TRMM/PRによる後方散乱係数観測合成画像と降水観測データとの比較
1998年2月と1999年2月のTRMM/PR地表面データによる合成画像を、
GHCN(Global Historical Climatology Network)による降水量の観測値と比べた。
GHCNのデータは1998年2月と1999年2月それぞれについての観測値の月平均から
1961年から1990年までの30年間の平均値から求まった気候値を引いた偏差を示す
(http://www.ncdc.noaa.gov/ol/climate/research/ghcn/ghcn_map.html より取得)。
TRMMデータの解析図では北米のフロリダ半島からミシシッピ川流域までと、
ロサンゼルス付近において1998年の方が1999年より青くなっている。
一方GHCNによるこの付近での降水量データは、
1998年には気候値よりも50%以上多い降水量が観測されたという結果になっており、
1999年はその逆に少雨の傾向が観測されている。
中国東部に関してもTRMMデータの解析図は1998年の方が青くなっているが、
この地域についても1998年が多雨傾向、
1999年が少雨傾向を示すという観測値と一致している。
南アフリカについて降水量の観測値を見ると、
ケニアからザンビア付近で1998年の方が1999年よりも多雨傾向になっている。
TRMMの解析図でもビクトリア湖やタンガニーカ湖、
マラウイ湖の周辺では1998年の方が1999年よりも青くなっているのが見てとれる。
しかし例のリンポポ川河口部の逆V字が見えるマプート近くに関しての降水量だけは、
図では小さい数点でしか示されていないが、
1998年に少雨傾向で1999年が多雨傾向という観測結果になっている。
従って新聞報道による1999年は干ばつで1998年は集中豪雨という現象も
この地域においては逆で、
これが2000年の洪水の際に見える逆V字が1999年には見えるが
1998年には見えない理由であると考えられる。
1998年2月(14日から28日の平均) | (モザンビーク周辺の拡大図) |
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1999年2月(14日から28日の平均( | (モザンビーク周辺の拡大図) |
1998年2月(1961年から1990年までの気候値からの偏差) | 1999年2月(1961年から1990年までの気候値からの偏差) |
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