おおまかな流れ
Step 1. 入力データを用意する
Step 2. 設定ファイルを編集する
Step 3. 各スクリプトを実行する
デフォルトのILSで用いる内挿テーブル
ILSを用いた結合実験において必要な内挿テーブルは,使われるコンポーネントによって変わってきますが,デフォルトの設定で用いられるモデルであるMATSIROとCaMa-Flood (CaMa),及びIO(入出力)の3つのコンポーネントを用いる場合は以下の8種類が必要になるかと思います.
(1) IO_bnd --> MATSIRO
(2) IO_met --> MATSIRO
(3) IO_metnc --> MATSIRO
(4) MATSIRO --> CaMa
(5) CaMa --> MATSIRO
(6) MATSIRO --> IO_mat_row
(7) MATSIRO --> IO_latlon
(8) CaMa --> IO_cama_row
IOはコンポーネントとしては1つなのですが,データの種類によって必要なテーブルが変わります.
IO_bnd
MATSIROの境界条件データを扱います.
IO_met
気象外力データのうち,バイナリファイルで提供されるものを扱います.
IO_metnc
気象外力データのうち,NetCDFファイルで提供されるものを扱います.
IO_mat_row, IO_cama_row
モデルの出力をそのまま出力します.
IO_latlon
モデルの出力を緯度経度格子系に内挿変換して出力します.
MATSIROで河道無し陸面を扱う場合,一部の内挿テーブルはそれぞれについて作成した後統合する必要があります.
「河道有り陸面」と「河道無し陸面」
MATSIROの陸面格子には「河道有り陸面(river)」と「河道無し陸面(noriv)」との2種類の陸面があります.
MATSIROはCaMaとほぼ同じ格子系を持っています.CaMaではモデル格子の解像度に応じて計算領域を矩形領域に分割し(0.5°×0.5°など),各領域を代表する単位集水域をひとつのモデル格子としています.しかしその集水域に含まれない小流域などは,河道の定義されない陸面となります.これが「河道無し陸面」です.逆に河川が定義される陸面は「河道有り陸面」と呼んでいます.
河道無し陸面はCaMaでは計算対象ではありませんが,陸には違いないのでMATSIROでは扱う場合があります(ユーザーの目的によっては省略する場合もあります).これを扱う場合,内挿テーブルは河道有り陸面と河道無し陸面とについてそれぞれ作成し,最後に統合するという流れになります.
例えばMATSIRO格子系から出力格子系IO_mat_rowへの内挿テーブルを作成するには,まず MATSIRO_river --> IO_mat_row 及び MATSIRO_noriv --> IO_mat_row の内挿テーブルを作成し,そののちにこれらを統合して MATSIRO --> IO_mat_row とする,という工程になります.
河道無し陸面を扱わない場合は,単に MATSIRO_river --> IO_mat_row を作成すればよいです.
Step 1. 入力データを用意する
Step 2. 設定ファイルを編集する
SPRINGのソースコードはコンパイル済みとします.
SPRINGのディレクトリの絶対パスを${DIR_SPRING}とします.
(1) ディレクトリをコピーする
${DIR_SPRING}/run/rt_ILS_default に移動し,サンプルディレクトリをコピーしてください.コピー先のディレクトリ名を${runName}とします.
(2) 設定ファイルを編集する
コピーしたディレクトリの中のscript内に移動し,設定ファイルconf.jsonを編集します.
多くの変数は編集の必要は無いと思います.編集する必要がある(可能性がある)のは主に以下の変数です.
> dir
SPRINGのディレクトリの絶対パス(=${DIR_SPRING}).
> MATSIRO
> nx_raster, ny_raster
ラスターの数
> nx_grid, ny_grid
グリッドの数
> west, east, south, north
MATSIROが定義される領域
> dir
各ファイルの親ディレクトリ
> CaMa-Flood
同上
Step 3. スクリプトを実行する
Pythonスクリプトを順に実行してください.