Using Spectral Moment Data from NOAA's 404-MHz Radar Wind Profilers to Observe Precipitation

F.M. Ralph,  P.J. Neiman,  D.W. van de Kamp, and D.C. Law

Bulletin of the American Meteorological Society  
Volume 76, Issue 10 (October 1995) pp. 1717–1739
DOI: 10.1175/1520-0477(1995)076<1717:USMDFN>2.0.CO;2

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引用には挙げている12/22

 

Fabry and Zawadski(1995)の結論

     1年間の観測により、鉛直分布について、しばしば現れる、繰り返し現れる特徴についてまとめた。

     鉛直分布は5つに分類することができた。

     モントリオールにおいて、もっとも良く出現するタイプは鉛直流の小さい、冷たい雨のプロセスであった。

     鉛直分布の解析により以下のことがわかった。

1)      降水強度が0.5mm/h(反射強度が20dBZ)に達すると、ブライトバンドにおける特徴的な変化が観測される。この降水強度以下では、ブライトバンドの厚さは降水強度とともにゆっくりと増加しブライトバンドは直下のZe(rain)の反射強度よりも約8dB大きい。この降水強度より大きい場合には、波長が大きいと(λ>10cm)ブライトバンド厚の増加率は急速でありZe(peak)/Ze(rain)は次第に増加し、Ze(rain)30dBZ(2.5mm/h)における13dBまで次第に増加する。

2)      明らかに降水のタイプ(regime)が変化しているが、ブライトバンドの直上での雪の反射強度は雨より1,2dB程度弱いだけである。これは、降水強度によらない。

3)      Xバンドレーダでブライトバンドが観測されるときには、Ze(peak)Ze(snow)は波長の長いレーダでの観測値より小さい。これは25dbzを超える強度で起き、融解層による減衰とレーリー近似が当てはまらないことによる。

4)      ブライトバンドはしばしば弱くて薄いダークレイアを上に持つ。これは降水強度が弱いときに顕著である。

5)      鉛直強度分布の解析は-6度高度以下での凝集による雪粒子の成長を確かに示した。また、降水強度が大きい場合は雲粒付着が重要であることも示している。「1/11’7

6)      ブライトバンドは古典的な説明「誘電率の変化と落下速度の変化」によって予測されるよりはるかに大きな値となる場合が多い。我々の観測と解析からは、ドリズル状態のときに起きる融解に伴って気象粒子が形状を変える効果(融解中の粒子は球形でない)、層状性の雨のときに起きる密度の効果(融解によって生じた液体の水が融解中の雪粒子にどのように分布しているかに関連している)によって誘電係数が変化することが(ブライトバンドの極大の理由として)追加される。一方で、降水の成長と凝集・破裂による寄与は、比較的小さい。

 

ここで紹介したブライトバンドの観測は、ブライトバンドの散乱・減衰モデルを作成するのに有効であると考える。ブライトバンドモデルは、ブライトバンドがマイクロ波を用いた通信、航空機からの降水量評価に与える影響を評価するのに必要である。[1/12’7]