GMTで使われる「ペン」は,線・多角形の外形・シンボルの外形等を描くもので,3つの属性を持っています.それは幅(width)・色)color)・テキスチャ(texture)です.大抵のGMTプログラムは,これらの属性をオプションの形で受け取ります.それは典型的にはこのような形です:
-Wwidth[/color][ttexture][p]
- widthは通常は現在用いられているデバイスの解像度(つまり,ファイル.gmtdefaults内のGMTパラメータDOTS_PR_INCHで指定されているものです)を単位として測られます.たとえば,これが300dpiにセットされていれば,widthの単位は1/300インチとなります(しかし,pを付加すると単位はポイント(1/72インチ)となります.2.1).ですから,同じペンの太さ,たとえば5を指定してもこのdpiのセッティングが変わっていればペンの実際の太さは異なることになります(もちろん,5pとすればデバイスによらずいつでも5/72インチとなります).widthに0を与えるとペン幅が最小値となりますが,その実際の太さはデバイスに依存します.
- 一方,colorの指定はグレースケールの場合とカラーの場合とで異なります.前者の場合は一つの数値として0〜255の間で与えます(0が黒,255が白).後者の場合は3つの数値の組み合わせとしてr/g/bの形で与えます.ここでそれぞれの数値は0〜255の間の値をとり,それぞれ赤・緑・青の輝度を表します.したがって0/0/0が黒,255/255/255が白となります.
- 最後にtextureの指定ですが,これは線の種類を指定します.簡単な指定方法は,
- to : 点線(dotted line)
- ta : 点線(daashed line)
ですが,さらに細かく
と任意の形状を指定することができます.
ここでstringはアンダースコア(下線,「_」)で区切られた整数値の列です.これらの数値は線の長さとギャップ(線の切れ目)の長さを表すものです.offsetは線の原点において上記で指定したパターンが何ユニット目から始まるか指定するものです.
- たとえば,「線の色が黄色,幅は2ユニット,形状が20ユニットの線+10ユニットのギャップ+5ユニットの線+10ユニットのギャップ,線の原点において10ユニット目からこのパターンが始まる」という場合を考えてみると,指定すべきオプションは-W2/255/255/0t20_10_5_10:10となります.なお,textureの指定においても,長さ指定としてデバイス依存dpiとポイントの両方を選べます.