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![]() (写真:桂浜側から見た高知海岸、突堤が建設されている) |
高知海岸整備事業
高知海岸は、
ダム建設に伴う河川からの土砂流出の減少や
沖合での砂利採取などが原因となり、
砂浜が侵食されてきました。
このため、台風に伴う高潮や波浪に対して、
危険な状態となり、
平成3年と5年には、堤防の崩壊が起きてしまいました。
このため、海岸における安全性をできるよう
40mの砂浜幅の確保を目的に、
平成6年6月に桂浜から西に約10kmの区間が
建設省の直轄海岸工事施行区域に指定されて、
事業が進められています。
事業の中心は、長さ150mの突堤の建設です。
突堤は人工の岬として波を制御し、砂の供給と侵食のバランスを
保つことが目的です。
全部で7基の建設が予定されており、
今回見学した戸原6号突堤
(写真)
は、長さ70mの傾斜型被覆ブロックが完成し、
今後80mの直立型消波ブロックが建設される予定です。
そのほか、養浜工や緩傾斜堤防などの設備が、海浜の利用と
景観の観点も考慮に入れながら、計画されています。
桂浜
坂本竜馬で有名な桂浜は、年間200万人の観光客が訪れる
代表的な観光地です。
桂浜が、その美しい砂浜を保全できているのは、浜の両端にある
2つの岬の影響と考えられます。
この岬は、周囲の景観にあわせるため、
コンクリート製の人工岩による装飾が施されています
(写真)
。
仁淀川
仁淀川の河口部には、
大きな河口砂州が形成されており、
河口部での流れが大きく曲げられています
(写真)
。
また、仁淀川の流域には、低地が広がっています。
支流の波介(はさい)川流域は、上流部ほど標高が低いという
特殊な地形であり、洪水時には仁淀川からの水が
逆流し氾濫を起こすことが問題になっています。
このため、波介川と仁淀川の合流点を河口部に移すことが計画されています
(波介川河口導流事業)。
合わせて、海からの潮流の逆流を防ぐ潮止堰の建設と、仁淀川に見られるような
河口砂州による閉塞を防ぐための河口砂州対策堤防の建設が
計画されています。
同じく支流にあたる宇治川についても、洪水時の流下能力向上のために、
「新宇治川導水路」の建設が予定されています。