海岸線描き:メルカトール図法

 メルカトール図法(-JMオプション)は高緯度側において図が著しく水平方向に引き伸ばされる欠点を持っていますが,それでも科学者の中ではロケーションマップ用の地図として極めてよく使われます.これは円筒投影図法の一つで,GMTは円筒投影法をいくつかサポートしていますが,このチュートリアルではこのメルカトール図法のみを紹介します.

 メルカトール図法を表現するためのオプションは以下のとおりです:
-JMwidth

 海岸線地図を描くための命令は,pscoastです.この命令は,自動的にGMT海岸線データベース(GSHHSデータベース1.3による)にアクセスします.なお,これまでに挙げた共通オプションのほかに,下に示すpscoast固有のオプションも指定しなければならない場合もあるでしょう:

Table 1.2: 海岸線プロット(またはオーバーレイ)を作るときの主なオプション類
オプション 機能
-A 海岸線の細かい凹凸や「高レベル」に設定された形状を描きません
-D 海岸線表現精度を指定します( f=完全(full), h=高精度(high), i=中精度(intermediate), l=低精度(low), c=雑(crude)
-G 陸地の色を指定します (デフォルトでは色なし)
-I 河川流路を描きます (chose features from one or more hierarchical categories)
-L 地図のスケールを描きます (単位はkm, マイル,海里)
-N 国境線を描きます (米国の州境も描きます)
-S 水域の色を指定します (デフォルトでは色なし)
-W 描画ペンの太さを指定し,海岸線を描きます.
 

 これらのうち,-W,-G,-Sのどれか一つは必ず指定しなければなりません.

 それではまず最初の例にトライしてみましょう.それはラテンアメリカの海岸線です:

pscoast -R-90/-70/0/20 -JM6i -P -B5g5 -G180/120/60 >! map.ps

こんな図が出来上がります.

Original Text by Dr. Paul Wessel
Translated by AGATASHI.