2004/10

粒径分布とドップラー

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圧電性の(piezoelectrical)雨量計をブイに応用する。海上のブイに設置する雨量計は通常の雨量計は適応できない。海上で使える圧電性の雨量計を開発した。大きさに関連して圧電効果で雨量を求める。運動量のフラックスと、雨量強度(?drop intensity)、粒径分布が測定可能である。JWのディスドロや、FMCWのドップラーレーダと比較して、結果はよい一致を見た。このような雨量計が、海面による降雨誘引効果を説明するのに必要である。

雨による海面の変動も観測出来て、3〜30Hz170.7cmにスペクトル密度の急速な増加があった。したがってX,CLのレーダは海面の変動を強く受ける。

 

 

Light Scattering by Quasi-Spherical Ice Crystals. Timo Nousiainen and Greg M. McFarquhar, pages 2229–2248.

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JASの最新号より取り出す。

小さな、不規則な氷晶の形状と散乱特性を調べた。半径は8~90μmでサイズパラメータが90から1000である。2000雲強化観測期間に実施された中緯度での巻雲について2次元画像装置で調査した。調査は大気放射観測計画の南大平原サイトで実施された。粒子の半径と形状のサイズ依存性を調べたところ、形状にはサイズ依存性が小さく、形状統計(shape statics)は、指数分布で第一近似を与える事ができる。

砂漠の砂に対する用いる形状モデルを用いて、氷晶のサイズ、形状分布を仮定し、550nmに対する単一散乱特性をシミュレートした。非対象パラメータが0.76となり、従来のChebyshev polynomialsによる計算値より小さくなった。大気のトップでフラックスの精度が±5%必要であると仮定すると、この違いは重要である。

2004/10/06

 

·       Words from Abstract (ALL) : drop size vertical profile

 

·                Gossard, E.E., Strauch, R.G., Welsh, D.C., Matrosov, S.Y.. 1992: Cloud Layers, Particle Identification, and Rain-Rate Profiles from ZRVf Measurements by Clear-Air Doppler Radars. Journal of Atmospheric and Oceanic Technology: Vol. 9, No. 2, pp. 108–119.

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 ウインドプロファイラ?
 ほぼ鉛直方向を連続観測することで水平風の鉛直分布を測定するレーダのネットワークが世界的に現業化される。そのようなレーダは晴天時に屈折率の不均一層をドップラーによって測定するもので、降水観測に用いるのは例外的である。ノイズレベルが低く、積分時間が長いので粒径分布で100μmまで、鉛直分布Vf0.2m/sまで測定可能である。この論文では、2つの降水イベントのデータを提出する。降水イベントには雲形成、増加、降水形成が含まれる。解析はZRVfの鉛直分布でおこなった。観測から粒子成長と破裂について新たな知見が得られた。特に、融解層に着目する。このレーダによって、どのように以下の特徴を得るかを示す。1)下層雲より上の雲の構造2)雨滴粒径の鉛直分布、3)0℃レベルでの水の相変化、4)降水強度の高度分布、5)高度ごとの雲・降水粒子分類のインターフェース

·                Bradley, S. G.. 1997: Acoustic Radar Studies of Rain Microphysics. Journal of Atmospheric and Oceanic Technology: Vol. 14, No. 3, pp. 547–553.

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 音波レーダで雨滴粒径分布が得られる。最小粒径が1.4mm12の数濃度が20m間隔、20~220mまで3-15分時間平均で得られる。複数の周波数を使う探査をおこなっている。
 鉛直Xバンドレーダ、ディスドロメータとの比較は、よい一致を示し、電磁波によるレーダの限界より下層の物理量を連続的に測定できる事を示した。突然の降水強度の変化に対する段階的な応答は粒径の関数であるが、粒径分布の時間変動は12分より短い周期ではスペクトルは本質的にフラットである。主成分解析ではほとんど全ての変動が、大粒子の端にあることを示した。音波レーダが時間依存のある変化を通じて雨の微物理を検証することを示す。10/21’04

·                Tokay, Ali, Short, David A., Williams, Christopher R., Ecklund, Warner L., Gage, Kenneth S. 1999: Tropical Rainfall Associated with Convective and Stratiform Clouds: Intercomparison of Disdrometer and Profiler Measurements. Journal of Applied Meteorology: Vol. 38, No. 3, pp. 302–320.

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論文の動機はリモートセンシングにより雨量を測定するアルゴリズムを改良する事である。リモートセンシングによる降水観測はメソ、大スケールの降水分類、潜熱プロファイルに重要である。本研究では、2つの独立した機械、1)ディスドロメータ、2)915MHzのウインドプロファイラのデータを比較した。観測は、熱帯域大気海洋実験に関連しておこなわれた。ディスドロによる観測値は、切片(intercept)N0と降水強度を用いて層状性、対流性の降雨を分類した。ウインドプロファイラはドップラ速度を用いて、浅い対流、深い対流、対流性と層状性の混合、層状性、の4つの分類をおこなった。
 両者のアルゴリズムはよい一致を示す。ディスドロで層状性、対流性に分けた降雨の平均鉛直構造は一般に知られているものと一致した。5mm/hの降雨について粒径を比較すると、ウインドプロファイラによる分類で浅い対流、深い対流、混合性、層状性の順に代表粒径が大きくなった。それぞれの事例を比較するとアルゴリズムにはいくつか制限があることがわかった。1)ディスドロの層状性の分類には対流性の降雨も含まれる。2)プロファイラの分類では層状性の頻度が多い。3)プロファイラの分類で混合は深い対流と層状の降水両方の特徴が見えた。

 

·                Atlas, David, Rosenfeld, Daniel, Wolff, David B. 1990: Climatologically Tuned Reflectivity-Rain Rate Relations and Links to Area-Time Integrals. Journal of Applied Meteorology: Vol. 29, No. 11, pp. 1120–1135.

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ポイントあるいはビーム平均の等価反射強度と地上の降水強度の関係を可能性一致手法により決定した。この手法はCalheiros&Zawadzki&Rosenfeldの手法と類似している。反射強度と降水強度の累加密度関数(CDF)をZRの組で一致させる。ZRの組は同じ百分率の寄与を与える。距離別のZeデータを満足させる事で、距離に依存したZe-R関係式を得る。あまりに大きな閾値でZeの分布を切ると、端のところで回帰的に求めた降水強度が地上雨量計の分布を超えることになる。雨量計による平均降水強度とZe-R方程式で得られる降水強度を強制的に合わせることで、最終的なZe-R関係の調整と端の補正をおこなう。
 Ze-R関係式で距離依存性を持たせる事で、反射強度の高度分布、ビームの広がりに対する精度低下、ストームのタイプによる依存性を明確にする。気候値はここのストームの変動が小さいところでは有効である。これが、Doneaud&Rosenfeldらの積分手法が成功した理由である。10/27/04

·                Curry, Judith A., Liu, Guosheng. 1992: Assessment of Aircraft Icing Potential Using Satellite Data. Journal of Applied Meteorology: Vol. 31, No. 6, pp. 605–621.

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  本研究では衛星データを用いて、航空機に対する着氷の危険度を気候学的に推定した。用いたデータはNIMBUS7SMMR、米空軍の3DNEPHECMWFの初期値とHIRS2-MSU衛星の放射である。解析は、北大西洋の中緯度に集中した。この経路はアメリカからヨーロッパへの大西洋横断航路にあたる。
 データにより、雲の温度、水平の大きさ、積分雲水量、雲の厚さ、雲水量、粒径分布、降水特性が得られた。下層雲の14%-2°~-36℃であり、中層雲の99%がこの範囲の温度にあることがわかった。半数以上の雲が水平スケール(46km)2より小さい広がりを御地、雲のない領域は(422km)2より大きかった。平均的な下層雲の厚さは1000m、中層雲の厚さは1950mであった。単層の雲で最大の過冷却水を持つのは800gm-2であった。平均的な過冷却水に対する積分雲水量は中層、下層雲で6292gm-2であった。鉛直分布を仮定すると雲水量の平均は下層雲で0.095g/m3、中層雲で0.043g/m3であった。最大の雲水量は1g/m3であった。
 解析によれば最大の着氷の危険度は4.3%で、高度が1.3から2.5kmで発生する。200m以下や5kmより上空では危険度は1%より小さい。単位あたりの集積率を仮定すると、平均的な着氷体積は5kg/m2で最大は13kg/m2となった。

 

·                Babb, David M., Verlinde, Johannes, Albrecht, Bruce A. 1999: Retrieval of Cloud Microphysical Parameters from 94-GHz Radar Doppler Power Spectra. Journal of Atmospheric and Oceanic Technology: Vol. 16, No. 5, pp. 489–503.

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 鉛直94GHzのドップラースペクトルを用いて、雲・降水粒子の粒径分布を計算する技術を提案する。初期の段階から、擾乱によって分布が広がったスペクトルを記述する概念モデルを採用している。アルゴリズムは擾乱のパラメータと特徴的な粒径を回帰的に求める事はできるが、形状係数(shape paramter)を表現する事は難しい。雲水量、有効半径、数密度、平均鉛直風が得られる。これらの物理量の鉛直分布を他の観測と比較した。雲水量は飛行機観測と一致した。積分雲水量はマイクロ波放射計の結果と一致した。回帰アルゴリズムの限界と物理諸量の信頼性について議論する。

 

·                Babb, David M., Verlinde, Johannes, Rust, Bert W. 2000: The Removal of Turbulent Broadening in Radar Doppler Spectra Using Linear Inversion with Double-Sided Constraints. Journal of Atmospheric and Oceanic Technology: Vol. 17, No. 12, pp. 1583–1595.

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リモートセンシングは広範囲長期期間にわたりデータが取得できる有効な観測手段である。問題は取得データ(ある物理量)と気象諸量との関連付けをおこなわなくてはいけないことにある。観測値と観測に影響を与える気象諸量の関係がわかっていれば、問題は線形方程式に帰着する。未知の気象諸量をとくことは線形代数問題となり、解のベクトルは核の行列の逆行列を観測に独立した値で増大させたものになる。しかし、リモートセンシングでは核の行列が不安定であるので観測や計算の不安定が増大する事になる。この誤差増大を回避する(circumvent)技術は解を強制する手法に集約する。本論文では著者らはそのような逆問題に対して存在する技術を適用した。すなわち、ここの変数に対して両面の不等強制を加える事でノイズを削減した。この技術の利点は解の空間を独立に調整できる事である。
 本研究の逆アルゴリズムを、人工的に誤差を増加したドップラースペクトルに対応させた。増大させたスペクトルを回帰アルゴリズムの入力として用いた。アルゴリズムを大陸性の層状雲に適応し、2次元の鉛直運動の分布図と、鉛直速度の偏差、さらに上昇流域で鉛直粒径分布を計算した。

·                Boudevillain, Brice, Andrieu, Hervé. 2003: Assessment of Vertically Integrated Liquid (VIL) Water Content Radar Measurement. Journal of Atmospheric and Oceanic Technology: Vol. 20, No. 6, pp. 807–819.

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鉛直積分水分量(VIL)はレーダのボリュームスキャンで得られ、豪雨の探知および予測に重要なパラメータである。しかし、その精度については十分な情報がない。今回粒径の鉛直分布を仮定して(シミュレーションによって求めて)、参考となるVILを求めた。粒径分布がわかれば、レーダ反射強度因子、等価反射因子などが計算できる。計算で得たVILZM関係で求めた水分量を比較するとZM関係ではかなり過小評価される。層状性の降水の場合はブライトバンドによって過小評価の度合いが小さくなる。
 VILを求めるための簡単なアルゴリズムを提案した。これは0℃の当温高度で氷粒子の密度をよく導き出すことができた。

 

 

·                Weickmann, K. M., Barchet, W. R.. 1978: A Numerical Simulation of Pre-Ice-Nucleation Conditions in a Settling Cloud Chamber. Journal of Applied Meteorology: Vol. 17, No. 11, pp. 1667–1679.

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 設定した雲実験室の中で氷晶化の前の発達をシミュレートするため数値モデルを作成した。粒子の核化、成長、時間発展、沈降、鉛直方向と動径方向の熱・水蒸気の拡散が含まれる。鉛直気温分布と凝結核をモデルの入力値として与える。(nucleus:s,nuclei:pl) 最大の過飽和度は気温分布の最大極率(curvature)の直上で観測された。今回のモデルには、氷過程は入っていないが結果は氷晶化の特定なモードの優先度は最初の凝結核の関数であろう、と示唆される。10/18’04

·                Takahashi, Tsutomu. 1981: Warm Rain Study in Hawaii—Rain Initiation. Journal of the Atmospheric Sciences: Vol. 38, No. 2, pp. 347–369.

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 300時間を超える航空機観測がハワイで1977年から1979年に温かい雨についての研究をするため実施された。航空機は雲粒から雨粒までの粒径分布を測定した。主な知見は以下である。

1)    雲の粒径分布について、大きく幅広の分布が観測されるのは上昇運動中に、代表(modal)粒径が30μmに達したあとである。この臨界粒径は大雲粒子が雲底でおきな時に急速に達成された。上空の発散が貿易風の層を湿潤にして、雲底付近で大粒子を作るのに助けている。

2)    主な粒子成長は雲頂のセルの動きと関連して雲頂付近で起きる。雲頂セルの上昇流は粒子を選択する働きをもつ。選択された粒子は雨滴の粒径分布で観測される2番目の最大値を形成する。

3)    落下中の雨滴の成長は雲のタイプによって異なる。雲のタイプは主に鉛直風で決まる。雲頂で雨滴粒子が形成される事は雲底で降水か起きるために必要である。