doi: 10.1175/1520-0469(1995)052<1761:EORSDB>2.0.CO;2

Journal of the Atmospheric Sciences: Vol. 52, No. 10, pp. 1761–1783.

Evolution of Raindrop Size Distribution by Coalescence, Breakup, and Evaporation: Theory and Observations. Zaillang Hu and R.C. Srivastava, pages 1761–1783.

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併合、衝突破裂、蒸発による粒径分布の進化を衝突に対してLowListによる変数化を用いて調べた。12/11’04

著者らは2つの雨滴粒径分布の発達モデルを考えた。一つは空間的に均質なもの、もう一つはID(鉛直)時間依存するモデルである。著者らは粒径分布を支配する方程式、雨滴水分量と降水強度の収支方程式を、値の大きさを加味して与えた。モデル1では衝突と分裂の影響下で、小粒径の部分で3つの極値をもつ粒径分布の定常状態になることがわかった。衝突と分裂と蒸発の影響下で、雨水が十分にあるときの粒径分布の発展は2つの相に分けることができる。最初の相では衝突が粒子成長を支配し、分布は急速に蒸発がない場合の平衡状態へ進む。第2の相では、雨水が蒸発により十分少なくなってから始まる。この相では蒸発が粒子成長(変化)を支配する。小粒径での極値は小さくなるが、分布のすそ(tail)は指数型を維持して傾きのみが時間とともにゆっくり変わる。モデル2では雨の軸の頂上から定常的に雨滴が入ってきて、十分な時間の後に、定常分布がどの高度でも得られる。 十分な落下距離を経ると、定常な粒径分布はほぼモデル1が示す平衡分布に近くなる。蒸発も起きているので粒子の変化は落下距離を時間変化に置き換えると、モデル1と似ている。観測との比較では,強降雨強度で観測された粒径分布は衝突平衡にあるという考えを支持する。しかし、観測分布の傾きは(20-25cm-1)は計算で得られる衝突平衡の傾きより(65cm-1)よりかなり小さい。この不一致の原因はLow&Listの変数化において、粒子の分裂、and/or 衝突分裂による小粒子の個数を過大評価していることによる。それ以外の考えられる原因は、粒径分布の平均化操作であり、より短い時間間隔で粒径分布が得られる観測が望まれる。12/15’04

 

doi: 10.1175/1520-0450(1996)035<1688:RSDATR>2.0.CO;2

Journal of Applied Meteorology: Vol. 35, No. 10, pp. 1688–1701.

Raindrop Size Distributions and the Radar Bright Band. A. Huggel, W. Schmid and A. Waldvogel, pages 1688–1701.

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ディスドロメータで測定した雨滴粒径分布と融解層でのレーダ変数の関係を調べた。データは1993年スイスで120時間以上の降水を用いた。ブライトバンドの強さ(Ze)とマーシャル・パルマー分布の切片と傾き(N0、▽)が、水平に均質である中程度の雨(雨量全体の3分の1を占める)についてよい相関を示した。小粒子が多く大粒子の少ない傾きの大きい分布では△Zeと関係があり、小粒子が少なく大粒子の存在する平らなスペクトル分布ではブライトバンドが明確で、大きな△Zeと関連している。

Zeを考慮する事は通常のZ-R関係式から求めるより、降水強度を正確に導くのに重要である。10分平均の降水強度について、自乗平均誤差が0~20%減少した。(12/16/04)

 

doi: 10.1175/1520-0469(1969)026<1060:TEOCAC>2.0.CO;2

Journal of the Atmospheric Sciences: Vol. 26, No. 5, pp. 1060–1065.

The Effect of Coalescence and Condensation on Rain Formation in a Cloud of Finite Vertical Extent. A. Kovetz and B. Olund, pages 1060–1065.

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 雨滴粒子間の衝突と凝結による成長について同時に起きる効果を高さが有限である雲について数値計算で調べた。粒径分布の連続的な変化は15分までの時間について追いかけた。幾何学的な衝突の効果とShafrir&Neiburgerの衝突の効果について比較した。凝結成長を省略するとかなりのエラーが生じる。(12/17/04)

 

doi: 10.1175/1520-0450(1983)022<1065:BPOTSF>2.0.CO;2

Journal of Applied Meteorology: Vol. 22, No. 6, pp. 1065–1092.

Bulk Parameterization of the Snow Field in a Cloud Model. Yuh-Lang Lin, Richard D. Farley and Harold D. Orville, pages 1065–1092.

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2次元の時間依存雲モデルを用いて、中程度の雷雨をシミュレートした。モデルは6種の水物質(水蒸気、雲水、雲氷、雨、雪、雹つまり霰)を計算できる。モデルは「バルクの水」で雲物理を変数化する技術を降水場を表現するのに用いている。降水の場は全て指数分布にしたがうと仮定している。自動変換の考えが、衝突併合、衝突凝集を変数化するときに用いられている。液体、固体の様々な形体での雲・降水粒子を含んだ併合過程はこのモデルでシミュレートされる。氷雲から雪への自動変換(凝集)を通じた変換とベルゲン過程と連続して起きる付着成長や凝集過程による霰の形成が再現される。霰は様々な接触過程と可能な雨滴の凍結を通じて形成される。蒸発(昇華)は雲の外では全ての降水粒子に対して考慮している。霰と雪の融解も取り込んでいる。霰の湿潤成長、乾燥成長および霰からの雨の飛び出しも再現している。

再現計算は雪を含む計算が雪のないモデルの結果と比較する事で改善される事を示した。かなとこ雲から尾流雲の形成をモデル化している。雪の場を加える事で多様性のある物理過程を含めることになり、霰の場の初期化、雲底が暖かいか、冷たいかによって、主な霰の芽が区別できる可能性が出てきた。12/28’04

 

accretion 降水粒子の降水粒子・雲粒子による併合(付着)成長。上昇流が強いときには大きな降水粒子ができるのは併合成長のため。cloud Dynamics p.199

coalescence 雲粒子同士の併合成長