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·                  Keenan, T., Joe, P., Wilson, J., Collier, C., Golding, B., Burgess, D., May, P., Pierce, C., Bally, J., Crook, A., Seed, A., Sills, D., Berry, L., Potts, R., Bell, I., Fox, N., Ebert, E., Eilts, M., O'Loughlin, K., Webb, R., Carbone, R., Browning, K., Roberts, R., Mueller, C. 2003:
The Sydney 2000 World Weather Research Programme Forecast Demonstration Project: Overview and Current Status. Bulletin of the American Meteorological Society: Vol. 84, No. 8, pp. 1041–1054.

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world weather research programによる予測立証計画(FDP)がシドニーオリンピックに関連して200094日から1121日までおこなわれた。UK,US,カナダ、オーストラリアから9つのナウキャストシステムを現代のナウキャストシステムの能力を検討するために開発された。実証中の検証はWWRPによって協力を受けている。初期の結果はオーストラリアの気象局(BOM)のシステムを向上させるのに有効であった。予報士、研究者、エンドユーザを含めた会合がもたれ、意見の交換がおこなわれた。

·                Wilson, James W., Ebert, Elizabeth E., Saxen, Thomas R., Roberts, Rita D., Mueller, Cynthia K., Sleigh, Michael, Pierce, Clive E., Seed, Alan. 2004:
Sydney 2000 Forecast Demonstration Project: Convective Storm Nowcasting. Weather and Forecasting: Vol. 19, No. 1, pp. 131–150.

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5つのナウキャストシステムがシドニー2000予測立証計画期間中に検定のため選ばれた。これらの、アメリカ、イギリス、オーストラリアからのシステムは対流性のストームの場所と強さ(例外が1個あり)を予測する。三ヶ月間に発生した6個の対流性のストームを実証の対象とした。予測システムは、セルや領域の追跡、モデルの風、観測の風などを用いてストームを外挿する。三つのシステムではストームの立ち上がりと成長が予測可能であった。30分と60分の予測について実証した結果、これほど短い時間でも外挿のみのシステムは精度が低かった。外挿の技術に異なる動きを取り込んでいるモデルは多少よい結果を示す。これは、強く影響の大きいストームは周囲のストームと異なる動きを示すからである。ストームの発生、成長、消失を予測する技術はまだ、十分でない。しかし、予測精度については重要な改善がいくつかの事例(境界層の収束線、海風やガスとフロント、が予測で用いられる事例)で得られた。FDP期間中の経験に基づいてアメリカの予測事務所では対流性ストームの全体状況について議論している。さらに、将来の方向性、さらなる追加のについて議論がなされた。

 

·                May, Peter T., Keenan, Thomas D., Potts, Rod, Wilson, James W., Webb, Rob, Treloar, Andrew, Spark, Elly, Lawrence, Sue, Ebert, Elizabeth, Bally, John, Joe, Paul. 2004: The Sydney 2000 Olympic Games Forecast Demonstration Project: Forecasting, Observing Network Infrastructure, and Data Processing Issues. Weather and Forecasting: Vol. 19, No. 1, pp. 115–130.

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シドニーオリンピックにあわせて開催された世界気象研究計画の予測実証計画(WWRP−FDP)は現在のナウキャストシステムの有効性と効果を検証するものである。計画はレーダ処理システムとナウキャストの予測結果に注目しておこなわれた。本論文では、オーストラリアの気象局(BoM)が直面した予測の問題について述べる。観測システムについて議論し,オリンピックにあわせて強化されたネットワークについて概説する。特に、レーダのキャリブレーションと品質確認については詳しく述べる。この論文では、現代のナウキャストシステムに必要な観測機器、さらなる改良、BoMがうけた衝撃についての議論に結論を与える。端と端をつなぐシステム(データの集積から解析,予測まで)の設計が必要である事が強調される。

·                Fox, Neil I., Webb, Rob, Bally, John, Sleigh, Michael W., Pierce, Clive E., Sills, David M. L., Joe, Paul I., Wilson, James, Collier, Chris G. 2004: The Impact of Advanced Nowcasting Systems on Severe Weather Warning during the Sydney 2000 Forecast Demonstration Project: 3 November 2000. Weather and Forecasting: Vol. 19, No. 1, pp. 97–114.

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シドニー2000予測立証計画の目的は現業で使われているナウキャストのシステムを評価する事である。本論文では、2000113日にシドニーで発生したストームについてナウキャストを実施した結果を報告する。このストームは雹、豪雨、少なくとも3つの竜巻を発生させ、都心部の南で発達し、北に進行した。多くの警報がオーストラリアの気象局から発令された。
この論文は、最新技術による予報結果がどのように予報官に用いられ、予報の発令に影響を与えるかを記述する。様々なストームの発達過程において、予報に用いた資料と利用可能であった資料、および、利用可能とすべきであった資料を対比させた。豪雨の予報者はシステムに満足しており、追加の情報が警報発令の時期と質を高めると確信している。

 

·                Ebert, Elizabeth E., Wilson, Laurence J., Brown, Barbara G., Nurmi, Pertti, Brooks, Harold E., Bally, John, Jaeneke, Matthias. 2004: Verification of Nowcasts from the WWRP Sydney 2000 Forecast Demonstration Project. Weather and Forecasting: Vol. 19, No. 1, pp. 73–96.

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world weather research programによる予測立証計画(FDP)は予報技術の検証を目的としている。評価対象は対流の位置、降水の強度と頻度、風向風速、激しい雷雨のガスト、雹の場所と大きさの予報アルゴリズムである。さらに追加される疑問は、予報者がFDPのみの予報に追加して精度をあげることが可能か?ということである。
ナウキャストは統計的な技術で評価された。観測データはレーダ反射強度、降水量解析、雨量計のネットワーク、予報者による観測から得られている。評価によって、セルの追跡アルゴリズムは最も強いセルの場所を1時間の予測で15-30kmの平均誤差で予測しており、外挿法の予想よりも精度が高い事がわかった。領域追跡アルゴリズムの誤差は20kmの大きさである。
ほとんど全てのアルゴリズムが予測期間における降雨の頻度を予測した。しかし、強降雨の頻度は過小評価の傾向にある。発生頻度の技術は予測時間とともに減少する。特に正確に豪雨の場所を予測することは10-20を超えると難しくなる。アルゴリズムの空間性を利用した予測は単純な持続性予報より精度がよい。しかし、雨量計の観測により検証する場合は時間空間の分解能の問題により、空間性を利用したアルゴリズムが持続予測を打ち負かすのは難しい。
ガストフロントの予測に適用したアルゴリズムは1つである。限られた事例での結果であるがガストフロントの速度について平均誤差は7km/h、バイアスは3km/hであった。海陸風前線の五社半分程度でバイアスはほとんどなかった。113日の竜巻に関連した雹の予測では2つのアルゴリズムが雹が観測された30分以内で発生と終了を予測している。雹の時間発展はアルゴリズムによってうまくとらえられており、予測された平均および最大の直径は観測と一致していた。
雷雨の相互予測システム(TIFS)は予測されたセルの動きを調整することができる。まずは、重要でないセルや動きのおかしなセルを取り除く事ができる。この手動の調整によってセルの位置のござを修正できる。しかし、十分強いセルを調整すると多少位置の誤差が増加する。したがって、客観的なガイダンスがストームの動きを最もよく評価するであろう。

 

·                Pierce, C. E., Ebert, E., Seed, A. W., Sleigh, M., Collier, C. G., Fox, N. I., Donaldson, N., Wilson, J. W., Roberts, R., Mueller, C. K.. 2004:
The Nowcasting of Precipitation during Sydney 2000: An Appraisal of the QPF Algorithms . Weather and Forecasting: Vol. 19, No. 1, pp. 7–21.

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定量的雨量のナウキャストの比較。シドニーで2000年に行われた。概して、観測雨量の準ラグランジュ的外挿方が、他の手法を組み込んだ非線形のモデルよりも優れていた。中央値追跡(TITAN)と複数のベクトルを用いたパタンマッチングによる外挿法(Auto-nowcastNimrod)が対流性の降雨について最も信頼度が高かった。降雨範囲の広い、層状の降雨の場合はパタンマッチによる外挿法が中央値追跡法と風のベクトルによる移流法より優れていた(Gandofl,Nimrod)。

今回のFDP(Forecast Demonstration Program)では、いくつかの事例で、複合的な(sophisticated)非線形なQPNアルゴリズムが有効な場合があった。この論文では、WilsonらがAuto-nowcasterに積雲の発達過程を組み込んだアルゴリズムを、線形外挿に結合させる、利点について述べる。Ebertらは非線型過程(S-PROG)を、降水の特徴を滑らかにして観測と合うようにしたアルゴリズムを組み込むとラグランジェの外挿より優れる事を述べる。しかし、この方法は、強雨を急速に滑らかにするので疑問が残る。

 

文書の先頭

 

Study on the Relationship between Raindrop Size Distribution and Precipitation Cloud

(雨滴粒径分布と降水雲との関係に関する研究)橋本 明弘  HTML            08/10’04

粒径分布と降水形成過程に関する研究

層状の雲、対流性の雲を比較した場合、大粒子は、同程度の水があるときに層状性の雲のほうが多い

層状性の雲は、氷晶過程を通じて、雪片が成長する。対流性の雲は、霰の成長を通じて、急激に成長する。

層状性の雲が大粒子が多い事[粒径分布が寝ること]は過去の論文より検証

物理過程を説明するための1次元モデルを作成

 

参考論文

Development and Structure of Winter Monsoon Cloud Clusters On 10 December 1978

Dean D. Churchill and Robert A. Houze Jr Journal of the Atmospheric Sciences: Vol. 41, No. 6, pp. 933–960.  [Abstract]

冬季季節風実験(WMONEX)における雲クラスターの事例解析。対流性の雲では(8kmあるいは−17℃高度)1リットルあたり100程度の氷晶がみられた。この高度での上昇流は417msであった。主な、成長過程は雲粒捕捉である。層状雲の成長過程は昇華沈着と凝集である。氷晶の数は1,2桁小さかった。

主な、クラスターの特徴を調べた。

クラスターのヘリに新たなクラスターが形成される傾向があった。           8/26’04

 

      Characteristics of the Raindrop Size Distribution in Tropical Continental Squall Lines Observed in Darwin, Australia. Masayuki Maki, Tom D. Keenan, Yoshiaki Sasaki, and Kenji Nakamura, pages 1393–1412.  Journal of Applied Meteorology: Vol. 40, No. 8, pp. 1393–1412.  [Abstract]
オーストラリア、ダーゥインにおける15例のスコールラインについて、レーダのエコーから層状性、対流性の粒径分布を調べた。対流性はさらに対流中心、先行する峰、後から来る峰の3例に分けた。層状性の分布の方が大粒子が存在する。これは、融解層より上での凝集過程が重要であると示唆している。粒径分布の違いがZR関係式における系統的な差となって現れる。層状性の場合にBの値が大きくなる。             8/27’04