「気候変動将来推計情報の水文分野での利用促進シンポジウム」


土木学会水工学委員会水文部会、「21世紀気候変動予測革新プログラム」、水文・水資源学会

共催


 地球温暖化に関連した水循環の変動は、洪水や渇水の頻度を変化させ、水災害、健康、農業生産、発電などの各方面での対応が必要となることが懸念されま す。この20年で気候モデル(GCM)の精度も格段によくなり、空間分解能も50〜100km程度、場合によっては20km格子での将来シミュレーション もされるようになり、日単位さらには時間単位の算定値も利用可能になりつつあります。しかしながら、GCMの出力値から平均的な変化や極値の発生確率の変 化を探知して気候変動影響を適切に評価し、社会に役立てていくためには、GCMの概要を知り、また、一方で、世界的にはどういう研究がすでに行われてい て、今後例えば次のIPCCの第5次報告書に向けてどういう研究成果が求められているかを知っておく必要があります。

 一方で、国土交通省河川局や土地・水資源局でも気候変動が河川管理、水資源計画に及ぼす影響を適切に考慮する必要を認識し、国土審議会や社会資本整備審 議会の諮問を受けた専門委員会での議論がなされようとしているなど、国策上もこの分野の研究を推進することが喫緊に求められています。

 そこでGCMを使って温暖化時の気候を計算している第一線の研究者や、影響評価に携わっている研究者等を講師として招き、原理、データの種類、利用方法といった実践的な面までの概要が1日でわかることを目的としたシンポジウムを下記のとおり開催いたします。


 ご多忙中とは存じますが、お誘い合わせのうえご来場たまわりますよう、お願い申しあげます。



日  時: 平成20年4月3日(木) 10時00分〜17時50分
場  所: 東京大学 生産技術研究所 An 棟 コンペンションホール(東京都目黒区駒場4-6-1)
交通案内場所
資 料 代: 資料作成代金等として、参加費を以下の通りとします。
一般:3,000円
学生:1,000円
申  込: 2008年3月17日(月)必着で、参加申込書(ダウンロード) をダウンロードし、必要事項を記入の上、下記の申し込み先宛てにe-mail添付、またはFAXにて送付ください。お申し込みのご連絡をいただいた方に は、3月31日までにご確認のご連絡を差し上げます。なお、会場の収容人数の都合上、締め切らせていただくことがあります。
問 合 先: 東京大学 生産技術研究所 沖・鼎研究室 内
「気候変動将来推計情報の水文分野での利用促進シンポジウム(気候変動シンポ)」係
TEL:03−5452−6382
FAX:03−5452−6383
E-mail:cc2008ws@rainbow.iis.u-tokyo.ac.jp

プログラム:

09:30-10:00 受付

10:00-10:30 気候変動研究と水文学
           沖  大幹(東京大学 生産技術研究所)
基本用語の説明、これまでの経緯と最近の状況、今後の見通し。
  
10:30-12:30 GCM研究の最前線(I)
           木本 昌秀(東京大学 気候システム研究センター)
GCMの思想。基礎方程式、パラメタリゼーション、結合モデル。異常気象と気候変動。地球温暖化シミュレーションで考慮されている変化、されていない変化。GCM出力を用いた影響評価の良さそうな例、無理がありそうな例。今後の気候変動シミュレーションの展望。
  
12:30-13:30 昼食(60分)

13:30-15:30 GCM研究の最前線(II)
           鬼頭 昭雄(気象研究所)
GCMの時空間分解能と表現できる大気現象。GCMによる極端現象の再現。タイムスライス。物理的ダウンスケーリング。古気候と地球温暖化。アンサンブル平均と不確実性評価。定量的な精度とバイアス補正。GCM算定値を用いた影響研究の実例と是非知っていて欲しいこと。
  
15:30-15:50 休憩(20分)

15:50-16:30 AR5へ向けた動向
           高橋  潔(国立環境研究所)
AR5へ向けた国際的な準備進捗状況、IPCCで引用される文献の条件やクリアせねばならない統計処理など研究上の留意点、AR5で焦点となりそうな論点や〆切見込み。IPCC AR5で引用されることを目指した研究の例。
  
16:30-16:50 AR5へ向けた影響評価ならびに適応策研究
           風間  聡(東北大学)
温暖化データを利用した水分野への影響評価ならびに適応策研究例。温暖化データ利用上の問題、不確実性、定量的精度の取り扱い、論文公表上の戦略。
  
16:50-17:50 総合討論
全体を通じての質疑、具体的なGCM出力データへのアクセス、利用方法、国内外の研究進捗状況など。
  


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