目標としたい文章について(2003/6/18)
4人のDFラインの前に3人のボランチが並ぶ守備的な布陣は、いまの日本代表には無理なように思う。日本のMFの守備は、個人的な強さで相手を押さえるものではなく、前線からの守備でコースを限定された相手の攻撃を読み、鋭い出足で奪うというものだからだ。前線の人数が減ってプレスが効かなければ、個々の弱さが露呈され、守備組織が機能しない。
「42.コンフェデレーションズ・カップに何が必要か」
NIKKEI@NETにおける大住良之氏の2003年6月8日日本対アルゼンチン戦の解説より
わかりやすい文章、それは読み手の理解を促すものです。
大住氏の文章は的確な表現で問題に対する解法を与えてくれます。
ここでの問題は、「単純に考えればディフェンスの人数が多いほうが守備が堅い」しかし、「実際は苦戦している」ということです。
(これは個人的な問題意識です。)
日本代表における3ボランチは、成功例を見たことがなく、1998年フランスワールドカップに向けた岡田監督の時からなんとなく、うまくいかない、という印象はもっていました。その理由まではわかりませんでしたが、その理由が、今回この一文で理解できました。
大住氏の文章は単なる現象の解説にとどまらず、読み手の理解を促す文章、あるいは説明を効果的に入れています。
大気現象もサッカーに負けず劣らず複雑な要素が絡み合って、表現が難しい事象だと思います。けれども何とか、大住氏のような文章を書きたいと考えています。