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水の世界地図 

[Book Cover] BORDER=0 Robin Clarke・Jannet King著
沖 大幹 監訳、沖 明 訳
発行元 : 丸善(株)出版事業部
平成18年1月30日発行
ISBN 4-621-07644-2
(ほぼ)オールカラー125ページ

目次

(巻頭)
Part 1 有限な資源
流れ去る水
増える人口、足りない水
増大する需要
水の収奪
Part 2 利用と濫用
家庭における水
食料のための水
灌漑
農業による水汚染
工業用水
産業汚染
発電用水
ダムはダメ?
Part 3 水と健康
水に手が届くか
公衆衛生
汚れた水で人が死ぬ
疫病のアジト
密やかな水汚染
Part 4 自然界の改変
水を分かつ
湿地帯の干拓
地下水のくみ上げ
拡大する都市
なりふり構わぬやり方
洪水
旱魃(かんばつ)
Part 5 水をめぐるあつれき
協調の必要性
急所
戦争の武器
Part 6 これから歩む道
"水"商売
水供給の保全
優先順位付け
将来展望
Part 7 表
需要と資源 : 国別総人口、 水資源にアクセスできる人口割合、水資源賦存量等の統計。 人口等に関しては将来予測を含む。
利用と濫用 : 国別の、 水使用量、灌漑面積、水力発電量等の統計。
(巻末)
用語集
便利な単位の換算
便利な情報源 : 参考文献、データ源
参考資料 : 各章のデータソース一覧
監訳者あとがき
索引


監訳者まえがき


地球上の水循環や地下水の状況はグローバルにどうなっているのだろうか?
世界各国で、水は何にどのようにどれくらい用いられているのだろうか?
洪水や渇水、水に関わる疫病でどんな被害が世界のどこでどのくらい 出ているのだろうか?
ダムをめぐって世界はどう動いているのだろうか?
水は人間にとって単なる必需品なのか? それとも基本的人権なのか?
水の民営化や商品化の問題って何のこと?
水環境の保全と生態系との関係は?
世界の水問題の解決へ向けて今後どうすればよいのだろうか?


───こうした疑問に答えてくれるのがこの「水の世界地図」である。

日本でも2003年には第3回世界水フォーラムが京都を中心とした淀川流域で開催され、 世界の水問題への関心は一部で高まったが、 幸いなことと思うべきであるが、 良くも悪くも日本のように設備が整った国では水災害や渇水、 水に関連する衛生上の問題を実感する機会が少なく、 たとえ「21世紀は水をめぐる紛争の世紀になる」という文言に接しても ぴんとこない人が大半であろう。

しかし、国際的には、貧困の削減、健康状況の改善、食料の確保、災害の軽減、 生態系の保全などと深く横断的に結びついている要素として 水問題の解決が極めて重要な課題となっており、 国連や先進国首脳会議などの場では近年繰り返し取り上げられている。 地球温暖化のような気候変動についても、 最も深刻な影響は水循環の変化として現れるのではないか、 とも言われているくらいである。

本書は世界の水問題にまつわる広範な話題について、 そうした国際的な場でしばしば取り上げられる 主要課題をほぼすべてバランスよく網羅している。 興味を引かれたタイトルのページを拾い読みするのも良いだろうが、 読み通すことにより、世界の水問題とその解決へ向けた取り組みについて、 基礎的な知識が体系だって得られるようになっている。

グローバルな視点に基づく世界の俯瞰と、 ローカルな視点に基づくケーススタディ的な話題の両方が タイトルごとに示されており、 グローバルな状況を背景として把握していないとローカルな問題の本質を見誤り、 逆にローカルな問題の積み重ねとしてしか グローバルな全体像が描けない水問題の特徴に即した構成である。

"はしがき"がBlue Gold(邦題「『水』戦争の世紀」(集英社新書))の 筆者らの手によっていることからもわかるとおり、 本書はどちらかといえば環境保護派の立場に立って 現状に警鐘をならす内容となっている。 しかし、警告は憂えるためではなく そうならないように回避する行動を起こすためであり、 立場や思想信条に関わらず、 水問題、あるいは広く地球環境問題とその解決へ向けた取り組みに 興味を持つ多くの方々にとって、 本書は折に触れて参照する価値のある資料となることであろう。

2005年師走
沖 大幹

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(Last updated at/on November 2006, by 沖 大幹 [HOME] )