4-1 タイにおける水文気象観測



4-1-1 背景
本研究室は,大陸スケールの水文気象研究のひとつであるGAME(GEWEX Asian Monsoon Experiment)において, 熱帯地域(GAME-Tropics)のまとめ役を担当し,タイにおける継続的な水文気象観測を行っています.

GAMEプロジェクトの目的を達成するために必要な物理的因果律に基づいた水文・気象水循環予測システムの構築には, を行う必要があるのですが,東南アジア域における観測データが不足しているため,実際に現地に行って観測をしようというわけです.

GAMEプロジェクトの目的 グローバルなエネルギー・水循環におけるアジアモンスーンの役割の理解
数値気候モデルによるアジアモンスーンの季節予報の向上
地域スケールの水循環に与えるモンスーン変動の評価
GAME-Tとしての目的 東南アジア地域における水文気象学の確立



図4-1-1 GEWEXサイトの世界分布


以下では,GAME-Tの観測サイトをご紹介します.

4-1-2 Kog-ma亜熱帯常緑広葉樹林Flux観測タワー
これは,1997年2月に,カセツァート大学の森林試験地に建設された高さ50mのタワーです. 観測項目は,

・ 微気象計測(風速,気温,湿度,放射,乱流など)
・ 降水量
・ 土壌水分
・ 樹液流
・ 樹冠遮断量
・ 流量観測

となっています.


図4-1-2 左=Kog-maフラックス観測タワー,右=流量観測を行っている堰


4-1-3 Tak EGAT Flux観測タワー
これはタイ発電公社の高さ120mのタワーに,2002年7月に測器を設置したものです. 複雑地表面(落葉広葉樹林,草地,水田,トウモロコシ畑)におけるフラックスの観測をしています.


図4-1-3 左=タワーの様子,右=タワー周辺の複雑地表面


4-1-4 Sukhothai Flux観測タワー
これは高さ10mのタワーに測器を設置したものです. 水田では,熱や水のフラックスの季節変化が非常に大きいのですが,これを測定するためのタワーです.


図4-1-4 タワーの様子


4-1-5 降水観測(レーダー,地上雨量計)
上に示したタワーでの観測の他に,レーダーや地上雨量計を用いた降水の観測も行っています.


図4-1-5 左=レーダー観測所,右=局所的に降る熱帯性(対流性)の降雨



図4-1-6 RADAR(RAdio Detecting And Ranging)の画像(CAPPIs)



図4-1-7 GPSによる位置座標観測と地上雨量計による降水観測


4-1-6 現地機関(RID)による流量観測
さらに,タイのRID(Royal Irrigation Department)による流量観測も行われています.


図4-1-8 RIDによる流量観測


このように,さまざまな観測を通してデータを得ているのです.