nearestneighborコマンドは簡単な"Nearest Neighbor"法による平均化を用いたグリッディングを実行します.この手法はもともとのデータ密度が十分高い場合に有効な方法です.nearestneighborは局所的手法です.つまり計算対象の点(ノード)の近くにある元データしか参照しません.もっと詳しく言うと,当該ノードを中心として探索範囲分の半径を描き,その円をn個の「セクタ」に分けたときに,各セクタで最も当該ノードに近い点を計算対象点とします(各セクタに少なくとも一つの点が入っていなければこのノードを計算しないという条件をつけることもできます).ノードにおける値の計算方法は,計算対象点のデータの重み付け平均となります.この重みは以下の式のように設定しています:
このコマンドの重要なオプションを表3.2に示します:
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では,ファイルship.xyzのデータを用いてグリッディングをしてみます.このファイルにはバハ・カルフォルニアの海底地形データを船舶から測定したデータが入っています.これをグリッディングして5度×5度のデータファイルを作ります.まずはminmaxコマンドを用いて,このファイルの特性を表示させます:
% minmax ship.xyz ship.xyz: N = 82970 <245/254.705> <20/29.99131> <-7708/-9>
この結果をもとにして,データ作成範囲として適切なものを選ぶと,たとえば次のようになります:
% nearneighbor -R245/255/20/30 -I5m -S40k -Gship.grd -V ship.xyz
こうしてGMT用に使えるグリッドデータファイル(ship.grd)が出来ましたので,このファイルを用いてコンターマップを作成することができます.例えば次の通りです:
% grdcontour ship.grd -JM6i -P -B2 -C250 -A1000 | ghostview -