これまでの研究

++ 世界の氷河質量の変化 ++
  • 全球氷河モデルの開発

    氷河からのとけ水や地下水に灌漑水を依存する農業地域は、特に乾燥・半乾燥地域に多く位置しており、気候変動下で将来ますます乾燥化が進行すると懸念されている場所でもある。これらの地域における氷河・地下水の「ストック型」水資源が枯渇したならば、その地域の農業は不可逆的な損失を受けるであろう。また、海水面上昇に寄与していることも指摘されている。我々はこれらのリスクに対して、温室効果ガスの排出レベルに応じてどの程度の水資源、ひいては農業政策や食料安全保障に影響があるかを科学的に提示することを目指す。

    全球氷河モデルHYOGAで計算した1948-2006の世界の氷河の質量変化(mm/年)
    (Hirabayashi et al, 2010, Journal of Hydrology)
  • ++ 地球温暖化と水循環の変化 ++
  • 地球温暖化すると世界の渇水や洪水がどう変化するか.

    CMIP5による最新の洪水予測結果はこちら.
    (Hirabayashi et al., 2013, Nature Cliamte Change)

    MIROC-Hi AOGCM + TRIPによる21世紀の後半30年の洪水の頻度(上)と渇水の頻度(下).丸で囲った場所が洪水と渇水の頻度が両方とも増える場所を示す.
    (Hirabayashi et al., 2008, HSJ.)
  • 地球温暖化の人間社会への影響評価

    20世紀に起こる頻度が「50年に1度」の強さ以上の洪水に影響を受ける世界人口の変化. 灰色は不確実性の幅.
    (Hirabayashi et al., 2009, HRL.)
  • ++ 世界の長期水循環シミュレーション ++
  • 衛星データや地上観測データを数値モデルと組み合わせることで, 世界の長期水循環データを作成
    - データのダウンロードサイト(データ統合・解析システム(DIAS)内)-
    ftp://dias.tkl.iis.u-tokyo.ac.jp/pub/H08/