カラーイメージを描くには

 cptファイルさえ出来てしまえば,グリッドデータからカラーイメージ(陰影なし)を作成するのは簡単な話です.ここでは,USGSの30"DEMの一部を取り出して使用することにしましょう:

% grdraster 9 -R-108/-103/35/40 -Gus.grd

grdinfoコマンドを用いると,このデータファイルが1000mから4300mの間の値をとることが分かります.従って,次のようにcptファイルを作成します:

% makecpt -Crainbow -T1000/5000/500 -Z >! topo.cpt

 カラーイメージはgrdimageコマンドを用いて作成します.このコマンドは共通コマンドオプション(ただしデフォルトでは-Rは入力データから得ることになります)とcptファイル名を引数としてとります.主な固有オプションは次のとおりです:

表 4.3: grdimageコマンドの主なオプション類
オプション 機能と意味
-Edpi 画像の解像度を指定します(デフォルトではデータ解像度と同じです)
-Iintensfile 陰影の明るさをintensfileファイルで指定します
-M TVで用いられるYIQ色変換を用いて,グレーシェードの計算をします.
 

 さて,カラーイメージに重ねて,普通のコンターマップおよびカラーバーも描いてみたいと思います.その方法は,たとえばこんな感じになります:

% grdimage us.grd -JM6i -P -B2 -Ctopo.cpt -V -K >! topo.ps
% psscale -D3i/8.5i/5i/0.25ih -Ctopo.cpt -I0.4 -B/:m: -O >> topo.ps

 普通のコンターマップでは凸凹の詳細が反映されず,ロッキー山脈の複雑な地形がよく読み取れません.したがって陰影を付けてみたくなります.ここでは東に太陽(光源)があるものとして,陰影を計算してみます.つまり,grdgradientコマンドを用いて,N90oE方向の傾斜から陰影の明るさを計算します.grdgradientコマンドの引数としては,入力ファイルと出力ファイル名のほかに,次のオプションが指定できます:

表 4.4: grdgradientコマンドのオプション類
オプション 機能と意味
-Aazimuth この方角に向かった傾斜を計算します
-M データが地理的グリッドであることを指定します.
-N[t|e][norm[/offset]] 傾斜をnorm/offsetで正規化します(デフォルトは1,0).
tをつけるとtan-1変換による正規化が行われます.
また,eをつけると,累積ラプラス分布による正規化が行われます
 

 図4.1の左図は海底地形を元に計算した傾斜分布図です.これは正規分布とはかけ離れた形をしています.これをtan-1変換(中図)することにより,より一様な分布を示すようになります(右図).tan-1変換では,xの値(中図の横軸)を単純に±1の範囲の数(中図の縦軸)に変換します.

 
図 4.1: tan-1変換の説明
\begin{figure}\centering\epsfig{figure=eps/GMT_atan.eps}\end{figure}

 -Be-Btはいずれもよい分布を返します.個人的には,私たちは-Beのほうをよく使います.また,normの値は任意に決められますが,0.5〜5の範囲で設定すればいいでしょう.私たちが使っている設定は,

% grdgradient us.grd -Ne0.8 -A100 -M -Gus_i.grd

です.

 cptファイルと2つのグリッドデータが揃ったところで,陰影図を描くことができます.つまり,次のようになります:

grdimage us.grd -Ius_i.grd -JM6i -P -B2 -Ctopo.cpt -K >! topo.ps
psscale -D3i/8.5i/5i/0.25ih -Ctopo.cpt -I0.4 -B/:m: -O >> topo.ps
Original Text by Dr. Paul Wessel
Translated by AGATASHI.