日本の河川における渇水比流量(注)平均値の分布については,虫明(1978)(注)を始めとする既存研究があり,主に多雪地域と第四紀火山周辺河川においてその値が大きいことが知られている.
しかしながら,虫明(1978)で提示された図は,北海道における等値線が異常である.そこで最近の資料を用いて,自分で同様の図を作ってみた.
流量データおよび流域面積は,「流量年表」平成8年度版および「多目的ダム管理年報」昭和62年版を使用した.それぞれの流量観測点における資料年度および観測継続期間は異なっているが,渇水流量は大きな経年変化をしないため,大きな問題はないと考える(注).
データが得られた観測点数は626.渇水比流量の平均は1.1m3/s/100km2,SDは1.1であった.
全ての観測点についての,正確な位置情報データを持ち合わせてはいないので,それらが記載されている25,000分の1地形図(このデータは自作)の中心をその観測点の座標とした.
データをMicrosoft Excel97上のワークシートに並べ,パレット(彩色)のデータも別のシートに書きこんだ.これを用いて,VBAにより別のワークシート上に各観測点に該当する矩形を書きこんだ.これに海岸線データを重ね合わせ,シートのセルの枠線を消した上で,「PrintScreen」キー押下によりクリップボードに表示画像を流しこんだ.これをMicrosoft Photo Edhitorでトリミング,GIF変換した.
なお,緯度経度そのものを座標として描画している(地図投影は行っていない).また,海岸線データについては,地球流体電脳ライブラリの日本海岸線データを用いた.