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Combined Cloud–Microwave Radiative Transfer Modeling of Stratiform Rainfall

Peter Bauer,  A. Khain,  A. Pokrovsky,  R. Meneghini,  C. Kummerow,  F. Marzano, and J. P. V. Poiares Baptista

Journal of the Atmospheric Sciences  
Volume 57, Issue 8 (April 2000) pp. 1082–1104
DOI: 10.1175/1520-0469(2000)057<1082:CCMRTM>2.0.CO;2

[ Abstract ] [ Full Text ] [ PDF (495K) ]

詳細な粒子スペクトルを用いて、雲の放射特性を調べた。特に2次元雲モデル用いて、融解する粒子に注目している。今回の目的のため

1)      融解中は鉛直分解能を高くしている。

2)      いくつかの誘電率モデルを比較した

3)      粒径−密度の関係を評価した

4)      変数化した粒子スペクトルを用いて、再計算し、変数化の影響を調査した。

 

放射の計算は、海上で10.785.5GHzの間のマイクロ波を対象に行った。雲の中の凍結粒子の影響は大きい。5/147

融解粒子の影響の大きさは、組み込んだ誘電率モデル、融解高度直上の大きな凍結粒子(frozen particle,固体粒子の方が適当か?)の数密度、さらには局所的な雲の状態に依存する。粒子の中で、空気・水・氷が無作為に混ざっていると仮定する(Frabyと違う?)と粒子のTBは層状の雲、衛星直下で30K(37GHZ)まで増加する。仮に、融解した水が粒子の外側にあると仮定すれば、TBの変化はすべての周波数で、非現実的なものとなる。このことから、大きくて薄い(tenuous)雪結晶については、無作為混合モデルが有効と思われる。一方で、小さくて密度の大きい粒子には、水を一様でなく分布させたモデルが現実的かもしれない。しかし、正味の融解量がTBの計算値に与える影響は、融解層の上にある過冷却水が原因となる減衰に、ひどく依存している。減衰によって、85.5GHzの信号は抑えられてしまう。陸上が背景の場合、TBの変化は8K以下にとどまるが、この値では、地表面の放射による変化と雲の特性の変化を切り分け、取り出すことは困難であろう。

厳密な粒子スペクトルのモデルを、変数化した粒子スペクトル-切片を固定した指数分布-に置き換えた場合、海上で計算される融解の効果は40%まで減少してしまった。スペクトルは雨、雪、霰を表現している。指数分布では、大粒子を過小評価し、小粒子を過大評価することになる。すなわち、沈降に伴う、捕捉・凝集の効果、粒子の蒸発の効果を過小・過大評価してしまう。したがって、厳密にスペクトルを与えた場合と、変数化した場合では、融解層直上の雪・霰、地上付近の雨において、差が大きい。放射量で評価すると、融解層直上の散乱は過小評価、融解層下の融解粒子、地上付近の雨からの射出は過小評価となっている。層状の雲では、融解粒子による正味の放射量は抑えられているが、計算したTBは、無作為混合誘電率モデルで、融解を考慮しない場合に比べ15kまで高い。5/167

1 雲モデルに固有の質量と密度の関係 水、平板、雹、雪1、あられは質量に密度がよって変化しない。柱状、六花、雪2は大きな質量では、密度が小さくなる。

1はもともとの分布、雪2Klaassen1988による分布。b)計算した質量と密度の分布図。当然、質量が大きいと粒径も大きい。

 

雪と霰では密度が4倍違う。

放射特性が効いてくる粒径で大きさが2-3倍違う5/177

 

 

2 120分後の、水/氷比。a)b)c)霰。

 

 

Effective Dielectric Constants of Mixed-Phase Hydrometeors

Meneghini and Liao

2000

融解する雪・霰・雹はしばしば、空気・氷・水あるいは氷・水が均質に混ざったものとしてモデルで表現される。2層のモデルが提案され、乾いた雪あるいは氷の核の周りを水あるいはぬれた雪の殻が覆うモデルが提案されている。両方のモデルとも、混合状態は有効誘電率で定義されている。粒子の大きさ、形、向きの情報は粒子の散乱特性を計算するのに必要である。最もよく使われている形式はMaxwell Garnett Bruggemanの有効誘電率εeffについての公式である。5/23’7