1/23’06 メモ(1/27’06修正)

     気象庁アメダス記録より判断して、2006/1/21/21jstまで降水はあったと思われる。

     東京では15mm/(アメダス東京)、横浜では16mm/(アメダス横浜)、主バンドが通過した勝浦では30.5mm/(アメダス勝浦)

     勝浦でも最大降水量は16時と17(ともに4mm)に記録。

     1550気象庁レーダーによる観測は下図。特徴的な構造として南西から北東への走向を持つ「主バンド」とこれに直行する「副バンド」が見られる。

     「主バンド」は関東収束線上に形成された降水帯、「副バンド」は下層の寒気移流層上に形成された降水雲に出現する粒子濃度の高い領域として特徴付けることができる。

     アメダス銚子、勝浦で降水が液相、アメダス館山で霙、アメダス千葉で雪、であることから下図の時間、主バンドは降水の融解に伴うブライトバンドであり、特に顕著に出現している、と推定される。

     「副バンド」は、「主バンド」の走向に沿って南西から北西へ移動した。図では1本であるがMRR観測では、いくつかの強エコー域が生研上空を通過している。時間によって(強エコー域によって)、霰、濃密凝集雪結晶の場合がある。(1/25’6追記)

 

1 気象庁レーダーによる観測(1550、気象庁HPより)

 

2関東降雪雲の模式図(20010127)
地上での色水解析は、降水の降り出しは重く、その後は軽い(重くない)、という結果であった。
「主バンド」の降水は重い海上の水蒸気が起源、「副バンド」の降水は「主バンド」がもたらした降水から蒸発した水蒸気が起源である可能性がある。(注:一般には降水の開始は地表付近の蒸発が卓越するため色水は重くなる傾向にある。したがって、色水解析のみから、「主バンド」「副バンド」の水蒸気起源を結論付けることはできない)

実線矢印():海面からの重い水蒸気移流(主バンドの水蒸気源)

実線矢印(薄青):降水の蒸発による軽い水蒸気移流(副バンドの水蒸気源)

実線曲線(濃い青):関東冷気層(寒気移流層)

実線矢印(濃い青):下層風(寒気移流)

実線矢印():暖気移流

 

 

     降水の終了とともに気温が若干上がる。大手町1.11.62.02.1(21時→24)

     地上風はほぼ北風。エコーの移動は南西から北東であるので時計回りのシア。あるいは、寒気渦から推察して、上空は相対的に東風。半時計回りのシア。

     降水が終わったら北風から北東風へ風向が変化した。

 

1/23’06 2006121日雪の降り出しの予測可能性について

     2006012000Z初期値の012012Zに対する予報で、四国沖に低気圧が予想されていた。(AUPQ85、相当温位の混み具合、風向きで判断、700ではあまり明確でない)

     15時発表の予報支援資料では、不安定度の高い領域が南北に存在することに触れている。ただし、発達する低気圧は南と予想している。

     この四国沖の低気圧が発達すると予測(判断)できれば、21日早朝の降水はRSM予測を受け取った2017時時点で、予見できた。

     2021時の速報天気図では、四国沖(本体の低気圧の北)に低圧部を表現している(Lの表記はない)。この低圧部が発達すると判断できれば、21日早朝の降水は天気図を受け取った2023時時点で、予測できた。

 

 

1/21’06 10時時点でのメモ(観察)

     主低気圧は前線上東にシフト

     前線上の北に、寒気渦が発生している(1/20/21JST1/21/3JST速報天気図)

     この寒冷渦が予報よりも早く、大量の降水をもたらした(越田観察)

 

1/20’06 17時時点での予報に関するメモ

     9JST初期値の予報結果では、低気圧の経路をかなり南に修正

     この結果、20日深夜から21日早朝の降水はない

     219時における東京上空850hPaの予想気温が0℃を下回っているので、降水があれば雪

     低気圧の予想経路が、前回に比べ、南になったことと不安定の度合いが小さくなっていることから、21日の降水量は少ない。

RSM予報

雨:rain2006012009j.pdf

 

 

1/20’06 14時時点での予報に関するメモ

     1921時初期値の予想で明日9時の東京上空850hPaの気温が0℃を下回っているので降水は雪となる

     東京上空の相当温位分布では等値線が詰っているので、温位勾配が高く、降りやすい傾向にある。

     相当温位予想285Kから概算すると降水量は0.5mm程度->雨量としては少ない(大まかな雨量の目安は300K20mm)

     ただし、低気圧中心が関東を通過してもLは北上しない(=冬型にならない)ので、関東では雪が続く(北東からの水蒸気補給が続く)

     850Paの風の場は北風。南風のほうが水蒸気の補給が多いので、多くの降水が期待されるが、弱い北風でも降水はあるであろう

      

 

 

200534日との比較では次の2点に注意。

2日前の低気圧付近の気温(台湾)が、200534日では10.6℃に対して、今回は11.2℃で暖かいので含まれる水蒸気量は多いと予想される

→降水量が増えるセンス

200534日では、日本海上に寒気渦が解析されているが、今回は渦がない。低気圧背面への寒気補給が少ないので、不安定度は低い

→降水量が減るセンス

 

 

RSM予報

雨:rain2006011921j.pdf