2050年の水資源

- Virtual 生研公開 2003 -




- 生研公開とは? Virtual生研公開とは? -
私たち沖・鼎研究室が所属している東京大学生産技術研究所(生研)では,毎年6月上旬に,生研公開という, 研究所の一般公開を行っています.今年は6月5,6日に行われました. 当研究室でも,生研公開におきまして,日頃行っている研究をパネルにまとめて,「2050年の水資源」と題し, さらに全体を4つのカテゴリに分けて,研究の紹介を行いました. そこで,その内容をもう一度まとめなおしてVirtual生研公開としてこちらでご紹介します.

(※)ここで紹介する内容は,生研公開で発表した内容であり,その後の進捗や修正は加えられておりません. そのため,必ずしも最新の研究内容ではないことをご了承下さい.





世界のどこでどのくらい水が使えて,どのくらい人が必要としていて,結果としてどのくらい足りないかを示します. 生活用水はあまり越境輸送されることはありませんが,多量の水資源を利用して作られた農畜産物や工業製品が 貿易によって移動されることは,結果として水需給の緩和に役立っていることも多く, いわば,そうした製品の貿易は仮想的に水を輸出入しているようなものだ,という意味で,仮想水とも呼ばれます. ここでは,仮想水を含めた最新の世界の水資源アセスメント結果を紹介します.


水は,量としてはたくさん存在していても,必要なときに必要な場所に,必要な質の水が存在していないと, 水資源としてはあまり価値がありません.しかしながら,これまでのところ,世界規模の水資源アセスメントは量に着目して議論されてきました. 現在,沖-鼎研では,汚染物質や水の安定同位体比など,量に加えて,質もグローバルに推定できるモデルの開発に取り組んでいます. また,逆に,こうした質のシミュレーションは,物理的な水文モデルや,あるいは大気気候モデルの検証にも利用することができ, 温暖化予測の信頼性向上などにも貢献が期待できます.


広い意味での水資源管理には,渇水対策だけではなくて,洪水対策も入ります. 平均的には人口の大幅な増加が見込まれない日本などの先進国でも,都市への人口集中は相変わらず解消されない可能性も高く, 地球温暖化などの地球規模水循環変動の予測,特に豪雨の長期的な変化が,将来の水資源管理にとって重要となります. ここでは,日単位,あるいは独自にデジタル化した東京の1時間降水データに基づいて, 20世紀の豪雨の長期変動と近年の傾向について最新の成果を紹介します.


地球温暖化など,地球規模水循環変動が水資源に及ぼす影響を精度良く予測するためには, 陸面生態系,人間活動を含めた地域の水循環系がきちんと表現されている必要があります. そこで,観測データが十分ではないアジアモンスーン各国現地での地域研究,水循環観測とモデル化,データベースの構築などを行い, これらの成果に基づいて,グローバルに適用可能なモデルの構築,検証を行っています. ここでは,虫明研究室時代から,10年以上にわたって継続的に現地調査,観測研究を続けているタイにおける成果の一端を紹介します.

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