | 増加方向 | 増加方向 | 必須 |
DelSurfStor |
地表貯留量の変化量 Change in Surface Water Storage |
土層・積雪層・遮断以外(湖・くぼ地貯留・河道貯留など)に含まれている水の量(液体水換算)の,タイムステップ間の総変化量. | kg/m2s | 増加方向 | 増加方向 | 推奨 |
DelIntercept |
遮断貯留量の変化量 Change in nterception storage |
キャノピー層における液体水貯留量の変化量.タイムステップ間の総変化量. | kg/m2s | 増加方向 | 増加方向 | 推奨 |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
SnowT |
雪の温度 Snow Temperature |
積雪層の深度平均温度.グリッドセル全体の平均. | K | - | - | 必須 |
VegT |
キャノピーの温度 Vegetation Canopy Temperature |
植生キャノピー層の温度.全植生タイプにわたる平均. | K | - | - | 必須 |
BaresoilT |
裸地面温度 Surface bare soil temperature |
裸地表面の温度. | K | - | - | 必須 |
AvgSurfT |
平均地表面温度 Average surface temperature |
全ての植生タイプ・裸地面・積雪面を平均した表面温度.. | K | - | - | 必須 |
RadT |
表面放射温度 Surface Radiative Temperature |
表面有効放射温度.グリッドセル全体の平均値. | K | - | - | 必須 |
Albedo |
表面アルビード Surface Albedo |
全波長のアルビード.グリッドセル全体の平均値. | - | - | - | 必須 |
SWE |
積雪の水当量 Snow Water Equivalent |
積雪全体の水当量.グリッドセル全体の平均. | kg/m2 | - | - | 必須 |
SurfStor |
地表貯留量 Surface Water Storage |
土層・積雪・遮断貯留以外の貯留量(湖・河道貯留・窪地貯留など) | kg/m2 | - | - | 必須 |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
SoilMoist |
各層土壌水分量 Average layer soil moisture |
ユーザが(LSSが?)定義した各土層における土壌水分量(3D変数.各層ごとにデータがある). | kg/m2 | - | - | 必須 |
SoilTemp |
土層各層の温度 Average layer soil temperature |
ユーザが(LSSが?)定義した土壌層各層における温度(3D変数.各層ごとにデータがある). | K | - | - | 推奨 |
LSoilMoist |
土層各層の液体水量 Average layer liquid mositure |
ユーザが(LSSが?)定義した土壌層各層における平均の液体水の量(3D変数.各層ごとにデータがある). | kg/m2 | - | - | オプショナル |
SoilWet |
総土壌水分含有率 Total Soil Wetness |
土壌水分の垂直方向の総和を,土層がシオレ点以上に含むことができる最大の水の量で割った値. | - | - | - | 必須 |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
Ecanop |
遮断蒸発量 Interception evaporation |
樹冠遮断による蒸発量.グリッドセル内の全ての植生タイプにわたって平均した値 | kg/m2 | 上向き | 下向き | 推奨 |
TVeg |
植生からの蒸散量 Vegetation transpiration |
樹冠からの蒸散量.グリッドセル内の全ての植生タイプにわたって平均した値 | kg/m2 | 上向き | 下向き | 必須 |
ESoil |
裸地面蒸発量 Bare soil evaporation |
裸地面からの蒸散量. | kg/m2 | 上向き | 下向き | 必須 |
EWater |
水面からの蒸発量 Open water evaporation |
地表に溜まっている水の水面からの蒸発量. | kg/m2 | 上向き | 下向き | 推奨 |
RootMoist |
根域の土壌水分 Root zone soil moisture |
蒸発散に使われうる土壌水分量(シミュレーション値). | kg/m2 | - | - | 必須 |
CanopoInt |
樹冠遮断貯留量 Total canopy water storage |
樹冠遮断によりキャノピーに溜まっている水の量.グリッド内の全植生タイプに渡って平均した値. | kg/m2 | - | - | 推奨 |
SubSnow |
雪の昇華量 Snow sublimation |
地表の積雪層からの昇華量の合計 | kg/m2 | - | - | 推奨 |
ACond |
空気力学的コンダクタンス Aerodynamic conductance |
水蒸気輸送に関する空気力学的コンダクタンス.グリッドセル内の全ての植生タイプにわたる平均. | m/s | - | - | 必須 |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
Dis |
河川流量 Simulated River Discharge |
グリッド内の特定の点における河川流量 | m3/s | - | - | オプショナル |
(→データ値の範囲)
変数 | 説明 | 定義 | 単位 | 正の向き(慣用的) | 正の向き(数学的) | 優先度 |
SnowFrac |
積雪面積率 Snow covered fraction |
グリッド内における積雪域の割合 | - | - | - | オプショナル |
IceFrac |
氷面積率 Ice-covered fraction |
グリッド内における海氷域の割合 | - | - | - | オプショナル |
IceT |
氷厚 Sea-ice thickness |
シミュレーション内の水域における氷の厚さ | - | - | - | オプショナル |
Fdepth |
凍土凍結深 Frozen soil depth |
地下温度が0度となり,この深さより上では温度は0度以下,下では0度以上となるという深さ. | m | 下向き | 下向き | オプショナル |
Tdepth |
凍土融解深 Depth to soil thaw |
地下温度が0度となり,この深さより上では温度は0度以上,下では0度以下となるという深さ. | m | 下向き | 下向き | オプショナル |
SAlbedo |
積雪のアルビード Snow albedo |
積雪で覆われた地表面のアルビード.グリッドセル全体にわたる平均. | - | - | - | 推奨 |
SnowDepth |
積雪深 Depth of snow layer |
積雪層の深さ.グリッドセル全体にわたる平均. | - | - | - | 推奨 |