I部長:「冷たい雲」と「暖かい雲」の出現頻度について、「暖かい雲」の出現頻度が大きいから「暖かい雲」への種まきを強調しているのか、「冷たい雲」の降水効率が悪いから「冷たい雲」への種まきを強調しているのか? (回答):「冷たい雲」への種まき「暖かい雲」への種まきの内、どちらを強調しているということはない。それぞれに種まきのポテンシャルがあるということを発表した。 Oさん:多層構造の雲の場合はどのように考えるか(どの様に雲水を評価するか)?ひまわりのスプリットウインドウの活用などの可能性はないか? (回答):現在のところ、多層構造をした場合に空隙部分を評価することはできない。ひまわりで雲頂を押さえ、目視観測で雲底を押さえて単純構造で評価している。 M室長:シーロメータのデータが取得できると思うので活用してほしい。 (回答):解析に利用したいと考えてる。 その他: F室長:空港の目視観測は雲量が1,3,5のときに必ず記録することとなっている。このため、頻度分布で1,3,5に出現の極値がある。雲量が大きいところを対象とするのでまず、雲量5以上の場合について押さえるとよい。 Oさん:マグネトロンは高圧電流をかけて電波を発生する。このため劣化が早い。数百万の運転経費がかかる。TWTを用いた信号発信の利点は電波の発射面を広く取って、均一に電圧をかけるような技術によって弱い電圧で均一に電波を発射することができる。現在2万時間超、運用中である。 Oさん:(WとKaでdBZの値が違うことに対して、Wでは大きな雨に対して観測限界があるのではないか、と質問したところ)ハードの調整の問題であり、WもKaと同じように観測できると考えている。 O先生:K帯のKは「短い」というドイツ語から来ている。KaはKの下のほう、KuはKの上のほうという意味である。 Mさん:MPXを雲レーダと呼ぶことに対して,英語で「cloud radar」という表現があるので特に違和感はない。 Nさん:(雲物理量としての「total number」とは何を示しているのか、という質問に対して)KaとXの違いが出るのは0.6mmより大きな粒子に対してであるので、ここでは0.6mmより大きな粒子の総和を意味している。 F室長:渇水の発生と総観場あるいはEOFパタンの関連について質問したところ、渇水の発生と総観場については、年によって違いが大きくばらついている。それぞれのパタンについて整理したい。 M先生:高知の850hPaの風と、降水の発生頻度については、加藤(2006)を参考にされたい。気象集誌。 M室長:榊原・武田(1974)の後は日本ではあまりやられていない。凝結して雨が降るには時間がかかる。雲水が雨に変わるのには時間がかかる。風上側に張り付くのは、雲水の凝結の効果がありえる。山頂に張り付くのは、種まき雲の効果がある。 Mさん:分裂と併合は対流雲中で活発に行われている。かなり破裂するので、中粒子の分布が多くなっているだろう。豪雨シミュレータでMP分布を再現するには2000mくらい必要。融解粒子を観測するにはブルー紙法が有望で、落ちたときの水の輪郭(=霙粒子が持つ液体の水)、融解後の水の輪郭(=霙粒子全体の質量)を記録することで含水率が観測できる。現在は、細胞の大きさを測る画像処理ソフトがあるので、それを用いれば比較的楽にデータ処理ができる。