0609
Characteristics of the Averaged Vertical Profiles of Hydrometeors in the Baiu Season Simulated with a Non-hydrostatic Regional Climate Model
http://www.jstage.jst.go.jp/article/sola/1/0/1_141/_article
梅雨期の降水粒子の鉛直分布を非静力学気候モデルにより「現在」[温暖化後]の2つの気候区分において計算した。その結果、両気候区において、分布に特徴的な違いを見ることができた。「温暖化後」では各降水粒子の分布は約1km上昇していた。また、混合比は梅雨前線の中部で「現在」に比べ、1.3倍となった。ただし、全水分量に対する、質量混合比、非降水の質量比(雲水+雲氷の混合比)はあまり変化がなかった。これは、両気候区で分布の形状が類似していることを反映している。質量混合比について温度に対する簡単な近似式を得た。
・ 典型的な梅雨とは?
10年の梅雨期80日の平均で評価。
・ 温暖化前後の気候の違いはどのように評価(数式化)したか?
・ 降水粒子のタイプわけ?
雲水、雨、雲氷、雪、霰の5タイプ
5.結論
温暖化によって、雪/雨の境界がおよそ1km高くなる。(減率が同じだ0.6度/100mとすると、地上では6度も高い?
地上での温度上昇が2、3度くらいだとすると、0℃高度の上昇は高々500mくらい。だから、
1)湿潤になって融けやすい(下層が乾いていると雪が下まで来る)
2)暖かい雨が増えて、液相が多くなる
ということが考えられる。
混合比は1.3倍くらいになる。これは、温暖化により凝結・昇華成長が強化されることによって起きると考えられる。
温度を用いた混合比の近似式は温暖化前後で変わらない。これは、降水粒子の分布形があまり変化しないことによる。
本研究では、降水粒子の分布だけを調べたが、今後は寄り大きなスケールとの相互作用を調べる必要がある。9/21’6